「ダム建設の時代は終わった」by米国内務省開拓局長官ウィリアム・ピアーズ
  嶋津 暉之

2017(平成29)年度の各ダムの予算額がきまりました。

・直轄ダムと水資源機構ダムの2017年度予算は、国交省のホームページの予算案と同じです。
http://www.mlit.go.jp/river/basic_info/yosan/gaiyou/yosan/h29/h29damyosan.pdf 

・補助ダムの2017年度予算は、事業実施箇所(当初配分)の中に示されています。
http://www.mlit.go.jp/page/kanbo05_hy_001321.html 

例えば、石木ダムについては長崎県を開くと、最初に道路局の予算、次に国土保全・水管理局の予算が書かれていて、石木ダムの事業費が5.88億円となっています。

石木ダムの最近5年間の予算の推移は次のとおりです。
2013年度  8.40 億円  
2014年度 14.90億円
2015年度  9.20 億円  
2016年度  1.20億円
2017年度  5.88億円

各ダムの2009~2017年度の予算の推移を整理しました。
水源連のホームページをご覧ください。

・直轄ダム・水資源機構ダムの予算(2009~2017年度) 
http://suigenren.jp/wp-content/uploads/2017/04/8ab6d3ed75c040320ab16ab5b24c082c.pdf

・補助ダムの予算 (2009~2017年度) 
http://suigenren.jp/wp-content/uploads/2017/04/d6ca800bbd3646600595b09715b17f05.pdf

【2017/04/04 14:04】 | 政策
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        嶋津 暉之

3月22日に国土交通省・国土審議会水資源開発分科会が開催され、「リスク管理型の水の安定供給に向けた水資源開発基本計画のあり方について」答申(案)について議論が行われました。

その時の配布資料が国交省のHPに掲載されました。
http://www.mlit.go.jp/policy/shingikai/water02_sg_000070.html

パブリックコメントで提出された生の意見は今回は掲載されず、答申がまとまった段階で掲載されることになっています。

繰り返しの話になりますが、水需要が減少の一途をたどり、水余りが一層進行していく時代において水源開発基本計画(フルプラン)の役割は終わっているのですから、根拠法である水資源開発促進法とともに、各水系のフルプランを廃止すべきです。

今回の答申は、役割が終わったフルプランを延命させるための答申です。

当日の会議を傍聴しましたが、審議会の委員の大半はフルプランの基本的な問題を理解しておらず、無意味な議論が多いと思いました。

その中で、滝沢智氏(東大教授)の発言は看過することができませんでした。
2017-03-26_03h16_47.jpg
「東京大学大学院工学系研究科都市工学専攻 都市水システム研究室」より
http://www.urbanwater.t.u-tokyo.ac.jp/j/member.html

「リスク管理型」という名のもとに、想定外にも対応するために今後も水源開発を進めようというのが、この答申の基本的考え方ですが、といっても、際限なく進めることは現実性がないので、一定の考え方(それ自身も問題ですが)が答申案に記されています。

滝沢智氏はその考え方に対しても異論を唱え、想定外にも対応するために水需要予測値を大きくできるように、水源開発の供給可能量を小さく評価できるように記述を変えることを求めたのです。
あまりにもひどい話なので、その異論は採用されませんでしたが、水源開発事業のマイナス面を全く考えずにそのような発言をする滝沢氏に対して怒りを感じました。

滝沢氏は石木ダムの事業認定の際に、佐世保市の架空の水需要予測にお墨付きを与える意見書を出した人物です。
「ダム検証のあり方を問う科学者の会」が出した「石木ダム事業認定に関する回答への公開質問書」に対して滝沢氏は回答を拒否し続けています。
http://suigenren.jp/news/2014/06/03/5410/

【2017/03/26 07:22】 | 政策
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          嶋津 暉之

国土交通省の国土審議会水資源開発分科会が3月22日(水)に開催されます。
水需要が減少の一途をたどり、水余りが一層進行していく時代においてフルプランの役割は終わっているのですから、根拠法である水資源開発促進法とともに、各水系のフルプランを廃止すべきです

役割が終わったフルプランを延命させるための答申をまとめる会議であると思います。

傍聴の申し込みは、3月21日(火)17:00までです。

国土審議会水資源開発分科会の開催
~水資源開発基本計画のあり方について調査審議~

http://www.mlit.go.jp/report/press/water02_hh_000084.html
平成29年3月17日

我が国の水資源を巡って顕在化している課題を踏まえ、昨年12月に諮問した「リスク管理型の水の安定供給に向けた水資源開発基本計画※のあり方について」に対する答申(案)並びに利根川水系及び荒川水系における水資源開発基本計画の一部変更(案)について審議いただ く、「国土審議会水資源開発分科会」を3月22日に開催します。
※水資源開発基本計画:水資源の総合的な開発及び利用の合理化の基本となる計画であり全国で6計画(利根川及び荒川、豊川、木曽川、淀川、吉野川、筑後川)が定められています。

 我が国の水資源を巡っては、近年、大規模災害等に対する水インフラ(水道施設、農業水利施設、水力発電施設、工業用水道施設、河川管理施設、下水道施設、水資源開発施設等)の脆弱性、急速に進行する水インフラの老朽化による事故に伴う広域かつ長期の断水などのリスク、地球温暖化に伴う気候変動による渇水リスクなど、様々なリスクや課題が顕在化しているところです。
 また、昨年は、熊本地震によって水インフラに甚大な被害が生じるとともに、関東地方及び四国地方をはじめとする全国の広い範囲で取水制限を伴う渇水が発生しました。
 このことから、国土交通省では、国土審議会に対して「リスク管理型の水の安定供給に向けた水資源開発基本計画のあり方について」諮問を行い、1月24日、2月16日の「国土審議会水資源開発分科会調査企画部会」において、議論していただきました。その結果を踏まえた答申(案)について、水資源開発分科会を開催して審議していただきます。
 なお、利根川水系及び荒川水系における水資源開発基本計画の一部変更(案)についても審議していただきます。
1.日 時

平成29年3月22日(水)15:00~17:00
2.場 所

中央合同庁舎3号館(国土交通省) 10階 共用会議室A
3.委 員

別紙のとおり
4.議 題

1.「リスク管理型の水の安定供給に向けた水資源開発基本計画のあり方について」答申(案)
2.利根川水系及び荒川水系における水資源開発基本計画の一部変更(案)
3.その他
5.傍聴等について

・会議は公開にて行います。
・傍聴を希望される場合は、3月21日(火)17:00までに、件名を「水資源開発分科会傍聴希望」とし、氏名(ふりがな)、所属、連絡先(メールアドレス、電話番号)を明記の上、以下のメールアドレスもしくはFAX番号宛にお送り下さい。
 g_LAW_SSG_SKE@mlit.go.jp(FAX: 03-5253-1582)
・会議室の収容人数を超える場合は、申込み先着順といたします。なお、1社(団体)につき1名までとさせていただきます。
・カメラ撮りは、冒頭挨拶まで(議事開始前まで)といたします。
・資料及び議事録は、後日、国土交通省ホームページに掲載いたします。
・これまでの会議資料及び議事録は、下記URLよりご覧ください。
 http://www.mlit.go.jp/policy/shingikai/s102_mizushigen01.html
添付資料

報道発表資料(PDF形式)PDF形式

【別紙】委員名簿(PDF形式)PDF形式
お問い合わせ先

国土交通省水管理・国土保全局企画専門官 佐々木
TEL:03-5253-8111 (内線31203) 直通 03-5253-8387 FAX:03-5253-1582

国土交通省水管理・国土保全局専門調査官 荒川
TEL:03-5253-8111 (内線31224) 直通 03-5253-8387 FAX:03-5253-1582


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【2017/03/18 10:23】 | 政策
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東京新聞の水道事業が民営化される道をひらいた水道法改正についての記事で、嶋津暉之さんが解説しています。
八ッ場あしたの会のサイトに掲載されましたので、紹介します。

「民営化促進へ水道法改正 水質悪化 値上げ懸念も」
(東京新聞 2017年3月14日) |
https://is.gd/E0wZEB

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◆2017年3月14日 東京新聞特報部
ー民営化推進へ水道法改正案 水質悪化 値上げ懸念もー


 地方自治体の水道事業の民営化を進める水道法改正法案が、今国会に提出されている。人口減少や人手不足に直面する水道事業の強化を掲げているが、これは生活に直結する公共財をビジネスの論理に委ねることも意味する。消費者団体などは、水質の悪化や料金値上げを懸念している。(橋本誠)

 厚生労働省によると、改正法案は企業の参入を促す民営化と、複数の自治体の水道事業をまとめる広域化を柱とする内容。
 民営化の中でうたっているのが、浄水場などの施設の所有権は自治体に残しながら、運営権を企業に売却できる「コンセッション方式」の採用だ。これにより、自治体が定めた上限・下限の範囲内で、企業が水道料金を設定できる。
 厚労省水道課の担当者は「自治体から民間のノウハウを生かしたいと望む話があった。公務員削減で民間活用を進めたり、人口減で水道事業収益が減っているためでは」と語る。
 現行制度でも業務の委託はできるが、これまで民間にとっては災害で損壊した施設の修繕費や倒産による負担を負うリスクがあり、運営全体を委ねた自治体はなかった。このため、改正法案は災害時などの責任を自治体が負える形にし、企業の参入を促している。
 担当者は「においや色など水質の基準は、公営でも民営でも適用される。料金は最初に決める幅を超えることはあり得ない」とするが、疑問点は多い。

 NPO法人・日本消費者連盟の大野和興共同代表は「浄水には微生物や砂を使ってゆっくりきれいにする方法と、化学薬品など工業的手法で一気に浄化するものがある。微生物を使うほうがおいしい水になるが、効率が悪いので全国的に廃止が進み、工業的手法が多くなっている。改正法でそうした動きがシステム化され、水がおいしくなくなるのでは」と話す。

 一部の自治体の効率化を重視しすぎる傾向についても警戒する。「ぜいたく品ならまだしも、水は食料以上に大事なもの。現在の自治体の水道会計は原則、独立採算制だが、不足すれば一般会計から繰り入れ、施設改修も国の補助金などを得てやっている。現在の体制を維持し、資金不足があれば税金で補うべきだ」

 ダム問題に取り組む市民団体「水源開発問題全国連絡会」の嶋津暉之共同代表は「外国資本の圧力で、門戸を開こうとしたのではないか」と法改正の動きの背景を推測する。
「推進側は合理化で水道料金が下がる可能性があると言っているが、経営権を握る改正である以上、収入が少なければ値上げもできる。海外で水道事業を民営化したケースでは、水質の悪化や料金の高騰を招いており、パリやベルリンなど欧州の自治体では再公営化が進んでいる。米アトランタでは浄化処理のレベルを落としすぎ、蛇口から茶色の水が出た例もある」

 日本でも、浄水場の夜間運転や検針業務など部分的な外注化は広がっている。東京・多摩地方では武蔵野市、昭島市、羽村市、檜原村を除く二十六市町の水道事業が都に一元化され、都は施設管理などを関連企業に委託している。

 一方、大阪市議会では一昨年、市の出資企業が水道事業を運営する民営化条例案が提出されたが、否決された。昨年再提出され、継続審議になっている。
 嶋津代表は「水道は生活に直結する公共財だから、公営を維持するべきだ。各市に水道部門があって、管理されているのが本来の姿ではないのか」と訴えた。



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【2017/03/14 20:12】 | 政策
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          嶋津 暉之

水道民営化の道を開くと言われている水道法改正の閣議決定が3月7日に行われました。

法案の内容は厚生労働省の第193回国会(常会)提出法律案の中に掲載されています。(下から2番目)
http://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/soumu/houritu/193.html

「水道法の一部を改正する法律案(平成29年3月7日提出) 3月7日

 概要
 法律案要綱
 法律案案文・理由
 法律案新旧対照条文
 参照条文

生活衛生局生活衛生・食品安全部水道課(内線4008)」

民営化の関連では、概要に次のように書かれています。

4 官民連携の推進

地方公共団体が、水道事業者等としての位置付けを維持しつつ、厚生労働大臣等の許可を受けて、水道施設に関する公共施設等運営権※を民間事業者に設定できる仕組みを導入する。

 ※公共施設等運営権とは、PFIの一類型で、利用料金の徴収を行う公共施設について、施設の所有権を地方公共団体が所有したまま、施設の運営権を民間事業者に設定する方式。」


この法案については、昨年11月22日の「厚生科学審議会 (水道事業の維持・向上に関する専門委員会)」の報告書が出ています。
http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10601000-Daijinkanboukouseikagakuka-Kouseikagakuka/0000145345.pdf

その中で民営化に関する説明資料は下記のとおりです。
http://yambasaitama.web.fc2.com/pdf/2016/1122.pdf

これを見ると、官民連携は第三者委託など、いくつかの手法があり、公共施設等運営権方式以外はすでに実施例があります。
公共施設等運営権方式は水道法の改正が必要なので、今回、法改正をしようということです。
それによって、外国資本が入ってくるのでしょうか。
大いに心配されるところです。下記の記事をご覧ください。
一方で、外郭団体への委託などによる水道民営化はすでに徐々に進行しています。

例えば、東京都多摩地域では、昭島市・羽村市・武蔵野市を除く市町は水道部門がなくなりました。
(この3市以外の水道は東京都に一元化されています。)、

各市町の水道部門に代わって水道事務を行うのは東京都水道局の外郭団体が行っています。

・水道料金徴収業務等は㈱PUC (Public Utility Services Center )
(代表取締役 小山隆 元・東京都水道局次長)

・水道施設の管理、施工、水質調査分析等は東京水道サービス㈱
(代表取締役 増子敦 元・東京都水道局長)

いずれも東京都水道局幹部の天下り先になっています。

今回の水道法改正で道を開く公共施設等運営権方式だけでなく、東京都多摩地域のような方式で各市町の水道部門がなくなっていくことも問題にしていかなければなりません。

◆水道民営化中止求める 衆院委 田村議員が推進政府批判
(しんぶん赤旗2017年2月22日(水))
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik16/2017-02-22/2017022204_02_1.html

 日本共産党の田村貴昭議員は21日の衆院総務委員会で、政府が水道などの民営化を推進していると批判し、公共施設の運営権を民間事業者にゆだねる「コンセッション方式」の中止を求めました。

 田村氏は、上水道の職員数が2000年代から大きく減少した要因について質問。橋本泰宏厚労審議官は「徹底した人員削減」などを挙げ、田村氏は「人員削減は、『三位一体改革』や『集中改革プラン』など政府が音頭をとってきた結果だ」と批判しました。

 さらに田村氏は、事業体ごとの平均職員数でみると、給水人口5万人未満の事業体では技能職が「ゼロ」だと告発し、水道職員や技術吏員の確保を要求しました。馬場成志厚労政務官は「水道事業の基盤を揺るがしかねない重大な課題だ」「若手技術職員の確保が重要だ」と答えました。

 田村氏は、政府が「集中強化期間」を定めて水道の民間委託を奨励したものの実現していないと指摘。民営化条例を否決した奈良市の企業局が「官民連携のデメリット」として、「放漫経営」や「災害時のリスク」を挙げていると紹介しました。

 「コンセッション方式」における料金算定に関して質問した田村氏に対し、橋本審議官は、株主への配当や法人税なども料金に含まれると答弁しました。

 田村氏は、海外では民営化による料金高騰などで再公営化が相次いでいることも示し、「民間事業者が(配当などの利潤を)考えれば、ほとんど値上げになっていく」と指摘。国民の生命と生活に欠かせない水道事業は民営化にはなじまず、やめるべきだと主張しました。


【2017/03/10 14:55】 | 政策
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