「ダム建設の時代は終わった」by米国内務省開拓局長官ウィリアム・ピアーズ
            埼玉の会、会員T

午後から荒れ模様の天気になるという予報を気にしながらも、午前中に写真展の準備を終えて総会が始まりました。
2013年度活動報告と決算報告、監査報告を受けての一括審議となり拍手で承認後、2014年度の活動方針(案)、予算(案)も承認され、新たな年度も希望を持って活動して行くことを確認して総会を終了しました。

後半の講演会には悪天候にもかかわらず、45名の方が参加されました。
新潟に生まれ、早くから柏崎刈羽原発の反対運動に関わってこられ、経済史、公害史、エネルギー・環境問題を専門分野としてこられた菅井益郎さんの講演は、足尾鉱毒事件・水俣病・原発・八ッ場ダム問題の共通点を鮮やかに浮び上がらせました。

1.講演「田中正造に学ぶ 原発・八ッ場ダム問題」

               菅井益郎・国学院大学経済学部教授
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 田中正造は100年も前から「デンキ開けて、世見(ママ)暗夜となれり」と
言い、日本の文明が知のみで徳のないことを憂い、現在の日本の状況を預言していたように思える。技術の過信が公害をもたらし、これを認めない政府に立ち向かい、5回も投獄されながら、その度に思想を磨いてきた。
 正造の運動の戦略は、まず発生源を止めることを第一義とし、政治問題化することによって政治的に解決しようとした。そのために世論喚起活動に力を注ぎ、広範な支援活動を組織化した。正造の願いとは逆に、国は渡良瀬遊水池を作って鉱毒を薄める策などをとり、鉱毒問題を治水問題に摩り替えた。これは元の原発をやめないで除染に力を入れる今の国のやり方と同じである。
 正造は「公害とは公益を害すること」といい、人権を無視して「公益」はない、と考えたが、明治以降、政府は「公益」を「国益」とみなすようになった。
この人々の苦しみは足尾鉱毒事件の「永久示談」や、水俣病の「見舞金契約」の文に如実に感じられる。
 今、放射能公害で苦しむ人々のことを考えると、福島を足尾、水俣の二の舞にしないために、1戸に1億位の補償をして、住み続ける被災者も避難した被災者も健康に生きる権利を補償しないと再建の目途が立たないと思う。
人間の愚かさを感じるが、厳しい状況の中でも活動して行きたい。




2.八ッ場ダム問題の現状と今後        

               嶋津暉之さん
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これから始まろうとしているのは、仮排水トンネルの呑口直下の締め切り工事で、高さ29mの小ダムです。吾妻川の水を仮排水トンネルに流してダム本体工事を進めることになります。
本体工事が始まると、周辺の自然林は失われ、イヌワシなどの生息が困難になります。渓谷美も失われ、埼玉の下久保ダム直下の三波石峡のようになってしまいます。
工事期間もずれこみ、2020年代の中頃から後半になる可能性が充分にあり、工事費の増額も必至となります。
八ッ場ダムがもたらす損失は計り知れないが、あきらめずに活動していくことが大事です。

その後「渡良瀬遊水池をめぐる運動の経過」についても説明していただきました。


3.八ッ場ダム住民訴訟の埼玉裁判報告 

               野本夏生弁護士
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裁判の現状は厳しく、東京、千葉、茨城、栃木が敗訴、5月に群馬、4月22日に埼玉の証人尋問があります。
公金の使い方の問題で住民訴訟を起こしている所はない。
4月22日午後2時から東京高等裁判所717号法廷で行われる裁判を傍聴してください。


最後にビデオ「カヤックから見た吾妻渓谷」の映像を見た後、いくつかの質疑応答が行われました。

同時開催されたアニマル・サポート・メイトとのジョイント写真展も見ていただき、ダムによって貴重な自然が失われることは許されない、との想いを強くしました。
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田中正造の「あきらめない」精神に学び、これからも活動して行きましょう。 


【2014/03/31 20:52】 | 総会
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2013年3月10日、窓の外では春の嵐が吹き荒れる中、埼玉会館にて埼玉の会の総会が開かれました。

2013年総会

活動報告がなされ、裁判の状況の説明と嶋津暉之さんの解説で「八ッ場ダムをめぐる問題の現状」の解説がありました。
八ッ場ダム事業は、事業の遅れと建設費の増額、高盛り土の代替地の安全性、貴重な遺跡が失われること、など問題は山積しています。
税金の途方もない無駄遣いでこの問題が国民にとって重要であるのに、マスコミの露出が極端に少ないことにより、忘れられていることなどの打開策などが討議されました。
あしたの会の現地の様子を撮った動画を見たのち、活動方針が承認されました。

=2013年度活動方針=
2012年12月の衆議院議員選挙で自公政権が復活し、全国各地でダム計画が動き出しました。
八ッ場ダムに関しても、利根川・江戸川河川整備計画(原案)が発表され、本川のみの河川整備計画で本体工事にゴーサインがだされようとしています。
昨年は八ッ場ダム予定地の貴重な遺跡の事もニュースになりましたが数々の問題を抱える八ッ場ダム計画を自公政権と国交省は、今まさに強行しようとしています。
状況は厳しいものですが、「埼玉の会」は決して諦めず、「八ッ場ダムをストップさせる市民連絡会」や「八ッ場あしたの会」などと連携して、粘り強く出来る限りの活動をして行きます。

【2013/03/13 09:54】 | 総会
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小雨の中、埼玉の会の総会が開催されました。
昨年の総会の1ヵ月後に東日本大震災が起こり、日本中が震災・原発事故で震える中、激動の八ッ場ダム反対運動も秋以降集中して行われました。
埼玉の会も事務局長を先頭に様々な活動に取り組んだ1年でした。

◆第1部 総会
大高事務局長から2011年度の活動報告、決算報告を受け、2012年度の活動方針(案)、予算(案)の提案がありました。参加者から「埼玉の会のブログのアクセス数は?」との質問があり、充実しているブログを広めていく必要があると思いました。今年度も6項目の活動方針が提案され、拍手で採択されました。

◆第2部
◇野本弁護士から裁判の今後の予定や見通しなどのお話

◇ビデオ「長すぎる翻弄~ふるさとは壊され続けて~」を上映
 この番組は2月19日の夜中に放映されたもので、計画から60年も経った八ッ場ダム予定地に住む人々が如何に国に翻弄されてきたかを、時間をかけて丁寧に撮影されたものです。「公共事業という災害に見舞われた」という最後の言葉が心に突き刺さりました。

◇嶋津暉之さん講演
 「負の遺産・八ッ場ダム建設の流れを反転させるには」

現在の八ッ場ダム予定地の状況を写真を豊富に使ったパワーポイントで「八ッ場ダム七つの大罪」として、下記の説明がありました。

①水需要縮小の時代に無意味な水源開発

②利根川の喫緊の治水対策を妨げ、氾濫の危険性がある状態を放置

③堆砂の進行により50年で利水機能が半減

④ダム湖周辺の地滑りの不安

⑤ダムサイト基礎岩盤への不安

⑥自然への多大な影響

⑦地元住民の生活再建の暗雲

そして反対運動の流れを反転させるために、今後策定予定の利根川水系河川整備計画に注目し、「ダムによらない治水・利水のあり方」を徹底的に求めていくことが大事、と話されました。


◇河登一郎さんの解説と提言「運動の現況と課題」
昨年12月17日の訴訟7周年報告集会を初め、今年1月には衆議院議員会館で抗議集会、2月にも第2回目の抗議集会が開催され、全国から八ッ場ダムをはじめ、無駄な公共事業に対する怒りの声が挙がったことなどの経過が話され、今後の課題として次のような力強い提言がありました。

①今後策定予定の利根川水系河川整備計画に関し、
 有識者会議委員に反対派の学者や専門家を入れるよう働きかける

②パブコメや公聴会に積極的に参加する

③裁判を粛々と進める

④「ヤラセ」パブコメの分析と公表

⑤その他、可能なことはすべて実行する

◇参加者のフリートーク
文字通り自由活発なご意見を沢山いただきました。

明日からあらたな活動の1年が始まりますが、とにかくできることはすべて実行して行きましょう。悔いのないように、あきらめず、しなやかに活動して行きましょう。

                  (T)

【2012/03/18 01:29】 | 総会
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夜中からの雪が雨に変わるあいにくの空模様でしたが
約30名の参加で2011年の総会が行われました。
2010総会

昨年の報告のあと今年の活動方針が承認されました。

        *** 2011年の活動方針 ***
1.訴訟
昨年7/28に東京高等裁判所に控訴しました。
裁判の傍聴を呼びかけ、弁護団と連携し勝訴を目指します。

2.広報
情報の収集と発信に力を注ぎ、ニュースの発行や
埼玉の会ブログで情報を伝えていきます。

3.イベント活動
八ッ場ダム問題を深く理解するための学習会、
見学会、報告会を実施します。

4.国会県会議員への働きかけ
八ッ場ダム問題に取り組む議員を増やすため、
ロビー活動を積極的に行います。

5.署名活動
「八ッ場ダム事業の客観的・科学的で公正な検証と、
 ダム予定地再生のための法整備を求める請願」
の署名活動に取り組みます。

6.その他
県内のダム問題(滝沢ダム、ニ瀬ダム、玉淀ダム)
にも目を向け活動します。


嶋津暉之さんから八ッ場問題の現状報告がありました。
資料

◇ダム予定地の現状
今ダム予定地では付け替え国道の供用が開始されるなど
本体以外の工事が進んでいます。
9月と11月にはバイパスで落石がありました。
川原湯温泉の旅館数はどんどん減ってきています。

◇八ッ場ダム事業の検証
八ッ場ダムの検証検討主体はダム事業者であり
今まで推進しPRしてきた関東地方整備局。

「関東地方公共団体からなる検討の場」は
六都県知事と9市町区の首長でみな推進派。

市民の意見は実質的に反映されない。

・治水の検証
残事業費を基本とするとコストの最重視では
ダム案が生き残ることになる。

・利水の検証
利水予定者の過大な水需要予測がそのまま容認され
過大予測が前提ではダムが最適案になるだろう。

災害誘発の危険性の評価軸がない。

科学的な検証が実施されれば八ッ場ダムは不要
という結論になることは確実であるが
実質的に官僚の作った八ッ場ダム建設しか
選択肢がないような茶番が行われている。

◇八ッ場ダムと基本高水問題
馬淵大臣の時に利根川の基本高水見直し決まる。
この検証でダム行政覆す可能性。

◇八ッ場ダムの工期延長と事業費増額
1/14関東地方整備局の仮に事業再開されたらの試算で
工期が延長され、事業費が増額されると発表。
完成時期は2018年度末の予定。
中止が工期の遅れのように説明しているが実は
今までの工事の遅れが原因。
用地買収問題など、更なる工期延長の可能性。

八ッ場ダム事業を再開すれば、事業費の大幅増額の可能性。

◇代替地の地滑りの危険性

地滑りが懸念されている。

実際イタリアであったバイオントダムの事故を
映画化したものを観ました。
人間ドラマとしてもよく描かれていました。

プロジェクトV [DVD]プロジェクトV [DVD]
(2003/04/02)
ダニエル・オートゥイユ、ホルヘ・ぺルゴリア 他

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※事故の詳細 → Wikipediaバイオントダム

金儲けのために、地質学者の警告に耳を貸さず
都合のよいお墨付きを出す学者を重用し
危険性を指摘する新聞記者を告訴し
圧力をかけダムを強引に作ってしまった
自分勝手で無責任なダムの事業者たち。
ダム津波に村ごと飲み込まれるシーンでは
怖くて背筋が寒くなりました。

作るのも維持するのも莫大なお金がかかり
地滑りが懸念され治水にも利水にも意味のないダムを
なんとしても作ろうとやっきになっている国交省と
六都県の知事たちのことが
映画のダム事業者と重なって思えました。


★こちらもどうぞご覧下さい

 ・八ツ場あしたの会
 ・八ツ場ダムをストップさせる千葉の会
 ・ダム日記2



【2011/02/12 21:58】 | 総会
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「八ッ場ダムをストップさせる埼玉の会」の総会と
映画「プロジェクトV (バイオント )史上最悪のダム災害」の
無料上映会を行います。
どなたでも参加できます、是非おいでください。

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日 時 : 2011年2月12日(土) 13 :30 ~16 :30 (予定)

場 所 : 浦和コミュニティセンター第14集会室
    (浦和駅東口、パルコ10階)

内 容 :
◇2010 年活動報告と 年活動報告と2011 年活動計画

◇最近の八ッ場ダムをめぐる状況の解説

◇映画「プロジェクトV (バイオント )史上最悪のダム災害」 (無料 )
 14:20 ~ (上映時間 100 分)

1963 年に大規模な地滑りをおこし2125人の死者を出した
イタリア のバイオントダム の実話 を映画化 したものです。
八ッ場ダム周辺は地滑り多発帯で22ヶ所の危険箇所がありますが、
対策が 講じられるのはわずか3ヶ所だけです。
この映画は 決して 他人事ではありません 。

【2011/01/11 21:05】 | 総会
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