「ダム建設の時代は終わった」by米国内務省開拓局長官ウィリアム・ピアーズ
    嶋津 暉之

アマゾンのダム新設は、自然環境に大きな打撃を与えるだけではなく、局地的な天候にも変化を及ぼす可能性があると警鐘を鳴らす研究論文が発表されました。

◆アマゾンのダム新設で「大規模な」環境破壊の恐れ 研究
AFPBB News 2017年6月15日 13時5分)
http://news.livedoor.com/article/detail/13205765/

【AFP=時事】ブラジル・アマゾン盆地(Amazon Basin)で建設が提案されている水力発電ダムは、数にして既存のダムの3倍に当たる428基に及び、自然環境に大きな打撃を与える恐れがあるだけではなく、局地的な天候にも変化を及ぼす可能性があると警鐘を鳴らす研究論文が14日、発表された。

 国際的な研究チームは英科学誌ネイチャー(Nature)に発表した論文で、建設予定のダムが及ぼす影響をさまざまな基準に基づいて評価する「ダム環境脆弱(ぜいじゃく)性指数(DEVI)」を発表した。DEVIは、政策立案者らにどのダムの建設を見合わせるべきかについて判断材料としてもらう役目も担っている。

 論文の主執筆者で、米テキサス大学オースティン校(University of Texas at Austin)のエドガルド・ラトルベッセ(Edgardo Latrubesse)教授は「リスクを洗い出して、問題に対する見方を変える必要がある」と話す。「天然資源に対する人為的な大規模破壊が進み、環境の保全と持続可能な開発のための合理的な代替案を見つけることは急務だ」

 アマゾン川(Amazon River)に流れ込んでいる河川系は世界最大規模で、地球上で最も高密度の生物多様性を育んでいる。

 この巨大な支流をダムによって時には何十回もせき止めれば、下流の生態系を支える栄養分が遮断され、広大な森林地帯が水没し、水生・陸生両方の野生動物が脅かされることになる。

 ダムを1(無害)から100(非常に破壊的)までの間で採点する今回の最新指数は、既存のダムにも適用できる。

 例えば、アマゾン水系で最も多様な魚類個体群が生息するマデイラ川(Madeira River)に最近建設された2基の巨大ダムは、浸食、流出水汚染、堆積物の流出阻害などの潜在リスクのせいで評点が驚くほど高くなった。マデイラ川では、さらに上流にも25基のダム建設が計画されている。

■遠隔地の降雨や暴風雨のパターンにも影響

 米コロラド大学ボルダー校(University of Colorado at Boulder)の地表動力学専門家、ジェームズ・シビツキ(James Syvitski)氏は「ダムは、健全な社会と人の発展を支える工学技術の偉大な成果の実例である一方で、環境に大規模な悪影響を与える」と指摘する。

 例えば、ダム下流域の堆積物の減少は、特に人口密度の高いデルタ地帯にとっては見過ごされがちな問題の一つだ。

 絶えず蓄積される沈泥は、健全なマングローブの生育維持には欠かせない。汽水域で育つ沿岸森林のマングローブは、海からの高波を防ぐ上、生物数十種の水中の生育環境として機能する。

 だが堆積物の減少が原因で、6億人が居住する世界の主要デルタ地帯の沈下も進んでいる。この現象と(気候変動に起因する)海水面上昇、そして(地下帯水層の枯渇による)地盤沈下は3重の脅威となっている。

 また、これまでの研究によって、アマゾン盆地から流れる堆積物の変化が、米南部メキシコ湾(Gulf of Mexico)に至るまでの遠隔地の降雨や暴風雨のパターンに影響を与える可能性があることが分かっている。

「アマゾン盆地で計画されているダムがすべて建設された場合、ダムの蓄積作用により、大西洋(Atlantic Ocean)に流入する堆積物に変化が生じ、これによって局地的に天候が乱れる可能性がある」と、ラトルベッセ教授は指摘する。

 世界には、基礎地盤から堤の頂上までの高さが15メートル以上、または貯水容量が300万立方メートルのダムが5万8500基以上存在する。

 シビツキ氏はAFPの取材に、「私たち人間は地球の表面に彫刻を施すようにその形を変えている」と語った。「19世紀半ばから建設されてきた多数のダムは、地球の水の流れを完全に変えてしまった」
【翻訳編集】AFPBB News


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【2017/06/17 01:13】 | 未分類
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          嶋津 暉之

1971年完成の早明浦(さめうら)ダムで村役場を含め村の大部分が水没した高知県大川村は、人口の激減で、村議会を廃止して、「町村総会」設置の検討を開始しました。

大川村はピーク時の1960年には4114人の人口がありましたが、早明浦ダムの建設と白滝鉱山の閉鎖で、人口が急減し、現在は約400人になっています。

1960年ころには大川村中切地区に「早明浦ダム絶対反対」の大看板が掲げられ、村内 600ケ所に反対の立て看板が立ち、ダム反対運動が展開されましたが、その約10年後にダムが完成してしまいした。

早明浦ダムは総貯水容量3億1600万㎥の四国最大のダムです。

◆高知・大川>村議会を廃止、「町村総会」設置検討を開始
毎日新聞 (2017/5/1(月) 3:01配信)
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170501-00000001-mai-pol

【高知県大川村の写真特集】

◇人口400人 議会維持難しく、迫られた「直接民主主義」

離島を除けば全国で最も人口が少ない高知県大川村(約400人)が、地方自治法に基づき村議会を廃止し、約350人の有権者が直接、予算などの議案を審議する「町村総会」を設置する検討を始めた。四国山地にある村を訪ねると、過疎化と高齢化で議員の担い手が足りなくなる現実が浮かんだ。人口減少の最先端で迫られた「直接民主主義」の動きを追った。【和田浩幸】

◇有権者が「直接民主主義」を担うことは可能なのか

議会に代わり、有権者が「直接民主主義」を担うことは可能なのか--。そんな議論が浮上した高知県大川村は高知市から車で約2時間。標高1000メートル以上の山々の斜面に16の集落が点在している。1971年に「四国の水がめ」と言われる早明浦(さめうら)ダムの建設に伴い、中心集落が水没。翌年には160年あまりの歴史がある主要産業の白滝鉱山が閉山したため、人口が急減した。

村は2003年、合併特例法に基づく周辺2町との法定合併協議会設置の是非を問う住民投票を実施し、賛成が多数を占めた。しかし同時に住民投票を実施した土佐町で反対が上回り、合併構想は頓挫した。

現在の6人の村議の平均年齢は70.8歳。半数の3人は75歳以上の後期高齢者だ。毎日新聞が6人全員に2年後の選挙への対応を聞いたところ、複数の村議が体力の問題などから今期限りで引退したい意向を示した。村議らは人脈をたどって若手の起用を模索しているが、「今のところ新人が出る気配がない」(村議の一人)という。

有権者は約350人。選挙に立候補できない公務員らを除く25歳以上65歳未満は100人程度で、議員の担い手は限られる。村づくりに積極的な若者も多いものの、人口減のため青年団や消防団、祭りの実行委員などの掛け持ちが増えたことに加え、月額報酬約15万円で引退後の保障もない議員活動に手を挙げる人はほとんどいない。

村の青年団長で社会福祉協議会職員の筒井渉さん(25)は「村をなんとか盛り上げたいが、仕事や生活を考えると議員は難しい」と町村総会の設置に理解を示す。

実は村議会では13年と14年にも町村総会への移行が検討された。しかし村議からは「入院や介護施設に入所する高齢者が多く、総会に出席するための交通手段の確保が難しい」「有権者が一堂に会すること自体できない」などの疑問が出て立ち消えとなった。

通算8期の村議時代に全国町村議会議長会会長を務め、元村長でもある合田司郎さん(85)は「国は地方創生を掲げるが、大川村は全国の地方の縮図だ。若者が離れ、政治への無関心が広がる悪循環は何も変わっていない」と町村総会への移行に疑問を示す。

村関係者によると、村外で入院や入所している高齢者は50人前後に上るとみられる。村内を東西に貫く県道を走る路線バスは1日3往復しかなく、県道沿いの停留所まで徒歩で30分以上かかる世帯もある。70代の農業男性は「車を運転できるうちはいいが、できなくなったらどうにもならん」と語り、自らも村政を担う事態を不安視する。

村議会を通じた代議制から直接民主制への移行に向け、村民レベルの議論はこれからだ。13年、町村総会を検討する必要性を村で最初に提案した朝倉慧(あきら)議長は「村民が村の危機を共有できるよう、周知することが課題だ」と指摘。議会の見解を取りまとめるよう、近く議会運営委員会に諮問する考えだ。


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【2017/05/02 02:28】 | 未分類
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           嶋津 暉之

今年の関東地方の水事情の予想記事です。
この予想によれば、今年は積雪量が多く、6月、7月の降水量は平年並みであるから、昨年のようにはならないということです。
ただし、昨年の利根川の取水制限はダムの過剰放流によるものでした。
また、給水制限はなく、生活への影響はありませんでした。

◆関東 2017年は水不足大丈夫?
(livedoor NEWS 2017年4月26日 15時39分)
http://news.livedoor.com/article/detail/12987272/

昨年(2016年)は関東地方で取水制限が行われるなど水不足が心配されましたが、今年の状況はどうでしょうか?

各ダム貯水率(2016年6月14日と2017年4月25日の比較)

昨年と現在の貯水率

2016年は関東の冬季の雪不足や5月からの雨が少ないことが影響し、利根川水系(関東の水がめ)の貯水量が減り続け、取水制限も行われました。上の貯水率の表を見ると、昨年の日直予報士で取り上げた2016年6月14日の時点では矢木沢ダムで9%、利根川の8ダム合計でも37%と少ない状況でした。

今年(2017年)は、4月25日の0時の段階で、8ダム合計で76%、平均比で93%。いずれも若干下回っていますが、この先徐々に雪融けによる水がダムに流入する見込みです。

今年の積雪の状況は?
では、各地の積雪の状況はどうでしょうか?4月24日現在の積雪量を見てみると、青森県の酸ケ湯で237センチ(昨年は139センチ)、山形県の肘折で63センチ(昨年は0センチ)、福島県の桧枝岐で100センチ(昨年は0センチ)。過去にはこれよりも多く雪が残っていた年もありましたが、昨年と比べるとはるかに多くなっています。

国土交通省関東地方整備局のデータによると、群馬県の尾瀬沼地点で162センチ(4月25日9時現在)。関東の山も融雪水が期待できそうです。

さらに、最新の3か月予報では、関東の降水量は5月は平年並みか少ない予想ですが、6月は平年並み、7月は平年並みか多い見込みです。梅雨時は例年通り、雨の量が多くなることが予想され、昨年のような深刻な水不足には至らなそうです。


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【2017/04/28 01:27】 | 未分類
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※「八ッ場ダムをストップさせる埼玉の会」代表個人の意見を掲載します。

             河登 一郎

〇今年3月の初めに、水道法改正案が閣議決定されました。
・これをベースにして、浜松市(但し、下水道の運営権のみ)や大阪府(維新の会:賛成/自民党:継続審議/公明党:反対)で水道民営化の議論が起こっています。

〇但し、当会会員の多くは、国民の健康と安全にかかわる水道事業は、収益を目的とする「民営化」にはなじまず、公営で行くべきだ;欧米諸国でも民営化がうまく行かずに再公営化の動きがある、として民営化への動きを「憂慮すべき」と考えています。

〇しかし、私は必ずしもそう思いません。
・民営化すれば、民間事業者は「収益を上げるために」、水道設備の所有者であり事業の依頼主である行政や市民の目的に従って、民の強みであるコスト削減とサービスの改善に全力を挙げる、という面があります。
・反面、行政は権限と予算(最近は司法も)押えているので、どうしてもコスト高は放置されます。
・ですから、事業自体は民が行ない、官は(プレイヤーとしてではなく)民の仕事ぶりをきちんと監視する、という分業が正しいのではないでしょうか。

〇もっとも、民が公正な仕事をするためには、「公正な競争」が大前提ですから、水道事業のように一定期間運営権を任されると、その間は独占事業体になり、その上受託事業者が外国企業の場合には、短期的な収益を目的とすることもあり得ることではありますので監視が必要です。
・公共事業の民営化は、単に「麻生副総理」の思い付きではなく、長年の間、世界中の碩学者たちや実務家が緻密な研究を重ねてきた理論的背景があります。

〇現在の日本では、政権のバラマキと官の横暴で財政が危機的な状況にあります。
・私は、このような日本の財政危機を乗り越えるための数少ない方法が、「公営事業の民営化」だと思っています。
・私の住む町でも(皆さんの住宅地でも)最近、図書館や自転車駐輪場などの民営化が進んでいます。これを批判する人はいますが、私はやり方次第で非常に良いことだと思います。
・勿論、「民営化」はやり方で大きく変わりますので、「民営化」すれば良いことではありません。
・一例として、約10年前に行われた「道路公団民営化」上場案も、本来は高速道路を地域を分けて管理することで、儲からない(利用者が少ない)道路については赤字垂れ流しになるので廃止する、という力が働くはずでしたが、道路族と道路官僚の主張で東名道路のように儲かる道路と儲からない道路を一緒の財政で見ることになったので、利用者が極端に少ない高速道路が廃止されず、赤字が垂れ流されても道路は作る、という実態があります(構想日本:代表加藤秀樹)。
・このように、「民営化」についても、そのやり方を細かくチェックしないと、不正が温存される結果になりますので、行政と市民による厳しいチェックは欠かせません。



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【2017/04/01 18:01】 | 未分類
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             嶋津 暉之

国土交通省が2015年の水害統計を公表しました。

◇平成27年の水害被害額(確報値)を公表 
http://www.mlit.go.jp/report/press/mizukokudo03_hh_000918.html

◇平成27年水害統計調査 
http://www.e-stat.go.jp/SG1/estat/GL08020101.do?_toGL08020101_&tstatCode=000001098275&requestSender=search

鬼怒川の氾濫があった茨城県の被害額は約1,590億円でした。

◆2015年の水害被害額は3,900億円 - 都道府県別被害額1位は茨城県
(マイナビニュース2017/3/23)
http://news.mynavi.jp/news/2017/03/23/357/

国土交通省は3月22日、2015年の水害被害額(確報値)が全国で約3,898億円に上ったと発表した。被害額は暫定値(約3,850億円)から約50億円増加し、2006年~2015年の10年間で3番目の大きさとなった。
水害被害額の内訳は、一般資産等が約2,212億円、公共土木施設が約1,605億円、公共事業等は約81億円。なお、被害額には、人的損失、交通機関の停止などによる波及被害、被災企業の部品・製品供給機能、本社機能等の損失による他地域の企業への影響等に係るものは含まれていない。

都道府県別の水害被害額上位3県は、1位が茨城県の約1,590億円、2位が栃木県の約660億円、3位が宮城県の約330億円となった。

主な水害の被害状況をみると、2015年9月に発生した台風18号に伴う豪雨は、利根川水系鬼怒川で洪水を引き起こし、関東地方の国管理河川では1986年の利根川水系小貝川以来、29年ぶりに堤防が決壊。茨城県常総市では、鬼怒川から東側のエリアは市役所を含め、ほぼ全域が浸水するとともに、電力や上下水道、鉄道等のライフラインが停止し、8,991棟の浸水被害が発生した。

被災建物棟数は2万6,671棟で、内訳は床下浸水が1万5,136棟、床上浸水が4,672棟、半壊が6,756棟、全壊・流失が107棟。浸水区域面積は2万7,486ヘクタールで、内訳は農地が1万9,809ヘクタール、宅地・その他が7,677ヘクタールとなった。


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【2017/03/27 16:10】 | 未分類
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