「ダム建設の時代は終わった」by米国内務省開拓局長官ウィリアム・ピアーズ
          嶋津 暉之

昨日、江戸川区スーパー堤防裁判(第三次)の判決が東京地裁でありました。
残念ながら、住民側の敗訴でした。

1/27(金)都政新報
2017-01-30_00h40_47.jpg

毎日新聞、東京新聞(共同通信)、時事通信、朝日の記事と弁護団・原告団の声明文です。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
                   2017(平成29)年1月25日
江戸川区スーパー堤防事業差止め等請求訴訟第一審判決に対する原告団弁護団声明

             江戸川区スーパー堤防事業取消訴訟原告団

本日、東京地方裁判所民事28部(裁判長岸田日出夫)は、江戸川区スーパー堤防事業差止め等請求訴訟に対し,請求棄却(一部却下)の不当判決を言い渡した。`
本件訴訟は、江戸川区北小岩地域に居住する地権者等4名が原告となり、国及び江戸川区を被告として、平成26年11月12日、国に対してはスーパー堤防事業に係る盛土エ事の差止めを、国及び江戸川区に対しては、違法なスーパー堤防事業により原告らに生じた精神的苦痛への賠償として慰謝料の支払いを求めた裁判である。
本件訴訟において、原告らは主に、
①国には盛土工事の権原がなく、土地区画整理法に違反していること
②盛土工事のために原告らは2度の移転を強いられ、居住の自由及び人格権を侵害されていること
③スーパー堤防が必要性及び公共性を著しく欠いたものであることを主張し、その工事の差止め及び慰謝料の請求を求めたものである。

本日下された判決は、盛土工事の差止請求について,本件盛土工事が既に完了していることを理由に
訴えの利益がないとしてこれを却下し、また、国及び江戸川区に対する慰謝料請求について,本件盛土工事は,国が江戸川区の有する土地区画整理法100条の2の管理権に基づいて付与された工事権限に基づいてて施行されたものであるから適法であるなどとして,原告らの請求を棄却した。
しかしながら、本判決は以下の通り重大な問題をはらんでいる。

第1に,法文上の「管理」という文言に「工事」を含むことはできないという通常の解釈に反する論理を展開しているところ、その理由として挙げる内容は、スーパー堤防仮換地指定処分取消訴訟(上告中)の判決をそのまま引用しているだけであり、原告らの主張に対して何ら真摯に答えていない。

第2に、この判決は、住民が様々な生活上の不便を感じていることを認めながらも、住民が感じている肉体的・精神的負担は、先行買収に応じることで回避できるとし、地域コミユニテイの崩壊は「戻ってこない」という住民の選択の結果として生じる事態であるから、受忍限度の範囲内であるとしてる。

これはいずれも本件事業によつて深刻な肉体的・精神的損害が避けがたく住民に生じていることについて一顧だにせず、しかも,そのような被害の発生を住民の選択の結果であるとするもので到底許されるものではない。

第3に、スーパー堤防の必要性について,本件地区について超過洪水が発生する可能性は皆無に等しいにもかかわらず、それを無視して「自然現象」であるという抽象的な理由で超過洪水の可能性を認めてしまつている。しかも、スーパー堤防が一部でも整備されれば、その地域を避難場所として活用できる旨も触れているが、一方で超過洪水が生じる可能性を認めながら、他方で、その場所が「避難場所」となるなどという矛盾した論理を平然と述べている。また、高規格堤防事業は,国が従うべき「治水マニュアル」に沿って費用便益を分析すれば、事業廃止の結果になることが明らかであるがために、本件判決は高規格堤防事業の費用分析は「治水マニユアル」に従う必要はないなどという驚くべき理由を挙げて、スーパー堤防の必要性を肯定している。

原告団・弁護団として、このような不当判決は到底是認することはできない。
原告団、弁護団は本判決に強く抗議するとともに、速やかに控訴する予定である。

               以上

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

◆スーパー堤防訴訟 住民敗訴 地裁、賠償認めず /東京
(毎日新聞2017年1月26日 地方版)
http://mainichi.jp/articles/20170126/ddl/k13/040/144000c

 川沿いに盛り土をして水害を防ぐ「スーパー堤防」事業に反対する江戸川区の住民ら4人が、国と区に計400万円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、東京地裁は25日、請求を棄却した。

 住民側は、効果が乏しく必要性のない事業で住み慣れた土地から移転させられたのは不当と主張したが、岸日出夫裁判長は「現場では川の水があふれる恐れを否定できず、事業には必要性、公益性がある。住民の受忍限度を超えたとも言えない」と退けた。

 住民側は盛り土工事の差し止めも求めたが、判決は「工事は昨年3月に完了し、訴えの利益が失われた」と却下した。

 判決によると、国は川から水があふれても堤防が壊れないよう、川の堤防の外側に盛り土をして住宅や道路用地として活用するスーパー堤防事業を計画。

民主党政権時代の2010年に事業仕分けで「廃止」と判定されたが、自民党が政権復帰した後の13年5月、江戸川沿いの120メートルの区間について事業を再開した。

◆スーパー堤防、反対住民敗訴 東京・江戸川
(東京新聞2017年1月25日 11時38分)
http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2017012501001052.html

 河川沿いに盛り土をして水害を防ぐ「スーパー堤防」事業に反対する東京都江戸川区の住民4人が、国と区に計400万円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、東京地裁(岸日出夫裁判長)は25日、請求を棄却した。

 住民側は、効果が乏しく必要性のない事業で住み慣れた土地から移転させられたのは不当として賠償を請求。工事の差し止めも求めていたが、盛り土工事は昨年3月、既に完了しており、この部分の訴えは却下された。

 訴状によると、国は川から水があふれても堤防が壊れないよう、川の堤防の外側に盛り土をして住宅や道路用地として活用するスーパー堤防事業を計画した。
(共同)


◆スーパー堤防事業、賠償認めず=転居住民が請求―東京地裁
(時事通信 1/25(水) 11:13)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170125-00000054-jij-soci

 国が整備を進める「スーパー堤防」事業で転居や仮住まいを強いられたとして、東京都江戸川区の住民4人が、国と区に1人100万円の損害賠償などを求めた訴訟の判決で、東京地裁(岸日出夫裁判長)は25日、訴えを退けた。

 問題となった事業では、国が江戸川右岸の一部1.8ヘクタールを盛り土でかさ上げ。その後、区が区画整理を行い、立ち退いた住民を元に戻す計画になっている。

 岸裁判長は「通常の区画整理でも生じる影響で、限度を超える権利侵害とは言えない」と指摘。盛り土は一定の安全性が確保されており、事業には必要性があると述べた。

 住民側は「一部でしか整備が進んでいないスーパー堤防で洪水は防げない。盛り土の崩落など不安を抱え続ける生活を余儀なくされる」と主張。事業の差し止めも求めたが、却下された。

 スーパー堤防は、旧民主党政権時代の事業仕分けでいったん「廃止」判定を受けたが、規模を縮小して整備が続けられることになった。


◆スーパー堤防の差し止め、住民敗訴

(朝日新聞東京版2017年1月26日)
http://digital.asahi.com/articles/CMTW1701261300001.html

 江戸川区北小岩1丁目の住民4人が国と区を相手取り、高規格堤防(スーパー堤防)の建設事業の差し止めと損害賠償を求めた行政訴訟の判決が25日、東京地裁であった。岸日出夫裁判長は損害賠償請求を棄却し、事業差し止めについては盛り土工事が昨年3月に終了していることから却下した。原告弁護団は控訴する方針。

 スーパー堤防は、高さの約30倍の幅にわたって盛り土をし、洪水で水が乗り越えても壊れないように強化した堤防。北小岩では江戸川沿いの延長約120メートルが事業対象で、現在は盛り土された更地になり、区が区画整理事業を進めている。

 住民側は「国には住民が所有権を持つ土地に盛り土をする法的権限がない」「事業によって移転や長期間の仮住まいを強いるのは重大な権利侵害」などと訴えていた。判決は「事業には必要性及び公益性が存在する」「移転など住民への影響は区画整理事業計画にそもそも織り込まれており、受忍限度を超える侵害が発生したとは言えない」などとして訴えを退けた。

 原告団長の会社員高橋新一さん(58)は記者会見で「細切れに造られ、完成に何百年かかるか分からないスーパー堤防は税金の無駄遣い。水害対策なら北小岩地区よりも優先すべき箇所がある」と憤った。高橋さんと母の喜子さん(87)は事業開始ぎりぎりまで予定地のほぼ中央部に住んでいたが、周囲はほぼ更地となり、2014年に嫌々ながら立ち退きに応じた。移転を余儀なくされた住民の中にはストレスから精神的・肉体的に健康を害する人も出たという。

 国土交通省関東地方整備局は「国の主張が認められた。今後とも事業を適切に行っていく」とコメント。江戸川区の柿沢佳昭・区画整理課長は「今後も安全・安心のまちづくりを丁寧かつ力強く推進していく」という。区内では江戸川下流の篠崎公園地区でも、スーパー堤防事業に合わせた土地区画整理事業が計画されており、地元への説明が行われている。
 (有吉由香)
2017-01-26_22h30_12.jpg



追記を閉じる▲
①国には盛土工事の権原がなく、土地区画整理法に違反していること
②盛土工事のために原告らは2度の移転を強いられ、居住の自由及び人格権を侵害されていること
③スーパー堤防が必要性及び公共性を著しく欠いたものであることを主張し、その工事の差止め及び慰謝料の請求を求めたものである。

本日下された判決は、盛土工事の差止請求について,本件盛土工事が既に完了していることを理由に
訴えの利益がないとしてこれを却下し、また、国及び江戸川区に対する慰謝料請求について,本件盛土工事は,国が江戸川区の有する土地区画整理法100条の2の管理権に基づいて付与された工事権限に基づいてて施行されたものであるから適法であるなどとして,原告らの請求を棄却した。
しかしながら、本判決は以下の通り重大な問題をはらんでいる。

第1に,法文上の「管理」という文言に「工事」を含むことはできないという通常の解釈に反する論理を展開しているところ、その理由として挙げる内容は、スーパー堤防仮換地指定処分取消訴訟(上告中)の判決をそのまま引用しているだけであり、原告らの主張に対して何ら真摯に答えていない。

第2に、この判決は、住民が様々な生活上の不便を感じていることを認めながらも、住民が感じている肉体的・精神的負担は、先行買収に応じることで回避できるとし、地域コミユニテイの崩壊は「戻ってこない」という住民の選択の結果として生じる事態であるから、受忍限度の範囲内であるとしてる。

これはいずれも本件事業によつて深刻な肉体的・精神的損害が避けがたく住民に生じていることについて一顧だにせず、しかも,そのような被害の発生を住民の選択の結果であるとするもので到底許されるものではない。

第3に、スーパー堤防の必要性について,本件地区について超過洪水が発生する可能性は皆無に等しいにもかかわらず、それを無視して「自然現象」であるという抽象的な理由で超過洪水の可能性を認めてしまつている。しかも、スーパー堤防が一部でも整備されれば、その地域を避難場所として活用できる旨も触れているが、一方で超過洪水が生じる可能性を認めながら、他方で、その場所が「避難場所」となるなどという矛盾した論理を平然と述べている。また、高規格堤防事業は,国が従うべき「治水マニュアル」に沿って費用便益を分析すれば、事業廃止の結果になることが明らかであるがために、本件判決は高規格堤防事業の費用分析は「治水マニユアル」に従う必要はないなどという驚くべき理由を挙げて、スーパー堤防の必要性を肯定している。

原告団・弁護団として、このような不当判決は到底是認することはできない。
原告団、弁護団は本判決に強く抗議するとともに、速やかに控訴する予定である。

               以上

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

◆スーパー堤防訴訟 住民敗訴 地裁、賠償認めず /東京
(毎日新聞2017年1月26日 地方版)
http://mainichi.jp/articles/20170126/ddl/k13/040/144000c

 川沿いに盛り土をして水害を防ぐ「スーパー堤防」事業に反対する江戸川区の住民ら4人が、国と区に計400万円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、東京地裁は25日、請求を棄却した。

 住民側は、効果が乏しく必要性のない事業で住み慣れた土地から移転させられたのは不当と主張したが、岸日出夫裁判長は「現場では川の水があふれる恐れを否定できず、事業には必要性、公益性がある。住民の受忍限度を超えたとも言えない」と退けた。

 住民側は盛り土工事の差し止めも求めたが、判決は「工事は昨年3月に完了し、訴えの利益が失われた」と却下した。

 判決によると、国は川から水があふれても堤防が壊れないよう、川の堤防の外側に盛り土をして住宅や道路用地として活用するスーパー堤防事業を計画。

民主党政権時代の2010年に事業仕分けで「廃止」と判定されたが、自民党が政権復帰した後の13年5月、江戸川沿いの120メートルの区間について事業を再開した。

◆スーパー堤防、反対住民敗訴 東京・江戸川
(東京新聞2017年1月25日 11時38分)
http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2017012501001052.html

 河川沿いに盛り土をして水害を防ぐ「スーパー堤防」事業に反対する東京都江戸川区の住民4人が、国と区に計400万円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、東京地裁(岸日出夫裁判長)は25日、請求を棄却した。

 住民側は、効果が乏しく必要性のない事業で住み慣れた土地から移転させられたのは不当として賠償を請求。工事の差し止めも求めていたが、盛り土工事は昨年3月、既に完了しており、この部分の訴えは却下された。

 訴状によると、国は川から水があふれても堤防が壊れないよう、川の堤防の外側に盛り土をして住宅や道路用地として活用するスーパー堤防事業を計画した。
(共同)


◆スーパー堤防事業、賠償認めず=転居住民が請求―東京地裁
(時事通信 1/25(水) 11:13)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170125-00000054-jij-soci

 国が整備を進める「スーパー堤防」事業で転居や仮住まいを強いられたとして、東京都江戸川区の住民4人が、国と区に1人100万円の損害賠償などを求めた訴訟の判決で、東京地裁(岸日出夫裁判長)は25日、訴えを退けた。

 問題となった事業では、国が江戸川右岸の一部1.8ヘクタールを盛り土でかさ上げ。その後、区が区画整理を行い、立ち退いた住民を元に戻す計画になっている。

 岸裁判長は「通常の区画整理でも生じる影響で、限度を超える権利侵害とは言えない」と指摘。盛り土は一定の安全性が確保されており、事業には必要性があると述べた。

 住民側は「一部でしか整備が進んでいないスーパー堤防で洪水は防げない。盛り土の崩落など不安を抱え続ける生活を余儀なくされる」と主張。事業の差し止めも求めたが、却下された。

 スーパー堤防は、旧民主党政権時代の事業仕分けでいったん「廃止」判定を受けたが、規模を縮小して整備が続けられることになった。


◆スーパー堤防の差し止め、住民敗訴

(朝日新聞東京版2017年1月26日)
http://digital.asahi.com/articles/CMTW1701261300001.html

 江戸川区北小岩1丁目の住民4人が国と区を相手取り、高規格堤防(スーパー堤防)の建設事業の差し止めと損害賠償を求めた行政訴訟の判決が25日、東京地裁であった。岸日出夫裁判長は損害賠償請求を棄却し、事業差し止めについては盛り土工事が昨年3月に終了していることから却下した。原告弁護団は控訴する方針。

 スーパー堤防は、高さの約30倍の幅にわたって盛り土をし、洪水で水が乗り越えても壊れないように強化した堤防。北小岩では江戸川沿いの延長約120メートルが事業対象で、現在は盛り土された更地になり、区が区画整理事業を進めている。

 住民側は「国には住民が所有権を持つ土地に盛り土をする法的権限がない」「事業によって移転や長期間の仮住まいを強いるのは重大な権利侵害」などと訴えていた。判決は「事業には必要性及び公益性が存在する」「移転など住民への影響は区画整理事業計画にそもそも織り込まれており、受忍限度を超える侵害が発生したとは言えない」などとして訴えを退けた。

 原告団長の会社員高橋新一さん(58)は記者会見で「細切れに造られ、完成に何百年かかるか分からないスーパー堤防は税金の無駄遣い。水害対策なら北小岩地区よりも優先すべき箇所がある」と憤った。高橋さんと母の喜子さん(87)は事業開始ぎりぎりまで予定地のほぼ中央部に住んでいたが、周囲はほぼ更地となり、2014年に嫌々ながら立ち退きに応じた。移転を余儀なくされた住民の中にはストレスから精神的・肉体的に健康を害する人も出たという。

 国土交通省関東地方整備局は「国の主張が認められた。今後とも事業を適切に行っていく」とコメント。江戸川区の柿沢佳昭・区画整理課長は「今後も安全・安心のまちづくりを丁寧かつ力強く推進していく」という。区内では江戸川下流の篠崎公園地区でも、スーパー堤防事業に合わせた土地区画整理事業が計画されており、地元への説明が行われている。
 (有吉由香)
2017-01-26_22h30_12.jpg


【2017/01/26 22:40】 | スーパー堤防
トラックバック(0) |
コメント
この記事へのコメント
コメントを投稿
URL:

Pass:
秘密: 管理者にだけ表示を許可
 
トラックバック
この記事のトラックバックURL
この記事へのトラックバック