「ダム建設の時代は終わった」by米国内務省開拓局長官ウィリアム・ピアーズ
          嶋津 暉之

宮ケ瀬ダムによって相模川中流の河床で土丹層が露出してきている問題を取り上げた記事です。
土丹層は砂質粘土が堆積し長年にわたって固く凝固 した土で、脆弱であるため、水流でえぐられて河床が低下していくとされています。

この土丹層(軟岩)で思い出すのは、今から約10年前に、川辺川ダム問題に直結する球磨川水系河川整備基本方針に関する国土交通省の社会資本整備審議会河川分科会小委員会での議論でした。

球磨川の基本高水流量(人吉地点)を7000㎥/秒〔1/80洪水)、計画高水流量(河道対応流量)を4000㎥/秒と定めようとしていました。基本高水流量7000㎥/秒は過大な設定、計画高水流量4000㎥/秒は過小の設定であり、そのことによって川辺川ダムの必要性を打ち出そうとしていました。

計画高水流量は河床の掘削でもっと大きな値にできるのですが、委員会で福岡捷二中央大学教授(当時)が河床の掘削は軟岩を露出させるから、困難だと主張しました。

しかし、河床掘削でたとえ軟岩が露出してもその上を再び砂礫で覆えばよいのであって、むしろ、川辺川ダムを造れば、土砂の供給量が大幅に減り、軟岩を露出させることになります。

何しろ、川辺川ダムの年間堆砂見込み量は27万㎥(東京ドームの1/5強)にもなるので、ダムができた場合は下流部の河床への影響は深刻です。
私たち市民側はそのことを指摘する意見書を提出したのですが、受け入れられませんでした。

現在、河川整備計画の策定(既往最大洪水を対象)で川辺川ダムの代替案づくりが困難になっているのは、河川整備基本方針で河道対応流量が4000㎥/秒に据え置かれていることにあります。

実際には河床の掘削で河道対応流量を5000㎥/秒程度まで高めることができます。そうすれば、河川整備計画の目標流量である5千数百㎥/秒に対応することが十分に可能となります。

◆相模川・土丹層の露出減少 水制工は18年度に延期 厚木
(カナロコ by 神奈川新聞 2016年10月20日(木)12時5分配信)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20161020-00012781-kana-l14

相模川の三川合流点付近の厚木市側右岸で粘土質の土丹層が繰り返し露出する問題で、台風の大雨などによる出水期が今月半ばに終わり、昨シーズンに比べて露出箇所が少なくなっている。

三川合流点付近では、水流により礫(れき)河原の土砂がさらわれて下の土丹層が露出する現象が近年顕在化している。名産のアユの成育環境への悪影響や景観悪化、河川利用者の安全対策が必要になるなど、問題視されている。
神奈川県厚木土木事務所によると、露出が見られるのは長さ約340メートル、幅約40メートルの範囲。2012年度から土砂を搬入する復旧工事を続けてきた。

16年度は8~9月に3度の台風に見舞われて浸水したが、現時点で礫河原に土丹層が現れているのは岸辺部分に限られる。昨年は9月中旬で大半の被膜土砂が流出し、大きな露出が見られた。

同事務所相模川環境課は「昨シーズンに比べて水位上昇が少なかったためか、被覆した石を大きくした効果が出たのかはまだ分からない」と分析。冬の渇水期にはさらに川床まで被覆域を広げる工事を予定している。

土丹層の露出現象は宮ケ瀬ダム建設など複合的な要因とされ、被覆はあくまで“対症療法”。流れの向きを制御して露出を抑える新たな試みとして16年度は水制工と呼ばれる構造物の設置を検討している。17年度も引き続き詳細設計を実施し、18年度の着工を目指すという。

同課は「当初、水制工は17年度の設置を予定していた。巨石などを利用する大きな構造物になるため、効果を見極めるのに時間を要している」などと説明している。


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神奈川県厚木土木事務所によると、露出が見られるのは長さ約340メートル、幅約40メートルの範囲。2012年度から土砂を搬入する復旧工事を続けてきた。

16年度は8~9月に3度の台風に見舞われて浸水したが、現時点で礫河原に土丹層が現れているのは岸辺部分に限られる。昨年は9月中旬で大半の被膜土砂が流出し、大きな露出が見られた。

同事務所相模川環境課は「昨シーズンに比べて水位上昇が少なかったためか、被覆した石を大きくした効果が出たのかはまだ分からない」と分析。冬の渇水期にはさらに川床まで被覆域を広げる工事を予定している。

土丹層の露出現象は宮ケ瀬ダム建設など複合的な要因とされ、被覆はあくまで“対症療法”。流れの向きを制御して露出を抑える新たな試みとして16年度は水制工と呼ばれる構造物の設置を検討している。17年度も引き続き詳細設計を実施し、18年度の着工を目指すという。

同課は「当初、水制工は17年度の設置を予定していた。巨石などを利用する大きな構造物になるため、効果を見極めるのに時間を要している」などと説明している。

【2016/10/26 00:55】 | 各地のダム情報
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