「ダム建設の時代は終わった」by米国内務省開拓局長官ウィリアム・ピアーズ
                 嶋津 暉之

昨年9月、常総市の若宮戸地区では太陽光発電業者がいわゆる自然堤防を掘削したことによって鬼怒川の洪水が大きく氾濫し、多大な被害をもたらしました。
その太陽光発電業者が被災者の抗議を無視して、パネルの再設置工事を進めています。

◆越水招いた太陽光発電施設 パネル復活 営農できぬ 心情逆なで 水害半年、茨城県常総市
(日本農業新聞2016/3/10)
http://www.agrinews.co.jp/modules/pico/index.php?content_id=36564

鬼怒川が決壊し、甚大な被害が出た関東・東北豪雨から10日で半年。

自然堤防を掘削して発電用の太陽光パネルが設置された茨城県常総市の若宮戸地区では、掘削が越水の原因になったとして住民らが抗議を続ける中、業者がパネルの再設置を進めている。

堤防がまだ建設されていないにもかかわらず、「被災者の心情を逆なでする」として、現場は行き場のない憤りを募らせている。

・行政の権限外 怒り 行き場なく・・・

 水害を機に、同地区の小林恵一さん(62)は40年以上続けた農業をやめた。越水で自宅は全壊。新調したばかりの田植え機とコンバイン、軽トラック、トラクターなど全てが水に漬かった。
 助成金を考慮しても、ゼロから農機をそろえると3000万円の借金をしなければ営農を再開できないことが分かった。先祖代々の農家で耕作放棄は考えたこともなかったが、苦渋の決断だった。

 昨年は2.7ヘクタールで米を作付けしたが、今年は田植え準備もしない。例年のように忙しくない春が、寂しくてならない。越水の後も、新たに設置されていくパネルを見ると悔しさが込み上げる。「農業を続けたかった。行政はなぜ、何も対応してくれないのか」

 国土交通省によると、同地区では2014年3月から太陽光発電の事業者が、高さ3メートル、幅約200メートルに及ぶ、自然堤防の役割を果たしていた土手を掘削。同省の専門家による調査では、15年9月の水害で業者が掘削した箇所から鬼怒川の水があふれ出し、同地区に押し寄せたことが判明した。

 住民らは当初から同省や市、県に工事をやめるよう抗議していたが、覆ることなくパネルは設置された。設置場所は河川法の区域外の私有地に当たり、同省には掘削を制限する権限がないためだ。

 同省は水害を受け、新たな堤防を建設する方針を示しているが、半年たっても着工していない。一方でパネルの再設置は本格化しており、業者から住民への説明や謝罪はない状況だ。

 そうした対応に憤る住民らは「常総市水害・被害者の会」を結成。メンバー170人が、太陽光発電の業者にパネル再設置をやめさせるよう、市に申し入れをしてきたが、工事は日々、進んでいるという。

 共同代表の逆井正夫さん(67)は「農地も家も元通りになっていない、堤防も建設が始まっていない中で、パネルだけが再設置される。被災者の感情を無視している」と憤る。水害の再発を恐れ、地区から引っ越した住民も出てきた。

 借金を背負って営農を再開し、3ヘクタールで米を作る小林喜美子さん(70)は「住民は誰もがこの水害は人災だと思っている。このまま泣き寝入りするしかないのかなと思うと悲しい」と明かす。

 今回のケースは法律に違反している事例ではないだけに、行政が業者を指導するのは難しいのが実態だ。同省下館河川事務所では「業者に対し、工事差し止めを求める権限はない。ただ、早急に堤防を整備する」と説明。市も「市議会で議論する。被災者の声に寄り添いたいが、私有地での経済活動を止めることはできない」と対応に苦慮している。(尾原浩子)


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 助成金を考慮しても、ゼロから農機をそろえると3000万円の借金をしなければ営農を再開できないことが分かった。先祖代々の農家で耕作放棄は考えたこともなかったが、苦渋の決断だった。

 昨年は2.7ヘクタールで米を作付けしたが、今年は田植え準備もしない。例年のように忙しくない春が、寂しくてならない。越水の後も、新たに設置されていくパネルを見ると悔しさが込み上げる。「農業を続けたかった。行政はなぜ、何も対応してくれないのか」

 国土交通省によると、同地区では2014年3月から太陽光発電の事業者が、高さ3メートル、幅約200メートルに及ぶ、自然堤防の役割を果たしていた土手を掘削。同省の専門家による調査では、15年9月の水害で業者が掘削した箇所から鬼怒川の水があふれ出し、同地区に押し寄せたことが判明した。

 住民らは当初から同省や市、県に工事をやめるよう抗議していたが、覆ることなくパネルは設置された。設置場所は河川法の区域外の私有地に当たり、同省には掘削を制限する権限がないためだ。

 同省は水害を受け、新たな堤防を建設する方針を示しているが、半年たっても着工していない。一方でパネルの再設置は本格化しており、業者から住民への説明や謝罪はない状況だ。

 そうした対応に憤る住民らは「常総市水害・被害者の会」を結成。メンバー170人が、太陽光発電の業者にパネル再設置をやめさせるよう、市に申し入れをしてきたが、工事は日々、進んでいるという。

 共同代表の逆井正夫さん(67)は「農地も家も元通りになっていない、堤防も建設が始まっていない中で、パネルだけが再設置される。被災者の感情を無視している」と憤る。水害の再発を恐れ、地区から引っ越した住民も出てきた。

 借金を背負って営農を再開し、3ヘクタールで米を作る小林喜美子さん(70)は「住民は誰もがこの水害は人災だと思っている。このまま泣き寝入りするしかないのかなと思うと悲しい」と明かす。

 今回のケースは法律に違反している事例ではないだけに、行政が業者を指導するのは難しいのが実態だ。同省下館河川事務所では「業者に対し、工事差し止めを求める権限はない。ただ、早急に堤防を整備する」と説明。市も「市議会で議論する。被災者の声に寄り添いたいが、私有地での経済活動を止めることはできない」と対応に苦慮している。(尾原浩子)

【2016/03/12 02:59】 | 鬼怒川水害
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