「ダム建設の時代は終わった」by米国内務省開拓局長官ウィリアム・ピアーズ
        嶋津 暉之

朝日新聞の伊藤智章記者が書いた東海の小水力発電についての記事です。

◆(でら日本一 東海)水の恵み 地域にあかり 
(朝日新聞2016年3月5日)編集委員・伊藤智章
http://digital.asahi.com/articles/ASJ2T778SJ2TOIPE03F.html?rm=377

 包蔵(ほうぞう)水力という言葉をご存じですか? 開発済みだけでなく、未開発を含め、いわば潜在力を加味した水力発電の可能性を示す用語だ。岐阜県は、開発済みの発電能力こそ黒部ダムのある富山県に次ぎ2位だが、包蔵水力ではナンバーワンだ。

 全国平均を大きく上回る降水量、急峻(きゅうしゅん)な北アルプスから濃尾平野まで落差の大きな地形。明治末年から水力発電所の開発が始まり、関西や東海の貴重な産業インフラになり、日本の近代化を支えてきた。

 水力発電は純国産エネルギーだ。発電の主力はその後、火力や原子力に譲ったが、施設の耐用年数は長く、木曽川には1世紀前の発電所が稼働していたり、残っていたりする。慶応義塾の創設者、福沢諭吉の娘婿の実業家福沢桃介が関わり、1911年完成した旧八百津発電所(岐阜県八百津町)はれんが造りで、国の重要文化財。年3千人が訪れる。

 ただ、これら大規模水力発電ダムは川をせきとめて地形を変え、伝統産業(舟運、漁業)を犠牲にし、都会に電力を送るものでもある。岐阜県揖斐川町にある日本最大の徳山ダムは、旧徳山村を廃村に追い込んだ。

 その岐阜県でいま、出力1千キロワット以下の「小水力発電」が注目されている。小川や農業用水、下水道などの水を利用して発電する。

 黒部ダムの出力34万キロワットとは比べられないミニミニ発電だが、火力と違い、二酸化炭素(CO2)を発電時に排出せず、地形改変も少ない。豊かな水の存在は、小水力も取り組みやすい。水とともに生きてきたこの地域の人たちが目をつけるのは、当然なのかもしれない。
 福井県境の山あい、岐阜県郡上市石徹白(いとしろ)地区(約100戸)は、小水力発電による地域おこしで全国から視察が相次ぐ。2007年、いち早く実験を始め、田んぼの中の幅約50センチの農業用水路を使って直径3メートルの水車を回し発電する光景が話題だ。修学旅行生の民泊が始まり、発電した電力でトウモロコシなど地元農産物の加工を再開している。手伝いにきた若者が定住するなど新住民も10組以上というからすごい。

 カフェや地区公式ホームページを始めるなど新しい風が吹く。

 6月、四つめの発電施設(116キロワット)を稼働させ、出力は地域の消費電力を上回る見通しだ。運営主体は、地区の全戸がお金を出し合い、一昨年つくった石徹白農業用水農業協同組合。数年前に中心部のスキー場が閉鎖するなど厳しい状況が続くこの地だが、売電益の一部は街灯代に回し、地域還元する予定だ。

 自前のエネルギーが地域の活力を生み出す。初老の男性(68)は「都会にないものが、ここにはあるんです」と話した。(編集委員・伊藤智章)

■小水力発電 日本は適地多い NPO法人地域再生機構理事長・駒宮博男さん

再生可能エネルギーは太陽光が一段落し、小水力発電に注目が集まっている。石徹白の小水力は当初、僕らが計画を持ち込み、愛知万博の剰余金の基金で助成を受けて作った。一部の人の遊びのように思われていただろうが、地域ぐるみの活動になってきた。

 効率を優先し、大ダムの発電ばかりに目を向けていた日本も変わってきた。ドイツが小水力の先進地のように言われるが、日本は岐阜をはじめ、適地が多い。今のところ外部の大手企業が造り、利益も「持って行く」例が多いが、せっかくの地域資源。地域で活用し、地域再生のエネルギーにしたい。


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 福井県境の山あい、岐阜県郡上市石徹白(いとしろ)地区(約100戸)は、小水力発電による地域おこしで全国から視察が相次ぐ。2007年、いち早く実験を始め、田んぼの中の幅約50センチの農業用水路を使って直径3メートルの水車を回し発電する光景が話題だ。修学旅行生の民泊が始まり、発電した電力でトウモロコシなど地元農産物の加工を再開している。手伝いにきた若者が定住するなど新住民も10組以上というからすごい。

 カフェや地区公式ホームページを始めるなど新しい風が吹く。

 6月、四つめの発電施設(116キロワット)を稼働させ、出力は地域の消費電力を上回る見通しだ。運営主体は、地区の全戸がお金を出し合い、一昨年つくった石徹白農業用水農業協同組合。数年前に中心部のスキー場が閉鎖するなど厳しい状況が続くこの地だが、売電益の一部は街灯代に回し、地域還元する予定だ。

 自前のエネルギーが地域の活力を生み出す。初老の男性(68)は「都会にないものが、ここにはあるんです」と話した。(編集委員・伊藤智章)

■小水力発電 日本は適地多い NPO法人地域再生機構理事長・駒宮博男さん

再生可能エネルギーは太陽光が一段落し、小水力発電に注目が集まっている。石徹白の小水力は当初、僕らが計画を持ち込み、愛知万博の剰余金の基金で助成を受けて作った。一部の人の遊びのように思われていただろうが、地域ぐるみの活動になってきた。

 効率を優先し、大ダムの発電ばかりに目を向けていた日本も変わってきた。ドイツが小水力の先進地のように言われるが、日本は岐阜をはじめ、適地が多い。今のところ外部の大手企業が造り、利益も「持って行く」例が多いが、せっかくの地域資源。地域で活用し、地域再生のエネルギーにしたい。

【2016/03/08 04:22】 | 新聞記事から
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