「ダム建設の時代は終わった」by米国内務省開拓局長官ウィリアム・ピアーズ
8日開かれた淀川水系・大戸川ダムの検証に関する関係自治体の検討会議の結果について、京都新聞には関係者、嘉田由紀子前滋賀県知事、今本博健京都大名誉教授の談話が紹介されています。

朝日と読売大阪の記事によると、大阪府の松井一郎知事は問題を理解していない様子です。

◆二転三転に評価と反発 大戸川ダム、住民や研究者
【京都新聞 2016年02月09日 11時47分 】
http://www.kyoto-np.co.jp/shiga/article/20160209000058

集落が立ち退いたが、工事が「凍結」したままの大戸川ダム予定地(大津市上田上大鳥居町)
(写真)集落が立ち退いたが、工事が「凍結」したままの大戸川ダム予定地(大津市上田上大鳥居町)

 建設方針が二転三転し、本体工事が凍結中の大戸川ダム(大津市)。事業の検証を進める近畿地方整備局は8日、ダム建設が「最も有利」との結果を示したが、関係自治体の間では反応に温度差がみられた。

地元住民からは早期着工を強く望む声の一方、ダム不要を訴える研究者らは事業主体自らの検証結果に厳しい目を向けた。

 検証会議には滋賀県の三日月大造知事が出席した以外に首長の姿はなかった。

大阪府の担当者は「総合評価が示されたのは一歩前進」と淡々と話し、京都府は「滋賀や大阪で治水効果があるのは理解するが、府内でどれぐらいあるか、近年の気象状況も踏まえて説明を」と注文を付けた。

 大戸川上流の滋賀県甲賀市は「コスト面を考えるとダム案を進めるのがいい」とし、京都府宇治市も「本体工事の早期着手を」と強調した。地元の大津市は「大戸川流域の治水の安全度を最優先に考え、県と連携したい」と述べるにとどめた。

三日月知事は会議後、「河川整備計画をどうするかは今回の検証とは別のステージ(議論)」と慎重な構えをみせた。

 地元住民は結果を評価する。

大戸川ダム対策協議会会長の元持吉治さん(65)は「長年の要望が実を結び、洪水に苦しんできた地域に寄り添ってくれた。早期着工されるよう国と県が連携するように求めたい」と話した。

ダム湖に沈む予定地から集団移転した住民でつくる大鳥居地域開発協議会会長の青木洋治さん(62)は「計画が二転三転しており、今回も本当に凍結解除されるのか疑問」としつつ、「しっかり建設を進めてほしい」と願った。

 一方で、かつて整備局が設けた淀川水系流域委員会で委員長を務め、ダム不要を主張してきた京都大名誉教授の今本博健さん(78)は「流域委や知事意見を無視し、建設ありきの結論」と憤った。

05年に整備局が治水単独のダムは経済的に不利として凍結した経過に触れ「当時と条件は変わっていないはずなのにコスト面で有利に変わることが信じられない」と指摘した。

 08年に4府県で事実上のダム中止の合意文書をまとめた嘉田由紀子前滋賀県知事は「ダムだけで下流の治水課題が全て解決できると効果を過大に見ている。建設ありきで予断だらけの検証結果」と批判。

「三日月知事も4府県合意に言及し、整備計画を変更する段階にはないことを主張している。ダムだけに頼らない流域治水を基本とする滋賀県の治水政策方針に変更はないものと思う」と話した。


◆大戸川ダム案「最も有利」 国交省が治水の費用比較
(朝日新聞2016年2月9日15時04分)
http://digital.asahi.com/articles/ASJ284T0WJ28PTJB00J.html?rm=497

 国が建設を凍結した大津市の大戸川(だいどがわ)ダムをめぐり、国土交通省近畿地方整備局は8日、河川改修など他の治水対策案と比較して「ダム建設が最も有利」とする評価を滋賀県など流域自治体に提示した。

国の淀川水系河川整備計画は同ダムについて「本体工事は当面実施しない」としており、計画変更と工事再開にはダム建設凍結を求めた各自治体の同意が必要となる。

 近畿地整が大阪市内であったダム事業検討会議で示した資料によると、ダム建設と、ダムを建設せず河川掘削や既存ダムのかさ上げなどを組み合わせた代替8案を比較検討。

洪水時の被害軽減はいずれの案も目標を達成できるが、代替8案の総事業費が約3800億~6100億円超なのに対し、ダム建設は約3500億円とコスト面に優れ、他の評価項目も勘案して総合的に最も有利とした。

 大戸川ダムは2008年4月、近畿地整の諮問機関「淀川水系流域委員会」が「効果は限定的で建設は不適切」とする意見書をまとめ、嘉田由紀子・滋賀県知事や橋下徹・大阪府知事(いずれも当時)ら4府県の知事も同11月、計画凍結を求める共同見解を発表。

これを受け国交省は09年3月に建設凍結を決めた。

 ダムの検討会議は09年9月に誕生した民主党政権のダム建設見直しの方針を受け、当時本体工事が未着工だった全国83ダムが検証の対象となった。昨年9月時点で47事業が継続、24事業が中止になり、大戸川ダムなど12事業が検証を続けていた。

 近畿地整は現行計画に沿って淀川上流の木津川、桂川の河川改修を先行する方針で「直ちに計画を変更する状況にはない」としている。

 滋賀県の三日月大造知事は会議終了後の取材に「国が予断を持たずに検証された結果と受け止めている。現時点で4府県の知事合意を変更する段階ではないと思うが、関係者と議論しなければならない」と述べた。

大阪府の松井一郎知事は記者団に「専門家がより有効とする案については、やはり真っ正面から受け止める必要があるのかな」と語る一方、「事業をいつの時点でどう進めるかについては、詳しく中身を見た上で判断させて頂きたい」と述べた。(佐藤常敬)

 〈大戸川ダム〉 淀川水系の大戸川の上流に国が計画する治水専用ダム。洪水時の総貯水容量は約2210万立方メートル。

09年3月、国交省は「ダム本体工事については中・上流部の河川改修の進捗(しんちょく)状況とその影響を検証しながら実施時期を検討する」と河川整備計画を変更し、本体工事を凍結した。

周辺工事を含む総事業費は約3500億円。本体工事1162億円のうち国が7割、残る3割を大阪、京都、滋賀3府県が負担することになっている。


◆治水対策「大戸川ダム有利」、大阪府知事が評価
(読売新聞大阪版2016年02月09日)
http://www.yomiuri.co.jp/osaka/news/20160209-OYO1T50009.html 

建設凍結中の大戸川ダム(大津市)を巡り、ダム建設案を他の治水対策より有利とした国土交通省近畿地方整備局の検証結果について、下流に位置する大阪府の松井一郎知事は8日、「専門家の意見は尊重しなければいけない」と前向きに評価する一方、可否については他府県と協議して判断する姿勢を示した。府庁で記者団に語った。

 同ダムを巡っては、2008年11月に当時の橋下徹知事らが国に白紙撤回を求め、本体工事が凍結された経緯がある。松井知事は評価の理由を、「局地豪雨による災害なども起こっており、住民の命と財産を守るため、専門家が有効とする案を真正面から受け止める必要がある」と説明した。

 一方で、「京都や滋賀の知事とも足並みをそろえなければならない」と述べるとともに、他の淀川水系の河川でもダム建設などの計画があることを念頭に、「(府にとって)大戸川事業が最優先かというと、それは違う」と強調した。


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国の淀川水系河川整備計画は同ダムについて「本体工事は当面実施しない」としており、計画変更と工事再開にはダム建設凍結を求めた各自治体の同意が必要となる。

 近畿地整が大阪市内であったダム事業検討会議で示した資料によると、ダム建設と、ダムを建設せず河川掘削や既存ダムのかさ上げなどを組み合わせた代替8案を比較検討。

洪水時の被害軽減はいずれの案も目標を達成できるが、代替8案の総事業費が約3800億~6100億円超なのに対し、ダム建設は約3500億円とコスト面に優れ、他の評価項目も勘案して総合的に最も有利とした。

 大戸川ダムは2008年4月、近畿地整の諮問機関「淀川水系流域委員会」が「効果は限定的で建設は不適切」とする意見書をまとめ、嘉田由紀子・滋賀県知事や橋下徹・大阪府知事(いずれも当時)ら4府県の知事も同11月、計画凍結を求める共同見解を発表。

これを受け国交省は09年3月に建設凍結を決めた。

 ダムの検討会議は09年9月に誕生した民主党政権のダム建設見直しの方針を受け、当時本体工事が未着工だった全国83ダムが検証の対象となった。昨年9月時点で47事業が継続、24事業が中止になり、大戸川ダムなど12事業が検証を続けていた。

 近畿地整は現行計画に沿って淀川上流の木津川、桂川の河川改修を先行する方針で「直ちに計画を変更する状況にはない」としている。

 滋賀県の三日月大造知事は会議終了後の取材に「国が予断を持たずに検証された結果と受け止めている。現時点で4府県の知事合意を変更する段階ではないと思うが、関係者と議論しなければならない」と述べた。

大阪府の松井一郎知事は記者団に「専門家がより有効とする案については、やはり真っ正面から受け止める必要があるのかな」と語る一方、「事業をいつの時点でどう進めるかについては、詳しく中身を見た上で判断させて頂きたい」と述べた。(佐藤常敬)

 〈大戸川ダム〉 淀川水系の大戸川の上流に国が計画する治水専用ダム。洪水時の総貯水容量は約2210万立方メートル。

09年3月、国交省は「ダム本体工事については中・上流部の河川改修の進捗(しんちょく)状況とその影響を検証しながら実施時期を検討する」と河川整備計画を変更し、本体工事を凍結した。

周辺工事を含む総事業費は約3500億円。本体工事1162億円のうち国が7割、残る3割を大阪、京都、滋賀3府県が負担することになっている。


◆治水対策「大戸川ダム有利」、大阪府知事が評価
(読売新聞大阪版2016年02月09日)
http://www.yomiuri.co.jp/osaka/news/20160209-OYO1T50009.html 

建設凍結中の大戸川ダム(大津市)を巡り、ダム建設案を他の治水対策より有利とした国土交通省近畿地方整備局の検証結果について、下流に位置する大阪府の松井一郎知事は8日、「専門家の意見は尊重しなければいけない」と前向きに評価する一方、可否については他府県と協議して判断する姿勢を示した。府庁で記者団に語った。

 同ダムを巡っては、2008年11月に当時の橋下徹知事らが国に白紙撤回を求め、本体工事が凍結された経緯がある。松井知事は評価の理由を、「局地豪雨による災害なども起こっており、住民の命と財産を守るため、専門家が有効とする案を真正面から受け止める必要がある」と説明した。

 一方で、「京都や滋賀の知事とも足並みをそろえなければならない」と述べるとともに、他の淀川水系の河川でもダム建設などの計画があることを念頭に、「(府にとって)大戸川事業が最優先かというと、それは違う」と強調した。

【2016/02/10 11:22】 | 新聞記事から
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