「ダム建設の時代は終わった」by米国内務省開拓局長官ウィリアム・ピアーズ
               嶋津 暉之

八ッ場ダム代替地等で使用されている鉄鋼スラグの問題について日経の詳しい記事ですが、最初に書いてある「八ツ場ダムの移転代替地など行政側が管理できない民有地では撤去する」は事実と異なります。

地表面で鉄鋼スラグに見つかったところなど、一部を撤去しただけであって、八ッ場ダム代替地等でかなり使われてきた鉄鋼スラグの問題は必要な調査と対策がされないまま、終止符が打たれようとしています。

◆発覚から2年半 ようやく対応決まる鉄鋼スラグ問題
(日本経済新聞 2015/11/18 8:00 )
http://www.nikkei.com/article/DGXMZO94103860X11C15A1000000/?dg=1

大同特殊鋼渋川工場(群馬県渋川市)が出荷した有害物質を含む鉄鋼スラグが群馬県内の公共工事で使用された問題で、国や自治体の対応方針が決まった。八ツ場ダムの移転代替地など行政側が管理できない民有地では撤去するが、道路の盛り土など、それ以外の施工箇所では表面を被覆するだけにとどめる。撤去などの費用は全額、大同特殊鋼に求める。国土交通省、群馬県、渋川市の3者が2015年11月13日に開いた連絡会議で対応方針を決定した。

環境基準を満たしている箇所では、特に対処はしない。ただし、小中学校など児童や生徒が接触するリスクの高い箇所では、必要に応じて被覆するものとした。また、鉄鋼スラグを撤去しない箇所では、地下水の水質を常時監視するなどして環境への影響を引き続きチェックしていく。

国交省は、撤去対象の10カ所のうち、既に5カ所で撤去を終えている。残りの5カ所の撤去や9カ所で予定している表面被覆についても、2015年度中に完了させる考えだ。一方、渋川市は9カ所で撤去、32カ所で表面被覆をする予定だが、現時点で全く着手していない。人が触れる可能性の高い箇所など優先順位を付けて対処していく方針だが、完了する時期は未定だ。

■最初に発覚したのは2013年6月

鉄鋼スラグ問題が発覚したのは、2013年6月に渋川市の遊園地「渋川スカイランドパーク」の駐車場で、六価クロムやフッ素が基準値を超えることが分かったのがきっかけだ。国交省と群馬県、渋川市が、大同特殊鋼の鉄鋼スラグを使用した記録のある工事を調べたところ、いくつかの箇所で基準を超えていることが明らかになった。
さらに国交省の調査によって、使用記録のない工事でも、無断で同社の鉄鋼スラグが使われていることが判明した。これらの問題を受け、国と県、市は2014年11月に連絡会議を設立し、対応方針などを検討してきた。

2015年9月11日に、群馬県が大同特殊鋼の鉄鋼スラグを「廃棄物」と認定する調査結果を発表した。管理費などの名目で、販売代金を超える金額を販売先に支払う「逆有償取引」が確認されたことが理由だ。この取引の実態から、同社の鉄鋼スラグには商品としての価値が無いと判断し、廃棄物であると認定した。県の判断が出たことを受けて、連絡会議が対応方針を決定した。

国交省は、撤去や表面被覆の費用について、大同特殊鋼が全額負担することで同社と合意している。群馬県と渋川市では、これから同社と協議し、費用の全額負担を求める方針だ。

国土交通省関東地方整備局の資料や取材などをもとに日経コンストラクションが作成国土交通省関東地方整備局の資料や取材などをもとに日経コンストラクションが作成

■元請け会社の責任は?

国交省の工事には、大手舗装会社も元請けとして関わっている。元請け会社は、鉄鋼スラグに有害物質が含まれているとの認識はなく、無断使用された工事についても、材料にスラグが混入しているとは知らなかったとしている。

11月13日の連絡会議後の質疑で、関東地整の担当者は「公共工事で瑕疵があった時には、契約書に基づいて(元請けに)瑕疵担保を求めることはあり得る」としながらも、「今回は、大同特殊鋼が自ら責任を認めて費用の負担を申し入れてきた。国の場合はそれで収まっている」と発言した。特に元請けの責任は問われない見通しだ。

対応方針が決まったことで、大同特殊鋼の鉄鋼スラグ問題は、最初の発覚から約2年半でようやく収拾のめどがついた。しかし、これですべてが解決するとは言い難い。

国交省の工事で発覚した鉄鋼スラグの無断使用は、露出している箇所を同省が現地で調べて判明したものだ。露出していない箇所については、どこまで無断使用があるのか、知る由もない。また、県や市では踏み込んだ調査をせず、鉄鋼スラグの使用記録が残っている工事だけを調べるにとどまっている。無断使用の実態は不明だ。

結局、どこで使われたのか分からない鉄鋼スラグによる土壌や地下水の汚染リスクは、依然として残る。

(日経コンストラクション 青野昌行)
[ケンプラッツ 2015年11月17日掲載]


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さらに国交省の調査によって、使用記録のない工事でも、無断で同社の鉄鋼スラグが使われていることが判明した。これらの問題を受け、国と県、市は2014年11月に連絡会議を設立し、対応方針などを検討してきた。

2015年9月11日に、群馬県が大同特殊鋼の鉄鋼スラグを「廃棄物」と認定する調査結果を発表した。管理費などの名目で、販売代金を超える金額を販売先に支払う「逆有償取引」が確認されたことが理由だ。この取引の実態から、同社の鉄鋼スラグには商品としての価値が無いと判断し、廃棄物であると認定した。県の判断が出たことを受けて、連絡会議が対応方針を決定した。

国交省は、撤去や表面被覆の費用について、大同特殊鋼が全額負担することで同社と合意している。群馬県と渋川市では、これから同社と協議し、費用の全額負担を求める方針だ。

国土交通省関東地方整備局の資料や取材などをもとに日経コンストラクションが作成国土交通省関東地方整備局の資料や取材などをもとに日経コンストラクションが作成

■元請け会社の責任は?

国交省の工事には、大手舗装会社も元請けとして関わっている。元請け会社は、鉄鋼スラグに有害物質が含まれているとの認識はなく、無断使用された工事についても、材料にスラグが混入しているとは知らなかったとしている。

11月13日の連絡会議後の質疑で、関東地整の担当者は「公共工事で瑕疵があった時には、契約書に基づいて(元請けに)瑕疵担保を求めることはあり得る」としながらも、「今回は、大同特殊鋼が自ら責任を認めて費用の負担を申し入れてきた。国の場合はそれで収まっている」と発言した。特に元請けの責任は問われない見通しだ。

対応方針が決まったことで、大同特殊鋼の鉄鋼スラグ問題は、最初の発覚から約2年半でようやく収拾のめどがついた。しかし、これですべてが解決するとは言い難い。

国交省の工事で発覚した鉄鋼スラグの無断使用は、露出している箇所を同省が現地で調べて判明したものだ。露出していない箇所については、どこまで無断使用があるのか、知る由もない。また、県や市では踏み込んだ調査をせず、鉄鋼スラグの使用記録が残っている工事だけを調べるにとどまっている。無断使用の実態は不明だ。

結局、どこで使われたのか分からない鉄鋼スラグによる土壌や地下水の汚染リスクは、依然として残る。

(日経コンストラクション 青野昌行)
[ケンプラッツ 2015年11月17日掲載]

【2015/11/19 23:18】 | 八ツ場情報
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