「ダム建設の時代は終わった」by米国内務省開拓局長官ウィリアム・ピアーズ
                嶋津 暉之

今週の月曜日、11月9日に「思川開発事業の関係地方公共団体からなる検討の場」が開かれ、思川開発も事業推進の動きが出てきました。
検討の場は2012年6月29日以来の3年半ぶりの再開です。

思川開発(南摩ダム)は総貯水容量5100万㎥で、目的は、洪水調節、栃木県等の水道用水の開発、渇水時の補給です。このうち、洪水調節は思川・乙女地点の洪水目標流量3760㎥/秒を3700㎥/秒へ、わずか60㎥/秒下げるだけのものですから、微々たるものです。
事業主体は水資源機構です。

3年半近くも検証作業がストップしていたのは、栃木県において思川開発の水源を使う水道用水供給事業が存在しないことが問題になっていたからであると推測されます。

ダム検証では水道参画者は新規利水について厚労省の事業認可を得ていることが必要な条件になっています。これは国交省がダム検証に関して自ら定めたルールです。

ところが、今回、国交省と水資源機構は思川開発事業を推進するため、そのルールの適用をごまかすことにしました。

「思川開発事業の関係地方公共団体からなる検討の場」の配付資料はこちらに掲載されています。
http://www.water.go.jp/honsya/honsya/verification/omoigawa.html 

そのうちの第4回幹事会(平成27年11月09日開催)の資料
資料-1 利水参画者の必要な開発量の確認結果(案)を見ると 
http://www.water.go.jp/honsya/honsya/verification/pdf/omoigawa/04_shiryo01.pdf 
次のように書いてあります(3ページ)。
 ↓
「栃木県については、思川開発事業による開発量の利用を見込んだ広域的水道整備の推進を図るため、県及び関係市町による協議会が設置されており、将来的な水道事業認可に向けて必要な協議の促進が図られていることを確認した。」

実際には栃木県が県南地域の各市町水道に思川開発の水を供給する事業計画はないので、厚労省の認可を得ることは将来ともありません。

ここで「確認した」というのは、栃木県が2013年3月に提出した
「栃木県南地域における水道水源確保に関する検討報告書」ですが、
http://www.pref.tochigi.lg.jp/h07/documents/2report.pdf  
概要
http://www.pref.tochigi.lg.jp/h07/documents/1outline_1.pdf

しかし、そこに書いてあるのは、県南地域は他県と比べて水道の地下水依存率が高いので、 引き下げる必要があるということだけであって、水道用水供給事業の具体化のことは何も書かれていません(もちろん、地下水依存率が高いことに何も問題はありません)。

栃木県は必要性がなく、巨額の金がかかる県南の水道用水供給事業を具体化することはあり得ません。
あり得ない話をあることにして、思川開発を推進しようというのです。

これから、現実性のない代替案と比較して、思川開発が有利だとする茶番劇の検証が行われていくことになりますが、何とかして、無意味な思川開発をストップさせたいものです。

【2015/11/11 23:32】 | 官僚の暴走
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