「ダム建設の時代は終わった」by米国内務省開拓局長官ウィリアム・ピアーズ
                   嶋津 暉之

鬼怒川水害では鬼怒川と小貝川を結ぶ新八間堀川も増水してかなりの規模の浸水被害がありました。そのことは既報のとおりですが、今日の東京新聞茨城版がその経過を詳しく報じています。

新八間堀川は、鬼怒川と小貝川の間を流れる八間堀川が最下流部で鬼怒川の方に分かれる川です。
八間堀川は下記の朝日の記事の図を見ると、鬼怒川の決壊・越水の浸水範囲を流れていますので、氾濫した水が八間堀川に流入して流量が増え、最下流に位置する新八間堀川の水位がどんどん上昇したと考えられます。

東京新聞の記事によれば、「水位が上昇した鬼怒川から、新八間堀川に水が逆流するのを防ぐため、(9月10日)午前2時ごろ水門を閉め、同時に(排水機場を使って)新八間堀川から鬼怒川への排水も始めた。 

その後、鬼怒川の上流で堤防が決壊、水門付近の水位も上限に近い八メートルまで達し、新たな決壊の恐れも出てきたため、午後1時ごろ、水門を閉じたまま排水を中断」しました。

鬼怒川から氾濫した水が八間堀川を通って、新八間堀川の流量が増える一方になっているのに、鬼怒川への排水を中断してしまった、すなわち、出口をなくしてしまったのですから、新八間堀川で氾濫が起きるのは当然です。起きるべくして起きた氾濫ということになります。

確かに鬼怒川の水海道地点(新八間堀川の流入地点から約500m下流)の水位変化を見ると、水位がかなり上昇しました。

しかし、午後1時10分にピークに達した後、その後は水位が次第に低下していったのですから、早い時間に新八間堀川から鬼怒川への排水を再開すべきでした。そうすれば、新八間堀川周辺の被害をかなり小さくできたはずです。
 
鬼怒川への排水を再開したのは、なんと午後10時20分でした。9時間以上も排水を停止し、流量が増え続ける新八間堀川を出口のない状態に放置したのですから、新八間堀川での大きな氾濫は排水機場の運転操作の誤りが原因であることは明らかです。

◆決壊の数時間後、遠くても浸水 鬼怒川水害、避難難しく
(朝日新聞2015年10月11日)
http://digital.asahi.com/articles/ASHBB5PXJHBBUTIL016.html?rm=348

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◆鬼怒川決壊 その日、別の河川でも… 逆流で市街地に水害
(東京新聞茨城版2015年10月23日)
http://www.tokyo-np.co.jp/article/ibaraki/list/201510/CK2015102302000181.html?ref=rank
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 常総市で鬼怒川の堤防が決壊した9月10日昼、決壊場所から約10キロ下流の市街地で、別の河川が逆流して水害を引き起こしていたことが分かった。同日夜、決壊による洪水が市街地に押し寄せ、被害が混同してしまい、実態が検証されないままになっている。被害を受けた住民は「決壊とは全く異なる水害で、行政のミスの可能性もある。なかったことにしないでほしい」と原因究明を求めている。 (妹尾聡太)

 被害があったのは、市内の水海道橋本町付近。町内を、生活雑排水などを集めて鬼怒川に流す新八間堀(しんはちけんぼり)川が流れている。市建設課と地元消防団員によると、九月十日午後二時ごろ、側溝やマンホールから突然、水があふれ出し、家屋が浸水した。新八間堀川が増水した結果、川の堤防の中程に開けられた排水口から水が逆流し、排水路を通って住宅街に流れ込んだものとみられる。

 この排水口は「樋管(ひかん)」と呼ばれ、出口に開閉ゲートがある。市街地への逆流を食い止めるために、同日午後四~五時ごろ、市建設課の職員や消防団員が手動で六カ所あるゲートを閉じて、被害の拡大を防いだという。

 新八間堀川が鬼怒川と合流する河口には、国土交通省の水門と排水機場が設置されている。国交省によると、この日は水位が上昇した鬼怒川から、新八間堀川に水が逆流するのを防ぐため、午前二時ごろ水門を閉め、同時に新八間堀川から鬼怒川への排水も始めた。

 その後、鬼怒川の上流で堤防が決壊、水門付近の水位も上限に近い八メートルまで達し、新たな決壊の恐れも出てきたため、午後一時ごろ、水門を閉じたまま排水を中断した。

 市街地で被害が発生したのは、国交省が鬼怒川への排水を止めた直後。国交省は午後一時ごろ、市の災害対策本部に排水の停止を連絡したが、市は対策を取らず、建設課にも情報が伝わらなかった。建設課の担当者は「排水を止めたことで新八間堀川がせき止められた状態になり、水位が上昇して逆流した可能性がある。事前に知っていれば被害を軽減できた」と話す。

 排水の有無に関係なく、増水や逆流を想定して樋管を閉じておかなかったことについて、同課は「過去二十~三十年、同じような例はなく、対策を取ってこなかった」としている。これに対し、市内の浸水状況を調べている筑波大の白川直樹准教授(河川工学)は「市は普段から地元住民と連携し、増水に備えた態勢を整えておくべきだ」と指摘する。

 車両や車庫が水に漬かった自動車整備業の秋葉智之さん(41)は「逆流がなければ、夜、洪水が来るまでに車や工具類を高台に移動できた。自然災害だったら諦めも付くが、防げたのなら悔しい。同じことが再び起きないようにしてほしい」と訴えた。

 防災担当の市安全安心課は「被害を検証するかどうか、現時点では何とも言えない」としている。



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 新八間堀川が鬼怒川と合流する河口には、国土交通省の水門と排水機場が設置されている。国交省によると、この日は水位が上昇した鬼怒川から、新八間堀川に水が逆流するのを防ぐため、午前二時ごろ水門を閉め、同時に新八間堀川から鬼怒川への排水も始めた。

 その後、鬼怒川の上流で堤防が決壊、水門付近の水位も上限に近い八メートルまで達し、新たな決壊の恐れも出てきたため、午後一時ごろ、水門を閉じたまま排水を中断した。

 市街地で被害が発生したのは、国交省が鬼怒川への排水を止めた直後。国交省は午後一時ごろ、市の災害対策本部に排水の停止を連絡したが、市は対策を取らず、建設課にも情報が伝わらなかった。建設課の担当者は「排水を止めたことで新八間堀川がせき止められた状態になり、水位が上昇して逆流した可能性がある。事前に知っていれば被害を軽減できた」と話す。

 排水の有無に関係なく、増水や逆流を想定して樋管を閉じておかなかったことについて、同課は「過去二十~三十年、同じような例はなく、対策を取ってこなかった」としている。これに対し、市内の浸水状況を調べている筑波大の白川直樹准教授(河川工学)は「市は普段から地元住民と連携し、増水に備えた態勢を整えておくべきだ」と指摘する。

 車両や車庫が水に漬かった自動車整備業の秋葉智之さん(41)は「逆流がなければ、夜、洪水が来るまでに車や工具類を高台に移動できた。自然災害だったら諦めも付くが、防げたのなら悔しい。同じことが再び起きないようにしてほしい」と訴えた。

 防災担当の市安全安心課は「被害を検証するかどうか、現時点では何とも言えない」としている。


【2015/10/25 00:38】 | 新聞記事から
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