「ダム建設の時代は終わった」by米国内務省開拓局長官ウィリアム・ピアーズ
               嶋津 暉之

今回の鬼怒川水害について被害者が国を訴えるべきだという意見が寄せられましたので、水害訴訟について調べた結果をお伝えします。

鬼怒川水害の被害者が「国家賠償請求訴訟」で国を訴える理由は十分にあると思いますが、水害訴訟は難しい面があります。

水害訴訟については昭和47年の大阪府大東市の水害で国と大阪府を訴えた「大東水害訴訟」が平成2年の最高裁判決で住民側の敗訴が確定した事件があります。

この大東水害訴訟の最高裁判決により、未改修の河川は特段の理由がない限り、行政は法的な責任が問われないことになってしまいました。

この訴訟の経過は、被告側・大阪府の責任者がまとめたものがあります。

◇「大東水害訴訟を顧みて」
http://www.japanriver.or.jp/circle/oosaka_pdf/2006_taniguchi.pdf

被告側が語った報告ですから、納得できないところが多々ありますが、経過が詳しく述べられています。

この訴訟は当初の二審までは住民側の勝訴であったのですが、昭和59年の最高裁判決で差し戻しになり、結局は住民側の敗訴になりました。

この差し戻し判決は次のように述べています。

既に改修計画が定められ、これに基づいて現に改修中である河川については、前記計画が全体としての前記の見地からみて格別の不合理なものと認められない時は、その後の事情の変動により当該河川の未改修部分につき水害発生の危険性が特に顕著となり、当初の計画の時期を繰り上げ、又は工事の順序を変更するなどして早期の改修工事を施行しなければならないと認めるべき特段の事由が生じない限り、前記部分につき改修が未だ行われていないとの一事をもって河川管理に瑕疵があるとすることはできない。

今回の鬼怒川の堤防決壊は流下能力が著しく低く、氾濫の危険性が指摘されていた下流部で起きました。

しかも、最初に決壊した約20メートルの区間は、堤防高が周辺より最も低いところでした(グーグル写真で見えるダンプの通り道より数十メートル上流側)。そこから越水して堤防の川裏側の法尻が洗掘されて、決壊に至りました。

なぜ、そのように決壊の危険性がある箇所を放置しておいたのか、国交省の責任が問われるべきですが、裁判の見通しは決して明るくありません。

【2015/10/13 23:38】 | 埼玉の会の見解
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