「ダム建設の時代は終わった」by米国内務省開拓局長官ウィリアム・ピアーズ
                 嶋津 暉之

八ッ場ダムの代替地等で大量に使われてきた鉄鋼スラグの問題で昨日、大同特殊鋼の強制捜査が行われました。
八ッ場ダム関連工事での有害スラグ使用箇所があらためて明らかになり、撤去工事が行われることを期待します。

◇群馬県公式ホームページ【9月11日】
大同特殊鋼(株)渋川工場から排出された鉄鋼スラグに関する廃棄物処理法に基づく調査結果について(廃棄物・リサイクル課)

http://www.pref.gunma.jp/houdou/e1700084.html

◆八ッ場ダム関連の大同特殊鋼強制捜査 スラグ不正処理12年間か
(読売新聞群馬版 2015年09月12日)
http://www.yomiuri.co.jp/local/gunma/news/20150911-OYTNT50427.html

〇県「廃棄物にあたる」認定

 鉄鋼メーカー「大同特殊鋼」(名古屋市)の渋川工場(渋川市石原)から出た鉄鋼スラグを巡る問題は11日、県警が廃棄物処理法違反容疑で同社などを捜索し、強制捜査に発展した。県は緊急記者会見を開き、同工場のスラグについて「廃棄物にあたると認定した」と説明。同社が約12年間にわたって、不正な処理を続けていたとの調査結果を明らかにした。環境基準を超えるスラグの使用は県内93か所で確認されており、さらに膨らむ見通しだ。

 「販売名目でも、実際は廃棄物処理の委託だった」

 県庁で記者会見した青木勝・県環境森林部長は、大同特殊鋼が行っていたスラグの取引を、そう断じた。県は昨年1月に渋川工場などに立ち入り調査し、実態解明を進めてきた。

 県の調査によると、渋川工場のスラグは2002年4月から、同社の子会社「大同原料サービス(現・大同エコメット)」(愛知県東海市)が購入していた。09年7月、地元の建設会社「佐藤建設工業」(渋川市小野子)も購入するようになった。2社は大同特殊鋼と委託や売買契約を結び、購入したスラグを加工した後、土木資材として出荷。県内の工事現場などで使われてきた。

 スラグは無害であれば、土木資材として有効活用できる。実際、全国でも広く売買されている。一方、廃棄物とみなされれば、同法の規制対象となる。県が着目したのは、3社の金の流れだった。

 大同特殊鋼は09年7月~12年6月、スラグを1トン当たり10円で大同エコメットに販売していた。大同エコメットはスラグを安定化処理した上で、佐藤建設工業に同100円で販売。佐藤建設工業が天然砕石と混ぜた後、路盤材として出荷していた。

 一方、大同特殊鋼は、2社に「処理費」「販売管理料」などの名目で金を払っていた。その金額は、スラグの購入代金を大幅に上回るという。大同特殊鋼はスラグを販売していたのではなく、2社に金を払って処理させていた形となる。

 こうした取引は「逆有償取引」と呼ばれており、スラグを廃棄物と認定する根拠となる。県の調査では、ほかの期間についても同様の取引形態だった。

 2社は、鉄鋼スラグを廃棄物として処理する許可を得ていない。大同特殊鋼から委託を受け、廃棄物であるスラグを無許可で処理したなどとして、県は7日、3社を同法違反容疑で県警に刑事告発した。これまでの県の調査に対し、3社は「スラグは(廃棄物ではなく)製品だ」との見解を示しているという。

 昨年1月に県の立ち入り調査を受けた後、大同特殊鋼は渋川工場のスラグの販売を停止した。記録が確認できる02年11月以降、販売されたスラグは29万4330トンに上る。

 大同特殊鋼は11日、ホームページで「当局による捜査には誠実に協力する。今後も当該路盤材が使用された場所の特定や対応工事への協力を通じて会社としての責任を果たす」などとするコメントを発表した。

〇スラグ使用公共工事  93か所で基準超有害物質

 大同特殊鋼の渋川工場から出荷された鉄鋼スラグは11日現在、県内225か所の公共工事で使われたことが確認されている。このうち93か所のスラグから、環境基準を超える有害物質「フッ素」や「六価クロム」が検出された。県は、民間や県外の工事も含めた使用箇所の特定を進めていく。

 基準超えの有害物質が検出されたのは、長野原町の八ッ場ダム建設代替地や、渋川市の遊園地「渋川スカイランドパーク」駐車場近くの市道など。54か所では土壌汚染も確認された。地下水への影響は確認されていない。

 県などはこれまで、有害物質を含む材料の撤去や立ち入り規制などの対策を実施。県は今後、民間工事について大同特殊鋼に調査と報告を求めたり、公共工事について市町村に調査を要請したりして、使用された場所の特定を進める。結果を公表し、環境への影響を監視していく。

 有害物質の原因について、県廃棄物・リサイクル課は「渋川工場では純度の高い鉄を抽出するために、フッ素を含む材料を使っていたからではないか」と指摘する。


◆有害スラグ問題:強制捜査 全撤去に200億円超
(毎日新聞 2015年09月12日 東京朝刊)
http://mainichi.jp/shimen/news/20150912ddm012040028000c.html

 〇幹線交通への影響懸念

 大手鉄鋼メーカー「大同特殊鋼」(名古屋市)の渋川工場(群馬県渋川市)から出た鉄鋼スラグに環境基準を超える有害物質が含まれていた問題は11日、群馬県警による強制捜査により刑事事件に発展した。

実態解明が進む一方、八ッ場ダム(同県長野原町)の住民移転代替地や国道など幅広い工事で使われた有害スラグの撤去は、交通などへの多大な影響が懸念される上、200億円超ともされる費用負担が重くのしかかる。【杉本修作、尾崎修二】

 家宅捜索は大同の本社や渋川工場に加え、子会社の「大同エコメット」(愛知県東海市)やスラグ販売先の建設会社「佐藤建設工業」(渋川市)にも及んだ。

 同日行われた群馬県の会見によると、大同は2002?14年、エコメットや佐藤建設工業にスラグを建設資材として販売しつつ、販売額以上の金を販売管理費などの名目で支払う「逆有償取引」をしていた。

スラグは県内で国などが発注した工事225カ所で使われたが、93カ所では環境基準を超えるフッ素などが検出され、県は建設資材ではなく廃棄物と認定。

エコメットと佐藤建設工業は廃棄物を処理する許可を得ていないことを知りながら大同が処理を委託したとして、3社を同法違反容疑で7日付で県警に刑事告発した。

 一方、有害な廃棄物を巡り、都道府県は業者側に撤去を指示する「措置命令」を出すことができるが、群馬県は今回命令を出さず、工事を発注した国や自治体に、誰が撤去を担うか、そもそも撤去するかどうかを含めて判断を委ねた。

 背景にあるのは、一つは交通への影響だ。スラグが使われた国道17号バイパスは東京と新潟をつなぐ幹線道路で交通量も多い。

調査対象の十数キロのうちでは19カ所でスラグが確認され、道路表面に近い路盤だけでなく、道路を数メートルかさ上げする盛り土にも混入されていた。国土交通省の関係者は「盛り土まで撤去すると相当な時間がかかり、再舗装も必要だ。長期間の通行規制は避けられない」と話す。

 加えて、撤去には多額の費用が掛かる。管内49カ所で有害物質が検出された渋川市は撤去費用を1トン当たり3万円と試算。大同が出荷したのは計約76万トンとされ、全撤去となると228億円も掛かる計算だ。

渋川市は市内分の撤去費を少なくとも5億7000万円と試算するが、市幹部は「住民からの要望もあり直ちに撤去したいが財源の問題で難しい」という。

 大同は11日、「使用場所の特定や対応工事への協力を通じて責任を果たす。多大なご心配やご迷惑をお掛けしたことに改めて深くおわびします」とのコメントを公表した。


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 スラグは無害であれば、土木資材として有効活用できる。実際、全国でも広く売買されている。一方、廃棄物とみなされれば、同法の規制対象となる。県が着目したのは、3社の金の流れだった。

 大同特殊鋼は09年7月~12年6月、スラグを1トン当たり10円で大同エコメットに販売していた。大同エコメットはスラグを安定化処理した上で、佐藤建設工業に同100円で販売。佐藤建設工業が天然砕石と混ぜた後、路盤材として出荷していた。

 一方、大同特殊鋼は、2社に「処理費」「販売管理料」などの名目で金を払っていた。その金額は、スラグの購入代金を大幅に上回るという。大同特殊鋼はスラグを販売していたのではなく、2社に金を払って処理させていた形となる。

 こうした取引は「逆有償取引」と呼ばれており、スラグを廃棄物と認定する根拠となる。県の調査では、ほかの期間についても同様の取引形態だった。

 2社は、鉄鋼スラグを廃棄物として処理する許可を得ていない。大同特殊鋼から委託を受け、廃棄物であるスラグを無許可で処理したなどとして、県は7日、3社を同法違反容疑で県警に刑事告発した。これまでの県の調査に対し、3社は「スラグは(廃棄物ではなく)製品だ」との見解を示しているという。

 昨年1月に県の立ち入り調査を受けた後、大同特殊鋼は渋川工場のスラグの販売を停止した。記録が確認できる02年11月以降、販売されたスラグは29万4330トンに上る。

 大同特殊鋼は11日、ホームページで「当局による捜査には誠実に協力する。今後も当該路盤材が使用された場所の特定や対応工事への協力を通じて会社としての責任を果たす」などとするコメントを発表した。

〇スラグ使用公共工事  93か所で基準超有害物質

 大同特殊鋼の渋川工場から出荷された鉄鋼スラグは11日現在、県内225か所の公共工事で使われたことが確認されている。このうち93か所のスラグから、環境基準を超える有害物質「フッ素」や「六価クロム」が検出された。県は、民間や県外の工事も含めた使用箇所の特定を進めていく。

 基準超えの有害物質が検出されたのは、長野原町の八ッ場ダム建設代替地や、渋川市の遊園地「渋川スカイランドパーク」駐車場近くの市道など。54か所では土壌汚染も確認された。地下水への影響は確認されていない。

 県などはこれまで、有害物質を含む材料の撤去や立ち入り規制などの対策を実施。県は今後、民間工事について大同特殊鋼に調査と報告を求めたり、公共工事について市町村に調査を要請したりして、使用された場所の特定を進める。結果を公表し、環境への影響を監視していく。

 有害物質の原因について、県廃棄物・リサイクル課は「渋川工場では純度の高い鉄を抽出するために、フッ素を含む材料を使っていたからではないか」と指摘する。


◆有害スラグ問題:強制捜査 全撤去に200億円超
(毎日新聞 2015年09月12日 東京朝刊)
http://mainichi.jp/shimen/news/20150912ddm012040028000c.html

 〇幹線交通への影響懸念

 大手鉄鋼メーカー「大同特殊鋼」(名古屋市)の渋川工場(群馬県渋川市)から出た鉄鋼スラグに環境基準を超える有害物質が含まれていた問題は11日、群馬県警による強制捜査により刑事事件に発展した。

実態解明が進む一方、八ッ場ダム(同県長野原町)の住民移転代替地や国道など幅広い工事で使われた有害スラグの撤去は、交通などへの多大な影響が懸念される上、200億円超ともされる費用負担が重くのしかかる。【杉本修作、尾崎修二】

 家宅捜索は大同の本社や渋川工場に加え、子会社の「大同エコメット」(愛知県東海市)やスラグ販売先の建設会社「佐藤建設工業」(渋川市)にも及んだ。

 同日行われた群馬県の会見によると、大同は2002?14年、エコメットや佐藤建設工業にスラグを建設資材として販売しつつ、販売額以上の金を販売管理費などの名目で支払う「逆有償取引」をしていた。

スラグは県内で国などが発注した工事225カ所で使われたが、93カ所では環境基準を超えるフッ素などが検出され、県は建設資材ではなく廃棄物と認定。

エコメットと佐藤建設工業は廃棄物を処理する許可を得ていないことを知りながら大同が処理を委託したとして、3社を同法違反容疑で7日付で県警に刑事告発した。

 一方、有害な廃棄物を巡り、都道府県は業者側に撤去を指示する「措置命令」を出すことができるが、群馬県は今回命令を出さず、工事を発注した国や自治体に、誰が撤去を担うか、そもそも撤去するかどうかを含めて判断を委ねた。

 背景にあるのは、一つは交通への影響だ。スラグが使われた国道17号バイパスは東京と新潟をつなぐ幹線道路で交通量も多い。

調査対象の十数キロのうちでは19カ所でスラグが確認され、道路表面に近い路盤だけでなく、道路を数メートルかさ上げする盛り土にも混入されていた。国土交通省の関係者は「盛り土まで撤去すると相当な時間がかかり、再舗装も必要だ。長期間の通行規制は避けられない」と話す。

 加えて、撤去には多額の費用が掛かる。管内49カ所で有害物質が検出された渋川市は撤去費用を1トン当たり3万円と試算。大同が出荷したのは計約76万トンとされ、全撤去となると228億円も掛かる計算だ。

渋川市は市内分の撤去費を少なくとも5億7000万円と試算するが、市幹部は「住民からの要望もあり直ちに撤去したいが財源の問題で難しい」という。

 大同は11日、「使用場所の特定や対応工事への協力を通じて責任を果たす。多大なご心配やご迷惑をお掛けしたことに改めて深くおわびします」とのコメントを公表した。

【2015/09/12 22:48】 | 新聞記事から
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