「ダム建設の時代は終わった」by米国内務省開拓局長官ウィリアム・ピアーズ
                 嶋津 暉之

札幌市が当別ダム完成後に架空予測をやめて水需要予測の大幅な下方修正を行ったことについて、昨日の毎日新聞が大きく取り上げています。
この問題はすでに8月12日の北海道新聞が大きく取り上げています。
 ↓
「札幌市水需要予測引き下げ 当別ダム完成後、修正姑息」 
http://suigenren.jp/news/2015/08/12/7741/ 

水源連のHPでも解説してありますので、そちらもご覧ください。
 ↓
「札幌市水道の水需要予測の問題 ダム事業推進の一翼を担う厚労省水道課」 
http://suigenren.jp/news/2015/07/20/7642/

◆サンデー・トピックス
「当別ダム必要」揺れる根拠 「取水中止を」非難続々 35年度給水量、札幌市3割下方修正 /北海道

(毎日新聞 2015年09月06日)
http://mainichi.jp/area/hokkaido/news/20150906ddlk01040091000c.html

 2012年に完成した当別ダム(当別町、総貯水量7450万立方メートル)をめぐり、「ダムが必要」との根拠としていた水道水の必要給水量の予想を、札幌市が完成後に大幅下方修正した。ダムなしでも問題ないことが明らかになり、必要性に疑問を呈してきた環境団体は反発、ダムからの取水の中止を求めている。
 ■事業継続焦点に

 当別ダムは道と札幌市、小樽市、石狩市、当別町の石狩西部広域水道企業団で運営する。08年に本体工事に着手、12年に完成した。札幌市を除く3市町には13年4月に給水を始めた。

 札幌市は、ダムの総事業費684億円のうち121億円を負担する。今後、浄水場と送水管を整備し、事業費とは別に25年から年間十数億円の水利用料を払って1日最大4・4万立方メートルを受ける計画だ。実現すると給水可能量は現在の保有水源の同83・5万立方メートルから同87・9万立方メートルに増加する。

 当初、札幌市はダムから、給水能力の約75%、1日最大17万立方メートルを受ける予定だったが、水道需要見込みが減少し数度、計画を下方修正した。札幌市以外の3市町でも需要見込みが減り、ダムからの給水事業の継続が焦点になっていた。

 だが下方修正はしたものの、札幌市は07年度に将来の水道水需要を、前年の給水実績66万立方メートルから、07年度に70・3万立方メートル、35年度に87・2万立方メートルと予測し、ダムがない場合の給水能力(=現在の保有水源、83・5万立方メートル)を上回ると試算、「ダムは必要」と主張しつづけた。その根拠に単身世帯の増加で水の使用が非効率となり、1人当たりの需要が増加することなどを挙げた。

 ■高まる批判

 試算には総務省が09年、「過大予測の可能性」を指摘するなど、疑問の声が相次いだ。

 そこで今年3月、札幌市は15年度から10年間の水道ビジョンで7年ぶりに水需要を再試算。15年度の需要推計を66・2万立方メートルとした上で、35年度の必要給水量(需要)を61・8万立方メートルと、07年度試算から約3割、下方修正した。現状の保有水源でもまかなえる結果となった。

 市は下方修正を、節水型家電の普及や企業の水需要の低下などが原因と説明する。秋元克広市長も先月の定例記者会見で「推計が正しくなかったのではなく、状況変化で需要が変わった」と話した。

 総務省は「過大評価を指摘したが、当時の段階では非合理的な説明ではなかった」として、当時の推計に問題があったか判断はできないとしている。

 ダムの必要性に疑問を呈してきた北海道自然保護協会の佐々木克之副会長は「経済成長が続き企業需要が増える甘い見通しの予想だった。ダムの必要性を強調する過大予測ありきだった」と批判。必要性に改めて疑問を示し、札幌市の取水は停止するよう求めた。

 ■水源分散を主張

 札幌市水道局は、「現在の水源の98%は豊平川に依存している。災害に備えた水源の分散が求められている」と強調、ダムは必要との立場を変えない。

 また現在の水道設備は老朽化していて、今後の改修工事の際にはダムからの給水も必要としている。秋元市長は「当初計画に大幅な変更はない」と話す。

 これに対し、北海道自然保護協会は「既に災害対策で周辺市町村と協定を結んでいる。ダムは周辺の自然に大きな環境負荷をかけ、財政出動する理由もない」と反論する。

 地方自治に詳しい鳥取大の小野達也教授(政策評価論)は「自治体の推計は事業を前提にして過大になりがちで、過大投資にもつながりかねない。推計の下方修正について誤りを率直に認め、原因を究明する姿勢が重要だ」と述べた。
【山下智恵】



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 ■事業継続焦点に

 当別ダムは道と札幌市、小樽市、石狩市、当別町の石狩西部広域水道企業団で運営する。08年に本体工事に着手、12年に完成した。札幌市を除く3市町には13年4月に給水を始めた。

 札幌市は、ダムの総事業費684億円のうち121億円を負担する。今後、浄水場と送水管を整備し、事業費とは別に25年から年間十数億円の水利用料を払って1日最大4・4万立方メートルを受ける計画だ。実現すると給水可能量は現在の保有水源の同83・5万立方メートルから同87・9万立方メートルに増加する。

 当初、札幌市はダムから、給水能力の約75%、1日最大17万立方メートルを受ける予定だったが、水道需要見込みが減少し数度、計画を下方修正した。札幌市以外の3市町でも需要見込みが減り、ダムからの給水事業の継続が焦点になっていた。

 だが下方修正はしたものの、札幌市は07年度に将来の水道水需要を、前年の給水実績66万立方メートルから、07年度に70・3万立方メートル、35年度に87・2万立方メートルと予測し、ダムがない場合の給水能力(=現在の保有水源、83・5万立方メートル)を上回ると試算、「ダムは必要」と主張しつづけた。その根拠に単身世帯の増加で水の使用が非効率となり、1人当たりの需要が増加することなどを挙げた。

 ■高まる批判

 試算には総務省が09年、「過大予測の可能性」を指摘するなど、疑問の声が相次いだ。

 そこで今年3月、札幌市は15年度から10年間の水道ビジョンで7年ぶりに水需要を再試算。15年度の需要推計を66・2万立方メートルとした上で、35年度の必要給水量(需要)を61・8万立方メートルと、07年度試算から約3割、下方修正した。現状の保有水源でもまかなえる結果となった。

 市は下方修正を、節水型家電の普及や企業の水需要の低下などが原因と説明する。秋元克広市長も先月の定例記者会見で「推計が正しくなかったのではなく、状況変化で需要が変わった」と話した。

 総務省は「過大評価を指摘したが、当時の段階では非合理的な説明ではなかった」として、当時の推計に問題があったか判断はできないとしている。

 ダムの必要性に疑問を呈してきた北海道自然保護協会の佐々木克之副会長は「経済成長が続き企業需要が増える甘い見通しの予想だった。ダムの必要性を強調する過大予測ありきだった」と批判。必要性に改めて疑問を示し、札幌市の取水は停止するよう求めた。

 ■水源分散を主張

 札幌市水道局は、「現在の水源の98%は豊平川に依存している。災害に備えた水源の分散が求められている」と強調、ダムは必要との立場を変えない。

 また現在の水道設備は老朽化していて、今後の改修工事の際にはダムからの給水も必要としている。秋元市長は「当初計画に大幅な変更はない」と話す。

 これに対し、北海道自然保護協会は「既に災害対策で周辺市町村と協定を結んでいる。ダムは周辺の自然に大きな環境負荷をかけ、財政出動する理由もない」と反論する。

 地方自治に詳しい鳥取大の小野達也教授(政策評価論)は「自治体の推計は事業を前提にして過大になりがちで、過大投資にもつながりかねない。推計の下方修正について誤りを率直に認め、原因を究明する姿勢が重要だ」と述べた。
【山下智恵】


【2015/09/08 13:58】 | 各地のダム情報
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