「ダム建設の時代は終わった」by米国内務省開拓局長官ウィリアム・ピアーズ
               嶋津 暉之

石木ダム問題についての毎日新聞の記事です。
長崎県および佐世保市が強硬姿勢をやめて、住民との話し合いのテーブルにつくことが何よりも求められています。

◆川原のいま:石木ダム建設/中 
県市と地権者に溝 利水、予測と実績に差 治水、氾濫想定妥当か /長崎

(毎日新聞長崎版 2015年08月31日)
http://mainichi.jp/area/nagasaki/news/20150831ddlk42010178000c.html

 「ダム建設ありきの考え方はおかしい。もっと地元の声に耳を傾けるべきだ」。
石木ダム予定地の川棚町川原地区で、地権者の岩下和雄さん(68)は一方的に事業を進める県の姿勢に怒りを込めて訴えた。相手は、ダムの必要性を検証する第三者機関「県公共事業評価監視委員会」(委員長、中村聖三・長崎大大学院教授)の委員5人。今月10日、現地調査に訪れた。

 川原地区の石木川をせきとめる石木ダムは、本流で大村湾に注ぐ川棚川の治水と、佐世保市の上水道向けの利水の両面から計画された。反対地権者は同盟を結成し、石木ダム対策弁護団や専門家の支援を受け「洪水対策はより低コストの河川改修ですむ」「ダムを必要とする水需要予測は過大」と、県と市に疑問を突きつけてきた。

 1948、56、67、90年の戦後4回、比較的大きな洪水に見舞われた川棚川。護岸工事など河川改修が進み、あふれることなく水を流せる能力(流下能力)は基準地の山道橋で毎秒1130立方メートルとなる。県は「過去の洪水時と同じ程度の降雨状況なら現状の河川整備で対応可能」と認めている。
 ただ「24時間で400ミリの100年に1度の大雨」が降ると、流下能力を上回る毎秒1400立方メートルが押し寄せ、氾濫の恐れがあると想定。防ぐために、山道橋より上流で川棚川に合流する石木川にダムを建設し、本流に流れ込む水量を減らすというのが県の治水計画だ。放水路や川底掘削などの代替案より、コスト的に有利とした。

 反対派は「100年に1度」の想定自体を「毎秒1400立方メートルは記録上なく、高すぎる」(石木ダム対策弁護団)と批判。コスト比較の妥当性も疑問視し「ダムよりも県民の経済的負担の少ない堤防のかさ上げなどを優先すべきだ。氾濫するとしても、避難計画を充実させた方が安全だ」と指摘する。

 一方、石木ダムの必要性を利水面から支える佐世保市の水需要予測も揺れている。2012年度以降、実績値との乖離(かいり)が目立つからだ。予測では、1日の最大給水量は13年度の8万1007立方メートルから14年度は9万1717立方メートルに急上昇するとした。ところが実績値は、13年度が7万9811立方メートル、14年度も7万7099立方メートル(暫定値)と下回った。

 市は拡大する水需要を賄うとして石木ダム建設を推進してきた。だが、水需要を支える人口そのものが減少傾向にあり、地権者の石丸勇さん(66)は「予測は建設のための数字合わせ。水は足りており、ダムは税金の無駄」と切り捨てる。

 現地調査を踏まえ、県公共事業評価監視委員会は24日、事業の継続は認めるが「住民の理解を得て進めるべきだ」とする意見書をまとめて知事に提出することを決めた。その一方で、県は翌25日、県収用委員会が明け渡し裁決を出した地権者の農地約5500平方メートルについて、登記移転を終え強制収用した。

 「地元の同意が得られるまでダム事業は中断すべきだ」と地権者の炭谷猛さん(64)は憤る。県市との溝が深まる中、石木ダム対策弁護団の板井優弁護士は自身が弁護団長を務め、裁判闘争の末に建設が白紙に戻った川辺川ダム(計画地・熊本県相良村)を教訓に「大型公共事業をやるかやらないか、やるとしてどうするのかは行政でなく住民が決めるというルールづくりが重要だ」と指摘する。

 川辺川ダムが計画された球磨川流域では、国と熊本県、市町村がダムに代わる治水に向け、協議を重ねている。石木ダムでも「推進」「反対」の双方が原点に返って、話し合いのテーブルにつくことが求められている。

〔長崎版〕


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 ただ「24時間で400ミリの100年に1度の大雨」が降ると、流下能力を上回る毎秒1400立方メートルが押し寄せ、氾濫の恐れがあると想定。防ぐために、山道橋より上流で川棚川に合流する石木川にダムを建設し、本流に流れ込む水量を減らすというのが県の治水計画だ。放水路や川底掘削などの代替案より、コスト的に有利とした。

 反対派は「100年に1度」の想定自体を「毎秒1400立方メートルは記録上なく、高すぎる」(石木ダム対策弁護団)と批判。コスト比較の妥当性も疑問視し「ダムよりも県民の経済的負担の少ない堤防のかさ上げなどを優先すべきだ。氾濫するとしても、避難計画を充実させた方が安全だ」と指摘する。

 一方、石木ダムの必要性を利水面から支える佐世保市の水需要予測も揺れている。2012年度以降、実績値との乖離(かいり)が目立つからだ。予測では、1日の最大給水量は13年度の8万1007立方メートルから14年度は9万1717立方メートルに急上昇するとした。ところが実績値は、13年度が7万9811立方メートル、14年度も7万7099立方メートル(暫定値)と下回った。

 市は拡大する水需要を賄うとして石木ダム建設を推進してきた。だが、水需要を支える人口そのものが減少傾向にあり、地権者の石丸勇さん(66)は「予測は建設のための数字合わせ。水は足りており、ダムは税金の無駄」と切り捨てる。

 現地調査を踏まえ、県公共事業評価監視委員会は24日、事業の継続は認めるが「住民の理解を得て進めるべきだ」とする意見書をまとめて知事に提出することを決めた。その一方で、県は翌25日、県収用委員会が明け渡し裁決を出した地権者の農地約5500平方メートルについて、登記移転を終え強制収用した。

 「地元の同意が得られるまでダム事業は中断すべきだ」と地権者の炭谷猛さん(64)は憤る。県市との溝が深まる中、石木ダム対策弁護団の板井優弁護士は自身が弁護団長を務め、裁判闘争の末に建設が白紙に戻った川辺川ダム(計画地・熊本県相良村)を教訓に「大型公共事業をやるかやらないか、やるとしてどうするのかは行政でなく住民が決めるというルールづくりが重要だ」と指摘する。

 川辺川ダムが計画された球磨川流域では、国と熊本県、市町村がダムに代わる治水に向け、協議を重ねている。石木ダムでも「推進」「反対」の双方が原点に返って、話し合いのテーブルにつくことが求められている。

〔長崎版〕

【2015/09/01 03:20】 | 石木ダム
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