「ダム建設の時代は終わった」by米国内務省開拓局長官ウィリアム・ピアーズ
               嶋津 暉之

マレーシアの大型ダム計画の問題を取り上げた記事を紹介します。

◆大型ダム計画で小水力発電の村が危機、マレーシア
 電力を自給自足する地元の村々は計画に抗議
( ナショナル ジオグラフィック日本版 2015.07.2) 
http://natgeo.nikkeibp.co.jp/atcl/news/15/a/072100019/?bpnet

 ボルネオ島マレーシア領に、熱帯雨林に囲まれた村々がある。道路も通っていないほどのへき地だが、電気は通じている。近くを流れるパパル川の水流を利用し、50世帯分の照明や冷蔵庫、電話の充電器をまかなえるほどの電気を起こして供給しているのだ。小水力発電と呼ばれるこのシステムは、大都市に電気を供給する水力発電ダムの縮小版だ。

 ところが現在、大規模なダムの建設計画がもちあがり、論議を呼んでいる。計画中のカイドゥアン・ダムが完成すれば、ボルネオ島西岸の都市部に飲料水と電気が供給されるかわりに、小水力発電を導入済み、あるいは稼働を目前にした村が少なくとも6つ、水没する恐れがあるのだ。(参考記事:「ダム建設に揺れるメコン川」)

 マレーシア政府は、ダム建設によって住居が水没するとみられる約2000人の移住を支援するとしているが、反対派は、南部に造られたバクン・ダムでも同様の約束が実行されていないと指摘する。カイドゥアン・ダムの建設が始まれば、約12平方キロメートルの土地が水の底に沈む。
 NPO「グリーン・エンパワーメント」のプログラムマネージャー、ガブリエル・ウィン氏は、「抗議は激化しつつあります」と話す。同組織はナショナル ジオグラフィックからの資金援助と、地域への電力供給を目的とした地元の団体「トニブン」との協力を得て、小水力発電の設置を支援してきた。
ウル・パパルはボルネオ島マレーシア領の北端に位置する、山あいの熱帯雨林地域だ。この辺りの村へは「四輪駆動車の運転が相当うまくないと行けません」とウィン氏は話す。

 現在、ダム建設に反対する村の住民は道路の封鎖や抗議活動を行い、カイドゥアン・ダム建設に必要な環境・社会的影響の評価をしようとする地元当局を妨害している。

 一方、小水力発電の設置は3カ所で進んでおり、今秋までには完成する予定だ。この事業はただへき地にある集落に電力を供給するだけのものではなく、「村が主導権を持つ」という共通の目標に向け、住民の団結を促進するものだとウィン氏は話す。

 クロッカー山脈を抱える熱帯雨林ウル・パパル一帯は、オランウータン、マレーグマ、ウンピョウといった希少種の生息地として、2014年にユネスコから生物圏保存地域(ユネスコエコパーク)に指定された。(参考記事:「アマゾンの巨大ダムが7割の動物を絶滅させる恐れ」)

 ウィン氏はウル・パパルを「とても健全で豊かな熱帯雨林」と評価し、自然資源として「深さ150メートルものダム湖に沈めるより、このまま残していくべきです」と話している。(参考記事:「米国に広がるダム撤去の動き」)
小さくても重要な設備:ティク村の小水力発電所でタービンを点検する技師。ウィン氏によれば、こうした設備の発電容量は平均10キロワット。発電量は少ないが、村1つの需要をまかなうには十分だという。

ブアヤン村の発電所とパパル川の取水口をつなぐ、金属製の導水管。小水力発電の設置費用はケースごとに大きく異なるが、現在設置中の3カ所でグリーン・エンパワーメントが負担する費用は、1カ所当たり約2万ドルになる見込みだとウィン氏は話す。

文=Christina Nunez/写真=Nicole Werbeck/訳=高野夏美


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 NPO「グリーン・エンパワーメント」のプログラムマネージャー、ガブリエル・ウィン氏は、「抗議は激化しつつあります」と話す。同組織はナショナル ジオグラフィックからの資金援助と、地域への電力供給を目的とした地元の団体「トニブン」との協力を得て、小水力発電の設置を支援してきた。
ウル・パパルはボルネオ島マレーシア領の北端に位置する、山あいの熱帯雨林地域だ。この辺りの村へは「四輪駆動車の運転が相当うまくないと行けません」とウィン氏は話す。

 現在、ダム建設に反対する村の住民は道路の封鎖や抗議活動を行い、カイドゥアン・ダム建設に必要な環境・社会的影響の評価をしようとする地元当局を妨害している。

 一方、小水力発電の設置は3カ所で進んでおり、今秋までには完成する予定だ。この事業はただへき地にある集落に電力を供給するだけのものではなく、「村が主導権を持つ」という共通の目標に向け、住民の団結を促進するものだとウィン氏は話す。

 クロッカー山脈を抱える熱帯雨林ウル・パパル一帯は、オランウータン、マレーグマ、ウンピョウといった希少種の生息地として、2014年にユネスコから生物圏保存地域(ユネスコエコパーク)に指定された。(参考記事:「アマゾンの巨大ダムが7割の動物を絶滅させる恐れ」)

 ウィン氏はウル・パパルを「とても健全で豊かな熱帯雨林」と評価し、自然資源として「深さ150メートルものダム湖に沈めるより、このまま残していくべきです」と話している。(参考記事:「米国に広がるダム撤去の動き」)
小さくても重要な設備:ティク村の小水力発電所でタービンを点検する技師。ウィン氏によれば、こうした設備の発電容量は平均10キロワット。発電量は少ないが、村1つの需要をまかなうには十分だという。

ブアヤン村の発電所とパパル川の取水口をつなぐ、金属製の導水管。小水力発電の設置費用はケースごとに大きく異なるが、現在設置中の3カ所でグリーン・エンパワーメントが負担する費用は、1カ所当たり約2万ドルになる見込みだとウィン氏は話す。

文=Christina Nunez/写真=Nicole Werbeck/訳=高野夏美

【2015/07/23 10:30】 | Webの記事
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