「ダム建設の時代は終わった」by米国内務省開拓局長官ウィリアム・ピアーズ
                 嶋津 暉之

首都圏の代表的な海水浴エリアである千葉県の九十九里浜や神奈川県の西湘(せいしょう)海岸などの一部で、砂浜が消えつつあります。
砂浜消失はいくつかの要因がありますが、ダム建設も重要な要因であると思います。

◆消えゆく海水浴場、30年で半減 千葉、潮流変化が影響
(朝日新聞2015年7月7日15時07分)
http://digital.asahi.com/articles/ASH772JDGH77UTIL003.html


 首都圏の代表的な海水浴エリアである千葉県の九十九里浜や神奈川県の西湘(せいしょう)海岸などの一部で、砂浜が消えつつある。両県が砂を運んだり、突堤を造ったりして砂浜が戻った所もあるが、海水浴場はこの30年ほどで大幅に減っている。

 「昔は砂浜で野球ができるくらい広かった」。千葉県一宮町のタクシー運転手、岩楯宣雄(いわだてのぶお)さん(66)は数十年前を懐かしむ。海岸が浸食され、砂浜が流出した影響で、かつて町内に3カ所あった海水浴場は現在1カ所。軒を連ねていた海の家も今は4軒が点在するのみだ。

 全長66キロに及ぶ広大な砂浜で知られる九十九里浜。千葉県などによると、かつては海岸線の南北にある太東埼(たいとうさき)と屛風ケ浦の崖が波で削られて土砂が浜に運ばれ、遠浅の海を形成していた。だが1960年代以降、各地に波消しの堤防が築かれたり、河川整備が進められたりすると、潮の流れが変わり、潮にのって運ばれていた土砂が激減して、砂浜が徐々に消失したと推測されている。

 30年ほど前には県内に36カ所あった海水浴場は、ほぼ半減し、今年の開設予定は19カ所。4カ所あった匝瑳(そうさ)市では2010年までに全てが閉鎖した。横芝光町の木戸浜は、陸から波打ち際まで300メートル以上あった砂浜が100メートルほどしかなくなり、波打ち際からすぐに深くなったり、沖合で浅くなったりと海底がデコボコで、安全が確保できないとして11年から閉鎖した。

 九十九里浜はウミガメの産卵地でもあり、浸食が進めば産卵に上陸しなくなる可能性も指摘されている。

 県は砂の流出を防ごうと、コンクリート製の人工岬「ヘッドランド」を88年から造り始めた。浜から沖にかけて長さ約200メートルのT字形の突堤を、約20キロの海岸線に22カ所築いた。09年には浜がやせた区域に砂をまく「養浜」も一部で始め、砂浜が奥行き50メートルにわたり回復した海岸もある。

 ヘッドランドができた一宮町の海の家組合の近藤秀雄組合長(58)は「思った以上の成果は出ていないが、何もしなければ浸食がもっと進行したかもしれない」と一定の評価をする。一方、地元のサーフィン業組合の鵜沢清永組合長(39)は「ヘッドランド付近に離岸流が起き、砂浜がひどく削られている箇所がある」と指摘する。

 県河川整備課の担当者は「砂浜の保全は地域経済だけでなく、高波被害を防ぐ防災面からも必要だ。地元住民の意見を聞きながら、対策の方向性や方策を検討したい」と話す。

■さらなる消失予測も

 神奈川県では、相模湾沿いの小田原市から大磯町までの13キロにわたる西湘海岸で、砂浜の流出が目立つ。県砂防海岸課によると、小田原の酒匂(さかわ)川から海に注ぎ込んでいた砂が、河川上流のダム建設や砂利採取などで減り、さらに台風で砂浜の浸食が進んだという。過去60年間で、奥行き50メートルほどあった砂浜が失われた所もあるという。

 小田原市の国府津(こうづ)海水浴場は99年、二宮町の袖が浦海水浴場は08年にそれぞれ閉鎖。西湘海岸以東でも、鎌倉市の稲村ガ崎海水浴場が03年、横須賀市の秋谷海水浴場が09年にそれぞれ浸食などの影響で閉鎖した。

 一方、平塚市の平塚海岸では93年度から離岸堤の整備を進めたところ砂浜が徐々に回復。02年には35年ぶりに海水浴場(湘南ベルマーレひらつかビーチパーク)を復活させた。茅ケ崎市の茅ケ崎海岸では砂浜の奥行きが最大50~60メートル後退したが、養浜やヘッドランド整備で回復の兆しがみえるという。

 全国の海岸を研究する財団法人土木研究センター・なぎさ総合研究室(東京)の宇多高明室長は「近い将来、全国各地でかなりの割合で砂浜の消失が予測される。海岸の保全には多額の費用がかかる。深刻さを住民らに理解してもらい、対策を急ぐ必要がある」と話している。(上田学)



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 30年ほど前には県内に36カ所あった海水浴場は、ほぼ半減し、今年の開設予定は19カ所。4カ所あった匝瑳(そうさ)市では2010年までに全てが閉鎖した。横芝光町の木戸浜は、陸から波打ち際まで300メートル以上あった砂浜が100メートルほどしかなくなり、波打ち際からすぐに深くなったり、沖合で浅くなったりと海底がデコボコで、安全が確保できないとして11年から閉鎖した。

 九十九里浜はウミガメの産卵地でもあり、浸食が進めば産卵に上陸しなくなる可能性も指摘されている。

 県は砂の流出を防ごうと、コンクリート製の人工岬「ヘッドランド」を88年から造り始めた。浜から沖にかけて長さ約200メートルのT字形の突堤を、約20キロの海岸線に22カ所築いた。09年には浜がやせた区域に砂をまく「養浜」も一部で始め、砂浜が奥行き50メートルにわたり回復した海岸もある。

 ヘッドランドができた一宮町の海の家組合の近藤秀雄組合長(58)は「思った以上の成果は出ていないが、何もしなければ浸食がもっと進行したかもしれない」と一定の評価をする。一方、地元のサーフィン業組合の鵜沢清永組合長(39)は「ヘッドランド付近に離岸流が起き、砂浜がひどく削られている箇所がある」と指摘する。

 県河川整備課の担当者は「砂浜の保全は地域経済だけでなく、高波被害を防ぐ防災面からも必要だ。地元住民の意見を聞きながら、対策の方向性や方策を検討したい」と話す。

■さらなる消失予測も

 神奈川県では、相模湾沿いの小田原市から大磯町までの13キロにわたる西湘海岸で、砂浜の流出が目立つ。県砂防海岸課によると、小田原の酒匂(さかわ)川から海に注ぎ込んでいた砂が、河川上流のダム建設や砂利採取などで減り、さらに台風で砂浜の浸食が進んだという。過去60年間で、奥行き50メートルほどあった砂浜が失われた所もあるという。

 小田原市の国府津(こうづ)海水浴場は99年、二宮町の袖が浦海水浴場は08年にそれぞれ閉鎖。西湘海岸以東でも、鎌倉市の稲村ガ崎海水浴場が03年、横須賀市の秋谷海水浴場が09年にそれぞれ浸食などの影響で閉鎖した。

 一方、平塚市の平塚海岸では93年度から離岸堤の整備を進めたところ砂浜が徐々に回復。02年には35年ぶりに海水浴場(湘南ベルマーレひらつかビーチパーク)を復活させた。茅ケ崎市の茅ケ崎海岸では砂浜の奥行きが最大50~60メートル後退したが、養浜やヘッドランド整備で回復の兆しがみえるという。

 全国の海岸を研究する財団法人土木研究センター・なぎさ総合研究室(東京)の宇多高明室長は「近い将来、全国各地でかなりの割合で砂浜の消失が予測される。海岸の保全には多額の費用がかかる。深刻さを住民らに理解してもらい、対策を急ぐ必要がある」と話している。(上田学)


【2015/07/08 09:14】 | 新聞記事から
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