「ダム建設の時代は終わった」by米国内務省開拓局長官ウィリアム・ピアーズ
                  嶋津 暉之

国交省の国土審議会の答申「今後の水資源政策のあり方について」が公表されたことはすでにお伝えしました。
http://www.mlit.go.jp/report/press/water02_hh_000061.html

この答申を審議した3月13日(金)の国土審議会第14回 水資源開発分科会は、答申案へのパブリックコメントを行った結果を踏まえて、答申をどうするかを議論する会議でしたが、まことに腹立たしい会議であったことは前に報告しました。
これではパブリックコメントを行った意味がまったくないではないかと、叫びたくなる会議でした。

提出された個別意見を事前に委員に送ることはせず、国交省が都合よくまとめたものを委員に送っただけでした(個別意見は当日、各委員の机の上においただけでした)。
http://www.mlit.go.jp/common/001082915.pdf

そのため、個別意見が示した水資源行政の問題点が委員たちに伝わっていませんでした。また、委員たちの問題意識の不足もあって、議論はいわば答申案の言葉遊びに終始していました。

この個別意見は一般には公開されませんでしたので、情報公開請求をするとともに、公開するように国交省と直談判もしました。

その結果かどうかは分かりませんが、パブコメの個別意見が国交省HPに公表されました。
興味のある方はご覧ください。
因みに私の意見は12番目です。
http://www.mlit.go.jp/common/001084616.pdf


また、3月13日の 水資源開発分科会の議事録も国交省HPに掲載されました。
http://www.mlit.go.jp/common/001084742.pdf

この会議は上述のように虚しい会議でしたが、最後にあいさつした藤山秀章水資源部長が意外なことに個別意見が提起した問題に触れていました。
ダムが環境に与えた負荷への反省がない、水余りが進んでいる、水資源開発促進法を廃止すべきなどの意見があったと語っていました。
それに対する藤山氏の見解はよく理解できませんでしたが、参考のため、その発言を下記に記しておきます。
【藤山水資源部長】
どうも長い間のご審議ありがとうございました。
私が何か言うと、周りが、また何か言い出すんじゃないかと心配しているところもあるんですけれども、答申という形でいただくことになりますので、これを受けてどう動くかということになるかと思います。

それで、今日の会の主題は、パブリックコメントを受けてということなんですけれども、ちょっと舌足らずなところがありまして、この資料4の横書きの中に、後半の部分を省略して説明をさせていただいたんですけども、むしろ丁寧にご説明するとすれば、本文の中に反映されなかったご意見に対して、どういう考え方で反映されなかったのかを、本当は一つ一つご説明して、委員の皆様方のご了解を得なければいけなかっただろうと思っております。その辺のところは大変申し訳ないと思っています。

いくつか大きな意見をあらためてご紹介をすると、これまで水資源開発のために作ってきたダムは、水循環の観点だけではありませんけれども、非常に環境に対して大きな負荷を与えてきたと。そういう大反省が少ない、ないというご指摘が一番大きな意見としてあったと。
この分科会あるいは部会の方でご議論いただいた時には、先の方を見てご意見をいただくというような進め方でやってきたので、その部分についてはここでは大きく触れなくて、淡々と、将来を見据えてという言い方になっているんですが、それではまずいと。
ちゃんと総括すべきであると。ダムというのは必ず自然環境に何らかの影響を与えるということは当然のことであると認識しておりますが、その辺のところのご意見が大きくあったということが1つ。

それと、あと水需要という話でいくと、よく水が余っているという話がされます。これにつきましては、前にもこの場でご説明させていただきましたけれども、10年に1回の渇水というものに対して、これから新規にどれだけの水が必要になってくるのかと。10年に1回と、私ども、テクニカルな言葉になりますが、それを安全度と呼んでいます。その安全度、10年に1回という渇水に対して、財政的制約、ダムを築造することによる自然への影響、あるいは社会的な制約の中で、どこまでやるべきかどうかという一線を、もう数十年前に、10年に1回の渇水を相手にということで、それに対して新規の水がどれだけ必要になってくるのかという両方を見ながらやってきております。

それに対しては、極端な話、強硬なことを言えば、100年に1回の渇水に対してもちゃんと水を確保しなければいけないんじゃないかと言う人もおられるかと思いますけれども、それは財政的なものとか、あと日本の場合は、例えばアメリカなんかと違いまして、ちゃんと四季があるので、数カ月の我慢をすれば必ず雨は降ってくれるというところがあり、沖先生がそんなことを言ったら、これから気候変動があったらそんなことないではないかというご意見はあるかもしれませんけども、その中で、基準とまで言うとちょっと厳しい部分があるんですけども、ある一定の考え方でやってきたので、それを大きく変えていくとなると、またすごいエネルギーがかかることになるし、秩序が乱れるということがあるかと思います。

ただ、だからといって、余っているという表現だけが独り歩きしていった場合、それは確かに、これから人口も減っていくという前提の中では、新規利水については、地域によってはあるかと思いますけれども、大きくは、日本全国で見ても、その需要というものは減っていくということが見込まれる中で、一つ言っておきたいのは、誤解を招かないように言えば、安全度自体は決して、日本の場合は、先ほどから言っているように、10年に1回の渇水ということで、なおかつ渇水が始まりそうなときには我慢をしていただいて、取水制限、給水制限という措置を取ることは、その時々はその先が分からないものですから。

また、計算どおりに物事は起きませんので、どんな渇水が起きるか分かりませんけども、これからの渇水というのは、私は、頻度的にはたびたび起こるものだろうというように思っておりますので、分かっていただくという意味では、これからどんどんダムを築造すべき状況にはないということは共通認識として分科会の皆さんはおありかと思いますけども、今まで整備されてきた状況も含めて、これからも渇水というのは起きていくんです。それをまた声高に言うと、もっともっと実力を上げたいんじゃないかというように取られる場合もあるんですけども、それについては広報というものを通じて言っていかなきゃいけないんじゃないかなと。それも含めて、安定的な供給というものを考えていかなければいけ
ないと。
あと、この資料4で、もう1度、もうおしまいかもしれませんが、12ページの一番上、51番、水需要が減少し、水余りが顕著になる時代において、水資源開発計画を策定するための要件を満たす地域は存在しないため、水資源開発促進法を廃止すべきであると。水資源開発促進法を廃止すべきであるというご意見を多くいただいております。
これにつきましては、もう説明はさせていただきましたけれども、いろんなところで、水資源開発の促進からという表現で、あと一番最後のあとがきの部分で、抜本的な制度の見直しも含めてということですので、当然、これを受けて、水資源開発促進法そのものをどうしていったらいいのかということは考えていかなければいけないことだろうというように受け止めております。

前回、この場面でしたか、それとも部会でしたか、法律の改正についてはテクニカルな部分がありますのでというようなことを1回言わせていただいた時に、ちょっと私も舌足らずなところがあって、法改正をやらなくてもできることはできるんだというような、今日、沖先生から、法治国家でありますのでというお話もあったんですけれども、誤解を招かないように言うと、法律の世界というと、この前言ったテクニカルという話は、時代とともに、法律で規定する範囲を狭くしてきているところがあります。法律を制定しなくてもできることは法律に基づかなくてもやりなさいと。
やっていいものはやって、どういうものについて法律に基づかなければいけないかというと、例えば私権を制限したり、ほかの法律との関係で例外規定を設けたり、法律を改正する、あるいは新しく法律を作るにはいくつかのハードルがございますので、そういう意味で、これは言い訳になりますけれども、抜本的な制度の見直しも含めてということです
ので、安定的な供給を図っていくんだという事柄をどういう形で実現していくかについては、それが法律として必要であれば、当然、法改正をしていくと。それは当然、需要と供給の部分もございますので、それも併せて考えていくということになろうかと思います。

これ以上言うと言い訳ばっかりになりますので、この答申を受けまして、本当にどういう形で進めていったらいいのかということについては、要するに、この中でも、曲がり角に来ているという表現も含まれておりますので、これを受けまして、対応については真摯に一刻も早く考えていきたいというふうに思います。
本当に長時間のご議論、ありがとうございました。


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【藤山水資源部長】
どうも長い間のご審議ありがとうございました。
私が何か言うと、周りが、また何か言い出すんじゃないかと心配しているところもあるんですけれども、答申という形でいただくことになりますので、これを受けてどう動くかということになるかと思います。

それで、今日の会の主題は、パブリックコメントを受けてということなんですけれども、ちょっと舌足らずなところがありまして、この資料4の横書きの中に、後半の部分を省略して説明をさせていただいたんですけども、むしろ丁寧にご説明するとすれば、本文の中に反映されなかったご意見に対して、どういう考え方で反映されなかったのかを、本当は一つ一つご説明して、委員の皆様方のご了解を得なければいけなかっただろうと思っております。その辺のところは大変申し訳ないと思っています。

いくつか大きな意見をあらためてご紹介をすると、これまで水資源開発のために作ってきたダムは、水循環の観点だけではありませんけれども、非常に環境に対して大きな負荷を与えてきたと。そういう大反省が少ない、ないというご指摘が一番大きな意見としてあったと。
この分科会あるいは部会の方でご議論いただいた時には、先の方を見てご意見をいただくというような進め方でやってきたので、その部分についてはここでは大きく触れなくて、淡々と、将来を見据えてという言い方になっているんですが、それではまずいと。
ちゃんと総括すべきであると。ダムというのは必ず自然環境に何らかの影響を与えるということは当然のことであると認識しておりますが、その辺のところのご意見が大きくあったということが1つ。

それと、あと水需要という話でいくと、よく水が余っているという話がされます。これにつきましては、前にもこの場でご説明させていただきましたけれども、10年に1回の渇水というものに対して、これから新規にどれだけの水が必要になってくるのかと。10年に1回と、私ども、テクニカルな言葉になりますが、それを安全度と呼んでいます。その安全度、10年に1回という渇水に対して、財政的制約、ダムを築造することによる自然への影響、あるいは社会的な制約の中で、どこまでやるべきかどうかという一線を、もう数十年前に、10年に1回の渇水を相手にということで、それに対して新規の水がどれだけ必要になってくるのかという両方を見ながらやってきております。

それに対しては、極端な話、強硬なことを言えば、100年に1回の渇水に対してもちゃんと水を確保しなければいけないんじゃないかと言う人もおられるかと思いますけれども、それは財政的なものとか、あと日本の場合は、例えばアメリカなんかと違いまして、ちゃんと四季があるので、数カ月の我慢をすれば必ず雨は降ってくれるというところがあり、沖先生がそんなことを言ったら、これから気候変動があったらそんなことないではないかというご意見はあるかもしれませんけども、その中で、基準とまで言うとちょっと厳しい部分があるんですけども、ある一定の考え方でやってきたので、それを大きく変えていくとなると、またすごいエネルギーがかかることになるし、秩序が乱れるということがあるかと思います。

ただ、だからといって、余っているという表現だけが独り歩きしていった場合、それは確かに、これから人口も減っていくという前提の中では、新規利水については、地域によってはあるかと思いますけれども、大きくは、日本全国で見ても、その需要というものは減っていくということが見込まれる中で、一つ言っておきたいのは、誤解を招かないように言えば、安全度自体は決して、日本の場合は、先ほどから言っているように、10年に1回の渇水ということで、なおかつ渇水が始まりそうなときには我慢をしていただいて、取水制限、給水制限という措置を取ることは、その時々はその先が分からないものですから。

また、計算どおりに物事は起きませんので、どんな渇水が起きるか分かりませんけども、これからの渇水というのは、私は、頻度的にはたびたび起こるものだろうというように思っておりますので、分かっていただくという意味では、これからどんどんダムを築造すべき状況にはないということは共通認識として分科会の皆さんはおありかと思いますけども、今まで整備されてきた状況も含めて、これからも渇水というのは起きていくんです。それをまた声高に言うと、もっともっと実力を上げたいんじゃないかというように取られる場合もあるんですけども、それについては広報というものを通じて言っていかなきゃいけないんじゃないかなと。それも含めて、安定的な供給というものを考えていかなければいけ
ないと。
あと、この資料4で、もう1度、もうおしまいかもしれませんが、12ページの一番上、51番、水需要が減少し、水余りが顕著になる時代において、水資源開発計画を策定するための要件を満たす地域は存在しないため、水資源開発促進法を廃止すべきであると。水資源開発促進法を廃止すべきであるというご意見を多くいただいております。
これにつきましては、もう説明はさせていただきましたけれども、いろんなところで、水資源開発の促進からという表現で、あと一番最後のあとがきの部分で、抜本的な制度の見直しも含めてということですので、当然、これを受けて、水資源開発促進法そのものをどうしていったらいいのかということは考えていかなければいけないことだろうというように受け止めております。

前回、この場面でしたか、それとも部会でしたか、法律の改正についてはテクニカルな部分がありますのでというようなことを1回言わせていただいた時に、ちょっと私も舌足らずなところがあって、法改正をやらなくてもできることはできるんだというような、今日、沖先生から、法治国家でありますのでというお話もあったんですけれども、誤解を招かないように言うと、法律の世界というと、この前言ったテクニカルという話は、時代とともに、法律で規定する範囲を狭くしてきているところがあります。法律を制定しなくてもできることは法律に基づかなくてもやりなさいと。
やっていいものはやって、どういうものについて法律に基づかなければいけないかというと、例えば私権を制限したり、ほかの法律との関係で例外規定を設けたり、法律を改正する、あるいは新しく法律を作るにはいくつかのハードルがございますので、そういう意味で、これは言い訳になりますけれども、抜本的な制度の見直しも含めてということです
ので、安定的な供給を図っていくんだという事柄をどういう形で実現していくかについては、それが法律として必要であれば、当然、法改正をしていくと。それは当然、需要と供給の部分もございますので、それも併せて考えていくということになろうかと思います。

これ以上言うと言い訳ばっかりになりますので、この答申を受けまして、本当にどういう形で進めていったらいいのかということについては、要するに、この中でも、曲がり角に来ているという表現も含まれておりますので、これを受けまして、対応については真摯に一刻も早く考えていきたいというふうに思います。
本当に長時間のご議論、ありがとうございました。

【2015/04/10 04:22】 | 政策
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