「ダム建設の時代は終わった」by米国内務省開拓局長官ウィリアム・ピアーズ
                嶋津 暉之

広島の被災地で住民を置き去りにして、約160戸が立ち退き対象となる幅16メートルの広域避難路の建設計画がつくられました。
災害に便乗して、住民不在の公共事業が強権的に進められようとしています。

<広島の課題・上>防災の街 住民置き去り
(読売新聞広島版 2015年03月26日)
http://www.yomiuri.co.jp/local/hiroshima/news/20150325-OYTNT50156.html

「意見がなければ、これで決定します。よろしいでしょうか」

 「異議なし」。25日、広島市役所で市幹部ら15人が出席した市復興まちづくり本部の第4回会議。被災地の今後10年間の砂防ダムや広域避難路整備などを盛り込んだ「復興まちづくりビジョン」が正式に決まった。特に発言もなく、会議は約30分で終わった。

 計画では、安佐南区八木、緑井の被災地に幅16メートルの広域避難路を長さ3・2キロにわたって整備するとした。市によると、予定ルート上の約160戸が立ち退き対象となる。「避難路への住民の理解はいただけている」と市幹部。この日の会議でも議題には上らなかった。

 だが、予定地に住む八木3の主婦藤本美登里さん(73)は不満を募らせる。「工事はいつ始まるのか。いつまで自宅に住めるのか」。担当者に尋ねても具体的な答えはない。

 ビジョンで、被災地が安全な町としてどのように生まれ変わるのかもあまり見通せないといい、「今のままでは中ぶらりん。身動きが取れない」と訴える。
■    □

 今回、計画された避難路は元々、渋滞緩和などを目的として1968年に都市計画決定された市道「長束八木線」(安佐南区長束3~八木6、計8・5キロ)の一部だった。財源不足などで開通区間は両端の2・7キロのみ。被災地での整備は事実上、止まっていた。

 土砂災害でその状況は一変する。避難路確保や雨水排水設備の必要性が指摘され、再び推進が決まった。

 ビジョンでは、最初の5年間の集中復興期間(緑井8、八木3、4)とその後5年の継続復興期間(緑井6~8、八木4)に分けて工事を進め、地下には雨水管を敷設する。広島大の海堀正博教授(砂防学)は「緊急時に、流出する土砂から横に逃げるための道路整備は重要だ」と話す。

□    ■

 自宅が立ち退き対象だと藤本さんが知ったのは、市がビジョン案を発表した昨年12月。市道の整備計画は立ち消えになった、と思っていた。災害時、自宅に大きな被害はなく、約50年前から暮らすこの場所で住み続けようと考えていただけにショックを受けた。

 「被災地の将来は行政だけで決めるのではない。私たちの声にもっと耳を傾けてほしい」と思う。他の被災者の間でも「『復興』の名の下に、自分たちの思いが置き去りにされている」との声がくすぶる。

 市は新年度予算に集中復興期間の測量や設計費など約6億9200万円を計上、秋以降に立ち退き交渉を始める方針だ。市道が既に決定された計画とした上で、案の発表後に各地で説明会を開くなどしたほか、4月以降も安佐南、安佐北両区に新設する復興工事事務所で住民の意見を聞くとして、住民に理解を求める。

 都市計画に詳しい広島大の戸田常一教授(地域政策論)は「地域がどう良くなるのか、市には住民とビジョンを共有していくため、さらに努力が必要だ」と指摘する。(大槻浩之)



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 今回、計画された避難路は元々、渋滞緩和などを目的として1968年に都市計画決定された市道「長束八木線」(安佐南区長束3~八木6、計8・5キロ)の一部だった。財源不足などで開通区間は両端の2・7キロのみ。被災地での整備は事実上、止まっていた。

 土砂災害でその状況は一変する。避難路確保や雨水排水設備の必要性が指摘され、再び推進が決まった。

 ビジョンでは、最初の5年間の集中復興期間(緑井8、八木3、4)とその後5年の継続復興期間(緑井6~8、八木4)に分けて工事を進め、地下には雨水管を敷設する。広島大の海堀正博教授(砂防学)は「緊急時に、流出する土砂から横に逃げるための道路整備は重要だ」と話す。

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 自宅が立ち退き対象だと藤本さんが知ったのは、市がビジョン案を発表した昨年12月。市道の整備計画は立ち消えになった、と思っていた。災害時、自宅に大きな被害はなく、約50年前から暮らすこの場所で住み続けようと考えていただけにショックを受けた。

 「被災地の将来は行政だけで決めるのではない。私たちの声にもっと耳を傾けてほしい」と思う。他の被災者の間でも「『復興』の名の下に、自分たちの思いが置き去りにされている」との声がくすぶる。

 市は新年度予算に集中復興期間の測量や設計費など約6億9200万円を計上、秋以降に立ち退き交渉を始める方針だ。市道が既に決定された計画とした上で、案の発表後に各地で説明会を開くなどしたほか、4月以降も安佐南、安佐北両区に新設する復興工事事務所で住民の意見を聞くとして、住民に理解を求める。

 都市計画に詳しい広島大の戸田常一教授(地域政策論)は「地域がどう良くなるのか、市には住民とビジョンを共有していくため、さらに努力が必要だ」と指摘する。(大槻浩之)


【2015/03/27 03:12】 | 新聞記事から
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