「ダム建設の時代は終わった」by米国内務省開拓局長官ウィリアム・ピアーズ
計画浮上から63年。さまざまな課題を抱え、八ツ場ダムが完成へと動き出した。関係者に聞いた。

◆八ツ場ダム本体着工 私の考え(上)
(朝日新聞群馬版2015年01月23日)
http://www.asahi.com/area/gunma/articles/MTW20150123100580001.html

長野原町長・萩原睦男さん

――八ツ場ダムの本体工事が始まりました。

「(計画浮上から)60年あまりの歴史の節目に立ち会えて光栄だ。ただ、水没予定地区の中には戸数が減ってコミュニティーが崩壊したところがある。商売が立ちゆかなくなり、町を出た人もいる。ダムがなければ、こんなことにならなかった。住民はダムの犠牲者で、その生活再建が何よりも重要だ。ダム完成後も視野に入れ、みんなで再建を考える時期にきている」
――水没予定5地区の340世帯のうち、200世帯以上が町外に出てしまいました。なぜ、こんなことに?

「水没予定地区の代替地は、住民の要望も入れて高台に造る『現地再建ずり上がり方式』をとった。急峻(きゅう・しゅん)な場所に造成する難工事だったので代替地の整備が遅れ、町外への転出につながった。代替地の価格が高く、買うのを諦めて出ていった人もいる。厳しい状況からの再建に、大きなプレッシャーを感じている」

――生活再建はどう進めますか。

「コミュニティーを復活させるために公民館を造ったり、交流人口を増やしてにぎわいを取り戻そうとしたりしている。林地区の道の駅、川原畑地区の滞在型農園クラインガルテンはうまくいっている。他の地域もそれぞれ知恵を絞っている」

――町民から「働く場がない」という声を聞きます。県はかつて、200人の雇用を生む公社をつくると言っていたが立ち消えになりました。

「できませんでした、では納得できない。私は県に『代替案を示してほしい』と、うるさいほど言っている。県も真剣に考えていると思う。ダムができたら長野原町に番人をさせ、国や県は逃げ出すなんてあってはならない。県営事業のようなものがあれば、逃げることはできない」

――昨年の町長選で「オール長野原で再建に取り組もう」と訴えました。

「これまで、生活再建の話し合いに水没予定地区以外の住民も町議も参加しなかった。それでいいのかという思いだった。一例を言えば、野菜の6次産業化をすれば北軽井沢などの野菜農家はもちろん、雇用の場が生まれて水没予定地区の住民も助かる。各地域をウィンウィンの関係にしなければ」

「人口減で、町が一体にならないと、何もできなくなっている。その象徴が湯かけまつりだ。かつては川原湯温泉の人たちだけの祭りだったが、若い男性が少なくなり、いまは60人の参加者の半分が地域外の若者だ」

――町は将来のダム湖観光に期待していますが、全国でも成功例は少ないようです。

「八ツ場ダムには、草津温泉や長野県軽井沢町への通り道にあるという強みがある。その途中で立ち止まってもらえるような、居心地のいい空間にしたい。もちろん、町単独では限界がある。草津や軽井沢、吾妻郡を含む広域で手を組み、周遊ルートでつなぐようなことはできないか。国土交通省の『水源地域ビジョン』制度なども活用し、ダム完成後の地域づくりを考えていきたい」(聞き手・土屋弘)


追記を閉じる▲
――水没予定5地区の340世帯のうち、200世帯以上が町外に出てしまいました。なぜ、こんなことに?

「水没予定地区の代替地は、住民の要望も入れて高台に造る『現地再建ずり上がり方式』をとった。急峻(きゅう・しゅん)な場所に造成する難工事だったので代替地の整備が遅れ、町外への転出につながった。代替地の価格が高く、買うのを諦めて出ていった人もいる。厳しい状況からの再建に、大きなプレッシャーを感じている」

――生活再建はどう進めますか。

「コミュニティーを復活させるために公民館を造ったり、交流人口を増やしてにぎわいを取り戻そうとしたりしている。林地区の道の駅、川原畑地区の滞在型農園クラインガルテンはうまくいっている。他の地域もそれぞれ知恵を絞っている」

――町民から「働く場がない」という声を聞きます。県はかつて、200人の雇用を生む公社をつくると言っていたが立ち消えになりました。

「できませんでした、では納得できない。私は県に『代替案を示してほしい』と、うるさいほど言っている。県も真剣に考えていると思う。ダムができたら長野原町に番人をさせ、国や県は逃げ出すなんてあってはならない。県営事業のようなものがあれば、逃げることはできない」

――昨年の町長選で「オール長野原で再建に取り組もう」と訴えました。

「これまで、生活再建の話し合いに水没予定地区以外の住民も町議も参加しなかった。それでいいのかという思いだった。一例を言えば、野菜の6次産業化をすれば北軽井沢などの野菜農家はもちろん、雇用の場が生まれて水没予定地区の住民も助かる。各地域をウィンウィンの関係にしなければ」

「人口減で、町が一体にならないと、何もできなくなっている。その象徴が湯かけまつりだ。かつては川原湯温泉の人たちだけの祭りだったが、若い男性が少なくなり、いまは60人の参加者の半分が地域外の若者だ」

――町は将来のダム湖観光に期待していますが、全国でも成功例は少ないようです。

「八ツ場ダムには、草津温泉や長野県軽井沢町への通り道にあるという強みがある。その途中で立ち止まってもらえるような、居心地のいい空間にしたい。もちろん、町単独では限界がある。草津や軽井沢、吾妻郡を含む広域で手を組み、周遊ルートでつなぐようなことはできないか。国土交通省の『水源地域ビジョン』制度なども活用し、ダム完成後の地域づくりを考えていきたい」(聞き手・土屋弘)

【2015/01/26 13:41】 | 新聞記事から
トラックバック(0) |
コメント
この記事へのコメント
コメントを投稿
URL:

Pass:
秘密: 管理者にだけ表示を許可
 
トラックバック
この記事のトラックバックURL
この記事へのトラックバック