「ダム建設の時代は終わった」by米国内務省開拓局長官ウィリアム・ピアーズ
                 嶋津 暉之

昨日の小国川漁協総代会の結果は本当に残念でした。何とも腹立たしい限りです。

アユの中間育成施設が老朽化し、井戸を掘り替えないとアユの育成ができなくなるので、ダムを容認して県の助成が得ることが必要だという誤った情報が流れたことが特別決議が通った大きな要因になったようです。

中間育成施設の更新は舟形町が中心になって産地協議会を設立して進めていることであり、ダムとは無関係のことです。この施設の更新は基本的に舟形町の負担と水産庁からの国庫補助金で行われるものです。

あたかもダムを容認しないと、アユ中間育成施設の更新がされないかのような誤った報道がされたことが影響しました。

法的には対抗措置が残されています。水産業協同組合法では次のように、臨時総会の決議で総代会の決定を変えることができることになっています。

総組合員の五分の一(これを下回る割合を定款で定めた場合にあつては、その割合)以上の同意を得られれば、臨時総会が開催されます。

ただし、組合員が約1000人もいる小国川漁協では約200人以上の同意を取らなければなりませんので、容易ではありません。

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水産業協同組合法

(臨時総会の招集)
第四十七条の三 臨時総会は、必要があるときは、定款で定めるところにより、いつでも招集することができる。
2 組合員(准組合員を除く。)が総組合員(准組合員を除く。)の五分の一(これを下回る割合を定款で定めた場合にあつては、その割合)以上の同意を得て、会議の目的である事項及び招集の理由を記載した書面を理事(第三十四条の二第三項の組合にあつては、経営管理委員。第四項において同じ。)に提出して、総会の招集を請求したときは、理事会(同条第三項の組合にあつては、経営管理委員会)は、その請求のあつた日から二十日以内に臨時総会を招集すべきことを決定しなければならない。

(総代会)
第五十二条 9 総代会において既に議決した事項については、総代会の議決の日から三箇月以内に開催された総会において、更にこれについて議決することができる。この場合総会において総代会と異なる議決をしたときは、以後その議決によるものとする。
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朝日と読売、NHK、河北新報と山形新聞、毎日新聞の記事をお知らせします。

◆漁協、小国川ダム最終容認 総代会で特別決議
(朝日新聞山形版2014年9月29日)
http://digital.asahi.com/articles/ASG9X4QKGG9XUZHB00H.html?iref=comkiji_txt_end_s_kjid_ASG9X4QKGG9XUZHB00H

県の最上小国川ダム計画で、小国川漁協(舟形町)は28日、同町生涯学習センターで臨時総代会を開き、3分の2以上の同意が必要な特別決議でダム計画の賛否を問い、書面での参加者も含めて賛成80人、反対29人となったため、最終的な受け入れを決めた。

計画に反対していた沼沢勝善組合長が命を絶ってから7カ月。高橋光明新組合長のもとでダム容認を決めたことで、県は今後、着工に向けた準備を進める。

「(総代の)みなさんの理解があったからだと思います」

非公開で行われた臨時総代会終了後の正午すぎ、高橋組合長は報道陣を前にこう述べた。賛成57、反対46だった前回総代会から3カ月余りで、賛成を7割強にまで増やした。

総代会には県の県土整備部や農林水産部の幹部が出席。漁協などによると、県側は、流水型ダムの穴詰まり対策や、漁業振興策についての具体案を説明し、懸案のアユ中間育成施設についても、整備計画を詳細に話したという。年500万円の流域監視料を10年間漁協に支払うことについての説明もあった。

ダム容認を求める高橋組合長は、広島の豪雨災害を引き合いに「流水型ダムは生命、財産を守る大事なもの」と訴えた。アユ中間育成施設についても「舟形町、最上町、県からの助成がないとできない。案件が通れば、小国川流域の振興に貢献できる」と述べた。議案が可決されない場合、組合長の職を辞する考えも示した。

ダム計画に反対していたり、慎重な立場を示していたりする総代から「組合員がもっと意見を言える場がほしい」という声や「ダムで洪水は本当に防ぎきれるのか」という質問が出た。

総代会終了後、反対の立場を取る一部の総代らは記者会見を開いた。「漁民の持つ漁業権等を補償なしに侵害する違法な決議」などと訴え、今後も、今回の決議を「無効」と主張していく方針を示した。

■年度内入札目指す

漁協の同意を取り付けた県は今後、本体工事着工に向けた具体的な手続きに入る。県によると、まず県は漁協と川の濁り対策や、流域監視の委託などについて記された覚書を結び、さらに舟形、最上両町と県、漁協で流域振興と治水・環境対策に関する協定を結ぶ。

その後、工事をする業者を決める入札を行い、決まり次第、議会の同意を取り付ける。県幹部は、今年度中の入札を目指すとしている。

吉村美栄子知事は臨時総代会後、「流域の皆さんの安全・安心の確保とともに、流域振興に向けて新たな一歩が踏み出されるものと思っております」とのコメントを出した。

■漁業振興策で説得

《解説》なぜ賛成が7割を超えたのか。

臨時総代会に向け、漁協執行部や地元自治体の関係者は、前回反対に回ったとみられる総代の説得を試みた。アユ中間育成施設では、井戸の水量が不足し、稚アユの育成に支障が出始めている。ダム計画に合わせて進められる同施設の整備の必要性などを訴えて計画への賛成を求めた。

反対した総代の一人は「みんな、井戸がなかったら漁協がつぶれると思って、ショックを受けていた」と語る。

最上町の赤倉温泉町内会長は今月に入って、自らの名義でダム受け入れを願う手紙を総代に配り、治水対策の必要性や内水面漁業振興の推進を訴えた。

「見えない圧力を感じた」という総代もいる。

最上町のある総代は、前回「反対」したが、今回は「賛成」に回った。

同町で23日にあった町民運動会で、町議と高橋重美町長に「ダム建設推進に協力を」と握手された。「ダムはいらない。だが『反対』と理事に知られれば、仕事へ影響が出ないか心配だ」。無記名だった前回と違い、今回の特別決議は記名だった。

ダム計画に反対する総代の中には、総代会前から「多分、今回は厳しいと思う」と見る向きもあった。(上田真仁、岩沢志気)


◆小国川漁協 ダム承認 臨時総代会
(読売新聞山形版 2014年09月29日)
http://www.yomiuri.co.jp/local/yamagata/news/20140928-OYTNT50246.html

◇入札手続き 年内にも

県が進める最上小国川ダム(最上町)の建設計画について、流域の漁業権を持つ小国川漁協(舟形町)は28日、舟形町で臨時総代会を開き、ダム建設承認を柱とする特別決議案を3分の2以上の同意を得て可決した。
最大の法的手続きを乗り越えたことで、計画策定から20年を経たダム問題は本体工事着工に向け大きく前進した。県は、10月上旬をめどに漁協と協定などを締結し、年内にも入札の手続きを開始したい考えだ。

総代会は、約1000人の組合員から選ばれた総代116人をメンバーとする漁協の最高決議機関。この日はダム建設の承認と、これに伴う行使規則などの一部改正の2議案が一括上程された。60人が出席したほか、欠席者のうち50人が漁協の求めに応じて、事前に書面で賛否を示した。

高橋光明組合長は冒頭のあいさつで「(議案は)理事会が幾度となく、県と交渉を進めてきたもの。心配される穴詰まりや濁水対策に対しては理事全員が容認するような設計になった」と主張。アユの中間育成施設の老朽化や人材育成など漁協が抱える課題を説明した上で、「議案が通れば、組合運営を軌道に乗せ、流域の振興に貢献できる。全会一致での採決をお願いしたい」と訴えた。

その後の審議は非公開で行われた。複数の出席者によると、審議の冒頭では、県幹部4人が、漁協との協議で取りまとめた濁水対策や漁業振興策の概要を解説。さらに、ダム建設に伴って県と漁協、最上町、舟形町が締結する「治水・環境対策と内水面漁業振興等に関する協定」と、県と漁協が締結する「漁場環境の保全に関する覚書」の内容も説明した。また、漁業補償を行わない代わりに、流域の河川監視業務の委託料として、年約500万円を支払う漁協執行部との合意内容についても言及した。

総代による審議では、「ダムと漁業振興は別物だ」「総代だけで全てを決めてしまっていいのか」などとする反対意見が相次いだが、高橋組合長は「私はダムと漁業振興が引き換えでも(議案を)通したいと言ってきた。そうでないと漁協がもたない。総代は組合員を代表しているので問題はない」と理解を求めた。

その後は記名投票による採決が行われ、開票の結果、選任された議長を除く賛成80、反対29で、定款が定める3分の2以上の同意を得た。

終了後、票差について高橋組合長は「県と交渉してきた内容が理解されたのだと思う。このままでは漁協が危ないという危機感もあったのでは」と感想を述べた。

吉村知事は「流域の皆さんの安心・安全の確保とともに、流域振興に向けて新たな一歩が踏み出されるものと思っている。治水と内水面漁業振興の両立のため、全力で取り組んでいきたい」とコメントした。



◆漁協 ダム建設承認を正式決定
(NHK 2014年09月28日 19時16分)
http://www3.nhk.or.jp/lnews/yamagata/6024693441.html?t=1411942249382

「最上小国川ダム」の建設をめぐって、地元の漁協が、28日、舟形町で臨時の総代会を開き、県が示した漁業の振興策などを受け入れて、建設を承認することを正式に決定しました。

これを受けて「最上小国川ダム」の建設計画は本体の着工に向けて大きく動きだすことになりました。

小国川漁協の総代会は、28日午前9時半から舟形町の施設ではじまりました。

総代会では、はじめに高橋光明組合長が「きょう議論していただく議案は理事会が一丸となって取りまとめたものなのでまずは、その内容について理解を深めてもらいたい」とあいさつしました。

このあと、協議は非公開で行われ関係者によりますと、県の担当者が、県が行う漁業振興策の内容などを説明し、ダムの建設に理解を求めたということです。

続いて、漁業振興策などを盛り込んだ協定を県などと結ぶことや、ダム本体が建設される周辺の200メートルの区間では漁が出来なくなるという制限を受け入れることなど、ダムの建設を承認するかどうか審議が行われました。

そして採決の結果、賛成80票、反対29票で賛成票が上回り、建設を承認することを正式に決定しました。

県は、川での漁業権を持つ漁協の同意を得て計画を進めたいとしていたため、今回の決定を受けて「最上小国川ダム」の建設計画は本体の着工に向けて大きく動きだすことになりました。

総代会でダムの建設を承認することが正式に決まったことについて小国川漁協の高橋光明組合長は「まずは組合員のみなさんに感謝申し上げたい。前回の総代会よりも賛成票が伸びたのは漁業振興などをめぐる県との交渉結果が評価されたからだと思う。29人の組合員が反対票を投じたことを重く受け止めながらみんなが有効に活用できる川作りを目指したい」と話していました。

吉村知事は、総代会の結果について「地域の未来を見据えて総合的に判断して頂いた結果で、これで下流域の安全・安心の確保と流域の振興に向けて新たな一歩が踏み出されるものと思っている。治水対策と漁業振興の両立を目指して関係者が一体となって取り組んでいきたい」というコメントを発表しました。


◆小国川ダム 漁協、着工を正式容認
(河北新報2014年09月29日)
http://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201409/20140929_53002.html

山形県の最上小国川ダム計画をめぐり、小国川漁協(舟形町)は28日、町内で臨時総代会を開き、執行部がダム建設承認と禁漁区域の設定を提案した。

採決の結果、賛成80、反対29と、賛成数が漁業権にかかわる特別決議として定款が規定する3分の2を上回り、漁協はダム建設、着工を正式に容認した。

議決を受けて県は、漁協などと協定、覚書を締結し、来年度早々にもダムの本体工事に着手する。完成には4年程度かかる見通し。

総代会は非公開で行われた。総代115人のうち60人が出席。議長を除いて記名投票し、欠席者の書面議決書50票(賛成41、反対9)を加えた。終了後、記者会見した高橋光明組合長は「(ダムの)穴詰まり対策など県と交渉した内容が理解された結果だ」と述べた。

総代会では、治水と漁業振興を図る協定案と、漁協が漁業補償を受けずに水質、魚類の生息状況などの監視業務を県から請け負う覚書案が了承された。禁漁区域はダム本体部分など延長200メートルと、工事、調査に伴う一時的設定が認められた。

漁協理事会はこれまでの県との協議で、監視業務を年間500万円(当面10年間)で受託することを受け入れている。

覚書は、環境への影響が発生したと考えられる場合、漁協が「対策、補償を県に求めることができる」と規定した。

総代会では出席者から「振興策はダムと引き換えなのか」などの質問が出た。高橋組合長は「受け入れないとアユ育成など組合運営が成り立たない」と理解を求めた。

吉村美栄子知事は「流域振興のため漁協などと一体となり、全力で取り組んでいきたい」との談話を出した。

漁協は6月の総代会でダム建設容認の方針を決定した。今回は本体建設で漁業権が制限されるため、定款に基づいて再度開催した。

[最上小国川ダム]山形県最上町が1987年に赤倉地区の洪水対策のため要望。県は「環境に配慮する」として貯水型ではなく、通常は通水し洪水危険時に水門を閉じる流水型(穴あき)ダムに変更、2006年に建設を正式決定した。小国川漁協は直前に総代会を開き反対を決議した。建設事業費は約70億円。


◆最上小国川ダム着工へ、漁協総代会で特別決議 賛成80反対29票で承認
(山形新聞2014年09月29日)
http://www.yamagata-np.jp/news/201409/29/kj_2014092900562.php

県が最上町の赤倉温泉上流に建設を計画している最上小国川ダムに関し、小国川漁協(舟形町、高橋光明組合長)は28日、臨時総代会を開き、ダム建設に向けて県などと協定、覚書を結ぶとする特別決議を賛成80票、反対29票で承認。

漁協は漁業補償を受けず、流域の環境監視業務を請け負って年約500万円の委託料を10年間受け取るとした県との協議内容を総代会も受け入れた。県は協定と覚書を締結した上で、流水型ダム(穴あきダム)の着工準備に入るが、一部の組合員は反発している。

舟形町生涯学習センターで開かれた総代会は非公開で、出席した60人の総代が記名投票を行った結果、賛成39票、反対20票だった。これに欠席者から事前送付された書面議決書の賛成41票、反対9票を合わせ、賛成80票、反対29票となった。

特別決議の承認には投票数の3分の2を超す賛成(今回は73票以上)が必要で、その条件をクリア。ダムは最上町の要望を受けてから約27年で本体着工へと進む見通しとなった。ダムの総事業費は約70億円が見込まれている。

高橋組合長は総代会終了後に記者会見し、「県が示したダムの穴詰まりと濁りの防止対策が組合員に評価された。(多くの総代に)このままでは漁協が危ないとの認識もあったと思う」と説明。「反対した人たちとさらに話し合い、楽しく遊べる川づくりを目指す。最上町、舟形町、漁協の発展につながるよう一生懸命、頑張る」と語った。

県県土整備部の吉田郁夫整備推進監は記者団に対し「大きな前進だが、協定と覚書はまだ結んでいない。これからやらなければならないこともある」と説明。同部によると、近く協定と覚書を締結した上で、入札の公告など、着工のための準備に入る。

総代会では、県側が濁水対策などを説明したが、反対派は終了後の記者会見で「補償なしに漁業権を侵害する決議は違法だ」と批判した。

安全確保と清流振興

吉村美栄子知事 小国川漁協は関係者との話し合いを踏まえ、地域の未来を見据えて総合的に判断されたと思う。赤倉地区をはじめ、最上小国川流域の住民の安全確保、清流振興に向けて新たな一歩が踏み出される。県としては、治水対策と内水面漁業振興の両立を目指し、流域関係者が一体となり、最上小国川清流未来振興機構(仮称)の設立に向けて全力で取り組む。


◆最上小国川ダム:着工へ 漁協臨時総代会、県との協定を承認 賛成80、反対29 /山形
(毎日新聞山形版 2014年09月29日)
http://mainichi.jp/area/yamagata/news/20140929ddlk06010056000c.html


県が進める穴あきダム「最上小国川ダム」の建設をめぐり、川を管理する小国川漁協(舟形町、高橋光明組合長)の臨時総代会が28日、同町で開かれた。県と協定を結んでダム建設を承認し、それに伴い禁漁区を設置する2議案を、賛成80票、反対29票で可決した。特別決議に必要な賛成票3分の2を得たことで、県はダムの本体着工へ大きく前進することになった。【前田洋平】


◇河川監視委託を明記

臨時総代会は、総代116人のうち60人が出席。事前に50人が書面で賛否を提出した。

冒頭には、県の担当者も出席し、6月の臨時総代会以後、県と漁協理事会との間で行われたダムの改善案など交渉の経緯について説明した。高橋組合長は「全会一致での賛成をお願いしたい。反対されれば、組合長として責任を取り辞任する覚悟」とあいさつした。

2時間半にわたる議論の末、記名で投票を実施。賛成は80票(書面41票)、反対は29票(同9票)だった。

可決した漁協と県などとの協定と覚書には、ダム建設容認に加え、流域の漁場環境の調査・監視を漁協に委託することが明記された。漁協はダム建設に伴う漁業補償を要求せず、ダムの建設場所約200メートルを禁漁区にすることも盛り込まれた。監視委託料は県と漁協理事会の間で年間約500万円とすることを決めた。

全体の4分の1に当たる29票の反対があったことについて、高橋組合長は「組合が割れては困る。県には工事中の濁水などが絶対に出ないようにしてもらいたい。今後も漁協発展のために頑張りたい」と語った。

◇前組合長急死で方針転換

総代会では組合員が県幹部に、昨年12月に漁業権更新を巡って、県の漁協に対する「圧力」とも受けとめられる動きについて説明を求める場面もあった。

10年に1度の漁業権更新に際して、県は「公益上必要な配慮」として漁協に治水対策の話し合いの場に着くことを条件として提示。当時の沼沢勝善組合長はアユの生態に詳しく、長年ダム建設に反対を貫いてきたが、漁協として県の話し合いに応じるようになった。2月に沼沢組合長が急死すると、漁協は徐々に建設容認へ方針を転換していった。

県幹部は漁業権更新について「ダムありきではなく、対話をしていこうという意味だった」などと説明した。

◇振興策が推進派を後押し

漁協幹部によると、アユ増殖に向け水量を増やすための井戸整備などで、昨年度は単年度決算で約160万円の赤字を計上。組合の運営は厳しい状況に追い込まれた。県がダム建設と一体で推進するという漁場整備事業などの振興策は賛成派を後押ししたようだ。

高橋組合長は「組合員にも『このままでは漁協が危ない』という危機感があったのだと思う」と振り返った。

反対派は、アユで生計を立てる組合員の少なさが、ダム容認に傾いた要因だと見る。「正組合員約1000人の多くが、農業や土木業、公務員などで占められる。漁は小遣い程度で、川が汚れても生活に大きく影響する人は少ない」と語った。「アユの生態などに詳しい人は少なく、ダム建設が及ぼす影響を理解できていない」と顔を曇らせる。

◇組合長が涙

高橋光明組合長は、急死した沼沢勝善前組合長について質問が及ぶと、声を詰まらせた。「責任感のある人だった。前組合長に恥じるようなことは一切ありません」と述べた。

◇知事「全力で取り組む」

吉村美栄子知事は「組合員の皆様に地域の未来を見据えて総合的に判断していただいた。治水対策と内水面漁業振興の両立を目指す流域振興のため、最上小国川清流未来振興機構(仮称)の設立に全力で取り組みたい」とコメントした。

◇反対派は「決議無効」

ダムの建設に反対する組合員の会は「決議は無効だ」とする声明を発表。「漁民の持つ漁業権を補償なしに侵害することは違法な決議だ」と批判した。

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◇最上小国川ダムをめぐる経緯

1991年 県がダム建設の予備調査開始

2006年11月 斎藤弘知事(当時)が穴あきダム建設を表明

11月 漁協が総代会で穴あきダムに反対

2011年11月 県が正式に穴あきダムを採用

2013年12月 漁業権の更新を巡り、漁協が県との交渉に応じる

2014年 1月 県と漁協・流域関係者で正式協議

2月 漁協の前組合長が死亡

6月 漁協が総代会でダム建設容認を賛成57、反対46で決議

6月 県と漁協理事会でダムの穴詰まり対策や漁業補償について協議開始

8月 県が漁業補償を総額113万円とする試算額を提示

9月 漁協理事会が漁業補償でなく河川監視委託料の受け取りを選択

9月 県が河川監視委託料・年約500万円を提示、漁協理事会が受け入れ決定

9月28日 漁協臨時総代会で賛成80、反対29で県などとの協定と覚書を承認、ダム建設着工へ


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最大の法的手続きを乗り越えたことで、計画策定から20年を経たダム問題は本体工事着工に向け大きく前進した。県は、10月上旬をめどに漁協と協定などを締結し、年内にも入札の手続きを開始したい考えだ。

総代会は、約1000人の組合員から選ばれた総代116人をメンバーとする漁協の最高決議機関。この日はダム建設の承認と、これに伴う行使規則などの一部改正の2議案が一括上程された。60人が出席したほか、欠席者のうち50人が漁協の求めに応じて、事前に書面で賛否を示した。

高橋光明組合長は冒頭のあいさつで「(議案は)理事会が幾度となく、県と交渉を進めてきたもの。心配される穴詰まりや濁水対策に対しては理事全員が容認するような設計になった」と主張。アユの中間育成施設の老朽化や人材育成など漁協が抱える課題を説明した上で、「議案が通れば、組合運営を軌道に乗せ、流域の振興に貢献できる。全会一致での採決をお願いしたい」と訴えた。

その後の審議は非公開で行われた。複数の出席者によると、審議の冒頭では、県幹部4人が、漁協との協議で取りまとめた濁水対策や漁業振興策の概要を解説。さらに、ダム建設に伴って県と漁協、最上町、舟形町が締結する「治水・環境対策と内水面漁業振興等に関する協定」と、県と漁協が締結する「漁場環境の保全に関する覚書」の内容も説明した。また、漁業補償を行わない代わりに、流域の河川監視業務の委託料として、年約500万円を支払う漁協執行部との合意内容についても言及した。

総代による審議では、「ダムと漁業振興は別物だ」「総代だけで全てを決めてしまっていいのか」などとする反対意見が相次いだが、高橋組合長は「私はダムと漁業振興が引き換えでも(議案を)通したいと言ってきた。そうでないと漁協がもたない。総代は組合員を代表しているので問題はない」と理解を求めた。

その後は記名投票による採決が行われ、開票の結果、選任された議長を除く賛成80、反対29で、定款が定める3分の2以上の同意を得た。

終了後、票差について高橋組合長は「県と交渉してきた内容が理解されたのだと思う。このままでは漁協が危ないという危機感もあったのでは」と感想を述べた。

吉村知事は「流域の皆さんの安心・安全の確保とともに、流域振興に向けて新たな一歩が踏み出されるものと思っている。治水と内水面漁業振興の両立のため、全力で取り組んでいきたい」とコメントした。



◆漁協 ダム建設承認を正式決定
(NHK 2014年09月28日 19時16分)
http://www3.nhk.or.jp/lnews/yamagata/6024693441.html?t=1411942249382

「最上小国川ダム」の建設をめぐって、地元の漁協が、28日、舟形町で臨時の総代会を開き、県が示した漁業の振興策などを受け入れて、建設を承認することを正式に決定しました。

これを受けて「最上小国川ダム」の建設計画は本体の着工に向けて大きく動きだすことになりました。

小国川漁協の総代会は、28日午前9時半から舟形町の施設ではじまりました。

総代会では、はじめに高橋光明組合長が「きょう議論していただく議案は理事会が一丸となって取りまとめたものなのでまずは、その内容について理解を深めてもらいたい」とあいさつしました。

このあと、協議は非公開で行われ関係者によりますと、県の担当者が、県が行う漁業振興策の内容などを説明し、ダムの建設に理解を求めたということです。

続いて、漁業振興策などを盛り込んだ協定を県などと結ぶことや、ダム本体が建設される周辺の200メートルの区間では漁が出来なくなるという制限を受け入れることなど、ダムの建設を承認するかどうか審議が行われました。

そして採決の結果、賛成80票、反対29票で賛成票が上回り、建設を承認することを正式に決定しました。

県は、川での漁業権を持つ漁協の同意を得て計画を進めたいとしていたため、今回の決定を受けて「最上小国川ダム」の建設計画は本体の着工に向けて大きく動きだすことになりました。

総代会でダムの建設を承認することが正式に決まったことについて小国川漁協の高橋光明組合長は「まずは組合員のみなさんに感謝申し上げたい。前回の総代会よりも賛成票が伸びたのは漁業振興などをめぐる県との交渉結果が評価されたからだと思う。29人の組合員が反対票を投じたことを重く受け止めながらみんなが有効に活用できる川作りを目指したい」と話していました。

吉村知事は、総代会の結果について「地域の未来を見据えて総合的に判断して頂いた結果で、これで下流域の安全・安心の確保と流域の振興に向けて新たな一歩が踏み出されるものと思っている。治水対策と漁業振興の両立を目指して関係者が一体となって取り組んでいきたい」というコメントを発表しました。


◆小国川ダム 漁協、着工を正式容認
(河北新報2014年09月29日)
http://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201409/20140929_53002.html

山形県の最上小国川ダム計画をめぐり、小国川漁協(舟形町)は28日、町内で臨時総代会を開き、執行部がダム建設承認と禁漁区域の設定を提案した。

採決の結果、賛成80、反対29と、賛成数が漁業権にかかわる特別決議として定款が規定する3分の2を上回り、漁協はダム建設、着工を正式に容認した。

議決を受けて県は、漁協などと協定、覚書を締結し、来年度早々にもダムの本体工事に着手する。完成には4年程度かかる見通し。

総代会は非公開で行われた。総代115人のうち60人が出席。議長を除いて記名投票し、欠席者の書面議決書50票(賛成41、反対9)を加えた。終了後、記者会見した高橋光明組合長は「(ダムの)穴詰まり対策など県と交渉した内容が理解された結果だ」と述べた。

総代会では、治水と漁業振興を図る協定案と、漁協が漁業補償を受けずに水質、魚類の生息状況などの監視業務を県から請け負う覚書案が了承された。禁漁区域はダム本体部分など延長200メートルと、工事、調査に伴う一時的設定が認められた。

漁協理事会はこれまでの県との協議で、監視業務を年間500万円(当面10年間)で受託することを受け入れている。

覚書は、環境への影響が発生したと考えられる場合、漁協が「対策、補償を県に求めることができる」と規定した。

総代会では出席者から「振興策はダムと引き換えなのか」などの質問が出た。高橋組合長は「受け入れないとアユ育成など組合運営が成り立たない」と理解を求めた。

吉村美栄子知事は「流域振興のため漁協などと一体となり、全力で取り組んでいきたい」との談話を出した。

漁協は6月の総代会でダム建設容認の方針を決定した。今回は本体建設で漁業権が制限されるため、定款に基づいて再度開催した。

[最上小国川ダム]山形県最上町が1987年に赤倉地区の洪水対策のため要望。県は「環境に配慮する」として貯水型ではなく、通常は通水し洪水危険時に水門を閉じる流水型(穴あき)ダムに変更、2006年に建設を正式決定した。小国川漁協は直前に総代会を開き反対を決議した。建設事業費は約70億円。


◆最上小国川ダム着工へ、漁協総代会で特別決議 賛成80反対29票で承認
(山形新聞2014年09月29日)
http://www.yamagata-np.jp/news/201409/29/kj_2014092900562.php

県が最上町の赤倉温泉上流に建設を計画している最上小国川ダムに関し、小国川漁協(舟形町、高橋光明組合長)は28日、臨時総代会を開き、ダム建設に向けて県などと協定、覚書を結ぶとする特別決議を賛成80票、反対29票で承認。

漁協は漁業補償を受けず、流域の環境監視業務を請け負って年約500万円の委託料を10年間受け取るとした県との協議内容を総代会も受け入れた。県は協定と覚書を締結した上で、流水型ダム(穴あきダム)の着工準備に入るが、一部の組合員は反発している。

舟形町生涯学習センターで開かれた総代会は非公開で、出席した60人の総代が記名投票を行った結果、賛成39票、反対20票だった。これに欠席者から事前送付された書面議決書の賛成41票、反対9票を合わせ、賛成80票、反対29票となった。

特別決議の承認には投票数の3分の2を超す賛成(今回は73票以上)が必要で、その条件をクリア。ダムは最上町の要望を受けてから約27年で本体着工へと進む見通しとなった。ダムの総事業費は約70億円が見込まれている。

高橋組合長は総代会終了後に記者会見し、「県が示したダムの穴詰まりと濁りの防止対策が組合員に評価された。(多くの総代に)このままでは漁協が危ないとの認識もあったと思う」と説明。「反対した人たちとさらに話し合い、楽しく遊べる川づくりを目指す。最上町、舟形町、漁協の発展につながるよう一生懸命、頑張る」と語った。

県県土整備部の吉田郁夫整備推進監は記者団に対し「大きな前進だが、協定と覚書はまだ結んでいない。これからやらなければならないこともある」と説明。同部によると、近く協定と覚書を締結した上で、入札の公告など、着工のための準備に入る。

総代会では、県側が濁水対策などを説明したが、反対派は終了後の記者会見で「補償なしに漁業権を侵害する決議は違法だ」と批判した。

安全確保と清流振興

吉村美栄子知事 小国川漁協は関係者との話し合いを踏まえ、地域の未来を見据えて総合的に判断されたと思う。赤倉地区をはじめ、最上小国川流域の住民の安全確保、清流振興に向けて新たな一歩が踏み出される。県としては、治水対策と内水面漁業振興の両立を目指し、流域関係者が一体となり、最上小国川清流未来振興機構(仮称)の設立に向けて全力で取り組む。


◆最上小国川ダム:着工へ 漁協臨時総代会、県との協定を承認 賛成80、反対29 /山形
(毎日新聞山形版 2014年09月29日)
http://mainichi.jp/area/yamagata/news/20140929ddlk06010056000c.html


県が進める穴あきダム「最上小国川ダム」の建設をめぐり、川を管理する小国川漁協(舟形町、高橋光明組合長)の臨時総代会が28日、同町で開かれた。県と協定を結んでダム建設を承認し、それに伴い禁漁区を設置する2議案を、賛成80票、反対29票で可決した。特別決議に必要な賛成票3分の2を得たことで、県はダムの本体着工へ大きく前進することになった。【前田洋平】


◇河川監視委託を明記

臨時総代会は、総代116人のうち60人が出席。事前に50人が書面で賛否を提出した。

冒頭には、県の担当者も出席し、6月の臨時総代会以後、県と漁協理事会との間で行われたダムの改善案など交渉の経緯について説明した。高橋組合長は「全会一致での賛成をお願いしたい。反対されれば、組合長として責任を取り辞任する覚悟」とあいさつした。

2時間半にわたる議論の末、記名で投票を実施。賛成は80票(書面41票)、反対は29票(同9票)だった。

可決した漁協と県などとの協定と覚書には、ダム建設容認に加え、流域の漁場環境の調査・監視を漁協に委託することが明記された。漁協はダム建設に伴う漁業補償を要求せず、ダムの建設場所約200メートルを禁漁区にすることも盛り込まれた。監視委託料は県と漁協理事会の間で年間約500万円とすることを決めた。

全体の4分の1に当たる29票の反対があったことについて、高橋組合長は「組合が割れては困る。県には工事中の濁水などが絶対に出ないようにしてもらいたい。今後も漁協発展のために頑張りたい」と語った。

◇前組合長急死で方針転換

総代会では組合員が県幹部に、昨年12月に漁業権更新を巡って、県の漁協に対する「圧力」とも受けとめられる動きについて説明を求める場面もあった。

10年に1度の漁業権更新に際して、県は「公益上必要な配慮」として漁協に治水対策の話し合いの場に着くことを条件として提示。当時の沼沢勝善組合長はアユの生態に詳しく、長年ダム建設に反対を貫いてきたが、漁協として県の話し合いに応じるようになった。2月に沼沢組合長が急死すると、漁協は徐々に建設容認へ方針を転換していった。

県幹部は漁業権更新について「ダムありきではなく、対話をしていこうという意味だった」などと説明した。

◇振興策が推進派を後押し

漁協幹部によると、アユ増殖に向け水量を増やすための井戸整備などで、昨年度は単年度決算で約160万円の赤字を計上。組合の運営は厳しい状況に追い込まれた。県がダム建設と一体で推進するという漁場整備事業などの振興策は賛成派を後押ししたようだ。

高橋組合長は「組合員にも『このままでは漁協が危ない』という危機感があったのだと思う」と振り返った。

反対派は、アユで生計を立てる組合員の少なさが、ダム容認に傾いた要因だと見る。「正組合員約1000人の多くが、農業や土木業、公務員などで占められる。漁は小遣い程度で、川が汚れても生活に大きく影響する人は少ない」と語った。「アユの生態などに詳しい人は少なく、ダム建設が及ぼす影響を理解できていない」と顔を曇らせる。

◇組合長が涙

高橋光明組合長は、急死した沼沢勝善前組合長について質問が及ぶと、声を詰まらせた。「責任感のある人だった。前組合長に恥じるようなことは一切ありません」と述べた。

◇知事「全力で取り組む」

吉村美栄子知事は「組合員の皆様に地域の未来を見据えて総合的に判断していただいた。治水対策と内水面漁業振興の両立を目指す流域振興のため、最上小国川清流未来振興機構(仮称)の設立に全力で取り組みたい」とコメントした。

◇反対派は「決議無効」

ダムの建設に反対する組合員の会は「決議は無効だ」とする声明を発表。「漁民の持つ漁業権を補償なしに侵害することは違法な決議だ」と批判した。

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◇最上小国川ダムをめぐる経緯

1991年 県がダム建設の予備調査開始

2006年11月 斎藤弘知事(当時)が穴あきダム建設を表明

11月 漁協が総代会で穴あきダムに反対

2011年11月 県が正式に穴あきダムを採用

2013年12月 漁業権の更新を巡り、漁協が県との交渉に応じる

2014年 1月 県と漁協・流域関係者で正式協議

2月 漁協の前組合長が死亡

6月 漁協が総代会でダム建設容認を賛成57、反対46で決議

6月 県と漁協理事会でダムの穴詰まり対策や漁業補償について協議開始

8月 県が漁業補償を総額113万円とする試算額を提示

9月 漁協理事会が漁業補償でなく河川監視委託料の受け取りを選択

9月 県が河川監視委託料・年約500万円を提示、漁協理事会が受け入れ決定

9月28日 漁協臨時総代会で賛成80、反対29で県などとの協定と覚書を承認、ダム建設着工へ

【2014/09/29 13:17】 | 新聞記事から
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