「ダム建設の時代は終わった」by米国内務省開拓局長官ウィリアム・ピアーズ
               嶋津 暉之

「土のうを積み上げた地元住民の対応力と既設ダムの洪水調節能力によって、堤防決壊が避けられたのではないか」という京都市南部の事例を紹介した記事ですが、この内容をどう評価するのか、むずかしいところがあります。

◆いのちを守る防災:京都市 被害抑えた成功例に学ぶ
(毎日新聞 2014年09月24日 東京朝刊)
http://mainichi.jp/shimen/news/20140924ddm013040083000c.html

 今年8月の豪雨は広島市など各地で大きな被害をもたらした。大災害には十分な検証が不可欠だが、専門家は「大きな被害の一歩手前で収めることができた成功例の検証も必要だ」と指摘する。京都府などで全国初の特別警報が出た昨年9月の台風18号で、被害を抑えた京都市南部の事例を紹介する。

 ●早い初動が奏功

 桂川下流の右岸に広がる京都市伏見区の久我(こが)地区。高さ4メートル前後の堤防から見下ろす地区には多くの住宅がひしめくが、台風18号では、早めに土のうを堤防に積んだことで大きな被害を逃れた。

 土のう積みの中心になったのは、地区住民で作る久我水防団(約20人)。雨が強まった9月16日午前2時ごろ、役員5人が集まり、見回りを始めた。毎年台風シーズンに見回りは恒例だが、例年と違って雨が弱まって以降も桂川の水が減らない。「いつもと違う。これは危険」と直感した水防団長の竹村芳和さん(63)は午前6時ごろ、団員を全員招集した。土のう作りを始めたが、土の量が土のう100袋分くらいしかない。すぐに国土交通省近畿地方整備局に土を要請した。

 土のうを積み始めたが、午前7時過ぎには堤防を水が越え始めた。消防団や自衛隊が加わり、水につかりながら2000個ほどの土のうを積み終えたのは午前10時前だった。結局、20センチ前後の越水はあったが、決壊という最悪の事態には至らずに済んだ。
 竹村さんは「ひたすら土を詰めて積んだ。必死で、怖さを感じる余裕もなかった」と振り返る。久我自治連合会長の河村司郎さん(71)も「逃げ場がない平地に1万人以上が暮らす。もし、堤防が破れていたらと考えるとぞっとする」と語る。

 久我地区のような「成功」事例から学ぶことを提唱している京都大防災研究所の矢守克也教授(防災心理学)は「堤防を越える水の勢いを弱めることで、堤防の大部分を構成する土の流出を抑え、決壊を防ぐ効果がある」と指摘する。

 水防団には、土のうが越水開始に間に合わず、水につかりながらの危険な作業になったことが反省点として残った。その反省が生きたのが今年7月の台風8号。最接近予想の2日前に台風18号の時とほぼ同量の土のうを積み終えた。

 ●ダムの治水機能

 同地区で台風18号被害を最小限に食い止めたのは土のう積みの効果だけではない。桂川上流の日吉ダム(京都府南丹市)の治水機能が堤防決壊回避に役立ったとして、管理する近畿地方整備局などが土木学会技術賞を受賞した。同局の試算では、ダムがなく、堤防が決壊した場合、浸水は最大で深さ4メートル以上、面積は980ヘクタールに及び、1万2000戸以上が床上浸水の被害に遭ったとされる。

 ダムによって久我地区周辺では30センチ前後水位を下げたとみられ、矢守教授は「土のうを積み上げた地元住民の対応力とダムの洪水調節能力によって、堤防決壊が避けられたのではないか」と語る。

 巨大なダムや高い堤防は、環境面やコスト面など負の側面が伴うため、建設には慎重な検討が必要だ。ただ、既存のダムなどのハード面と地域住民による初期対応の組み合わせが大被害を防いだ事例は共有されていい。
【藤田文亮】


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 竹村さんは「ひたすら土を詰めて積んだ。必死で、怖さを感じる余裕もなかった」と振り返る。久我自治連合会長の河村司郎さん(71)も「逃げ場がない平地に1万人以上が暮らす。もし、堤防が破れていたらと考えるとぞっとする」と語る。

 久我地区のような「成功」事例から学ぶことを提唱している京都大防災研究所の矢守克也教授(防災心理学)は「堤防を越える水の勢いを弱めることで、堤防の大部分を構成する土の流出を抑え、決壊を防ぐ効果がある」と指摘する。

 水防団には、土のうが越水開始に間に合わず、水につかりながらの危険な作業になったことが反省点として残った。その反省が生きたのが今年7月の台風8号。最接近予想の2日前に台風18号の時とほぼ同量の土のうを積み終えた。

 ●ダムの治水機能

 同地区で台風18号被害を最小限に食い止めたのは土のう積みの効果だけではない。桂川上流の日吉ダム(京都府南丹市)の治水機能が堤防決壊回避に役立ったとして、管理する近畿地方整備局などが土木学会技術賞を受賞した。同局の試算では、ダムがなく、堤防が決壊した場合、浸水は最大で深さ4メートル以上、面積は980ヘクタールに及び、1万2000戸以上が床上浸水の被害に遭ったとされる。

 ダムによって久我地区周辺では30センチ前後水位を下げたとみられ、矢守教授は「土のうを積み上げた地元住民の対応力とダムの洪水調節能力によって、堤防決壊が避けられたのではないか」と語る。

 巨大なダムや高い堤防は、環境面やコスト面など負の側面が伴うため、建設には慎重な検討が必要だ。ただ、既存のダムなどのハード面と地域住民による初期対応の組み合わせが大被害を防いだ事例は共有されていい。
【藤田文亮】

【2014/09/24 13:22】 | 新聞記事から
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