「ダム建設の時代は終わった」by米国内務省開拓局長官ウィリアム・ピアーズ
              嶋津 暉之

公共事業の大盤ぶるいがされているけれども、未消化の工事が16兆円 にもなっているという朝日の記事をお送りします。

この記事は国土交通省が昨日発表した建設総合統計(平成26年7月分)によるものです。
http://www.mlit.go.jp/report/press/joho04_hh_000476.html 
公共事業の問題をよくとらえた記事だと思います

◆公共工事の未消化16兆円 発注増と人手不足で過去最高
(朝日新聞2014年9月18日) 
http://digital.asahi.com/articles/ASG9K4DNVG9KULFA00P.html?iref=comkiji_txt_end_s_kjid_ASG9K4DNVG9KULFA00P

国や自治体による公共事業で、建設業界が受注した工事がどれだけ残っているかを示す「未消化工事高」が7月に16兆7333億円になり、過去最高になった。安倍政権は景気対策で多くの工事を発注しているが、人手不足や資材高騰で着工が遅れるなどして積み上がっているという。

国土交通省が17日に発表した7月分の建設総合統計でわかった。未消化工事高は、業者が国や自治体から受注した公共工事額から終わった分の工事額を引いた金額で、国交省が一部の業者を調べて推計している。
7月は6月より8439億円増え、3月から5カ月続けての増加になった。ここ数年は10兆~12兆円台が多かったが、昨年から増え始めてついに16兆円を超えた。統計を取り始めた09年1月以来最も多い。

背景には、景気対策のための公共事業の急増がある。今年7月に建設業界が受注した公共工事額は前年同月より24・1%増の1兆7097億円だったのに対し、7月に進んだ工事は6・3%増の1兆4855億円分だった。

大手ゼネコン幹部は「人手が集まらず、工事のペースをこれ以上上げるのは難しい」と話す。受注しても人手不足などで予定通り工事に入れない業者が出ているという。

未消化工事は業者がすでに受注している工事だが、それ以前に「入札不調」もある。国や自治体が業者を選ぶための入札をしても、人手不足や資材高騰で工事費用が想定よりも高くなっていて、落札する業者が現れないという現象だ。

安倍政権は例年5兆~6兆円になる公共事業予算に加え、昨年1月には2・4兆円、昨年末には1兆円の公共事業を補正予算で打ち出した。昨年1月は「物価が下がり続けるデフレから抜け出すため」、昨年末は「今年4月の消費増税による景気へのショックを和らげるため」という理由だ。

安倍晋三首相は消費税率を来年10月に10%に上げるかどうかを今年末に判断する。再増税に備えた追加景気対策も想定され始めた。だが、工事が思うようにできなければ、公共事業で仕事をつくるなどして景気を底上げする効果が薄まるおそれがある。(上栗崇、野沢哲也)


◆現場手いっぱい、こなせぬ公共工事 景気対策効果に疑問
(朝日新聞2014年9月18日)
http://digital.asahi.com/articles/ASG9K5G7KG9KULFA01S.html?iref=comkiji_txt_end_s_kjid_ASG9K5G7KG9KULFA01S


建設現場での人手が足りないところに、巨額の公共事業予算がつぎ込まれた影響が広がっている。東日本大震災の被災地では復興事業の遅れを招き、東京五輪に向けた事業にも遅れが出ている。民間の工事も増やせなくなり、景気対策としての意味合いも薄れている。

被災地では災害公営住宅の完成が遅れている。用地取得や造成の遅れに加え、作業員や資材の不足も影響している。

宮城県は7月の県議会で、計画の約4分の1にあたる3800戸が目標の2015年度末に完成しないことを明らかにした。

建設業界の人手不足は被災地だけの問題ではない。東京五輪・パラリンピックに向けた国立競技場の解体工事でも、7月に予定していた着工が遅れている。工事の業者を決める「入札」の際、人件費の高騰などによって国の想定と業者側が求める価格や条件が折り合わない「入札不調」が続いたためだ。

さらに、業者が受注した工事でも「未消化工事」が増えている。国や自治体が発注の価格をより高くするなどしてなんとか入札を成立させても、業者が人手を集められず、工事に着手できない例も出ている。

ゼネコンの幹部は「大手にとって工事の遅れは信用問題。民間からの発注も合わせて、抱えている人員でこなせる範囲でしか受けられない」と話す。すでに手いっぱいの現場に公共事業をつぎ込んでも、工事量は増えにくい状況だ。(青瀬健、上栗崇)

〇消費税10%判断に影響も

人手不足で建設工事が滞ると、消費税率を8%からさらに10%に上げるかどうかの安倍政権の判断に影響が出てくる可能性もある。

今年4月に消費税率を8%に上げた時、政府は増税ショックを和らげようと1兆円の公共事業予算を含む「5・5兆円の経済対策」を打ち出した。来年10月に予定通り10%に上げる場合も、政府は追加の公共事業などで景気を下支えしようと想定している。

しかし、入札不調になったり未消化工事が増えたりしている状況で公共事業を増やすと、民間の工事を滞らせてしまったり、資材や人の奪い合いになったりするおそれもある。

甘利明経済財政相も今月5日、報道各社のインタビューに「財政出動で単に人件費や資材費が高騰するだけということがないよう手を打っておく必要がある」と話し、公共事業だのみの景気対策には限界があるという認識を示した。

消費税率を8%に上げたことで買い控えが起き、4~6月の実質経済成長率はマイナス7・1%(年率)に落ち込んだ。10%に上げれば、また買い控えが起きるのは避けられない。だが、公共事業が景気回復に効かないとなると、経済対策が手詰まりになる可能性がある。(野沢哲也、鯨岡仁)


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7月は6月より8439億円増え、3月から5カ月続けての増加になった。ここ数年は10兆~12兆円台が多かったが、昨年から増え始めてついに16兆円を超えた。統計を取り始めた09年1月以来最も多い。

背景には、景気対策のための公共事業の急増がある。今年7月に建設業界が受注した公共工事額は前年同月より24・1%増の1兆7097億円だったのに対し、7月に進んだ工事は6・3%増の1兆4855億円分だった。

大手ゼネコン幹部は「人手が集まらず、工事のペースをこれ以上上げるのは難しい」と話す。受注しても人手不足などで予定通り工事に入れない業者が出ているという。

未消化工事は業者がすでに受注している工事だが、それ以前に「入札不調」もある。国や自治体が業者を選ぶための入札をしても、人手不足や資材高騰で工事費用が想定よりも高くなっていて、落札する業者が現れないという現象だ。

安倍政権は例年5兆~6兆円になる公共事業予算に加え、昨年1月には2・4兆円、昨年末には1兆円の公共事業を補正予算で打ち出した。昨年1月は「物価が下がり続けるデフレから抜け出すため」、昨年末は「今年4月の消費増税による景気へのショックを和らげるため」という理由だ。

安倍晋三首相は消費税率を来年10月に10%に上げるかどうかを今年末に判断する。再増税に備えた追加景気対策も想定され始めた。だが、工事が思うようにできなければ、公共事業で仕事をつくるなどして景気を底上げする効果が薄まるおそれがある。(上栗崇、野沢哲也)


◆現場手いっぱい、こなせぬ公共工事 景気対策効果に疑問
(朝日新聞2014年9月18日)
http://digital.asahi.com/articles/ASG9K5G7KG9KULFA01S.html?iref=comkiji_txt_end_s_kjid_ASG9K5G7KG9KULFA01S


建設現場での人手が足りないところに、巨額の公共事業予算がつぎ込まれた影響が広がっている。東日本大震災の被災地では復興事業の遅れを招き、東京五輪に向けた事業にも遅れが出ている。民間の工事も増やせなくなり、景気対策としての意味合いも薄れている。

被災地では災害公営住宅の完成が遅れている。用地取得や造成の遅れに加え、作業員や資材の不足も影響している。

宮城県は7月の県議会で、計画の約4分の1にあたる3800戸が目標の2015年度末に完成しないことを明らかにした。

建設業界の人手不足は被災地だけの問題ではない。東京五輪・パラリンピックに向けた国立競技場の解体工事でも、7月に予定していた着工が遅れている。工事の業者を決める「入札」の際、人件費の高騰などによって国の想定と業者側が求める価格や条件が折り合わない「入札不調」が続いたためだ。

さらに、業者が受注した工事でも「未消化工事」が増えている。国や自治体が発注の価格をより高くするなどしてなんとか入札を成立させても、業者が人手を集められず、工事に着手できない例も出ている。

ゼネコンの幹部は「大手にとって工事の遅れは信用問題。民間からの発注も合わせて、抱えている人員でこなせる範囲でしか受けられない」と話す。すでに手いっぱいの現場に公共事業をつぎ込んでも、工事量は増えにくい状況だ。(青瀬健、上栗崇)

〇消費税10%判断に影響も

人手不足で建設工事が滞ると、消費税率を8%からさらに10%に上げるかどうかの安倍政権の判断に影響が出てくる可能性もある。

今年4月に消費税率を8%に上げた時、政府は増税ショックを和らげようと1兆円の公共事業予算を含む「5・5兆円の経済対策」を打ち出した。来年10月に予定通り10%に上げる場合も、政府は追加の公共事業などで景気を下支えしようと想定している。

しかし、入札不調になったり未消化工事が増えたりしている状況で公共事業を増やすと、民間の工事を滞らせてしまったり、資材や人の奪い合いになったりするおそれもある。

甘利明経済財政相も今月5日、報道各社のインタビューに「財政出動で単に人件費や資材費が高騰するだけということがないよう手を打っておく必要がある」と話し、公共事業だのみの景気対策には限界があるという認識を示した。

消費税率を8%に上げたことで買い控えが起き、4~6月の実質経済成長率はマイナス7・1%(年率)に落ち込んだ。10%に上げれば、また買い控えが起きるのは避けられない。だが、公共事業が景気回復に効かないとなると、経済対策が手詰まりになる可能性がある。(野沢哲也、鯨岡仁)

【2014/09/19 00:11】 | 未分類
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