「ダム建設の時代は終わった」by米国内務省開拓局長官ウィリアム・ピアーズ
               嶋津 暉之

水資源に関する毎日新聞の社説は「地球温暖化の影響で大雨や渇水が頻発している」から文章が始まっていますが、大雨はともかく、渇水が頻発しているという事実はないと私は思います。

また、水循環基本法に期待を寄せていますが、水循環基本法は骨抜きにされていて、実際に水行政を動かす力を持たないのではないかと思います。

◆社説:水資源の管理 豊かな恵みを次世代へ
(毎日新聞 2014年09月07日)
http://mainichi.jp/opinion/news/20140907k0000m070078000c.html

地球温暖化の影響で大雨や渇水が頻発している。水の脅威を抑えて安定的に利用していくには、総合的な治水、利水政策が欠かせない。

政府は、省庁横断的な「水循環基本計画」を来年夏までに策定する。

世界的に油を争奪し合った20世紀が「石油の世紀」と称されるのに対し、21世紀は水を争う「水の世紀」と言われる。豊かな水資源を未来に引き継ぐため、省庁の枠を超えて知恵を絞る必要がある。
現在、河川の管理は国土交通省、上水道は厚生労働省、工業用水は経済産業省、水源地の森林管理や農業用水は農林水産省が担当している。

同じ水系であってもダムごとに管轄省庁が異なる場合もある。省益を主張し合い、水源や上流地域が水不足であるにもかかわらず、下流で農業や工業用に大量放水するようでは安定供給は維持できない。

そうした縦割りを改めるために、先の通常国会で「水循環基本法」が議員立法として成立した。水に関する施策を総合的に進め、優良な水資源の管理・保全を図るよう政府に求めている。基本計画は、この法律に基づき5年ごとに策定される。

この夏は台風の上陸などで西日本を中心に記録的な豪雨が相次いだ。温暖化の影響とみられ、集中的な大雨は今後も心配される。一方で雨の降らない日が増えたり、積雪量が減ったりすることも予想されている。洪水や渇水の被害を防ぐ上で、水源から下流までの一体的な取り組みが一段と重要になっているといえる。

もっとも、基本計画がダムや水路などのインフラ整備ばかりに頼るようでは国民負担が増すばかりだ。老朽化施設を改修したり新設したりする際には、個別具体的に治水の必要性や水の需要動向を見極める必要がある。インフラを効率的に運用するシステムなどソフト面の工夫も欠かせない。

優良な水資源の確保という意味からは、水源地がある森林の売買や開発に対する目配りも必要だろう。売買を事後的に届け出ることは森林法で義務付けているが、売買そのものを規制する法律はない。今回の新法にもそうした規定は盛り込まれなかった。憲法で保障される国民の財産権を侵害しかねないからだという。

一方で、外国資本による水源地の買収が進んでいるとの指摘がある。そうした事態に対応するため、北海道など15の道県が条例で森林の売買や開発行為などの事前届け出を義務付けている。

地球規模での水資源の争奪が始まる中、次世代へ引き継ぐべき優良な水源が損なわれないよう、自治体を支援するのも政府の役割といえるだろう。


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現在、河川の管理は国土交通省、上水道は厚生労働省、工業用水は経済産業省、水源地の森林管理や農業用水は農林水産省が担当している。

同じ水系であってもダムごとに管轄省庁が異なる場合もある。省益を主張し合い、水源や上流地域が水不足であるにもかかわらず、下流で農業や工業用に大量放水するようでは安定供給は維持できない。

そうした縦割りを改めるために、先の通常国会で「水循環基本法」が議員立法として成立した。水に関する施策を総合的に進め、優良な水資源の管理・保全を図るよう政府に求めている。基本計画は、この法律に基づき5年ごとに策定される。

この夏は台風の上陸などで西日本を中心に記録的な豪雨が相次いだ。温暖化の影響とみられ、集中的な大雨は今後も心配される。一方で雨の降らない日が増えたり、積雪量が減ったりすることも予想されている。洪水や渇水の被害を防ぐ上で、水源から下流までの一体的な取り組みが一段と重要になっているといえる。

もっとも、基本計画がダムや水路などのインフラ整備ばかりに頼るようでは国民負担が増すばかりだ。老朽化施設を改修したり新設したりする際には、個別具体的に治水の必要性や水の需要動向を見極める必要がある。インフラを効率的に運用するシステムなどソフト面の工夫も欠かせない。

優良な水資源の確保という意味からは、水源地がある森林の売買や開発に対する目配りも必要だろう。売買を事後的に届け出ることは森林法で義務付けているが、売買そのものを規制する法律はない。今回の新法にもそうした規定は盛り込まれなかった。憲法で保障される国民の財産権を侵害しかねないからだという。

一方で、外国資本による水源地の買収が進んでいるとの指摘がある。そうした事態に対応するため、北海道など15の道県が条例で森林の売買や開発行為などの事前届け出を義務付けている。

地球規模での水資源の争奪が始まる中、次世代へ引き継ぐべき優良な水源が損なわれないよう、自治体を支援するのも政府の役割といえるだろう。

【2014/09/09 00:05】 | 新聞記事から
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