「ダム建設の時代は終わった」by米国内務省開拓局長官ウィリアム・ピアーズ
              嶋津 暉之

江戸川区北小岩のスーパー堤防問題に関して昨日の朝日新聞に多田正見・江戸川区長のインタビュー記事が掲載されました。

多田氏は江戸川区役所の役人から区長になった人間です。権力者になった殿さま気分を味わっているだけで、何もわかっていません。

記者はきちんと質問していますが、誠実さのかけらもない答えで終わっています。

地元では5軒(実際は6軒)ががんばっています。

この6軒について直接施行(強制取り壊し)の「予定日を設定していますか」という質問に対して、「ええ、そうです」と答えています。

江戸川区は1軒ずつつぶしていくことを考えています。


◆江戸川区長インタビュー一問一答
(朝日新聞都内版2014年7月26日)
http://digital.asahi.com/articles/ASG7T6KG1G7TUTIL034.html?iref=comkiji_txt_end_s_kjid_ASG7T6KG1G7TUTIL034

多田正見・江戸川区長との主なやりとりは次の通り。

――北小岩1丁目東部地区で、7月3日、土地区画整理法に基づいて区が建物を取り壊す「直接施行」に着手し、17日に1軒目が終わりました。スーパー堤防事業とセットの土地区画整理事業では全国初です。なぜ決断しましたか。

「あの地域はスーパー堤防計画の範囲に入っていて、話を持っていった時に、『ぜひお願いします』と言われました。8年ほど前から本格的に勉強会を始めました。賛同する人は『早くやってくれ』と、そっちの方がうんと多かった。事業を始めてからずいぶんたちます。立ち退いてくださった方々が完成を待っています。残った方々に説得を繰り返してきて、これ以上は延ばせませんねという期間としての限界ということです。今年4月ごろには堤防を含めて工事に入れるかと思っていましたが、できない状況です。どうしてもだめと言うときには強制的にやることにならざるを得ない」

――従来は区が盛り土をする計画でしたが、昨年5月に国との共同事業になり、国が盛り土をすることになりました。その変更手続き中に土地区画整理を進めることに反発する住民が裁判を起こしました。直接施行をしたら、敗訴したときに取り返しがつかないとの指摘があります。

「敗訴は考えていません。裁判所が決めることですが、事業全体の合理性からみると、ご指摘は枝葉末節です。今回の地区の区画整理をスーパー堤防と一緒に進めることは、最初から国交省と可能性として協議してきました。民主党政権で一回は中止するというようなことがあって、再開するのに国交省でも手順があり、そういうこと(区と国交省の意思決定の時期)がずれました。必ず国交省が乗ってくると心証としてわかっていました。国交省が入ってきて、『盛り土を任せてください』と言われれば、『お願いします』と。計画を変更することになる。そういう手順だと考えていただければいいです」

――区は従来、住民への説明に努めると繰り返し言ってきました。十分に果たしたと考えますか。

「8年間もいろいろ話してきたわけだし、『そういう話なら来るな』ということを言われたこともしばしばあります。現時点で残ってるところも、話し合いがないみたいなことを言われますが、実はあるんです。最後の最後まで直接施行は避けたいと思っています。最終的にはご納得いただきたいという気持ちを捨てていませんから、前日まででも一生懸命がんばって話し合いをします」

――5棟が契約に応じていません。

「精力的に話し合いをして納得していただきたい」

――時間的な問題をどう考えますか。

「(住民が区の説得に応じてくれるのは直接施行の)予定日の直前だっていいんです」

――予定日を設定していますか。

「ええ、そうです」

――1軒目は空き家でしたが、今度は人が住んでいて、いっそう重い意味があります。

「そうですね。無理やりやったらお互いに不幸な結果になる。そういうことは避けたいので、理解していただくよう努力するとしか言いようがない。好き好んでやるわけではありませんが、事業全体のため、完成を待ってる人のため、やらなければいけない。公共事業の宿命です」

――なぜスーパー堤防に着目しましたか。とても時間がかかって無駄だという指摘をどう思われますか。
「江戸川区は区の面積の7割が海抜ゼロメートルの低地帯です。水から守るためには壊れないスーパー堤防しかない。絶対なくてはならない。われわれは1947年のキャサリン台風で(利根川の堤防が)決壊した悲しい歴史をもっています。キティ台風がその2年後に来て、再び江戸川区が大変な被害を受けました。地域を守るためにはそういうものしかありません」

――スーパー堤防には賛否両論があります。強制的な手順を取ったことで、将来に禍根を残すという見方があります。

「やらないほうが禍根を残します。今やらなければ、二度とスーパー堤防はできなくなるでしょう。江戸の治水は400年前から始まっています。江戸時代だって、記録にあるだけで250回ぐらい洪水の被害を受けています。明治43(1910)年の大洪水で日本橋や深川が壊滅状態になったときに、荒川のようなものを掘った。江戸川でも河川敷を広げて堤防を移動させることをやってきました。いっときにはできません。われわれができることは何だという取り組みをしていかなかったら、危険な状態を残したままあぐらかいてることになります」

――その考えは住民に十分に伝わっていると考えますか。

「(対象地域に)残った何人かの住民が『わからない』と言っておられるかも知れませんが、おおかたの区民はそうではないと思ってるわけです。民主党政権で『コンクリートから人へ』と言われた。それはいいとして、国家の大計にかかわる治水を政策の論争の材料にしちゃった。実に残念でした」

――治水、街づくりという大きな視点は当然ですが、そこには一つひとつの家族、一人ひとりの人間が住んでいます。

「当然です」

――その人たちが必要性を納得できない事業に協力させられるとなれば、相当な心理的な負担があるだろうと思います。

「それはそうです。わかるので説得を繰り返していますが、土地区画整理法やいろんな法律に強制執行という手段が定められているということは、そういうときのため、公共性の方を重視させていただきましょうということ。いじめるためにやっているわけではありません。相応の補償や手立てを最大限考えます。そういう人たちのことを思ってないように言われると、根本的に違います」

――区長自身が説得に乗り出す考えはありますか。

「あり得るかもわかりまんせんけども、不毛な会見だったらしょうがないわけで、状況によって考えるということです」

――区のスーパー堤防整備方針で、合計約20キロ計画されています。何年ぐらいかけてやる考えですか。

「それはわかりません。何年目標などと私がはっきり言えるわけでもありません。ただ、その方向で努力はしなくちゃいけない」

――少子高齢化が進む中、時間もお金も非常にかかる事業にどれだけ力を注ぐか。このように進めたいという長期的な道筋が示されるべきではありませんか。

「私があと200年ぐらいで完成させたいと言っても、言葉だけの話です。そのときの政策課題があるので、あるパイの中でやろうとすれば、どこにウエートを置きましょうということは必然的にあるでしょう。安全をほうっといていいかというと、そういうわけにもいかない」
(佐藤純)


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「江戸川区は区の面積の7割が海抜ゼロメートルの低地帯です。水から守るためには壊れないスーパー堤防しかない。絶対なくてはならない。われわれは1947年のキャサリン台風で(利根川の堤防が)決壊した悲しい歴史をもっています。キティ台風がその2年後に来て、再び江戸川区が大変な被害を受けました。地域を守るためにはそういうものしかありません」

――スーパー堤防には賛否両論があります。強制的な手順を取ったことで、将来に禍根を残すという見方があります。

「やらないほうが禍根を残します。今やらなければ、二度とスーパー堤防はできなくなるでしょう。江戸の治水は400年前から始まっています。江戸時代だって、記録にあるだけで250回ぐらい洪水の被害を受けています。明治43(1910)年の大洪水で日本橋や深川が壊滅状態になったときに、荒川のようなものを掘った。江戸川でも河川敷を広げて堤防を移動させることをやってきました。いっときにはできません。われわれができることは何だという取り組みをしていかなかったら、危険な状態を残したままあぐらかいてることになります」

――その考えは住民に十分に伝わっていると考えますか。

「(対象地域に)残った何人かの住民が『わからない』と言っておられるかも知れませんが、おおかたの区民はそうではないと思ってるわけです。民主党政権で『コンクリートから人へ』と言われた。それはいいとして、国家の大計にかかわる治水を政策の論争の材料にしちゃった。実に残念でした」

――治水、街づくりという大きな視点は当然ですが、そこには一つひとつの家族、一人ひとりの人間が住んでいます。

「当然です」

――その人たちが必要性を納得できない事業に協力させられるとなれば、相当な心理的な負担があるだろうと思います。

「それはそうです。わかるので説得を繰り返していますが、土地区画整理法やいろんな法律に強制執行という手段が定められているということは、そういうときのため、公共性の方を重視させていただきましょうということ。いじめるためにやっているわけではありません。相応の補償や手立てを最大限考えます。そういう人たちのことを思ってないように言われると、根本的に違います」

――区長自身が説得に乗り出す考えはありますか。

「あり得るかもわかりまんせんけども、不毛な会見だったらしょうがないわけで、状況によって考えるということです」

――区のスーパー堤防整備方針で、合計約20キロ計画されています。何年ぐらいかけてやる考えですか。

「それはわかりません。何年目標などと私がはっきり言えるわけでもありません。ただ、その方向で努力はしなくちゃいけない」

――少子高齢化が進む中、時間もお金も非常にかかる事業にどれだけ力を注ぐか。このように進めたいという長期的な道筋が示されるべきではありませんか。

「私があと200年ぐらいで完成させたいと言っても、言葉だけの話です。そのときの政策課題があるので、あるパイの中でやろうとすれば、どこにウエートを置きましょうということは必然的にあるでしょう。安全をほうっといていいかというと、そういうわけにもいかない」
(佐藤純)


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【2014/07/28 15:24】 | 新聞記事から
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