「ダム建設の時代は終わった」by米国内務省開拓局長官ウィリアム・ピアーズ
◆川に帰るサクラマス、なぜメス多い
(朝日新聞山形版2014年6月16日12時10分) http://www.asahi.com/articles/CMTW1406160600001.html

〇生き残り戦略 体大きく、卵も多くなる/教えてaがったん

 県の魚「サクラマス」の稚魚が5月から各地で放流されている。とても不思議な魚で、サケみたいに産卵のため生まれた川を海からさかのぼるけれど、戻ってくるサクラマスはメスが圧倒的に多い。山形ではオスは10匹に1匹くらいしかいない。なぜなのか。ツイッター公式アカウントでおなじみの朝日新聞山形総局マスコットキャラクター「がったん」が解説します。

 ――サクラマスは本当にメスが多いの?

 そのとおり。山形県の川に戻ってくるサクラマスの場合、10匹中9匹がメス。不思議に思うかもしれないが、答えは実に簡単。川から海へ下っていくサクラマスのほとんどがメスだからなんだ。オスは少ない。

 なぜ海へ下るサクラマスにメスが多いかというと、これはサクラマスの生き残り戦略と考えられる。エサの多い海に下った方が体は大きくなり、卵を多く産める。その分、子孫を多く残せる可能性が高まるっていうわけだ。

 ――生き残り戦略?

 渓流釣りの好きな人なら承知のことだが、サクラマスには海へ下らないものもいて、それを人間は「ヤマメ」と呼んでいるが、同じ魚だ。このヤマメは成長しても大きくて30センチ、400グラムほどで、メスは約千個の卵を産む。ところが、海から戻ってきたサクラマスは50~70センチ、2~5キロにもなり、3千~4千個もの卵を産む。多い方が生き残れるでしょ。

 ――でも、なぜオスは海へ下らないの?

 少し専門的になるけれど、海へ下るサクラマスにはある時期、体に変化が起きる。体がイワシやサンマのように銀色になるから見た目でもわかる。「スモルト化」と言って、塩分がある海でも生きていけるように変身する。

 これが成長したメスには起こるけれど、オスは変身する前に体が成熟に向かってしまうものが多いんだ。変身できなければエサがたくさんある海へ行きたくてもいけない。

 また、成長が悪くて変身できないメスもヤマメとして川にとどまる。

 ――サクラマスはどこでもメスが多いのかな?

 地域に差があることがわかってきている。冷涼な気候の北海道のサクラマスは、海へ下るオスの割合が山形よりも多い。さらに北のロシアの沿海州だと、海へ下るサクラマスはメスよりもオスの方が多いとも言われている。

 川にある程度エサがある環境なら海へ下る必要がないけれど、北海道ではオスもまた海へ下らないといけない環境にあるのではないか、と考えられている。

 ――地元の漁師さんからは、20~30年ほど前はオスのサクラマスが多かったと聞きました。

 そう。その頃、山形では高級魚であるサクラマスの回帰率を高めようとしていた時期なんだ。オスも人工的にスモルト化させて放流していた。そうすればサクラマスが増えると考えられて、実際に漁獲が増えた。ただ、経費もかかるから今は小さな稚魚を放流するのが主流になっている。

 ――それにしてもサケもサクラマスも同じサケ科。サケはオスもメスも海へ下るのにこの違いは?

 進化の違いではないか。サケはサクラマスに比べるとより進化した魚と言われている。

 ――いまの漁獲は?

 山形の海面で取れるのが年間5~10トン程度。サクラマスが県の魚に指定された1992年以降、年間50~80万匹が放流され、東北各県や北海道でも力を入れてきた。それでも漁獲量がなかなか増えていない。

 産卵できる場所や稚魚が生息できる場所の減少、海へ出たサクラマスが大きくなる前に網にかかってしまうなどの問題がわかってきている。サクラマスに適した環境をつくるため、森と川、海を結びつける分野を超えた取り組みが始まっているんだ。よくわがったん?

=監修・県内水面水産試験場(伊東大治)


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 渓流釣りの好きな人なら承知のことだが、サクラマスには海へ下らないものもいて、それを人間は「ヤマメ」と呼んでいるが、同じ魚だ。このヤマメは成長しても大きくて30センチ、400グラムほどで、メスは約千個の卵を産む。ところが、海から戻ってきたサクラマスは50~70センチ、2~5キロにもなり、3千~4千個もの卵を産む。多い方が生き残れるでしょ。

 ――でも、なぜオスは海へ下らないの?

 少し専門的になるけれど、海へ下るサクラマスにはある時期、体に変化が起きる。体がイワシやサンマのように銀色になるから見た目でもわかる。「スモルト化」と言って、塩分がある海でも生きていけるように変身する。

 これが成長したメスには起こるけれど、オスは変身する前に体が成熟に向かってしまうものが多いんだ。変身できなければエサがたくさんある海へ行きたくてもいけない。

 また、成長が悪くて変身できないメスもヤマメとして川にとどまる。

 ――サクラマスはどこでもメスが多いのかな?

 地域に差があることがわかってきている。冷涼な気候の北海道のサクラマスは、海へ下るオスの割合が山形よりも多い。さらに北のロシアの沿海州だと、海へ下るサクラマスはメスよりもオスの方が多いとも言われている。

 川にある程度エサがある環境なら海へ下る必要がないけれど、北海道ではオスもまた海へ下らないといけない環境にあるのではないか、と考えられている。

 ――地元の漁師さんからは、20~30年ほど前はオスのサクラマスが多かったと聞きました。

 そう。その頃、山形では高級魚であるサクラマスの回帰率を高めようとしていた時期なんだ。オスも人工的にスモルト化させて放流していた。そうすればサクラマスが増えると考えられて、実際に漁獲が増えた。ただ、経費もかかるから今は小さな稚魚を放流するのが主流になっている。

 ――それにしてもサケもサクラマスも同じサケ科。サケはオスもメスも海へ下るのにこの違いは?

 進化の違いではないか。サケはサクラマスに比べるとより進化した魚と言われている。

 ――いまの漁獲は?

 山形の海面で取れるのが年間5~10トン程度。サクラマスが県の魚に指定された1992年以降、年間50~80万匹が放流され、東北各県や北海道でも力を入れてきた。それでも漁獲量がなかなか増えていない。

 産卵できる場所や稚魚が生息できる場所の減少、海へ出たサクラマスが大きくなる前に網にかかってしまうなどの問題がわかってきている。サクラマスに適した環境をつくるため、森と川、海を結びつける分野を超えた取り組みが始まっているんだ。よくわがったん?

=監修・県内水面水産試験場(伊東大治)

【2014/06/17 09:13】 | 新聞記事から
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