「ダム建設の時代は終わった」by米国内務省開拓局長官ウィリアム・ピアーズ
                嶋津 暉之

いつもダム問題が中心ですが、今回は渡良瀬遊水池を守る運動について書きます。

渡良瀬遊水池を守る利根川流域住民協議会が1990年に発足してから、代表世話人の高松健比古さん、事務局長の猿山弘子さんたちと一緒に私もずっと遊水地を守る運動を続けてきました。四半世紀近くになります。

当初は第二貯水池の建設計画やゴルフ場の増設計画を中止させることに力を注ぎ、やがて時代の流れもあってこれらの計画は中止になりました。もう一つ力を入れてきたのは、乾燥化が進む遊水地の湿地化を進め、昭和30年代のように沼が点在するより豊かな自然を回復させるプランの作成です。

そのプランを渡良瀬遊水池エコミュージアムプランと言い、まちおこしも図っていく意図も込められています。最初の案は1999年に発表しました。

遊水地の湿地化の必要性は国交省利根川上流河川事務所も同様な認識を持っていて、2000年にそのためのグランドデザインをつくり、2010年には湿地保全・再生基本計画をつくりました。

これは治水容量の増強を兼ねて掘削を進め、湿地を再生しようというものですが、掘削を段階的に進めること、順応的な管理(結果が思わしくなければ原点に戻る)を行うこと、モニタリングをしっかり行い、住民側もモニタリング委員会に加えることが約束されたので、私たちも賛意を示しました。

この湿地保全・再生基本計画ができたことにより、国交省がラムザール条約登録に積極的になり、住民の熱心の取り組みによって一昨年、渡良瀬遊水池はめでたく、登録地になりました。

国交省の湿地保全・再生基本計画は掘削のみで、湿地を再生しようというもので、すでに試験湿地がいくつもつくられてきています。

しかし、私たちは掘削だけでは湿地の再生が難しいのではないかと考えています。

そこで、私たちのエコミュージアムプランでは掘削は沼、池、水路等をつくるための最小限にとどめ、湿地化を図るため、三つの方策を講じることにしています。

一つは水路は張り巡らせて、池、沼に水を供給するようにすること、一つは遊水地(第二調節池)に流入する与良川の流量を増やす手段を講じること(現実に可能)、

もう一つは遊水地内の与良川の最下流部にゴム堰(ラバーダム)を設置して非洪水時の水位をあげて、沼、池の水深を維持することです。

ただ、これらの方策は市民側の提案にとどまっていました。

ところが、5月31日に小山市で開かれたシンポジウム「渡良瀬遊水地エコミュージアム・プランの展望と課題」で私の方からエコミュージアムプランの目的、経過、内容について報告を行ったところ、
http://www.watarase-kyougikai.org/news/140524-130747.html 

登壇者の大久保寿夫小山市長から上記の湿地化の方策に対して強い賛意が示され、その一部は小山市としても検討を進めているとの発言があり、実現の可能性がでてきました。

その実現にはまだ多くの課題がありますし、また、遊水地の自然を人間の手で変えていくことは容易のことではありませんが、長年の夢が少し前に進んだように思いました。

当日、私が報告で使ったパワーポイントのスライドを住民協議会のホームページに掲載しましたので、ご覧いただければ幸いです。
http://www.watarase-kyougikai.org/news/140603-002329.html

【2014/06/04 22:30】 | 政策
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