「ダム建設の時代は終わった」by米国内務省開拓局長官ウィリアム・ピアーズ
               嶋津 暉之

3月18日、国交省の社会資本整備審議会河川分科会「第12回 気候変動に適応した治水対策検討小委員会」が開かれました。
その配布資料が国交省のHPに掲載されました。

http://www.mlit.go.jp/river/shinngikai_blog/shaseishin/kasenbunkakai/shouiinkai/kikouhendou/12/index.html

国立環境研究所が地球温暖化の日本への影響に関する報告書を発表しましたが(下記参照)、似たような検討を国交省の審議会でも行っています。
資料1 木本委員プレゼンテーション資料
(気候変動に関する新たな科学的知見:IPCC第5次評価報告書第1作業部会

資料2 中北委員プレゼンテーション資料
(我が国の水災害に関わる気候変動影響評価研究の進展

資料3 第11回小委員会 主なご意見

資料4 第11回小委員会に関する補足説明資料

資料5 平成20年6月答申フォローアップ

資料6 平成20年6月答申フォローアップ 補足説明資料

資料7 今後の主な検討課題(案)について(PDFファイル 99KB)



ニュースにもなっていましたが、国立環境研究所が一昨日、地球温暖化の日本への影響に関する報告書を発表しました。
発表した報告書は国立環境研究所のHPに掲載されています。
https://www.nies.go.jp/whatsnew/2014/20140317/20140317.html

茨城大学、(独)国立環境研究所など34機関、93名の研究者が参画して、2014年度だけで約3.5 億円の予算を使う一大プロジェクトです。

しかし、その予測結果にどの程度の科学性、信憑性があるのでしょうか。

「強い雨の頻度が増すため、今世紀末の洪水被害額は、特に東北、中部、近畿、四国地方で2倍を超える可能性が高い。ただ、堤防を高くしたり、ダム容量を大きくしたりするなどの対策を取った場合は、被害額は大幅に減少した。」と報じられていますが、どこまで確かなことなのかと、疑ってしまいます。



◆洪水被害、世紀末に3倍超 砂浜85%消失、気温は最大6.4度上昇
(SankeiBiz 2014.3.18 )
http://www.sankeibiz.jp/macro/news/140317/mca1403172238007-n1.htm

地球温暖化の影響で、今世紀末の日本の年間の洪水被害額が最大で20世紀末の3倍以上の約6800億円に達し、砂浜は全国の85%が消失するなど幅広く悪影響が出ることを予測した報告書を環境省の研究チームが17日、発表した。年平均気温は20世紀末に比べて3.5~6.4度上昇するとしている。

今世紀半ばには暑さが原因で死亡する人が全国的に2倍以上に増え、亜熱帯の果樹が首都圏で栽培できるようになるなど、健康や農業にも影響が出る。

会見で研究チームを率いる三村信男・茨城大教授は「影響は温暖化がどの程度進行するかによって左右される。温室効果ガス排出の抑制が必要だ」と強調。一方、「気温上昇を低く抑えられるとしても現在を上回る悪影響が考えられる」とも述べ、被害軽減策の重要性を訴えた。

報告書は都道府県ごとに分野別の影響を初めて示した。自治体の政策作りに生かされる。

チームは、4種類のコンピューターモデルによる最新の気候変動予測を活用し、水害や食料などの分野ごとにどのような影響が出るか計算して20世紀末と比較した。

この結果、今のペースで温室効果ガスの濃度が上がる最悪ケースでは、今世紀末の年平均気温は、23道府県で5度以上上昇する可能性が高いことが分かった。

強い雨の頻度が増すため、今世紀末の洪水被害額は、特に東北、中部、近畿、四国地方で2倍を超える可能性が高い。ただ、堤防を高くしたり、ダム容量を大きくしたりするなどの対策を取った場合は、被害額は大幅に減少した。海面上昇は約60センチと予測され、高潮被害額は最大で年間約2600億円増加する。

現在、約5万平方キロに広がる高山の針葉樹ハイマツが生育できる場所は、約500平方キロに激減。全国のコメの収量は大きく変化しないが、品質の悪いコメの割合が高まる。影響は地域ごとに大きく異なるという。



◆気温最大6.4度上昇/熱中症死亡最大13倍 世紀末の日本、環境省報告
(朝日新聞2014年3月18日)
http://digital.asahi.com/articles/DA3S11034973.html?iref=comkiji_txt_end_s_kjid_DA3S11034973

世界の温室効果ガスの排出量がこのまま増え続けると、日本の平均気温は今世紀末に3・5~6・4度上がる。環境省の研究プロジェクトチームが17日公表した報告書は、災害や健康、農業など広い分野に影響を及ぼす恐れを指摘した。温室効果ガスの削減と温暖化の被害を軽くする適応策の両方に真剣に取り組むことを求める内容だ。

プロジェクトチームは、IPCCの最新シナリオをもとに試算した。このまま排出量が増えた場合、今世紀末(2081~2100年の平均値)には基準年(1981~2000年の平均値)に比べ、降雨量が9~16%増え、海面は最大63センチ上昇、砂浜が最大85%失われるとした。

温暖化による影響は、地理的な条件によっても違う。気温の上昇率は、他の地域に比べて北海道や東北地方で大きいという。

全国で2千億円程度の洪水被害額は、今世紀末にはさらに約4800億円増える可能性がある。東北、中部、近畿、四国では、下流域に市街地が広がっているため、被害額が2倍を超えるおそれが大きいとみられる。また、熱中症など暑さによる死亡リスクは、最大13倍まで高まる。地域や年齢にかかわらず2倍以上になるが、北海道など元の気温が低い地域では、低い段階から熱ストレスのリスクが始まるという。

ハイマツは標高の低い東北でほぼ消滅、シラビソは四国や紀伊半島で消滅する。ブナも本州の太平洋側や西日本で著しく減少する。森林の変化は、景観や生態系だけでなく日本の伝統や文化にも影響を及ぼすことが懸念されている。

コメは、北海道や東北で収量増が見込めるが、関東以西では品質の低下が著しいとみられている。

■被害低減へ、適応策カギ

国内34の機関が参加した研究プロジェクト全体のリーダーを務める茨城大の三村信男教授は、この日の記者会見で「世界規模で温室効果ガス削減が進めば日本の悪影響は相当抑制できるが、現状を上回る悪影響は避けられない。削減策と適応策の両方が不可欠」と指摘した。世界で厳しい削減策が取られた場合、気温上昇は1.0~2.8度に抑えられるという。

今回の報告書では、適応策を取った場合の効果も示された。例えば洪水被害では、現状はほぼ50年に1度の洪水に対応している治水レベルを70年に1度に引き上げることで、被害額を減らせる可能性を示した。熱中症による被害も予防策を講じることで大部分を避けられるという。

コメでは、品種の転換や田植えの時期を遅らせるなどの適応策を取ればある程度の回復が可能だが、日照時間などの関係で北陸地方では効果が低いとみられている。

チームは地域ごとにどんな対策を取ればいいのか自治体向けのソフト開発も行っている。一方、政府全体の適応計画づくりも来年夏の閣議決定を目指して進められている。

(香取啓介、須藤大輔、編集委員・石井徹)


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資料1 木本委員プレゼンテーション資料
(気候変動に関する新たな科学的知見:IPCC第5次評価報告書第1作業部会

資料2 中北委員プレゼンテーション資料
(我が国の水災害に関わる気候変動影響評価研究の進展

資料3 第11回小委員会 主なご意見

資料4 第11回小委員会に関する補足説明資料

資料5 平成20年6月答申フォローアップ

資料6 平成20年6月答申フォローアップ 補足説明資料

資料7 今後の主な検討課題(案)について(PDFファイル 99KB)



ニュースにもなっていましたが、国立環境研究所が一昨日、地球温暖化の日本への影響に関する報告書を発表しました。
発表した報告書は国立環境研究所のHPに掲載されています。
https://www.nies.go.jp/whatsnew/2014/20140317/20140317.html

茨城大学、(独)国立環境研究所など34機関、93名の研究者が参画して、2014年度だけで約3.5 億円の予算を使う一大プロジェクトです。

しかし、その予測結果にどの程度の科学性、信憑性があるのでしょうか。

「強い雨の頻度が増すため、今世紀末の洪水被害額は、特に東北、中部、近畿、四国地方で2倍を超える可能性が高い。ただ、堤防を高くしたり、ダム容量を大きくしたりするなどの対策を取った場合は、被害額は大幅に減少した。」と報じられていますが、どこまで確かなことなのかと、疑ってしまいます。



◆洪水被害、世紀末に3倍超 砂浜85%消失、気温は最大6.4度上昇
(SankeiBiz 2014.3.18 )
http://www.sankeibiz.jp/macro/news/140317/mca1403172238007-n1.htm

地球温暖化の影響で、今世紀末の日本の年間の洪水被害額が最大で20世紀末の3倍以上の約6800億円に達し、砂浜は全国の85%が消失するなど幅広く悪影響が出ることを予測した報告書を環境省の研究チームが17日、発表した。年平均気温は20世紀末に比べて3.5~6.4度上昇するとしている。

今世紀半ばには暑さが原因で死亡する人が全国的に2倍以上に増え、亜熱帯の果樹が首都圏で栽培できるようになるなど、健康や農業にも影響が出る。

会見で研究チームを率いる三村信男・茨城大教授は「影響は温暖化がどの程度進行するかによって左右される。温室効果ガス排出の抑制が必要だ」と強調。一方、「気温上昇を低く抑えられるとしても現在を上回る悪影響が考えられる」とも述べ、被害軽減策の重要性を訴えた。

報告書は都道府県ごとに分野別の影響を初めて示した。自治体の政策作りに生かされる。

チームは、4種類のコンピューターモデルによる最新の気候変動予測を活用し、水害や食料などの分野ごとにどのような影響が出るか計算して20世紀末と比較した。

この結果、今のペースで温室効果ガスの濃度が上がる最悪ケースでは、今世紀末の年平均気温は、23道府県で5度以上上昇する可能性が高いことが分かった。

強い雨の頻度が増すため、今世紀末の洪水被害額は、特に東北、中部、近畿、四国地方で2倍を超える可能性が高い。ただ、堤防を高くしたり、ダム容量を大きくしたりするなどの対策を取った場合は、被害額は大幅に減少した。海面上昇は約60センチと予測され、高潮被害額は最大で年間約2600億円増加する。

現在、約5万平方キロに広がる高山の針葉樹ハイマツが生育できる場所は、約500平方キロに激減。全国のコメの収量は大きく変化しないが、品質の悪いコメの割合が高まる。影響は地域ごとに大きく異なるという。



◆気温最大6.4度上昇/熱中症死亡最大13倍 世紀末の日本、環境省報告
(朝日新聞2014年3月18日)
http://digital.asahi.com/articles/DA3S11034973.html?iref=comkiji_txt_end_s_kjid_DA3S11034973

世界の温室効果ガスの排出量がこのまま増え続けると、日本の平均気温は今世紀末に3・5~6・4度上がる。環境省の研究プロジェクトチームが17日公表した報告書は、災害や健康、農業など広い分野に影響を及ぼす恐れを指摘した。温室効果ガスの削減と温暖化の被害を軽くする適応策の両方に真剣に取り組むことを求める内容だ。

プロジェクトチームは、IPCCの最新シナリオをもとに試算した。このまま排出量が増えた場合、今世紀末(2081~2100年の平均値)には基準年(1981~2000年の平均値)に比べ、降雨量が9~16%増え、海面は最大63センチ上昇、砂浜が最大85%失われるとした。

温暖化による影響は、地理的な条件によっても違う。気温の上昇率は、他の地域に比べて北海道や東北地方で大きいという。

全国で2千億円程度の洪水被害額は、今世紀末にはさらに約4800億円増える可能性がある。東北、中部、近畿、四国では、下流域に市街地が広がっているため、被害額が2倍を超えるおそれが大きいとみられる。また、熱中症など暑さによる死亡リスクは、最大13倍まで高まる。地域や年齢にかかわらず2倍以上になるが、北海道など元の気温が低い地域では、低い段階から熱ストレスのリスクが始まるという。

ハイマツは標高の低い東北でほぼ消滅、シラビソは四国や紀伊半島で消滅する。ブナも本州の太平洋側や西日本で著しく減少する。森林の変化は、景観や生態系だけでなく日本の伝統や文化にも影響を及ぼすことが懸念されている。

コメは、北海道や東北で収量増が見込めるが、関東以西では品質の低下が著しいとみられている。

■被害低減へ、適応策カギ

国内34の機関が参加した研究プロジェクト全体のリーダーを務める茨城大の三村信男教授は、この日の記者会見で「世界規模で温室効果ガス削減が進めば日本の悪影響は相当抑制できるが、現状を上回る悪影響は避けられない。削減策と適応策の両方が不可欠」と指摘した。世界で厳しい削減策が取られた場合、気温上昇は1.0~2.8度に抑えられるという。

今回の報告書では、適応策を取った場合の効果も示された。例えば洪水被害では、現状はほぼ50年に1度の洪水に対応している治水レベルを70年に1度に引き上げることで、被害額を減らせる可能性を示した。熱中症による被害も予防策を講じることで大部分を避けられるという。

コメでは、品種の転換や田植えの時期を遅らせるなどの適応策を取ればある程度の回復が可能だが、日照時間などの関係で北陸地方では効果が低いとみられている。

チームは地域ごとにどんな対策を取ればいいのか自治体向けのソフト開発も行っている。一方、政府全体の適応計画づくりも来年夏の閣議決定を目指して進められている。

(香取啓介、須藤大輔、編集委員・石井徹)

【2014/03/20 02:07】 | 政策
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