「ダム建設の時代は終わった」by米国内務省開拓局長官ウィリアム・ピアーズ
          嶋津 暉之

東京都中央卸売市場の建設工事は予定価格を630億円から1034億円に引き上げてようやく落札されました。
新国立競技場の1700億円もどこまで膨らむか、わかりません。

◆建設バブルでゼネコン不況?人手不足と労務費上昇深刻化で各社減益、公共工事入札不調も
(サイゾー2014年3月17日) 
http://topics.jp.msn.com/wadai/cyzo/article.aspx?articleid=3699563

建設バブルを象徴するような再入札だった。東京・中央区の築地市場を同江東区の豊洲に移転する建設工事で、主要施設3棟の再入札が2月13日になって、ようやく成立した。それぞれ鹿島、清水建設、大成建設を代表とする共同企業体(JV)が落札した。新市場は2016年3月に完成する予定だ。

再入札が行われたのは、青果棟と水産仲卸売場棟、水産卸売場棟の建設工事。昨年11月の1回目の入札で、東京都は3件の予定価格を計630億円に設定していたが、資材費や人件費高騰を理由にJVが辞退し、入札は不成立となった。都は昨年12月、予定価格を6割(400億円)引き上げ、あらためて公告。落札額は計1034億円に跳ね上がった。

長らく構造不況業種といわれた建設業界が、建設バブルに沸いている。東日本大震災からの復興事業やアベノミクスの一環である国土強靭化計画による公共工事に加え、景気回復の波を受けて民間でもビルやマンションの建設計画が相次いでいるためだ。2020年に開催される東京五輪特需がこれに加わる。

だが、現実には建設バブルを手放しで喜んではいられない状況が続く。建設現場の人手不足が一段と深刻になってきたからだ。東日本大震災の復旧工事や公共事業の増加で、現場の技能者が不足し、労務費の上昇や工事遅れが起きている。建設費高騰を受け、自治体などの公共工事の入札で建設会社が決まらない入札不調が相次いでいる。

これから東京五輪に向けた都市整備が本格的に始まる。新国立競技場をはじめ、選手村、武蔵の森総合スポーツ施設など五輪施設が次々と建設される。新国立競技場の建設費は当初1300億円と見込んでいたが、設計通りだと3000億円に膨らむため、床面積を減らすなどして1700億円に縮小した。しかし、豊洲新市場の建設工事のように、五輪施設も当初の予定価格を大幅に引き上げなければ落札するゼネコンはないといわれている。

●労務費の高騰で工事採算が悪化
こうした中、建設バブルで潤うはずのゼネコンも当てが外れた。構造的な人手不足から労務費が高騰し、各社の収益を圧迫しているためだ。業界をリードする上場スーパーゼネコン4社の13年4~12月期の決算は、公共工事の増加や都心部での再開発需要の高まりを受け、全社が増収を確保した。だが、労務費の増加が工事採算を圧迫、大林組と鹿島は営業減益となった。東日本大震災の復興事業の進捗や首都圏での大型オフィスビル建設が売り上げを牽引したにもかかわらず、営業減益となった。大林組は売上高が前年同期比11%増の1兆1250億円となる一方、営業利益は163億円で23%減り、売上高に対する営業利益率は1.4%と0.7ポイント悪化した。理由は、建設現場の人手不足が深刻化し、労務費が膨らんだためだ。

鹿島も道路工事が順調で売上高は1%増の1兆411億円だったが、営業利益は43%減の139億円と大きく落ち込んだ。営業利益率は1.3%と1ポイントも悪化。10~12月期だけでみるとマンションやビルなどを手掛ける建築部門の完成工事総利益は赤字だった。清水建設は橋梁の建設工事が伸びて、売上高は7%増の1兆190億円。東南アジアでの日系企業向けの工場建設が寄与し、営業利益は136億円と2.1倍となった。

大成建設の売上高は6%増の9828億円で、営業利益は24%増の381億円。工事採算の悪化を増収で補い、営業増益を確保した。

●深刻化する建設技能労働者の不足

建設業界の人手不足の影響は全国に広がっている。14年3月期の通期見通しについて、各社は従来予想を据え置いた。営業利益は大林組が240億円(前年同期32%減)、鹿島が180億円(同2%減)、清水建設が155億円(同18%増)、大成建設が400億円(同12%増)の見込みだ。15年3月期は、各社とも工事の採算をシビアに確保する方針を徹底するとしている。だが、公共事業より価格交渉が厳しいとされる民間事業者からの受注でコストの増加分をどう吸収するかがポイントになりそうだ。

建設現場では建築系技能労働者の奪い合いが始まっている。国土交通省が今年1月に実施した建設労働需給調査では、全国の8業種全体で建設技能労働者は2.2%の不足だった(季節調整値)。不足率は(確保したかったができなかった労働者数-確保したが過剰となった労働者数)÷(確保している労働者数+確保したかったができなかった労働者数)×100で算出される。コンクリートを流し込む型枠大工(建築)は3.6%、鉄筋を組み立てる鉄筋工(建築)は5.1%と不足の比率が大きい。

鉄筋工の過不足は、マンション建設の増減に左右される。リーマン・ショック後、マンション建設が激減し鉄筋工の仕事がなくなったところに、東日本大震災の復旧・復興工事に加え、アベノミクスのミニバブルの追い風でマンションの建設が急増。突然仕事が増えたのだから、鉄筋工が不足するのは当たり前だ。

90年度から96年度まで80兆円前後で推移していた建設投資は、10年度に42兆円と半減した。その過程で、専門技能を身につけた建設職人の数もピーク時の半分ほどに減った。鉄筋工や型枠大工だけでなく建設現場の足場をつくるとび職人、壁を塗る左官職人など、どの職種も同じような人手不足に陥っている。

技能の習得には数年かかる職種が多く、職人は促成栽培できない。一方で職人の高齢化が進んでおり、職人の不足はもっと深刻になる。東京五輪に向けた新しい施設の建設や老朽施設の補修などの公共工事が滞りかねない事態が、そこまで来ている。
(文=編集部)



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こうした中、建設バブルで潤うはずのゼネコンも当てが外れた。構造的な人手不足から労務費が高騰し、各社の収益を圧迫しているためだ。業界をリードする上場スーパーゼネコン4社の13年4~12月期の決算は、公共工事の増加や都心部での再開発需要の高まりを受け、全社が増収を確保した。だが、労務費の増加が工事採算を圧迫、大林組と鹿島は営業減益となった。東日本大震災の復興事業の進捗や首都圏での大型オフィスビル建設が売り上げを牽引したにもかかわらず、営業減益となった。大林組は売上高が前年同期比11%増の1兆1250億円となる一方、営業利益は163億円で23%減り、売上高に対する営業利益率は1.4%と0.7ポイント悪化した。理由は、建設現場の人手不足が深刻化し、労務費が膨らんだためだ。

鹿島も道路工事が順調で売上高は1%増の1兆411億円だったが、営業利益は43%減の139億円と大きく落ち込んだ。営業利益率は1.3%と1ポイントも悪化。10~12月期だけでみるとマンションやビルなどを手掛ける建築部門の完成工事総利益は赤字だった。清水建設は橋梁の建設工事が伸びて、売上高は7%増の1兆190億円。東南アジアでの日系企業向けの工場建設が寄与し、営業利益は136億円と2.1倍となった。

大成建設の売上高は6%増の9828億円で、営業利益は24%増の381億円。工事採算の悪化を増収で補い、営業増益を確保した。

●深刻化する建設技能労働者の不足

建設業界の人手不足の影響は全国に広がっている。14年3月期の通期見通しについて、各社は従来予想を据え置いた。営業利益は大林組が240億円(前年同期32%減)、鹿島が180億円(同2%減)、清水建設が155億円(同18%増)、大成建設が400億円(同12%増)の見込みだ。15年3月期は、各社とも工事の採算をシビアに確保する方針を徹底するとしている。だが、公共事業より価格交渉が厳しいとされる民間事業者からの受注でコストの増加分をどう吸収するかがポイントになりそうだ。

建設現場では建築系技能労働者の奪い合いが始まっている。国土交通省が今年1月に実施した建設労働需給調査では、全国の8業種全体で建設技能労働者は2.2%の不足だった(季節調整値)。不足率は(確保したかったができなかった労働者数-確保したが過剰となった労働者数)÷(確保している労働者数+確保したかったができなかった労働者数)×100で算出される。コンクリートを流し込む型枠大工(建築)は3.6%、鉄筋を組み立てる鉄筋工(建築)は5.1%と不足の比率が大きい。

鉄筋工の過不足は、マンション建設の増減に左右される。リーマン・ショック後、マンション建設が激減し鉄筋工の仕事がなくなったところに、東日本大震災の復旧・復興工事に加え、アベノミクスのミニバブルの追い風でマンションの建設が急増。突然仕事が増えたのだから、鉄筋工が不足するのは当たり前だ。

90年度から96年度まで80兆円前後で推移していた建設投資は、10年度に42兆円と半減した。その過程で、専門技能を身につけた建設職人の数もピーク時の半分ほどに減った。鉄筋工や型枠大工だけでなく建設現場の足場をつくるとび職人、壁を塗る左官職人など、どの職種も同じような人手不足に陥っている。

技能の習得には数年かかる職種が多く、職人は促成栽培できない。一方で職人の高齢化が進んでおり、職人の不足はもっと深刻になる。東京五輪に向けた新しい施設の建設や老朽施設の補修などの公共工事が滞りかねない事態が、そこまで来ている。
(文=編集部)



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【2014/03/18 14:48】 | Webの記事
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