「ダム建設の時代は終わった」by米国内務省開拓局長官ウィリアム・ピアーズ
              嶋津 暉之

電力資本の代弁をしているようなウォール・ストリート・ジャーナルの記事ですが、お伝えしておきます。

◆水力発電の未来―地球に優しい有望なエネルギー源
(ウォール・ストリート・ジャーナル2013年 11月14日(木)) 
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20131114-00000155-wsj-bus_all

再び水力に頼ることのできる環境が整ったようだ。

過去数十年にわたって環境団体などが生態系の破壊や強制立ち退きが現地住民に与える影響を理由にダムの廃止を訴えてきたが、水力発電には今、環境に優しいエネルギー源としての有望な未来が待ち受けている。

実際、水力発電は今後20年にわたって再生可能な最大の電力源としての地位を維持し、風力タービンや太陽電池パネルによる不安定な発電量を補う上で重要な役割を果たす見通しだ。

世界には膨大な電力需要があり、補完的なエネルギー源として水力発電がもたらすメリットに対する膨大な需要がある。また、よりクリーンで再生可能な電力源に対するニーズもある。

新たな技術の登場で、水力発電の運営に必要な要件も緩和される可能性がある。しかし、その評判の悪さを含め、克服しなければならない大きな課題もまだいくつかある。

巨大ダム


国際エネルギー機関(IEA)のアナリスト、マイケル・ウォルドロン氏によると、2010~35年の間に水力による発電量は3分の2拡大する見通しだが、他の電力源も増加するため、 世界の電力供給に占めるシェアは15%
程度に保たれる見込み。

その増加分の多くは、発展途上国で現在建設中あるいは計画中の大型ダムによるものだ。

IEAによると、今後5年で中国だけでその4分の1以上を占めることになる可能性がある。国際水力発電協会(IHA)によると、中国では世界最大の三峡ダムが完成し、現在60のプロジェクトが進行中だ。

それには推定発電力1万3860メガワット(MW)の溪洛渡ダムや推定発電力6400MWの向家ダムが含まれている(米国最大のグランド・クーリー・ダムの発電力は6809MWで、これは約230万世帯に供給するのに十分な量だ)。

一方、ブラジルでは、推定発電力1万1233MWのベロモンテダムをはじめ、アマゾン流域に3つのダムが建設中だ。

エチオピアでは、青ナイル川沿いで推定発電力6000MWのグランド・ルネサンス・ダムが着工した。インドでは、ブラマプトラ川で発電力9750MWのダムの建設に向けて調査が進められている。

しかし、巨大ダムは依然として批判の的となっている。例えば、ブラジルのベロモンテダムは、熱帯雨林や先住民への影響に対する懸念から反対に直面している。

しかし、これら巨大ダムプロジェクトは最も安価な大量発電の手段であるのみならず、水を大量に貯蔵できれば、地球温暖化で悪化しかねない干ばつや洪水に対する備えにもなり得る。

世界銀行のチーフ水力発電スペシャリスト、ジーン・マイケル・デバーネイ氏は「水力発電は解決策の1つだという認識が高まっている」と話す。

環境への影響に対する批判を受け、世銀はこれまで10年ほど水力発電プロジェクトへの資金援助を中止していた。

しかし、今は水力発電はより持続可能な方法で建設可能だと考えている。環境団体や非営利社会組織の間でも、そうした見方が強まっている。例えば、米環境保全団体の自然管理委員会は、米陸軍工兵司令部などの大規模開発を手掛ける組織と協力している。

既存設備の改良

既存の発電用ダムの増強や非水力発電ダムや運河の改造によって、水力発電量が増える可能性もある。

米エネルギー省風力・水力技術局のホセ・ザヤス局長によると、そうした手段によって、米国の水力発電能力は今後20年で2万MW増加する可能性があり、それは原発20基分に相当するという。

陸軍工兵司令部は、54カ所の水力発電所について、今後20年で総工費40億ドル以上をかけて増強・改良できる可能性があることを確認している。また、民間投資家に現在発電に使用されていないダムの改造を促している。

米オークリッジ国立研究所は、水力発電設備を追加できる可能性のあるダムが国内に5万カ所以上あることを把握している。そのリポートで特定された最大級のダムのほとんどは陸軍工兵司令部が所有・運営している。

オハイオ州コロンバスに本社を置く非営利の電力卸会社アメリカン・ミュニシパル・パワー(AMP)は、オハイオ川沿いの4カ所のダムに水力発電設備を増設している。16年に完成予定で、79の自治体への電力供給が見込まれている。

一方、別の形態の水力発電に対する関心も高まっている。例えば、カナダのブリティッシュコロンビア州では、川の水をパイプに迂回(うかい)させ、それを電力タービンの駆動電力として使用し、再び川に戻すプロジェクトへの関心が急速に高まっている。

魚や野生生物への影響を最小限に抑えるため、流用する水はごくわずかに抑えられる見通しだ。

しかし、一部の環境団体は、特に近くに発電設備が数カ所ある場合、現実には相当量の水が使用されることになると述べている。それら団体は、複数のプロジェクトが川の生態系全体に及ぼす累積的影響を評価するよう主張している。

この議論は米国では特に重要だ。ザヤス氏によると、米国では川の水が流用できれば、新たな水力発電の最大の開発源になり得るという。

揚水発電

重要な新しい発電能力としてもう1つ期待されているのが揚水発電だ。これは上下2カ所の貯水池間で水を往復させることによって発電する方法。

揚水発電には、需要に応じて電力を供給し、風力や太陽光発電による電力の変動を補うことができるというメリットがある。米電力研究所(EPRI)によると、欧州では古い設備の更新や新しい設備の建設により、今後10年で1万1526MWの揚水発電能力を追加する見通しだ。

この技術はまだ初期の段階にあるが、潮の干満や川の流れ、波を利用した十数の実証プロジェクトが進行中だ。

スコットランドでは、北部沿岸沖ペントランド海峡で行われる潮力エネルギーを利用したプロジェクトが9月に承認された。第1段階が完了した暁には、6台のタービンによって86MW、約4万2000世帯分の電力が供給される見通しだ。

米エネルギー省は米国で行われている小規模な実証プロジェクトをいくつか支援している。その1つは、12年9月に電力供給が開始されたメーン州沿岸沖ファンディー湾口の潮力タービンプロジェクト。

このプロジェクトを手掛ける米オーシャン・リニューアブル・パワー(ORPC)のクリス・ソーサー最高経営責任者(CEO)は「現在この技術はニッチ市場で商業的に実現可能だ」と話す。


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巨大ダム


国際エネルギー機関(IEA)のアナリスト、マイケル・ウォルドロン氏によると、2010~35年の間に水力による発電量は3分の2拡大する見通しだが、他の電力源も増加するため、 世界の電力供給に占めるシェアは15%
程度に保たれる見込み。

その増加分の多くは、発展途上国で現在建設中あるいは計画中の大型ダムによるものだ。

IEAによると、今後5年で中国だけでその4分の1以上を占めることになる可能性がある。国際水力発電協会(IHA)によると、中国では世界最大の三峡ダムが完成し、現在60のプロジェクトが進行中だ。

それには推定発電力1万3860メガワット(MW)の溪洛渡ダムや推定発電力6400MWの向家ダムが含まれている(米国最大のグランド・クーリー・ダムの発電力は6809MWで、これは約230万世帯に供給するのに十分な量だ)。

一方、ブラジルでは、推定発電力1万1233MWのベロモンテダムをはじめ、アマゾン流域に3つのダムが建設中だ。

エチオピアでは、青ナイル川沿いで推定発電力6000MWのグランド・ルネサンス・ダムが着工した。インドでは、ブラマプトラ川で発電力9750MWのダムの建設に向けて調査が進められている。

しかし、巨大ダムは依然として批判の的となっている。例えば、ブラジルのベロモンテダムは、熱帯雨林や先住民への影響に対する懸念から反対に直面している。

しかし、これら巨大ダムプロジェクトは最も安価な大量発電の手段であるのみならず、水を大量に貯蔵できれば、地球温暖化で悪化しかねない干ばつや洪水に対する備えにもなり得る。

世界銀行のチーフ水力発電スペシャリスト、ジーン・マイケル・デバーネイ氏は「水力発電は解決策の1つだという認識が高まっている」と話す。

環境への影響に対する批判を受け、世銀はこれまで10年ほど水力発電プロジェクトへの資金援助を中止していた。

しかし、今は水力発電はより持続可能な方法で建設可能だと考えている。環境団体や非営利社会組織の間でも、そうした見方が強まっている。例えば、米環境保全団体の自然管理委員会は、米陸軍工兵司令部などの大規模開発を手掛ける組織と協力している。

既存設備の改良

既存の発電用ダムの増強や非水力発電ダムや運河の改造によって、水力発電量が増える可能性もある。

米エネルギー省風力・水力技術局のホセ・ザヤス局長によると、そうした手段によって、米国の水力発電能力は今後20年で2万MW増加する可能性があり、それは原発20基分に相当するという。

陸軍工兵司令部は、54カ所の水力発電所について、今後20年で総工費40億ドル以上をかけて増強・改良できる可能性があることを確認している。また、民間投資家に現在発電に使用されていないダムの改造を促している。

米オークリッジ国立研究所は、水力発電設備を追加できる可能性のあるダムが国内に5万カ所以上あることを把握している。そのリポートで特定された最大級のダムのほとんどは陸軍工兵司令部が所有・運営している。

オハイオ州コロンバスに本社を置く非営利の電力卸会社アメリカン・ミュニシパル・パワー(AMP)は、オハイオ川沿いの4カ所のダムに水力発電設備を増設している。16年に完成予定で、79の自治体への電力供給が見込まれている。

一方、別の形態の水力発電に対する関心も高まっている。例えば、カナダのブリティッシュコロンビア州では、川の水をパイプに迂回(うかい)させ、それを電力タービンの駆動電力として使用し、再び川に戻すプロジェクトへの関心が急速に高まっている。

魚や野生生物への影響を最小限に抑えるため、流用する水はごくわずかに抑えられる見通しだ。

しかし、一部の環境団体は、特に近くに発電設備が数カ所ある場合、現実には相当量の水が使用されることになると述べている。それら団体は、複数のプロジェクトが川の生態系全体に及ぼす累積的影響を評価するよう主張している。

この議論は米国では特に重要だ。ザヤス氏によると、米国では川の水が流用できれば、新たな水力発電の最大の開発源になり得るという。

揚水発電

重要な新しい発電能力としてもう1つ期待されているのが揚水発電だ。これは上下2カ所の貯水池間で水を往復させることによって発電する方法。

揚水発電には、需要に応じて電力を供給し、風力や太陽光発電による電力の変動を補うことができるというメリットがある。米電力研究所(EPRI)によると、欧州では古い設備の更新や新しい設備の建設により、今後10年で1万1526MWの揚水発電能力を追加する見通しだ。

この技術はまだ初期の段階にあるが、潮の干満や川の流れ、波を利用した十数の実証プロジェクトが進行中だ。

スコットランドでは、北部沿岸沖ペントランド海峡で行われる潮力エネルギーを利用したプロジェクトが9月に承認された。第1段階が完了した暁には、6台のタービンによって86MW、約4万2000世帯分の電力が供給される見通しだ。

米エネルギー省は米国で行われている小規模な実証プロジェクトをいくつか支援している。その1つは、12年9月に電力供給が開始されたメーン州沿岸沖ファンディー湾口の潮力タービンプロジェクト。

このプロジェクトを手掛ける米オーシャン・リニューアブル・パワー(ORPC)のクリス・ソーサー最高経営責任者(CEO)は「現在この技術はニッチ市場で商業的に実現可能だ」と話す。

【2013/11/16 11:27】 | Webの記事
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