「ダム建設の時代は終わった」by米国内務省開拓局長官ウィリアム・ピアーズ
           嶋津 暉之

水利権を株のように取引するオーストラリアの「水市場」についての記事です。

◆世界発2013・乾いた豪州、潤う水市場 株感覚、利用権売買
(朝日新聞 2013年11月8日)
http://digital.asahi.com/articles/TKY201311070573.html?ref=comkiji_txt_end_s_kjid_TKY201311070573

南極に次ぐ「乾いた大陸」のオーストラリア。貴重な水をいかに有効に使うかをめぐり、世界的にもユニークな取り組みが続けられている。水利権を株のように取引する「水市場」だ。

■電子取引、投資家も参入

「マレー川のこの水は今、1千トン当たり70ドル。こっちの川では300ドルか。今日は安めだな」。豪州南部アデレードにある大手水ブローカー会社の最高責任者、トム・ルーニーさんは、パソコン画面を見ながら漏らした。

この時点で、複数の買い手から入った注文は計2200万トン。一方、売りに出されている水は計300万トンだ。グラフが示す平均価格がじわじわと上がる。その瞬間、9万9千トンが7千豪ドル(約65万円)で売れた。

約2300万人が年間約20億トンの水を使う豪州には、世界でも数少ない「水取引市場」がある。

ルーニーさんがオンラインの水市場を立ち上げた10年前、年間取引額は2千万ドル程度だった。今は100倍以上の20億~30億ドルが取引されている。業界のさきがけで、今では全国に数十社の同業がいる。

水の売り手の大半は農民だ。農家は以前、必要な書類さえ整えれば、州政府から無料で水を割り当てられた。しかし、度重なる干ばつに苦しんだ連邦州政府は、効率的な水の利用を促進する「水改革」の一環として1990年代から「市場取引」の導入を進めた。川やダムなどの総水量を計算し、恒久的な「水利権」と年間配分量を農家に付与。農家は節水し、余った分はスポット的に売ることができる一方、経営に行き詰まったら配分された水や水利権そのものも売ることができる仕組みにした。
一方、買うのは、おもにもとの水利権だけでは足りなくなった大規模農家や、水利権を個別の都合で売った農家だ。許可さえ出れば無料だった水を市場から買わなくてはならないから、より効率的に使おうとの意識が働く。雨が多い年には1千トンで10ドルだった水が、干ばつ時に1千ドル以上に跳ね上がったこともある。

水の売買は、当初は個人間の相対取引が主流だったが、ルーニーさんは「株のように電子取引ができれば市場が拡大する」と考え、独自のソフトを開発。州ごとに違う複雑な法律やダムの水量、降水量など数千種類のデータをプログラムに組み入れ、改良を重ねた。

昨年ごろから、将来の価格や金利変動を利用するデリバティブのオプション取引が人気を集めている。「水ブローカーの助言で売買する農民以外の投資家も増えている」と、ルーニーさんは話す。


■農家、節水し経費カット

豪州最大の稲作地帯・リベリナ地方。乾いた盆地の中を、マレー川がゆっくり流れる。肥沃(ひよく)な地に8千ヘクタールもの農地を持つローリー・アーサーさん(59)は10月初め、今年の稲作を開始した。

巨大な農業機器を繰り、稲作にあてた660ヘクタールを息子2人と臨時雇い3人だけで耕し、モミをまいた。年によって牧草地にして羊を放ったり小麦と輪作したりするために土地が肥え、肥料はあまり必要ない。

日本のミニマムアクセス米向けに、コシヒカリを中粒種と掛け合わせて栽培している。昨年は1トンが317ドルで売れた。1キロ30円にも満たない。環太平洋経済連携協定(TPP)交渉の行方を案ずる日本の農家が聞いたらひっくり返りそうな安さだが、6600トンもの収穫量があるため、利益が出る。

コストカットと収穫量のカギを握るのは水の管理だ。自分で持つ水利権の水量では足りないため、配分水を年間300万トンほど買う。「今朝、インターネットで相場を見たら1千トンが63ドルだった」。水代だけで1800万円ほどかかることになる。

徹底した大型化と効率化を進めてきたアーサーさんは、「水を管理できない者は農業をする資格がない」と言い切る。灌漑(かんがい)の方法も超ハイテクで、衛星やレーザー技術を駆使して10ヘクタール近い1区画の高低差を2センチ以内におさめる。すると1カ所から流し込んだ水がすみずみまで行き渡り、人手も必要ない。

管理しようにも、水自体がない時もある。深刻な干ばつに襲われた08~09年、州政府が農家へ配分する水をゼロにする緊急措置をとった。水利権があっても、実際の配分は降雨量などに応じて毎年決められる。

この年の耕作ができなくなったアーサーさんは、水利権を担保にして銀行から借り入れができ、自己破産しないですんだ。「農民を生かすも殺すも水次第だ」という。
(一部引用)





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 ・まさのあつこさんの政策エッセイ
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一方、買うのは、おもにもとの水利権だけでは足りなくなった大規模農家や、水利権を個別の都合で売った農家だ。許可さえ出れば無料だった水を市場から買わなくてはならないから、より効率的に使おうとの意識が働く。雨が多い年には1千トンで10ドルだった水が、干ばつ時に1千ドル以上に跳ね上がったこともある。

水の売買は、当初は個人間の相対取引が主流だったが、ルーニーさんは「株のように電子取引ができれば市場が拡大する」と考え、独自のソフトを開発。州ごとに違う複雑な法律やダムの水量、降水量など数千種類のデータをプログラムに組み入れ、改良を重ねた。

昨年ごろから、将来の価格や金利変動を利用するデリバティブのオプション取引が人気を集めている。「水ブローカーの助言で売買する農民以外の投資家も増えている」と、ルーニーさんは話す。


■農家、節水し経費カット

豪州最大の稲作地帯・リベリナ地方。乾いた盆地の中を、マレー川がゆっくり流れる。肥沃(ひよく)な地に8千ヘクタールもの農地を持つローリー・アーサーさん(59)は10月初め、今年の稲作を開始した。

巨大な農業機器を繰り、稲作にあてた660ヘクタールを息子2人と臨時雇い3人だけで耕し、モミをまいた。年によって牧草地にして羊を放ったり小麦と輪作したりするために土地が肥え、肥料はあまり必要ない。

日本のミニマムアクセス米向けに、コシヒカリを中粒種と掛け合わせて栽培している。昨年は1トンが317ドルで売れた。1キロ30円にも満たない。環太平洋経済連携協定(TPP)交渉の行方を案ずる日本の農家が聞いたらひっくり返りそうな安さだが、6600トンもの収穫量があるため、利益が出る。

コストカットと収穫量のカギを握るのは水の管理だ。自分で持つ水利権の水量では足りないため、配分水を年間300万トンほど買う。「今朝、インターネットで相場を見たら1千トンが63ドルだった」。水代だけで1800万円ほどかかることになる。

徹底した大型化と効率化を進めてきたアーサーさんは、「水を管理できない者は農業をする資格がない」と言い切る。灌漑(かんがい)の方法も超ハイテクで、衛星やレーザー技術を駆使して10ヘクタール近い1区画の高低差を2センチ以内におさめる。すると1カ所から流し込んだ水がすみずみまで行き渡り、人手も必要ない。

管理しようにも、水自体がない時もある。深刻な干ばつに襲われた08~09年、州政府が農家へ配分する水をゼロにする緊急措置をとった。水利権があっても、実際の配分は降雨量などに応じて毎年決められる。

この年の耕作ができなくなったアーサーさんは、水利権を担保にして銀行から借り入れができ、自己破産しないですんだ。「農民を生かすも殺すも水次第だ」という。
(一部引用)





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【2013/11/09 16:19】 | 未分類
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