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「ダム建設の時代は終わった」by米国内務省開拓局長官ウィリアム・ピアーズ
◆北京の水不足、危機的状況に 21河川枯渇、ダムも流入量わずか
(SankeiBiz 2013.11.4) 
http://www.sankeibiz.jp/macro/news/131104/mcb1311040701008-n1.htm

北京市の水不足が危機的状況に陥っている。南部の水資源を北部地域に運ぶ「南水北調プロジェクト」は、2008年に北京区間が完成。河北省の4つのダムから取水も始まっているが、それでも改善の兆しは見えない。

加えて「北京では、7月31日に1日平均配水量が過去最高となる294万1000立方メートルを記録。8月26日には298万立方メートルに達し、再度最高記録を更新した」(北京市水道水集団のスポークスマン、梁麗氏)。

中国水利水電科学研究院水資源所の王浩所長の言葉を借りれば「北京の水不足は、世界中の水不足関連の報道をもってしても描写しきれないほど深刻」なのである。


国際基準に満たず

北京市は1人当たりの年間最大利用可能水資源量が100立方メートルにも満たない。これは「絶対的な水不足」とされる国際基準の500立方メートルを大きく下回る数値だ。

北京市の水は、40%の地下水と60%の地表水で成り立っている。しかし、地下水は1999年以降、14年にわたる降雨量不足で水位が毎年平均90センチずつ低下。さらに過剰採取により、北京市民の重要な生活用水供給源であった21の主要河川も枯渇した。

頼みの綱であるダムも状況は芳しくない。1999~2012年の密雲ダムと官庁ダムの流入量はわずか3億8000万立方メートル。それ以前の年平均流入量の4分の1にも満たない。

北京市にある大小17のダムも、総貯水容量約90億立方メートルであるのに対し、現在の貯水量は15億立方メートルに満たない。北京市水道局のデータによると、北京市では昨年1年間で約11億立方メートルの水が不足していたという。
こうした状況に、中国政府も手をこまねいていたわけではない。

「南水北調プロジェクト」が計画どおりに進めば、湖北省の丹江口ダムから北京につながる中央線の完成後、北京には年間、使用水量の4分の1強に当たる10億5000万立方メートルが供水されることになり、2020年には14億~17億立方メートルに達する計画だ。

しかし、現時点で「中央線が完成すれば、北京の水不足は解消される」と断定するのは時期尚早だろう。

本誌(中国経済週刊)が第39号(10月4日)で報じたとおり、ここ数年、漢江や丹江流域で降水量が減少しているほか、周辺の水使用量も増加し、中央線の水源である丹江口ダムの流入量が激減しているからだ。

流入量の多寡は各地への供水に直接影響を及ぼす。1999年のように丹江口ダムの流入量が146億立方メートル程度にとどまるようなことがあれば、その年の北部地域への供水は断念せざるを得ないだろう。

また、北京市南水北調プロジェクト建設委員会弁公室の関係者によると、中央線の供水量は年平均では10億5000万立方メートルとなる計画だが、最大時は16億立方メートル、最小時は8億立方メートルと年間を通じてむらがある。

流入量も1日の最大値が520万立方メートルなのに対し、最小値は70万立方メートルと振り幅が極めて大きい。

これに対し、北京の水使用量は相対的に安定しており、1日当たりの水使用量は260万~320万立方メートル前後だ。

この落差を埋めるため、11年9月、国務院(内閣に相当)南水北調プロジェクト建設委員会弁公室は、中央線完成後当面の間、丹江口ダムや上流の沿線都市の状況に応じ、北京への供水量を引き上げることを認めたが、丹江口ダムにその余力があるかは未知数といえよう。


大規模な水利工事も

北京市にある3つの調整池も、貯水容量が4000万立方メートル程度しかなく、1年間で大きく変動する中央線の供水量に対応するのは不可能だ。

「南水北調プロジェクト」に調整池の建設は含まれていない。このため北京市政府は、貯水量の減った密雲ダムを調整池の代わりとするプロジェクトを始動させた。

取水量の不安定さが指摘される「南水北調プロジェクト」の中央線。日々深刻化する水不足に対処するため、北京市も市内での大掛かりな水利工事の実施を余儀なくされている。
(中国経済週刊=中国新聞社)


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こうした状況に、中国政府も手をこまねいていたわけではない。

「南水北調プロジェクト」が計画どおりに進めば、湖北省の丹江口ダムから北京につながる中央線の完成後、北京には年間、使用水量の4分の1強に当たる10億5000万立方メートルが供水されることになり、2020年には14億~17億立方メートルに達する計画だ。

しかし、現時点で「中央線が完成すれば、北京の水不足は解消される」と断定するのは時期尚早だろう。

本誌(中国経済週刊)が第39号(10月4日)で報じたとおり、ここ数年、漢江や丹江流域で降水量が減少しているほか、周辺の水使用量も増加し、中央線の水源である丹江口ダムの流入量が激減しているからだ。

流入量の多寡は各地への供水に直接影響を及ぼす。1999年のように丹江口ダムの流入量が146億立方メートル程度にとどまるようなことがあれば、その年の北部地域への供水は断念せざるを得ないだろう。

また、北京市南水北調プロジェクト建設委員会弁公室の関係者によると、中央線の供水量は年平均では10億5000万立方メートルとなる計画だが、最大時は16億立方メートル、最小時は8億立方メートルと年間を通じてむらがある。

流入量も1日の最大値が520万立方メートルなのに対し、最小値は70万立方メートルと振り幅が極めて大きい。

これに対し、北京の水使用量は相対的に安定しており、1日当たりの水使用量は260万~320万立方メートル前後だ。

この落差を埋めるため、11年9月、国務院(内閣に相当)南水北調プロジェクト建設委員会弁公室は、中央線完成後当面の間、丹江口ダムや上流の沿線都市の状況に応じ、北京への供水量を引き上げることを認めたが、丹江口ダムにその余力があるかは未知数といえよう。


大規模な水利工事も

北京市にある3つの調整池も、貯水容量が4000万立方メートル程度しかなく、1年間で大きく変動する中央線の供水量に対応するのは不可能だ。

「南水北調プロジェクト」に調整池の建設は含まれていない。このため北京市政府は、貯水量の減った密雲ダムを調整池の代わりとするプロジェクトを始動させた。

取水量の不安定さが指摘される「南水北調プロジェクト」の中央線。日々深刻化する水不足に対処するため、北京市も市内での大掛かりな水利工事の実施を余儀なくされている。
(中国経済週刊=中国新聞社)

【2013/11/06 02:14】 | 各地のダム情報
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