「ダム建設の時代は終わった」by米国内務省開拓局長官ウィリアム・ピアーズ
              嶋津 暉之

淀川水系の丹生ダムの検証が大詰めを迎えています。
毎日新聞が丹生ダムについて詳しい解説記事を書いています。

◆なるほドリ:「丹生ダム」事業ってどうなっているの? /滋賀
(毎日新聞滋賀版 2013年10月23日) 
http://mainichi.jp/area/shiga/news/20131023ddlk25070469000c.html

◇代案と比較見直し大詰め 治水コストは河川整備が有利

なるほドリ 「脱ダム」論争で話題になった淀川水系「丹生(にう)ダム」(長浜市)建設計画って今どうなっているの?

記者 45年前からの曲折を経て2009年に計画が凍結され、国土交通省による見直し作業が続いています。

これまでに県や大阪府など関係自治体(4府県と3市)を交えた検討の場が4回開かれ、今年9月には2通りのダム建設案と複数の代案とのコストや利点、課題などの比較結果が示されました。ダムを造るのか中止して別の手段にするのか、見直しは大詰めを迎えています。

Q 順番に、計画の歴史から教えて。
A 琵琶湖に注ぐ長浜市余呉町の高時川上流に、治水・利水の多目的ダムとして1968年に国が予備調査を始め、72年に琵琶湖総合開発計画に盛り込まれました。

高度成長期で京阪神の水需要が増えるとの予測があったためです。88年に事業着手し、96年までに水没予定地の約40世帯が移転しました。用地取得や工事用道路の整備も進みましたが、本体工事は未着工です。今までに約560億円が投入されました。

Q どうして計画を見直すことに?

A まず、2000年代に入り、費用負担する下流自治体が水需要の低下で利水から撤退し、事業目的が変わって規模も縮小されました。

さらに、08年には国交省の諮問機関「淀川水系流域委員会」が、渇水対策での必要性や環境への影響などを問題視。計画見直しを提言しました。

その後、嘉田由紀子知事ら4府県知事が淀川水系ダムの建設凍結を求め、丹生ダムについては意見を留保しましたが、民主党政権発足後の09年末、検証対象のダムとなりました。

Q 代案との比較で何が分かったの?

A この比較が大変ややこしいのです。現在、丹生ダムの建設目的は治水・異常渇水対策・川の流水確保とされ、その達成のために、当初計画を縮小したダム(追加事業費1150億円)と穴開きダム(同744億円)の2案が挙げられています。

一方、代案は3目的別に2?5通りずつ示されましたが、想定する洪水規模が異なり、代案の組み合わせによって建設費なども変わります。

その上でコストを比べると、治水対策では河川掘削や輪中堤整備など3通りの代案の建設費が各80億円で、ダム2案(治水部分だけの事業費246億円と339億円)より安価に。流水確保策は一長一短、異常渇水対策ではダムが有利という結果でした。

Q 今後どうなる見通しなの?

A 9月に大阪、京都、兵庫の3府県が「異常渇水対策としてのダム10+件建設は必要性や緊急性が低い」との見解を示したことが、国交省の判断に影響を与えそうです。

長浜市は「下流の自治体に翻弄(ほんろう)されてきた。地元の苦渋の決断を尊重してほしい」と困惑し、滋賀県市長会の経済部会は今月、「県の立場が不明瞭だ」と苦言を呈しましたが、嘉田知事は「国の判断を待つしかない」との姿勢です。

仮に国直轄のダム建設を中止して代案を事業化すると、県の財政負担がどれだけ増えるのかも問題になるでしょう。
<回答・千葉紀和(大津支局)>


☆★こちらもどうぞご覧下さい★☆

 ・「八ツ場あしたの会」ニュース
 ・「八ツ場ダムをストップさせる千葉の会」
 ・利根川流域市民委員会
 ・まさのあつこさんの政策エッセイ
 ・どうする、利根川? どうなる、利根川? どうする、私たち? Ⅱ
 



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A 琵琶湖に注ぐ長浜市余呉町の高時川上流に、治水・利水の多目的ダムとして1968年に国が予備調査を始め、72年に琵琶湖総合開発計画に盛り込まれました。

高度成長期で京阪神の水需要が増えるとの予測があったためです。88年に事業着手し、96年までに水没予定地の約40世帯が移転しました。用地取得や工事用道路の整備も進みましたが、本体工事は未着工です。今までに約560億円が投入されました。

Q どうして計画を見直すことに?

A まず、2000年代に入り、費用負担する下流自治体が水需要の低下で利水から撤退し、事業目的が変わって規模も縮小されました。

さらに、08年には国交省の諮問機関「淀川水系流域委員会」が、渇水対策での必要性や環境への影響などを問題視。計画見直しを提言しました。

その後、嘉田由紀子知事ら4府県知事が淀川水系ダムの建設凍結を求め、丹生ダムについては意見を留保しましたが、民主党政権発足後の09年末、検証対象のダムとなりました。

Q 代案との比較で何が分かったの?

A この比較が大変ややこしいのです。現在、丹生ダムの建設目的は治水・異常渇水対策・川の流水確保とされ、その達成のために、当初計画を縮小したダム(追加事業費1150億円)と穴開きダム(同744億円)の2案が挙げられています。

一方、代案は3目的別に2?5通りずつ示されましたが、想定する洪水規模が異なり、代案の組み合わせによって建設費なども変わります。

その上でコストを比べると、治水対策では河川掘削や輪中堤整備など3通りの代案の建設費が各80億円で、ダム2案(治水部分だけの事業費246億円と339億円)より安価に。流水確保策は一長一短、異常渇水対策ではダムが有利という結果でした。

Q 今後どうなる見通しなの?

A 9月に大阪、京都、兵庫の3府県が「異常渇水対策としてのダム10+件建設は必要性や緊急性が低い」との見解を示したことが、国交省の判断に影響を与えそうです。

長浜市は「下流の自治体に翻弄(ほんろう)されてきた。地元の苦渋の決断を尊重してほしい」と困惑し、滋賀県市長会の経済部会は今月、「県の立場が不明瞭だ」と苦言を呈しましたが、嘉田知事は「国の判断を待つしかない」との姿勢です。

仮に国直轄のダム建設を中止して代案を事業化すると、県の財政負担がどれだけ増えるのかも問題になるでしょう。
<回答・千葉紀和(大津支局)>


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【2013/10/26 00:19】 | 新聞記事から
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