「ダム建設の時代は終わった」by米国内務省開拓局長官ウィリアム・ピアーズ
           嶋津 暉之

森林管理のあり方として参考になりますので、紹介します。

◆創る「森林」 間伐省力化 二つの形
 機械化進めて森と共生 切らずに「巻き枯らし」

( 読売新聞群馬版 2013年9月18日 )
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/gunma/feature/maebashi1377703087618_02/news/20130918-OYT8T00009.htm

林業は植林から本格的に伐採する「主伐」まで、木材生産に数十年かかる。木材価格が低迷する中、機械化と道路網整備で間伐材による利益を地道に生み出し、森林と共生する先駆的な林業を行ってきた会社がある。他方、藤岡市の森林ボランティアは、機械によらない省力化した森づくりに取り組んでいる。
 榛名連峰の最高峰・掃部(かもん)ヶ岳の西方、東吾妻町の標高650~1300メートルの高原に内山林業(高崎市)の山林はある。広さは約420ヘクタール。天然の広葉樹林と人工の針葉樹林が、ほぼ半分ずつ広がる。

 内山林業を経営する内山家は、大正時代に山林を取得し、家族で山を維持してきた。3代目の内山右之助さん(70)は大学を卒業し、1965年に家業に入った。妻はるのさん(65)と二人三脚で、杉とヒノキ、カラマツを育成している。

 省力化した間伐は、平成に入って始めた。既に木材価格が下落しており、内山さんは「コストを抑えるには、人には頼めない」と機械化を進めた。最初の高性能林業機械は1997年に購入した「ハーベスタ」。木を伐(き)り倒し枝を払い、丸太にして集材する作業を1台でこなす。導入は業界の先駆けだった。2011年には間伐材の搬出を効率化する大型車両「フォワーダ」も導入した。

 機械化林業には、人工林内の作業道を整える「路網整備」も重要だった。1960年代から重機で整備し、今では1ヘクタール当たり200メートル。「県森林・林業基本計画」の目標値を達成済みだ。

 省力化の根底には、森への愛着がある。「山に泊まり込んで苗木を植え、下草刈りをして育ててきた。1本1本の成長した木を見ても思い出がよみがえる」。内山さんは、木を見上げながら感慨深そうな表情を見せる。

 内山さんは、植林した杉やヒノキの種から自然に生えた「実生(みしょう)苗(なえ)」も大事に植える。アカマツは切らない。松ぼっくりが動物の大切な餌になるからだ。広範囲に伐採した後の草地も、「こういう場所も猛禽(もうきん)類がウサギを捕るのに必要なんだ」と話す。

 杉やヒノキの人工林は、間伐が適宜行われてきたため明るい。光を受けて中下層に生えた広葉樹や下草の枯れ葉で土の養分が豊かになり、土壌微生物も増える。植物の種類が多くなれば、虫や鳥の種類も増え、生物多様性の高い森になっていく。

 「人間が森林を利用することは、自然の恵みをうけること」。内山さんは謙虚な気持ちで語る。

 冬桜で知られる藤岡市三波川の「桜山公園」近くの人工林で、森林ボランティア団体「桜山きづきの森」(狩野正次代表)が、木を伐り倒さない「巻き枯らし」という省力間伐方法を用いて森づくりに取り組んでいる。

 きっかけは1995年、山林を相続して山主となった金沢なほみさん(72)(藤岡市鬼石)が、久しぶりに現地を見に行ったことだった。金沢さんはヒノキ林の中があまりに暗いのに驚いた。木もやせている。森林組合に出向き「これでいいの」と尋ねたところ「間伐しなければだめ」と言われ、組合に作業をしてもらった。しかし、それでも暗い。「再び組合に言うと『伐りすぎると残った木が風や雪で倒れるから』と言われてしまって……」。釈然としない思いが残ったという。

 そこで自ら林業の勉強を始め、素人でも出来る山の手入れ方法を探したところ、2000年にインターネットのホームページ(HP)で平易な入門書を見つけた。作者と連絡を取り、薦められたのが「巻き枯らし」だった。

 巻き枯らしには〈1〉樹皮に切り目を入れて皮を剥ぐ〈2〉樹皮を環状に削り取る――の2通りがあり、いずれも鉈(なた)1本あれば出来るほど簡単。枯れても立木のままなので、間伐しなかった木が風雪で倒れるのを防ぐ支柱になるという。同団体の草分けメンバー高野友太郎さん(53)によると、元は広葉樹に用いる技術だったが、福井県の林業家が人工林の間伐に応用した。

 翌01年2月、HP作者の提案で、金沢さんの森で講習会が開かれた。約40人が参加し、「1回だけの講習ではもったいない。継続的に活動しよう」と02年、同団体が誕生した。毎月第1、第3日曜日に10人ほどが、2ヘクタールほどの作業区域で下草刈りや間伐に従事している。

 作業開始から10年ほどたち、巻き枯らしを行った場所では杉やヒノキが太くなった。「森は劇的に変わりました」と金沢さんは笑顔を見せ、「若い人にも林業に関心を持ってもらう場になれば」と願っている。


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 榛名連峰の最高峰・掃部(かもん)ヶ岳の西方、東吾妻町の標高650~1300メートルの高原に内山林業(高崎市)の山林はある。広さは約420ヘクタール。天然の広葉樹林と人工の針葉樹林が、ほぼ半分ずつ広がる。

 内山林業を経営する内山家は、大正時代に山林を取得し、家族で山を維持してきた。3代目の内山右之助さん(70)は大学を卒業し、1965年に家業に入った。妻はるのさん(65)と二人三脚で、杉とヒノキ、カラマツを育成している。

 省力化した間伐は、平成に入って始めた。既に木材価格が下落しており、内山さんは「コストを抑えるには、人には頼めない」と機械化を進めた。最初の高性能林業機械は1997年に購入した「ハーベスタ」。木を伐(き)り倒し枝を払い、丸太にして集材する作業を1台でこなす。導入は業界の先駆けだった。2011年には間伐材の搬出を効率化する大型車両「フォワーダ」も導入した。

 機械化林業には、人工林内の作業道を整える「路網整備」も重要だった。1960年代から重機で整備し、今では1ヘクタール当たり200メートル。「県森林・林業基本計画」の目標値を達成済みだ。

 省力化の根底には、森への愛着がある。「山に泊まり込んで苗木を植え、下草刈りをして育ててきた。1本1本の成長した木を見ても思い出がよみがえる」。内山さんは、木を見上げながら感慨深そうな表情を見せる。

 内山さんは、植林した杉やヒノキの種から自然に生えた「実生(みしょう)苗(なえ)」も大事に植える。アカマツは切らない。松ぼっくりが動物の大切な餌になるからだ。広範囲に伐採した後の草地も、「こういう場所も猛禽(もうきん)類がウサギを捕るのに必要なんだ」と話す。

 杉やヒノキの人工林は、間伐が適宜行われてきたため明るい。光を受けて中下層に生えた広葉樹や下草の枯れ葉で土の養分が豊かになり、土壌微生物も増える。植物の種類が多くなれば、虫や鳥の種類も増え、生物多様性の高い森になっていく。

 「人間が森林を利用することは、自然の恵みをうけること」。内山さんは謙虚な気持ちで語る。

 冬桜で知られる藤岡市三波川の「桜山公園」近くの人工林で、森林ボランティア団体「桜山きづきの森」(狩野正次代表)が、木を伐り倒さない「巻き枯らし」という省力間伐方法を用いて森づくりに取り組んでいる。

 きっかけは1995年、山林を相続して山主となった金沢なほみさん(72)(藤岡市鬼石)が、久しぶりに現地を見に行ったことだった。金沢さんはヒノキ林の中があまりに暗いのに驚いた。木もやせている。森林組合に出向き「これでいいの」と尋ねたところ「間伐しなければだめ」と言われ、組合に作業をしてもらった。しかし、それでも暗い。「再び組合に言うと『伐りすぎると残った木が風や雪で倒れるから』と言われてしまって……」。釈然としない思いが残ったという。

 そこで自ら林業の勉強を始め、素人でも出来る山の手入れ方法を探したところ、2000年にインターネットのホームページ(HP)で平易な入門書を見つけた。作者と連絡を取り、薦められたのが「巻き枯らし」だった。

 巻き枯らしには〈1〉樹皮に切り目を入れて皮を剥ぐ〈2〉樹皮を環状に削り取る――の2通りがあり、いずれも鉈(なた)1本あれば出来るほど簡単。枯れても立木のままなので、間伐しなかった木が風雪で倒れるのを防ぐ支柱になるという。同団体の草分けメンバー高野友太郎さん(53)によると、元は広葉樹に用いる技術だったが、福井県の林業家が人工林の間伐に応用した。

 翌01年2月、HP作者の提案で、金沢さんの森で講習会が開かれた。約40人が参加し、「1回だけの講習ではもったいない。継続的に活動しよう」と02年、同団体が誕生した。毎月第1、第3日曜日に10人ほどが、2ヘクタールほどの作業区域で下草刈りや間伐に従事している。

 作業開始から10年ほどたち、巻き枯らしを行った場所では杉やヒノキが太くなった。「森は劇的に変わりました」と金沢さんは笑顔を見せ、「若い人にも林業に関心を持ってもらう場になれば」と願っている。


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【2013/09/21 11:48】 | 新聞記事から
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