「ダム建設の時代は終わった」by米国内務省開拓局長官ウィリアム・ピアーズ
             嶋津 暉之

興味深い論考ですので、参考までにお知らせします。
筆者のWilliam Pesek氏はブルームバーグ・ビューのコラムニストです。


◆現実性欠くアベノミクス教
(サンケイビズ 2013.2.6 05:00) 
http://www.sankeibiz.jp/macro/news/130206/mca1302060504003-n1.htm

日本の安倍晋三首相の評価を控える蜜月期間はもう終わりにして、日本経済がブームを迎えようとしているという新首相の考えの現実性を点検してみよう。

まず初めに、私は自分自身が混乱に陥ったのかという思いに駆られたことを話しておきたい。11年間の東京暮らしで私はただ単にどうしようもないほど疑い深くなってしまったのだろうか。

自由民主党が改革を訴えながらも実現することができず、無能な指導者がころころ入れ替わるのを見てきた。安倍首相が就任後の数週間に取った措置は、まずは疑ってみることにも利点があるとの信念を取り戻させた。

安倍首相の掲げる政策は日本に対する投資家心理を2009年以来最も強気にさせている。その政策とは、財政を呼び水とし、成長のてこ入れに向け日本銀行をもっと働かせることだ。

ブルームバーグの調査では、回答者の約21%は日本が今後1年間に最高の機会を提供するとみている。同じ調査では、一部で「アベノミクス」と呼ばれる首相の政策について54%が比較的楽観していると答えた。

◆想像力欠ける政策

この調査結果は2つの点で無視し難い。1つは、私の退職年金口座の管理担当者が日本を強気とみる新参者の一人ではないことを心から願うということ。もう1点は、安倍首相の前回の任期(2006~07年)があれほど惨めな結果に終わったことを忘れてはならないことだ。

自民党は約20年もの間、無用な橋や道路、トンネル、ダム、空港の建設に金を使い、銀行システムに流動性供給を拡大するよう日銀に迫った。

こうした想像力に欠ける政策で日本国民には何が残ったのか。簡単に言うとすれば、対国内総生産(GDP)比率で世界最大の債務残高だ。もっと厳しい言い方をするなら、日本は「歩行器」なしには歩けない国になり下がってしまったということだ。
昔と同じ対処法を単にもう一度試すことに説得力はあるのだろうか。日本経済を独り歩きさせ、さらに全速力で走れるようにすることが安倍政権にできるのだろうか。

デフレは日本の消費者がデフレが終息すると信じるまで終わらない。企業は家計が消費を増やすと思うようになるまで雇用を控える。銀行は融資が不良債権化しないと思えるまで貸し出しを増やさない。

13年か14年は12年よりも良くなるだろうと本当に確信が得られるまで、賃金は上がらないだろう。

安倍首相の積極策に一部の投資家はだまされるかもしれない。ノーベル経済学賞受賞者のポール・クルーグマン氏から支持さえ受けた。多分、日本経済は急速に元気づくだろう。円相場は下落し、日本株は上昇している。

だが、これは過去に見られた光景で、その後日本は相次ぐ苦難を味わった。

◆陳腐な固定観念

安倍首相の政策には何の新鮮味もない。円安のほかに、日本の競争力を中国に打ち勝つほど高めるか、あるいはソニーの衰退を阻止する戦略が首相にはあるのだろうか。

新たな移民政策を導入して労働力をもっと柔軟にし、国際化するというアイデアはどうだろう。あるいは若年層に起業を促すのはどうか。貿易のさらなる自由化も一案だ。

政治や企業社会で女性の進出を後押しするのも必要だろう。エネルギー政策は、地震のリスクを背負った日本人が不安を抱える原子力発電以外の何かを推進するものでなけらばならない。

日本の問題は構造的なものであり、金融面に根差したものではないことを自民党は把握しきれていない。日銀の白川方明総裁が今週の会見で訴えようとしていたのはまさにこのメッセージだ。

安倍首相は2%の物価上昇率目標を日銀にのませた。言うまでもなく白川総裁の対応の結果が分かるのは1年先のことだろう。ただ白川総裁は4月に任期切れを迎え、首相はもっと政府寄りの人物に入れ替えるだろう。

自民党の政策は現在の世界ではほとんど使い道がない固定観念に包まれた宗教のようだ。それも1964年以前なら良かった。この年に開催された東京オリンピックは、日本が第二次世界大戦後の廃虚からそれほど早く復興できるはずがないと思っていた世界をあっと驚かせた。

ただ、80年代のバブル経済がはじけると、政策の陳腐化は疑う余地のないものとなった。

日本を取り巻く環境は何もかも変わりつつある。しかし、日本政府の当局者は、1人当たりの所得で日本をアジア1位に導いた教えはいまなお有効だと信じ込み、2013年の世界を受け入れることを拒んでいる。

日本が巨大な財政支出国家であるとの信仰心は時がたつにつれてますます有害となり、日本の格下げを招く。アベノミクスは現実の政策というよりも宗教に近いものだ。(コラムニスト William Pesek)



William Pesekはブルームバーグ・ビューのコラムニストです。このコラムの内容は同氏自身の見解です。


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昔と同じ対処法を単にもう一度試すことに説得力はあるのだろうか。日本経済を独り歩きさせ、さらに全速力で走れるようにすることが安倍政権にできるのだろうか。

デフレは日本の消費者がデフレが終息すると信じるまで終わらない。企業は家計が消費を増やすと思うようになるまで雇用を控える。銀行は融資が不良債権化しないと思えるまで貸し出しを増やさない。

13年か14年は12年よりも良くなるだろうと本当に確信が得られるまで、賃金は上がらないだろう。

安倍首相の積極策に一部の投資家はだまされるかもしれない。ノーベル経済学賞受賞者のポール・クルーグマン氏から支持さえ受けた。多分、日本経済は急速に元気づくだろう。円相場は下落し、日本株は上昇している。

だが、これは過去に見られた光景で、その後日本は相次ぐ苦難を味わった。

◆陳腐な固定観念

安倍首相の政策には何の新鮮味もない。円安のほかに、日本の競争力を中国に打ち勝つほど高めるか、あるいはソニーの衰退を阻止する戦略が首相にはあるのだろうか。

新たな移民政策を導入して労働力をもっと柔軟にし、国際化するというアイデアはどうだろう。あるいは若年層に起業を促すのはどうか。貿易のさらなる自由化も一案だ。

政治や企業社会で女性の進出を後押しするのも必要だろう。エネルギー政策は、地震のリスクを背負った日本人が不安を抱える原子力発電以外の何かを推進するものでなけらばならない。

日本の問題は構造的なものであり、金融面に根差したものではないことを自民党は把握しきれていない。日銀の白川方明総裁が今週の会見で訴えようとしていたのはまさにこのメッセージだ。

安倍首相は2%の物価上昇率目標を日銀にのませた。言うまでもなく白川総裁の対応の結果が分かるのは1年先のことだろう。ただ白川総裁は4月に任期切れを迎え、首相はもっと政府寄りの人物に入れ替えるだろう。

自民党の政策は現在の世界ではほとんど使い道がない固定観念に包まれた宗教のようだ。それも1964年以前なら良かった。この年に開催された東京オリンピックは、日本が第二次世界大戦後の廃虚からそれほど早く復興できるはずがないと思っていた世界をあっと驚かせた。

ただ、80年代のバブル経済がはじけると、政策の陳腐化は疑う余地のないものとなった。

日本を取り巻く環境は何もかも変わりつつある。しかし、日本政府の当局者は、1人当たりの所得で日本をアジア1位に導いた教えはいまなお有効だと信じ込み、2013年の世界を受け入れることを拒んでいる。

日本が巨大な財政支出国家であるとの信仰心は時がたつにつれてますます有害となり、日本の格下げを招く。アベノミクスは現実の政策というよりも宗教に近いものだ。(コラムニスト William Pesek)



William Pesekはブルームバーグ・ビューのコラムニストです。このコラムの内容は同氏自身の見解です。


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【2013/02/07 02:54】 | Webの記事
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