「ダム建設の時代は終わった」by米国内務省開拓局長官ウィリアム・ピアーズ
                 嶋津 暉之

利水と治水の多目的ダムで事前放流が注目されているという記事です。
かつての多目的ダムは予備放流方式が主流で、これは治水容量と利水容量が重なっていて、洪水が来ると予想されたら、水位を下げて治水容量を確保するというものでした。
ところが、空振りになって、利水の貯水量が確保できない事態になることがしばしばありました。

そこで、昭和40年代頃からでしょうか、制限水位方式といって、洪水調節期(利根川の場合は7月~9月)は水位を下げて、いつ洪水が来ても、洪水を貯留できる方式に変わりました。
そのことにより、夏期の利水容量は小さくなりました。

例えば、現在工事中の八ッ場ダムは洪水調節期(夏期)以外は利水容量が9000万㎥ありますが、洪水調節期は治水容量6500万㎥を確保するため、利水容量は2500万㎥になります。

気象の予測精度が上がってきたので、予備放流方式の一部導入が検討されています。
しかし、各地域でどれくらいの雨量があるかを正確に予測することは今でも結構難しく、予備放流方式の導入は 簡単にできるものではありません。

また、予備放流のタイミングが遅れると、その放流が下流に到達するころに大量の雨が降って下流で氾濫を引き起こすことにもなりかねません。

◆河川氾濫対策へ ダム事前放流に注目
(河北新報2017年01月28日)
http://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201701/20170128_11021.html

豪雨で河川が氾濫する危険性を軽減するため、ダムの事前放流が注目を集めている。豪雨が予想される際にダムの水位をあらかじめ下げ、貯水可能な容量を多く確保する。

気象観測の体制、下流域の住民や自治体の理解など課題はあるが、専門家は「大雨被害が増えており、積極的に取り組むべきだ」と指摘する。(報道部・片桐大介)

東北地方整備局は、国が管理する東北の17ダムで事前放流が可能かどうか検討に着手した。全国では国と水資源管理機構が管理する13ダムでルールを定めて運用している。同整備局河川管理課は「未曽有の雨が増えている。洪水防止効果はあると考える」と話す。

山口県は昨年度、県管理7ダムで事前放流を行うシステムを構築した。システムを発動する豪雨は発生していないが、48時間以内に放流できる体制を整えた。
2015年9月の関東・東北豪雨では宮城県大和町の吉田川が氾濫、流域一帯が浸水した。住民らで組織する吉田川水害対策協議会は、県が管理する上流の南川ダム(大和町)で事前放流を要望している。吉川正憲会長は「災害を防ぐため実施してほしい」と話す。

事前放流は、一時的に増水する下流への注意喚起が欠かせない。利水量の増減に関わるため、農家や自治体などの了解も必要になる。県は「豪雨予測が外れて十分な雨が降らなければ、渇水につながる恐れもある」(河川課)と懸念し、導入には消極的だ。

県は代替案として、台風シーズンに水位を常に一定程度下げる弾力的運用を検討。水田に大量の水を必要としない時期なら可能と判断し、豪雨予測ごとの放流には慎重な立場を取る。

東北大大学院工学研究科の風間聡教授(河川工学)は「気象予測技術は向上し、3時間前の豪雨予測は可能。空振りしない確率は高まっている」と指摘。「流域で複数のダムを有効に活用し、集中管理するシステムの構築を考えるべきだ」と主張している。

[事前放流]水道や農地に使う利水容量分を、豪雨が予想される数日~数時間前に空けて貯水可能量を確保し、降雨で利水容量を回復する仕組み。豪雨時にダムが満水になり、流入した雨が下流に流れて洪水被害が起きる事態を防ぐ。


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【2017/01/30 13:48】 | 新聞記事から
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             嶋津 暉之

1月24日に国土審議会  水資源開発分科会 調査企画部会が開かれ、その配布資料が国交省のHPに掲載されました。

国交省のHP
◇第18回(リスク管理型の水の安定供給に向けた水資源開発基本計画のあり方について第1回)
http://www.mlit.go.jp/policy/shingikai/water02_sg_000063.html

水需要が減少の一途をたどる時代になって、目的が失われた水資源開発促進法とそれに基づく8水系の水資源開発基本計画(フルプラン)は廃止されるべきなのですが、国交省はそれらを延命させる方策をまとめようとしています。
それがこの調査企画部会の会議です。

現在の利根川・荒川水系等のフルプランは目標年次が2015年度で、すでに期限切れになっているのですが、いま頃になって、その延命策がつくられようとしています。

フルプランは指定水系では八ッ場ダム等ダム計画の利水面での上位計画であるにもかかわらず、期限切れになったままになっているのですから、国の水行政は随分といい加減なものです。

【2017/01/30 13:39】 | 政策
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                 嶋津 暉之

1月25日に国土交通省で、第1回 ダム再生ビジョン検討会が開かれました。
その配布資料が国交省のHPに掲載されましたので、お知らせします。

◇第1回 ダム再生ビジョン検討会(平成29年1月25日開催)
http://www.mlit.go.jp/river/shinngikai_blog/dam_saisei_vision/dai01kai/index.html

検討会の開催趣旨は下記の通りですが、そこに記載されている「渇水による取水制限が毎年のように全国各地で発生しています」は事実ではありません。

昨年6月後半~8月に利根川水系で10%の取水制限がありましたが、その原因はダムの過剰放流にありました。また、10%の取水制限があったものの、実際には各水道の給水への影響はなく、見かけだけの渇水でした(後日、その検討結果をお知らせします)。

水需要の減少で水余りがますます進行する時代において渇水も起きにくくなっています。

<検討会の開催趣旨>
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「平成27年の関東・東北豪雨や平成28年に相次いで発生した台風などにより、近年、深刻な水害が頻発している一方、渇水による取水制限が毎年のように全国各地で発生しています。
 また、水力などの再生可能エネルギーの導入を積極的に推進するとされていることなどにも対応することが必要となっています。
 さらに、ダムの長寿命化を図り効用を永続させることや、自然環境や水環境の改善を図ることが重要となっています。
 このような状況の中、既存ダムを有効活用したハード対策・ソフト対策の実施事例が積み重なってきており、また、高度な施工技術や降雨観測技術等、これらの対策を支える技術が進展してきています。
 これらを踏まえ、今後、既存ダムを有効活用するダム再生の取組をより一層推進していくため、それに必要となる方策を示す「ダム再生ビジョン」の策定に向けた検討を行う「ダム再生ビジョン検討会」を設置し、第1回検討会を下記のとおり開催します。 」
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この検討会は5月にダム再生ビジョンをまとめる予定になっています。

【2017/01/30 01:25】 | 未分類
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         嶋津 暉之

残念ながら、浅川ダムはダム本体が完成し、試験湛水が進められていますが、脱ダム宣言は大きな意味がありました。
県営ダムごとに治水・利水等ダム検討委員会が設置され、ダムの必要性について議論が積み重ねられました。
対象になったダムは次のとおりです。

★信濃川水系  浅川ダム、清川治水ダム、角間ダム、黒沢ダム

★天竜川水系  下諏訪ダム、駒沢ダム、蓼科ダム、郷土沢ダム

このうち、浅川ダムと角間ダムを除くダムは中止になりました。
角間ダムは現在、検証中ですが、中止になる可能性が高いと思います。

このほかに、田中知事時代には大仏(おおぼとけ)ダム(信濃川水系)が2000年に中止されていますので、脱ダム宣言により、浅川ダムを除く8ダムは中止されたか、中止の方向にあります。

◆「脱ダム宣言」から16年、浅川ダム運用開始 休止続く角間は?
(日本経済新聞 2017/1/28 7:00)
http://www.nikkei.com/article/DGXLZO12232130X20C17A1L31000/

田中康夫元知事が「脱ダム宣言」をして2月で16年。対象となった県営9ダムのうち7件が建設中止になる中、唯一建設された浅川ダム(長野市)が2月にも事実上の運用を始める。一方、県内で最後に計画が残る角間ダム(山ノ内町)について長野県は2月上旬に地元関係者に県の考えを伝える方針を固め、10年余り休止になっていた事業は事態打開へ動き出しそうだ。脱ダム宣言の影響を振り返る。

1月4~6日、水をためて安全性を確認する試験湛水中の浅川ダムの一般公開には約3200人が訪れ、県民の関心の高さをうかがわせた。建設か中止かで曲折した浅川ダムは脱ダム宣言の象徴的な事業だった。

「河川改修費用がダム建設より多額になろうとも、100年、200年先の我々の子孫に残す資産としての河川・湖沼の価値を重視したい」――田中元知事が脱ダムを宣言したのは2001年2月。その後、長野県治水・利水ダム等検討委員会での議論を経て、県は県営9ダムの計画のうち7つを中止した。

中止になった河川ではダム建設の代替として河道拡幅や河床掘削、築堤など河川改修で対応したケースが多い。砥川と上川、清川は治水安全度を100年に1度発生する洪水に安全な水準から、当面目指す目標を50年に1度に変更している。

一方、浅川ダムも放水路整備などダム以外の方法を検討したが決め手がなく、06年選挙で田中知事を破った村井仁前知事が07年に建設再開を表明した。

ただ、長野市は水を使う利水を断念し、通常は水をためない治水専用の「穴あきダム」に変更。規模も縮小され、建設費の上昇を織り込んでも総事業費は当初の400億円から380億円に減少する見通し。浅川ダムだけ建設された理由を県は「下流の河川改修がすでに進んでいてダム無しの治水は難しかった」(河川課)と説明する。

当時の検討委員会委員の間では今も意見が分かれる。松岡保正・長野工業高専名誉教授は「洪水や干ばつに苦労してきた流域住民のことを考えても一筋縄ではいかない。何か起きた時に致命傷にならないよう(ダムを含む)総合治水で対応するしかなかった」とみる。

これに対し大熊孝・新潟大学名誉教授は「地滑りの可能性が否定できない地点でのダム建設はどうか。下流の河川改修で当面は様子を見るべきだった」と主張する。脱ダム宣言については「画期的で長野県にプラスだった。全国のダム反対運動を勢いづけ一般国民がダム問題に関心を持つ契機になった」と評価する。

最後に残ったのが角間ダム計画だ。1984年の地元との覚書では公共下水道処理水を夜間瀬川に放流する代わりに角間の早期建設が盛り込まれた。脱ダム宣言後、県公共事業評価監視委員会は「一時休止」の判断を続けてきたが、県は近く、ダム以外の手法などについて水利権を持つ中野市八ケ郷土地改良区など関係者に伝える予定だ。

「脱ダム宣言はありがた迷惑の一言。建設の約束が守られていないが、いつまでも固執するわけにいかない」。八ケ郷改良区の竹内哲良理事長は語る。

県内外のダムを巡る状況を見ると建設再開のハードルは高い。同改良区は早期建設の要望は維持したまま、昨年12月の理事会から代替案の検討に入った。渇水期対策として上流の水源の十分な確保や夜間瀬川の水の有効利用策が含まれそうだ。宣言や公共事業を巡る状況に翻弄されてきた地元の声に、県は耳を傾ける必要があるだろう。



三重県桑名市の長良川河口堰(ぜき)、群馬県長野原町の八ツ場ダムなど、河川関係の大型公共工事に環境やコストから疑問が高まったのを背景に、国土交通省は1997年の河川法改正で河川管理の目的として治水、利水に「河川環境の整備と保全」を追加。河川整備計画策定では地域の意見を聴くこととした。

2001年の田中元知事の脱ダム宣言はこうした流れをさらに後押しした。国土交通省も「できるだけダムにたよらない治水」を打ち出し、10年に国直轄や自治体などが計画する全国83ダム事業の検証に着手。現時点で継続54、中止25、検証中が4事業となっている。

近年、地球温暖化に伴うゲリラ豪雨の頻発などで改めてダムに期待する声もあるが、大熊名誉教授は「ダム建設でなく、一気に破堤することがないよう堤防の強化で対応すべきだ」と指摘する。

ダムには流入土砂が堆積し維持管理も問題になってくる。脱ダム宣言は一歩立ち止まって、将来世代への負担も含めて治水、利水を様々な観点から長期的に考えるきっかけになったといえる。

「川は災害も恵みももたらす。今後は子どもたちに身近な水辺環境を見せ、自らでいろいろ気付いてもらうことが重要」と松岡名誉教授は語る。(宮内禎一)


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【2017/01/30 01:21】 | 各地のダム情報
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          嶋津 暉之

昨日、江戸川区スーパー堤防裁判(第三次)の判決が東京地裁でありました。
残念ながら、住民側の敗訴でした。

1/27(金)都政新報
2017-01-30_00h40_47.jpg

毎日新聞、東京新聞(共同通信)、時事通信、朝日の記事と弁護団・原告団の声明文です。
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                   2017(平成29)年1月25日
江戸川区スーパー堤防事業差止め等請求訴訟第一審判決に対する原告団弁護団声明

             江戸川区スーパー堤防事業取消訴訟原告団

本日、東京地方裁判所民事28部(裁判長岸田日出夫)は、江戸川区スーパー堤防事業差止め等請求訴訟に対し,請求棄却(一部却下)の不当判決を言い渡した。`
本件訴訟は、江戸川区北小岩地域に居住する地権者等4名が原告となり、国及び江戸川区を被告として、平成26年11月12日、国に対してはスーパー堤防事業に係る盛土エ事の差止めを、国及び江戸川区に対しては、違法なスーパー堤防事業により原告らに生じた精神的苦痛への賠償として慰謝料の支払いを求めた裁判である。
本件訴訟において、原告らは主に、
①国には盛土工事の権原がなく、土地区画整理法に違反していること
②盛土工事のために原告らは2度の移転を強いられ、居住の自由及び人格権を侵害されていること
③スーパー堤防が必要性及び公共性を著しく欠いたものであることを主張し、その工事の差止め及び慰謝料の請求を求めたものである。

本日下された判決は、盛土工事の差止請求について,本件盛土工事が既に完了していることを理由に
訴えの利益がないとしてこれを却下し、また、国及び江戸川区に対する慰謝料請求について,本件盛土工事は,国が江戸川区の有する土地区画整理法100条の2の管理権に基づいて付与された工事権限に基づいてて施行されたものであるから適法であるなどとして,原告らの請求を棄却した。
しかしながら、本判決は以下の通り重大な問題をはらんでいる。

第1に,法文上の「管理」という文言に「工事」を含むことはできないという通常の解釈に反する論理を展開しているところ、その理由として挙げる内容は、スーパー堤防仮換地指定処分取消訴訟(上告中)の判決をそのまま引用しているだけであり、原告らの主張に対して何ら真摯に答えていない。

第2に、この判決は、住民が様々な生活上の不便を感じていることを認めながらも、住民が感じている肉体的・精神的負担は、先行買収に応じることで回避できるとし、地域コミユニテイの崩壊は「戻ってこない」という住民の選択の結果として生じる事態であるから、受忍限度の範囲内であるとしてる。

これはいずれも本件事業によつて深刻な肉体的・精神的損害が避けがたく住民に生じていることについて一顧だにせず、しかも,そのような被害の発生を住民の選択の結果であるとするもので到底許されるものではない。

第3に、スーパー堤防の必要性について,本件地区について超過洪水が発生する可能性は皆無に等しいにもかかわらず、それを無視して「自然現象」であるという抽象的な理由で超過洪水の可能性を認めてしまつている。しかも、スーパー堤防が一部でも整備されれば、その地域を避難場所として活用できる旨も触れているが、一方で超過洪水が生じる可能性を認めながら、他方で、その場所が「避難場所」となるなどという矛盾した論理を平然と述べている。また、高規格堤防事業は,国が従うべき「治水マニュアル」に沿って費用便益を分析すれば、事業廃止の結果になることが明らかであるがために、本件判決は高規格堤防事業の費用分析は「治水マニユアル」に従う必要はないなどという驚くべき理由を挙げて、スーパー堤防の必要性を肯定している。

原告団・弁護団として、このような不当判決は到底是認することはできない。
原告団、弁護団は本判決に強く抗議するとともに、速やかに控訴する予定である。

               以上

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◆スーパー堤防訴訟 住民敗訴 地裁、賠償認めず /東京
(毎日新聞2017年1月26日 地方版)
http://mainichi.jp/articles/20170126/ddl/k13/040/144000c

 川沿いに盛り土をして水害を防ぐ「スーパー堤防」事業に反対する江戸川区の住民ら4人が、国と区に計400万円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、東京地裁は25日、請求を棄却した。

 住民側は、効果が乏しく必要性のない事業で住み慣れた土地から移転させられたのは不当と主張したが、岸日出夫裁判長は「現場では川の水があふれる恐れを否定できず、事業には必要性、公益性がある。住民の受忍限度を超えたとも言えない」と退けた。

 住民側は盛り土工事の差し止めも求めたが、判決は「工事は昨年3月に完了し、訴えの利益が失われた」と却下した。

 判決によると、国は川から水があふれても堤防が壊れないよう、川の堤防の外側に盛り土をして住宅や道路用地として活用するスーパー堤防事業を計画。

民主党政権時代の2010年に事業仕分けで「廃止」と判定されたが、自民党が政権復帰した後の13年5月、江戸川沿いの120メートルの区間について事業を再開した。

◆スーパー堤防、反対住民敗訴 東京・江戸川
(東京新聞2017年1月25日 11時38分)
http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2017012501001052.html

 河川沿いに盛り土をして水害を防ぐ「スーパー堤防」事業に反対する東京都江戸川区の住民4人が、国と区に計400万円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、東京地裁(岸日出夫裁判長)は25日、請求を棄却した。

 住民側は、効果が乏しく必要性のない事業で住み慣れた土地から移転させられたのは不当として賠償を請求。工事の差し止めも求めていたが、盛り土工事は昨年3月、既に完了しており、この部分の訴えは却下された。

 訴状によると、国は川から水があふれても堤防が壊れないよう、川の堤防の外側に盛り土をして住宅や道路用地として活用するスーパー堤防事業を計画した。
(共同)


◆スーパー堤防事業、賠償認めず=転居住民が請求―東京地裁
(時事通信 1/25(水) 11:13)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170125-00000054-jij-soci

 国が整備を進める「スーパー堤防」事業で転居や仮住まいを強いられたとして、東京都江戸川区の住民4人が、国と区に1人100万円の損害賠償などを求めた訴訟の判決で、東京地裁(岸日出夫裁判長)は25日、訴えを退けた。

 問題となった事業では、国が江戸川右岸の一部1.8ヘクタールを盛り土でかさ上げ。その後、区が区画整理を行い、立ち退いた住民を元に戻す計画になっている。

 岸裁判長は「通常の区画整理でも生じる影響で、限度を超える権利侵害とは言えない」と指摘。盛り土は一定の安全性が確保されており、事業には必要性があると述べた。

 住民側は「一部でしか整備が進んでいないスーパー堤防で洪水は防げない。盛り土の崩落など不安を抱え続ける生活を余儀なくされる」と主張。事業の差し止めも求めたが、却下された。

 スーパー堤防は、旧民主党政権時代の事業仕分けでいったん「廃止」判定を受けたが、規模を縮小して整備が続けられることになった。


◆スーパー堤防の差し止め、住民敗訴

(朝日新聞東京版2017年1月26日)
http://digital.asahi.com/articles/CMTW1701261300001.html

 江戸川区北小岩1丁目の住民4人が国と区を相手取り、高規格堤防(スーパー堤防)の建設事業の差し止めと損害賠償を求めた行政訴訟の判決が25日、東京地裁であった。岸日出夫裁判長は損害賠償請求を棄却し、事業差し止めについては盛り土工事が昨年3月に終了していることから却下した。原告弁護団は控訴する方針。

 スーパー堤防は、高さの約30倍の幅にわたって盛り土をし、洪水で水が乗り越えても壊れないように強化した堤防。北小岩では江戸川沿いの延長約120メートルが事業対象で、現在は盛り土された更地になり、区が区画整理事業を進めている。

 住民側は「国には住民が所有権を持つ土地に盛り土をする法的権限がない」「事業によって移転や長期間の仮住まいを強いるのは重大な権利侵害」などと訴えていた。判決は「事業には必要性及び公益性が存在する」「移転など住民への影響は区画整理事業計画にそもそも織り込まれており、受忍限度を超える侵害が発生したとは言えない」などとして訴えを退けた。

 原告団長の会社員高橋新一さん(58)は記者会見で「細切れに造られ、完成に何百年かかるか分からないスーパー堤防は税金の無駄遣い。水害対策なら北小岩地区よりも優先すべき箇所がある」と憤った。高橋さんと母の喜子さん(87)は事業開始ぎりぎりまで予定地のほぼ中央部に住んでいたが、周囲はほぼ更地となり、2014年に嫌々ながら立ち退きに応じた。移転を余儀なくされた住民の中にはストレスから精神的・肉体的に健康を害する人も出たという。

 国土交通省関東地方整備局は「国の主張が認められた。今後とも事業を適切に行っていく」とコメント。江戸川区の柿沢佳昭・区画整理課長は「今後も安全・安心のまちづくりを丁寧かつ力強く推進していく」という。区内では江戸川下流の篠崎公園地区でも、スーパー堤防事業に合わせた土地区画整理事業が計画されており、地元への説明が行われている。
 (有吉由香)
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【2017/01/26 22:40】 | スーパー堤防
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       嶋津 暉之


「石木ダム建設に反対する川棚町民の会」を結成され、学習会が開かれました。

500枚の勉強会のチラシを配った方の話や、学習会の内容のダムが出来て球磨川の環境が悪化した話、ダムが出来ても利水・治水に役に立たない話など「石木川まもり隊」のブログに出ています。

◇石木ダム問題を考える中組地区学習会 - 石木川まもり隊
http://blog.goo.ne.jp/hotaru392011/e/877c5a0acb7e354256027ae4275aaa5c?fm=rss

◆石木ダム反対町民の会結成
(長崎新聞2017年1月23日)
http://www.nagasaki-np.co.jp/news/kennaitopix/2017/01/23091528050192.shtml

 県と佐世保市が東彼川棚町に計画する石木ダム建設問題を巡り、町民有志が「石木ダム建設に反対する川棚町民の会」を結成した。

今後、町内の地区別学習会やビラ配りなどを通じ、町民の関心を高めていきたい考え。同会が開く初めての学習会が21日夜、中組地区を対象に町中央公民館で開かれた。

 学習会には町内外から約50人が参加した。反対地権者や支援者らがダム事業の概要や問題点、佐世保市の水事情などについて説明。

「机上の空論の計画で(古里を)立ち退きたくない」などと訴え、「(地権者だけでなく)自分たちの問題として一緒に考えてほしい」と呼び掛けた。

 参加者と意見交換もあった。中組郷総代の琴尾俊昭さん(72)は「町長選でも町議会でも石木ダムが話題にならず、町内で問題がタブー視されている」と指摘。

「県と佐世保市が造るとしても地元が蚊帳の外では話にならない。町民も声を上げ、県市はその声に耳を傾けるべき」と主張した。

 同会は昨年11月に結成。メンバーの一人で地権者の炭谷猛さん(66)は「学習会が町民目線で意思表示をしていく一つのきっかけになれば。町民にもっとダム問題へ理解を広げていきたい」と話した。

 現在決まっている学習会の予定は▽栄町・下百津地区(2月25日午後6時半)▽平島・宿地区(3月25日午後6時半)。場所はいずれも同公民館で地区外の人も参加可。

4月1日に建設予定地の見学会を予定している。問い合わせは炭谷さん(電090・4519・2528)。

【2017/01/24 01:19】 | 石木ダム
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          嶋津 暉之

1月20日の早朝、川原湯温泉街で湯かけ祭りが行われました。

◆群馬)大寒に勝つ、長野原町で「湯かけまつり」
(朝日新聞群馬版2017年1月21日)
http://digital.asahi.com/articles/ASK1N41DLK1NUHNB00F.html

大寒の20日早朝、長野原町の川原湯温泉で、伝統の「湯かけまつり」が開かれた。零下10度の極寒の中、ふんどし姿の男性たちが、威勢の良いかけ声とともに湯をかけ合った。

午前6時、紅白に分かれた50人ほどの男たちが「お祝いだ!」と叫びながら、おけにくんだ湯をかけ合った。あたりは湯煙に包まれ、見物客らにも容赦なくかけられた。最後は紅白のくす玉が割られ、中に入ったニワトリ2羽を奪い合って湯の神に捧げた。
400年以上前に温泉が湧かなくなった際、湯の神にニワトリを捧げて祈ったのが始まり。再び湧き出したのを喜んで人々が湯をかけ合った際に口にした「お湯わいた」という言葉が転じて、「お祝いだ」というかけ声になったという。

まつりは八ツ場ダムの建設に伴い、2年前から王湯の移転代替地に舞台を移して続けられている。(篠原あゆみ)


◆湯かけ祭り 大寒、ほとばしる熱気 川原湯温泉 /群馬
(毎日新聞群馬版2017年1月21日)
http://mainichi.jp/articles/20170121/ddl/k10/040/106000c

 「大寒」の20日早朝、長野原町の川原湯温泉で、伝統の奇祭「湯かけ祭り」が行われた。氷点下約10度の厳しい冷え込みの中、下帯姿の参加者たちが「お祝いだ」と叫びながら湯をかけ合い、「湯の神」に感謝した。

 祭りは、400年余り前に温泉の湯が枯れた際、村人が鶏を奉納して祈ったところ、湯が再び湧き出したため「お湯わいた、お湯わいた」と言って喜んだのが起源。その後、かけ声は「お祝いだ、お祝いだ」に転じたという。  この日は午前5時から、共同浴場「王湯」の前で、神事の後、総大将の豊田和男さん(46)のかけ声に続き、赤と白の下帯姿の小2~58歳の参加者54人が一斉に激しく湯をかけ合った。最後に紅白のくす玉に湯をかけ、中から出てきた鶏を奪い合った。

 八ッ場ダム建設に伴い、祭り会場が2015年に現在の高台の代替地に移転して3回目。川原湯温泉協会の樋田省三会長(52)は「今年も盛大に祭りができたことに感謝したいが、まだ新たな街が完全に出来上がっていないのは残念だ」。総大将の豊田さんも「例年通り、祭りができたことはうれしいが、昨年6月にダム本体打設工事が始まったのに、いまだに地区住民の生活再建への要望は十分にかなえられていない」と話した。【吉田勝】


◆湯かけ祭り 無病息災を祈願 ふんどし姿で若者ら 
(東京新聞群馬版2017年1月21日)
http://www.tokyo-np.co.jp/article/gunma/list/201701/CK2017012102000176.html

 長野原町の川原湯温泉の共同浴場「王湯」で二十日早朝、「湯かけ祭り」があり、紅白に分かれたふんどし姿の若者らが無病息災を祈願し、湯をかけ合った。八ッ場ダム建設のため高台に移転してから三回目。

 午前六時ごろ、氷点下一一度まで冷え込む中、六十人の男たちが「お祝いだ」と叫びながら勢いよく湯をかけ合う「合戦」を行うと、辺りにはしぶきが上がった。見物客らにも容赦なく湯がかけられ、会場は熱気に包まれた。合戦後、鶏が入ったくす玉を目がけて湯をかけ、中から飛び出した鶏を湯の神に奉納した。

 祭りには地元の人以外も加わり、大学時代から友人三人と十回以上参加しているという東京都目黒区の会社員吉田裕紀さん(31)は「たまたま近くを通り掛かって以来、毎年参加している。今年も無事に終わって良かった」と満足げに話した。

 川原湯温泉観光協会によると、約四百年前、湯が枯れた源泉に村人が鶏をささげると再び湧き出し「お湯湧いた」(お祝いだ)と喜びながら湯をかけ合ったのが起源とされる。


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【2017/01/22 00:20】 | 八ツ場情報
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               嶋津 暉之

中国が推し進めるメコン川の航行のための水路開発計画についての記事です。

◆(バンコクポスト)中国のメコン川開発計画 生態系保護へ対抗を
(日本経済新聞2017/1/18付 )
http://www.nikkei.com/article/DGXKZO11810540X10C17A1FFE000/

メコン川流域の環境保護主義者や地元の人々が、中国が推し進めるメコン川の航行のための水路開発計画について懸念するのはもっともだ。中国は雲南省からラオスのルアンパバンに物資を運ぶためメコン川を利用しようとしている。

この計画はメコン川の小島や岩を爆破し、500トン級の船舶のための航路を確保するもの。河川の生態系への影響を懸念する声が上がっている。メコン川は中国、ミャンマー、ラオス、タイ、カンボジア、ベトナムを通り、下流域の6千万人以上の人々の生命線だ。

タイのプラユット暫定政府は昨年末、初期段階の890キロメートルの開発計画を、メコン川の水上運送の安全を確保する枠組みとして承認した。

プラユット首相はメディアに対して、環境影響評価(アセスメント)に加えて実現可能性調査も行われると述べ、国民の懸念を退けた。ただ、同氏は生態系よりも、水路開発計画を優先する姿勢にみえる。
実現可能性調査と環境アセスメントを行うのが中国であることを考えれば、地元の人々や環境保護主義者らの疑念は当然だ。中国はメコン川流域の超大国であり、異論の多い同計画を巧妙なやり方で強引に進めることが懸念される。

メコン川の生態系に中国政府が大きな関心を払っていないことはよく知られている。同国は過去数年間メコン川で一連のダム開発を行い、それはタイを含む下流地域で起きた洪水や干ばつの原因とされている。

タイ政府は国民や学者に異議を唱えるのではなく、政府の情報や懸念を示すことで、問題のある計画を押しつける中国の不当な要求に対抗すべきだ。メコン川の豊かな多様性が失われ、食料の安全が損なわれることは断じて受け入れ難い。
(2017年1月12日付 タイ・バンコクポスト紙)


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【2017/01/21 00:11】 | Webの記事
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          嶋津 暉之

石木ダム問題について三つの記事です。
〇反対する川棚町民の会発足の記事、〇工事差し止め求め提訴の記事、〇石木ダム建設訴訟口頭弁論の国反論の記事です。
三つ目の記事は国側の反論の内容だけではなく、原告側の見解もなぜ載せないのか、理解できません。

◆石木ダム建設 問題考えて 「反対する川棚町民の会」発足 21日、勉強会へ参加呼びかけ /長崎
(毎日新聞2017年1月17日 長崎版)
http://mainichi.jp/articles/20170117/ddl/k42/010/530000c

 県と佐世保市が川棚町に計画する石木ダム事業を巡り、地権者の炭谷猛さん(66)らが「石木ダム建設に反対する川棚町民の会」を結成した。建設の是非やダムの必要性を水没予定地以外の町民にも考えてもらうのが目的。21日には勉強会を開く予定で、町内の家庭を回り、参加を呼びかけている。【浅野孝仁】

 「石木ダムに関しての勉強会を開催します。よかったら参加してください」。三連休の中日の8日、炭谷さんたちは同町中心部の中組地区の家庭を1軒ずつ回り、チラシを配った。昨年11月に会を結成して以来、初めての活動。2時間かけて約500枚を配った。

 炭谷さんらが会を結成したのは「川棚町民の多くが、『石木ダムの問題は私たちとは関係がない』という思いでいるのではないか」という懸念からだ。ダムの建設予定地は同町内にあるが、事業を進めるのは県と佐世保市。事業の目的には、佐世保市への水道用水の供給とともに、過去に氾濫した川棚川の治水も挙げられるが、炭谷さんは「町民の関心は低い」と嘆く。

 昨年9月に町内であった反対派の集会でも「地元での関心を高めることが重要だ」という意見が上がった。炭谷さんらは「町民の目線でダムについて考えてもらおう」と同11月に会を結成。水没予定地の地権者以外の町民も含む約15人がメンバーとなった。

 チラシ配りに参加した同町猪乗川内郷(いのりごうちごう)の会社員、山本利夫さん(66)もその一人。高校卒業後、町を離れ、近畿地方で就職。5年ほど前に地元へ戻った。水没予定地には同級生も住んでいる。「建設の必要性はないのではないか。今も暮らしている人がいる場所にダムを造ろうとする理由が理解できない」と話す。

 メンバーらはチラシ配りを終えた後に感想を話し合った。「ぜひ勉強会に行きたいという声をもらった」「数軒は石木ダムというだけで相手にしてくれなかった」。町民の反応はさまざまだった。炭谷さんは「初めてにしてはおおむね手応えは良かった。今後はメンバーを増やして活動の幅を広げていきたい」と話していた。

 勉強会は21日午後6時半から町中央公民館で。町外からの参加も可能。問い合わせは炭谷さん(090・4519・2528)。
〔長崎版〕
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◆工事差し止め求め提訴へ
(長崎新聞2017年1月17日)
http://www.nagasaki-np.co.jp/news/kennaitopix/2017/01/17090646050139.shtml

県と佐世保市が東彼川棚町に計画している石木ダム建設事業で、反対派を支援する石木ダム対策弁護団(団長・馬奈木昭雄弁護士)は16日、県と同市を相手に工事差し止めを求め、2月中にも長崎地裁佐世保支部に提訴する方針を明らかにした。

同趣旨の仮処分申し立てが昨年末に却下されたのを受け、本訴訟であらためて住民の権利やダムの必要性を争う。

同日、長崎市内で開いた集会で報告した。原告は600人規模になる見通し。

工事差し止めを巡っては昨年、反対派約500人が同支部に仮処分を申し立てたが、「緊急性がない」として却下された。福岡高裁に抗告したが、本訴訟を提訴すれば抗告取り下げを検討する。

反対派は工事により生命・身体の安全や人格権などの被保全権利が侵害され、ダムの必要性についても審理が必要だと主張したが、仮処分の却下決定には、これらへの具体的な言及はなかった。

同弁護団は「本訴訟ならば『緊急性』は関係なく、権利や必要性について争うことができる」としている。

一方、長崎地裁で同日あった事業認定取り消し訴訟の第4回口頭弁論では、国側が治水、利水両面からダムの必要性を主張する準備書面を提出した。次回の口頭弁論は3月6日。


◆石木ダム建設訴訟 口頭弁論 国反論「他に方法ない」 /長崎
(毎日新聞長崎版2017年1月17日)
http://mainichi.jp/articles/20170117/ddl/k42/010/535000c

 県と佐世保市が川棚町に計画する石木ダム建設事業を巡り、水没予定地で暮らす反対地権者らが国を相手に事業認定処分の取り消しを求めた訴訟の第4回口頭弁論が16日、長崎地裁(松葉佐隆之裁判長)であった。国側は佐世保市の水需要予測に関する原告側の主張に反論する準備書面を提出した。

 県と佐世保市は、事業目的の一つとして、同市への安定的な水道用水の供給を挙げる。訴訟で原告側は「佐世保市はその都度異なる手法を用い、水需要を実際より大きく予測している」と主張しているが、国側は準備書面で「実態に近い予測とするため、手法は弾力的に運用される。水需要予測は安定性などを考慮するため、実際の需要が予測を下回ることは十分あり得る」と反論した。

 さらに、「取水場を利用すれば、需要が増えても水不足にはならない」とする原告側の指摘についても、「取水場からの取水量は安定しておらず、2012年の水需要予測でも、『新技術の活用など代替案も検討した結果、石木ダム以外に有効な方法がない』とされた」とダムの必要性を主張した。【今手麻衣】
〔長崎版〕


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【2017/01/21 00:06】 | 石木ダム
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          嶋津 暉之

黒部川のダムの連携排砂についての記事です。

※参考サイト
連携排砂のイメージ動画|国土交通省 北陸地方整備局 黒部河川事務所
http://www.hrr.mlit.go.jp/kurobe/haisa/animation/index.html

◆富山)宇奈月ダムからの土砂流出が大幅増 連携排砂
(朝日新聞富山版2017年1月18日03時00分)
http://digital.asahi.com/articles/ASK1K55GXK1KPUZB00Q.html

 黒部川の出し平、宇奈月両ダムの連携排砂の影響を評価する「黒部川ダム排砂評価委員会」(委員長=田中晋・富山大名誉教授)が17日、富山市内で開かれた。昨年6月の連携排砂で、上流の出し平ダムから約30万立方メートル、下流の宇奈月ダムから約20万立方メートルが流出したことが報告された。宇奈月ダムからの土砂流出が大幅に増加して過去最大になり、委員から「下流に影響が少ない連携排砂の方策を検討すべきだ」などの意見が出た。
 連携排砂は、宇奈月ダムが稼働した2000年から国土交通省と関西電力が実施。国交省黒部河川事務所によると、当初は出し平ダムのみでたまった土砂の減少が確認されていたが、宇奈月ダムでも12年から確認されるようになり、15年まで年0~7万立方メートルで推移していた。

 16年は宇奈月ダムからの土砂流出がこれまでの最大値の約3倍に達し、藤田士郎所長は取材に「稼働から16年経ち、ダム湖にたまった土砂が増えて流出しやすい状態になったと考えられる。流域関係者から懸念の声もあり、今後は土砂の出入りをきちんと把握し、連携排砂の際に流出する土砂量を予測することも考えたい」と話した。

 下流で河床がえぐられる原因を確かめるため、発信器を埋め込んだ石をダム湖に沈めて追跡する調査については、昨年の20個から今年は30個に増やすことが報告された。(高津守)


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【2017/01/20 23:58】 | 各地のダム情報
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