「ダム建設の時代は終わった」by米国内務省開拓局長官ウィリアム・ピアーズ
               嶋津 暉之

ミャンマーのダム問題についての記事をお知らせします。

◆中国がダム建設再開へ圧力 苦境に立つミャンマーのスー・チー氏
(産経新聞2016.12.29)
http://www.iza.ne.jp/kiji/world/news/161229/wor16122917260019-n1.html

ミャンマーで、隣国の中国が進めるダム建設の再開をめぐり、アウン・サン・スー・チー国家顧問兼外相が苦境に立たされている。民主化運動指導者として住民のダム反対運動を支援してきたが、新政権にとって中国は少数民族との和平で協力が不可欠。両者の間で板挟みになっている。

北部カチン州の州都ミッチーナから車で約1時間。山間部を抜けると、2本の渓流が合流する景勝が眼下に広がった。ミャンマーを北から南に縦断する大河イラワジの始点となるミッソンには近年、中国からも国境を車で越えて多くの観光客が訪れる。

対岸の山肌が、削られ赤く露出していた。周囲は掘り返され、澄んでいた川の水は濁っていた。茶店を経営し20年という女性は、ダム建設予定地への道路掘削工事跡だと教えてくれた。「中国企業は『調査』というが砂金採取が目的。賄賂を受けた地方政府も取り締まらない」と吐き捨てた。

ダムが完成し水位が上がれば、約40軒の茶店とともに観光名所は水没する。多くの住民は移住したが、女性は「代替地は不便で商売もできない。本当に完成したら立ち退き料も上がる」と居座った。

ミッソンダムは2010年に着工した。06年、欧米の制裁下にあったミャンマーの旧軍事政権が、蜜月を深めた中国との共同建設に合意した。総事業費は36億ドル(約4200億円)。原子力発電所6基分相当の600万キロワットを発電し、9割を中国に輸出する計画だった。だが、民政移管完了から半年後の11年9月、テイン・セイン前大統領は、国民の批判を理由に、工事の中断を突然発表した。

今年3月に政権を奪取したスー・チー氏は8月の訪中で、習近平国家主席側からダム建設再開を求められた。だが、直前に設置した調査委員会の「報告を待って判断する」と、即答を避けた。かつての反対姿勢を翻し、再開を容認すれば国内世論の反発は必至だ。

ダム建設には、この地域を支配する少数民族武装勢力のカチン独立軍(KIA)も反対してきた。KIAは連携する中国系少数民族の武装勢力と共に11月20日、北東部シャン州の国境付近で警察施設などを襲撃。地元記者によると、ミャンマー軍は国境付近のKIAの地下壕を狙って連日の報復空爆を展開し、中国軍も国境警備の強化を表明した。

ある外交筋は「中国は武装勢力への影響力を脅しに使い、ダム建設再開を迫る姿勢だ」と指摘。スー・チー氏は後ろ盾となってきた米オバマ政権の退陣も迫り、試練が続きそうだ。

(ミャンマー北部ミッソン 吉村英輝)


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【2016/12/31 00:06】 | 各地のダム情報
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              嶋津 暉之

長崎県は石木ダム建設計画で、地権者らによる工事妨害行為の禁止を求めて仮処分を申し立てた際、写真家・村山嘉昭さんの写真集の写真を無断使用しました。
長崎県の形振り構わぬやり方に心底からの怒りを覚えます。

◆長崎)写真家が県に抗議 石木ダム仮処分で写真無断使用
(朝日新聞長崎版2016年12月27日)
http://digital.asahi.com/articles/ASJDV3Q9VJDVTOLB001.html

 県と佐世保市が川棚町で進める石木ダム建設計画で、地権者らによる工事妨害行為の禁止を求めて県が今年10月に仮処分を申し立てた際、提出書類の中に東京都内の写真家村山嘉昭さん(45)が撮影した写真集の写真4枚が使われていたことがわかった。村山さんは26日、県石木ダム建設事務所(同町石木郷)に「自分の意図と大きく異なる使われ方をした」との抗議文を提出し、写真の削除を求めた。

 県が申し立てた仮処分は、ダム反対の地権者ら19人に、付け替え道路工事現場への県や工事業者の通行を妨害しないよう求めるもの。10月28日、長崎地裁佐世保支部に申し立てた。

 村山さんによると、県が提出した証拠書類に、今年5月刊行の自身の写真集「石木川のほとりにて 13家族の物語」の写真4枚が使われ、工事を妨害したとされる人物5人の特定に使われているという。村山さんは、知事宛ての抗議文で「撮影者と被写体の信頼関係をないがしろにする行為」「著作権を有する私の人格権を著しく侵害した」などとして、県に証拠書類からの削除を求めた。

 知事宛ての質問書も提出。写真を裁判資料に使うことを決めた経緯や、「著者の同意を求めるべきだとは考えなかったのか」などを尋ね、1カ月以内の回答を求めた。
 同事務所によると、書類は主に県河川課が作成。同事務所の浅岡哲彦次長は取材に、村山さんの写真が使われていることを認めた上で「弁護士に相談したところ法的に問題ない、との判断だった」と答えた。

 村山さんは取材に「地権者らがどう考えているのかを知ってもらうための写真集。撮らせてもらう以上、ふるさとを守りたいという地権者らの心を尊重して撮っている。その意図と違う使われ方をしている」と話した。

 県は2014年8月、地権者ら23人に、付け替え道路工事の妨害禁止を求める仮処分を申請し、翌年3月、うち16人について妨害行為を禁じる決定が出た。

 今年10月には、新たに19人について同様の決定を求めて申し立てた。

 ダム反対の地権者や支援者らは、マスクなどで顔を隠すなどして付け替え道路のゲート前で抗議行動を続けており、県は工事を進められないでいる。

■県収用委の調査 途中で中止 現地で2人から抗議受け

 県と佐世保市が川棚町で計画している石木ダムの用地収用を巡り、県収用委員会(梶村龍太会長)は26日、川棚町岩屋郷で現地調査をした。しかし、途中で建設反対を主張する男性2人が軽トラックで乗り付けて猛然と抗議したため、現地調査を途中で中止した。

 県が昨年7月に裁決申請した土地約3万平方メートルと、住宅4戸や団結小屋の現況を、徒歩や車両から約1時間かけて確認する予定だった。しかし、調査を始めて約15分後、県道を歩いていた委員らの前に軽トラック2台を運転して男性2人が現れ、猛然と抗議。「帰れ!」「勝手なことをするな」「人の土地を取りあげるのは泥棒と同じことだ」などと訴えた。現場にいた女性も「帰れー」と声を上げた。

 これを受け、梶村会長がこの日の現地調査終了を表明。梶村会長は、現地を離れた後、川棚町公会堂前で取材に応じ「財産権を奪うことなので地権者が反対する気持ちは分かる。しかし適正な補償を実現しなければならない。収用委としては法にのっとって迅速に手続きを進めなければならない」と話した。

 現地調査には委員7人全員が参加。町中央公民館で県石木ダム建設事務所の有吉正敏所長らから概要説明を受けた後、現地へ向かった。

 県が昨年7月に裁決申請した土地や家屋については県収用委が昨年10月、現地調査と審理を川棚町内で実施しようとしたが、地権者らの抗議で見送ってきた経緯がある。(福岡泰雄)


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【2016/12/27 10:19】 | 石木ダム
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             嶋津 暉之

石木ダム予定地を強制収用するための長崎県収用委員会の現地視察を地権者が阻止しました。

◆石木ダム・収用委の現地視察を地権者が阻止
(テレビ長崎2016年12月26日)
http://www.ktn.co.jp/news/20161226104740/

石木ダム建設をめぐる、土地の強制収用に向けた審理の一環で、県の収用委員会が、はじめて現地を視察しましたが、建設に反対する地権者側の阻止にあい、中止となりました。

石木ダム建設に向けた強制収用の審理対象になっているのは、4棟の家屋を含めたおよそ3万平方メートルの土地です。

現地入りした県の収用委員会は、強制収用による補償額を算出するために、土地や家屋の状況について県側から説明を受けました。

去年10月の現地視察でも、地権者側の抗議で、中止を余儀なくされています。

26日、地権者側は、様子を伺ったり、家屋の入り口をふさいで、抗議の意思を示していましたが、しばらくすると地権者2人が委員に立ちはだかり、視察を阻止します。

結局、家屋2棟分を含めた2件を見たところで、視察は中止となりました。

対象の土地の強制収用の審理はすでに終わっていますが、今後の対応については、収用委員会として協議したいとしています。

県収用委 梶村龍太会長「ああいう態度に出るのも気持ちはわかるので、それをどうできるということでもない、それは受け止めたいと思っている。できれば中を見せていただき、適正な補償をさせていただきたい」

梶村会長は、審理を終結させて収用裁決を出すかについては、明言を避けました。



【2016/12/27 00:22】 | 石木ダム
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           嶋津 暉之

旧・建設省は2000年に「河川堤防設計指針(第3稿)」をつくって、耐越水堤防(フロンティア堤防)の普及を図ろうとしました。
しかし、耐越水堤防が川辺川ダム等のダム事業の推進の妨げになると見た国交省はこの指針を2002年に撤回しました。
安価な耐越水堤防の普及が進められていれば、昨年9月の鬼怒川水害の堤防決壊を防ぐことができていたかもしれません。

この問題を取り上げた記事をお送りします。

◆<取材ノート いばらき2016>鬼怒川決壊1年 「国の失政」疑念今も
(東京新聞2016年12月26日)
http://www.tokyo-np.co.jp/article/ibaraki/list/201612/CK2016122602000165.html

「計画規模を超えた洪水による被害を最小限に抑え、危機的状況を回避する」
「越水に対しても、破堤しにくい堤防の整備が求められる」

 一見すると、常総水害の鬼怒川決壊についての記述に思える。しかし、これらは十年以上前、旧建設省が毎年、白書に繰り返し書いていた内容だ。国は当時から、今回のような堤防の決壊を危惧し、対策の必要性を指摘していた。

 鬼怒川決壊は、川の水が堤防を越える「越水」によって、住宅地側から崩れたのが原因。堤防決壊は、より大量の水が住宅地に流れ込み、勢いも強く、被害は大きい。鬼怒川決壊の現場では、一人が亡くなり、住宅数戸が流失した。

 多くの識者は常総水害を「想定外の雨が原因」としたが、国土交通省OBは「国は『想定外の雨』を想定していた」と語った。

 ダムは上流で水を貯(た)め、川に流れる水量を減らす。しかし、想定以上の雨で貯水能力を超えれば、川の水位は上がる。堤防を越える「越水」が起き、堤防決壊の可能性が高まる。

 このため、建設白書は一九九六年から五年連続で、想定外の雨や越水対策の必要性を明記。二〇〇〇年、決壊しにくい構造の「フロンティア堤防」の設計指針が全国に通知された。全国で整備が計画され、四つの河川で完成した。

 しかし、〇二年に設計指針の通達は急に撤回され、フロンティア堤防の整備は立ち消えに。白書に撤回理由は書かれていない。

 取材を進めると、複数の国交省OBや学識者は「当時、ダムの反対運動が激しく、堤防強化がダム不要論につながるのを恐れたため」と証言した。

 国交省の担当者は「効果がはっきりしないため」と説明した。「経過があまりにも不自然だが」と尋ねると、「過去に、そういう取り組みをした人たちがいたのは承知している。見解の相違」と話し、歯切れが悪くなったように感じた。

 発生から一年後の今年九月、決壊現場で開かれたイベント会場を訪れた。国交省が、ダムがなかった場合の被害予想図を展示していた。浸水面積はもっと広かったはず、とダムの効果をPRしていた。一方、堤防が決壊しなかった場合の被害予想は、分かっていないという。

 国交省は現在、鬼怒川で堤防の集中整備を進めている。しかし、「決壊しにくい構造の堤防にしないと、また同じことが起きうる」と訴え続けている国交省OBもいる。

 鬼怒川決壊では避難指示をめぐる常総市の混乱が問題になり、堤防強化を撤回した国の政策転換は、注目されなかった。決壊は、河川政策の間違いの証明ではなかったのか。十分に検証されたとは思えず、疑念は今も消えない。 (宮本隆康)

【2016/12/27 00:15】 | 政策
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              嶋津 暉之

昨年9月の鬼怒川水害でお二人の方が亡くなられましたが、その後も被災により、亡くなられた方が少なからずいると聞いていました。
今回、そのうちの6人が災害関連死と認定され、弔慰金が支給されることになりました。

◆鬼怒川決壊 常総市が災害関連死6人認定で弔慰金支給へ
(茨城新聞2016年12月17日)
http://ibarakinews.jp/news/newsdetail.php?f_jun=14818973997938

常総市は16日、昨年9月の関東・東北豪雨に伴う鬼怒川決壊などの大規模水害による災害関連死として6人を認定したと発表した。

同水害による関連死の認定は初めて。災害弔慰金支給法に基づき、それぞれの遺族に最大500万円が支給される。

関連死と認定されたのは男性4人、女性2人(50?90代)。いずれも水害で自宅が大規模半壊、または半壊する被害に遭い、自宅や避難先で体調を悪化させるなどした。

昨年9月から今年2月の間に、急性心不全や肺炎などのため入院先で死亡した。
常総市は今春、8人の遺族から関連死の疑いがあると申し出を受けていた。医者や弁護士で組織する災害弔慰金支給等審査委員会が水害との因果関係を調べ、11月末に審査結果を市に答申した。

今回の認定を受け、遺族には来年1月に災害弔慰金が支払われる見通し。市の担当者は「6人はいずれも、水害の影響で生活環境が悪化し、体調を崩して亡くなった」としている。

災害関連死は、地震や津波、豪雨といった自然災害による建物の倒壊で死亡するなど直接的な理由とは別に、避難生活に伴うストレスによる体調悪化や過労など間接的な原因で死亡するケースを指す。

一定規模以上の災害では、直接死と同様に災害弔慰金が遺族に支払われる。家計を支えていた人は500万円、それ以外の人は250万円を支給。遺族の申請を受けて市町村が認定する。

市は引き続き、災害関連死の疑いのある死亡について申し出を受け付け、その都度審査する方針。  (今橋憲正)


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【2016/12/24 16:28】 | 鬼怒川水害
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              嶋津 暉之

昨日行われた石木ダム事業認定取消訴訟の裁判官による現地視察についてのニュースをお報せします。

◆石木ダム裁判官が現地視察
(NHK 2016年12月22日 19時20分)
http://www3.nhk.or.jp/lnews/nagasaki/5035930171.html?t=1482449660681

県と佐世保市が川棚町に建設を計画している石木ダムをめぐり、建設予定地に住む地権者などが国の事業認定を取り消すよう求めている裁判で、22日、長崎地方裁判所の裁判官が現地を視察し、地権者からダム計画について直接、意見を聞きました。

石木ダム建設をめぐっては、計画に反対する地権者など100人あまりが、国が行った土地の強制的な収用を可能にする「事業認定」を取り消すよう求めて、去年、長崎地方裁判所に訴えを起こしています。

22日現地を訪れたのは、裁判を担当する長崎地裁の裁判長ら3人で、石木ダムが建設される予定地や、水没する場所にあった墓地を移転するために県が造成した新しい墓地などを訪れ、地権者や国側の弁護士から説明を受けました。

地権者の弁護士によりますと、裁判官は地権者の家を1軒1軒回り、暮らしの様子やダム計画に反対する理由などを聞いたということです。

地権者の1人、川原義人さん(76歳)は、「現地を見てもらうことはいいことだと思う。私たちのことを少しでも考えて判断をしてもらいたい」と話していました。

石木ダムの建設をめぐっては、地権者たちがダム工事の禁止の仮処分を求めた申し立てについて20日、長崎地裁佐世保支部が却下したばかりで、この裁判で裁判所がどう判断するのか、注目されています。


◆石木ダム・事業認定取消訴訟の現地視察
(テレビ長崎2016年12月22日 18:28)
http://www.ktn.co.jp/news/20161222104512/

東彼・川棚町の石木ダム建設をめぐり、土地の強制収用を可能にした国の事業認定の取消しを求める裁判で、22日、裁判官が現地に入り、建設に反対する予定地の住民から生活実態などを聞き取りました。
川棚町の石木ダム建設予定地には、長崎地裁の裁判官3人と、原告のダム建設反対の地権者や、弁護士、それに国側の代理人が入りました。

視察は、ダム建設に向けた土地の強制収用の前提となる国の事業認定の取り消しを求めた訴訟の手続きの一環で、裁判所側の提案で行われました。

国側は、事業の概要や、ダム事業の根拠である洪水対策の必要性などを説明しています。一行は、地権者の13世帯をそれぞれ訪問し、生活の様子や、ダム建設で何が失われるかなどを住民から聞いたということです。

地権者 石丸勇さん「必要性のないことで犠牲になることがおかしいと、私の人生のすべては、ダムで終わってしまうのではないか、本当は言おうと思っていたが、そこを忘れた、時間もなかったが」

建設に反対する地権者は、「いまの土地に住み続けたいとの思いが、裁判官に伝わってほしい」と、話しています。


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【2016/12/23 10:46】 | 石木ダム
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           嶋津 暉之

昨日、平成29年度予算案の発表があり、
直轄ダム・水資源機構ダムの平成29年度の予算案が国交省のHPに掲載されました。
下記をご覧ください。
http://www.mlit.go.jp/river/basic_info/yosan/gaiyou/yosan/h29/h29damyosan.pdf 

補助ダムの予算は箇所付けがきまってから公表されますので、来年4月初めになると思われます。
関東地方のダム事業について見ると、次の通りです。

八ッ場ダム     28年度  222.32億円   29年度 346.11億円

思川開発      28年度  17.96億円   29年度  25.44億円

霞ケ浦導水事業  28年度  12.53億円   29年度  12.53億円

【2016/12/23 01:56】 | 政策
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         嶋津 暉之

大変残念なことですが、反対地権者らが石木ダム工事差し止めを求めた仮処分申し立てについて、長崎地裁佐世保支部は却下の決定を出しました。その記事とニュースをお送りします。
しかし、闘いはこれからです。

◆石木ダム工事 差し止め却下 佐世保地裁「緊急性ない」
(長崎新聞 2016/12/21(水) )
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20161221-00010004-nagasaki-l42

石木ダム工事 差し止め却下 佐世保地裁「緊急性ない」
石木ダムを巡る法廷闘争

 東彼川棚町に石木ダム建設を計画している長崎県と佐世保市を相手に、反対地権者らが工事差し止めを求めた仮処分申し立てについて、長崎地裁佐世保支部(渡邊英夫裁判長)は20日、「工事続行を禁じる緊急の必要性がない」として却下する決定をした。県の主張が全面的に認められ、工事によって「平穏に生きる権利などが侵害される」という反対派の主張は退けられた。
 反対地権者を支援する石木ダム対策弁護団(団長・馬奈木昭雄弁護士)は「決定の内容を精査して、今後の対応を検討する」とコメント。地権者らは福岡高裁への抗告を検討している。
 決定書などによると、反対派が侵害されると主張した▽生命・身体の安全▽人格権-などの被保全権利については、存在するかどうかの判断を回避。工事が一部着工にとどまっていることから「状況が切迫しているとはいえない」と指摘した。税金が有効、適切に利用される権利については、認めなかった。反対派が求めていた工事の必要性についての言及もなかった。

 中村法道知事は記者団に対し「県の立場が認められたものと考えている。スムーズに推進できるよう引き続き努力をしていく」と述べた。
 今年2月に仮処分を申し立てたのは約500人。これまで3回の審尋(非公開)があり、県側は反対地権者らの訴えに対し「抽象的で被保全権利に当たらない」などと反論し、申し立て却下を求めていた。

 工事を巡っては、県が付け替え道路の工事再開を試みているが、反対地権者らの阻止行動により進んでいない。反対派は国を相手に事業認定取り消しを求め、長崎地裁に行政訴訟を起こし、ダムの必要性について争っている。

◆長崎)石木ダム工事差し止めの仮処分却下 長崎地裁支部
(朝日新聞長崎版2016年12月21日03時00分)
http://digital.asahi.com/articles/ASJDN4WMSJDNTOLB00J.html

 県と佐世保市が計画する石木ダム(川棚町)について、建設予定地の地権者らが工事差し止めを求めた仮処分の申し立てについて、長崎地裁佐世保支部は20日、却下の決定を出した。
 地権者やダム建設に反対する計505人が今年2月、申し立てていた。ダム建設で地域が水没すれば豊かな自然環境や社会生活が奪われ、人格権などが侵害されると主張。一度侵害されれば回復できないとして、工事禁止の必要性と緊急性を訴えた。地権者らは昨年11月、国の事業認定取り消しを求める行政訴訟を長崎地裁に起こしている。

 石木ダムは、2010年に付け替え道路工事を着工したが住民との話し合いのため中断。14、15年と一時的に再開したものの、住民らが工事現場出入り口で反対を続け、実質的な工事は進んでいない。

 決定では、道路工事の一部しか着工されていないことに触れ、「権利侵害が差し迫り、工事続行を禁止する緊急の必要性があるとはいえない」などとした。

 決定を受け、県は記者会見し、「工事を続行していいと判断してもらった。(反対住民は)司法判断を受け止め、妨害行為をやめていただけると信じている」と話した。

 一方、申立人の一人で建設予定地に暮らす岩下すみ子さん(68)は「予想していた内容。次の運動の準備をしたい」と話した。「ダムは若い人の借金を増やすだけ。県は考えを改めるべきだ」と語った。(八尋紀子、福岡泰雄)


◆<長崎・石木ダム>工事差し止め仮処分却下 地裁佐世保支部

(毎日新聞 2016/12/20(火) 20:14配信)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20161220-00000094-mai-soci

 長崎県川棚町に県と佐世保市が建設を計画している石木ダムについて、水没予定地の反対派地権者と支援者ら約500人が県と同市を相手取って工事差し止めを求めた仮処分申請で、長崎地裁佐世保支部(渡辺英夫裁判長)は20日、申し立てを却下した。
 渡辺裁判長は「工事を進めることで、地権者らの生命や身体の安全、平穏な生活を営む権利などが侵害されるという具体的な証明はない」とした上で「工事の続行を禁止する緊急の必要性は認められない」と判断した。【浅野孝仁】


◆石木ダム仮処分申し立てを却下
(テレビ長崎2016年12月20日 18:22)
http://www.ktn.co.jp/news/20161220104263/

東彼・川棚町の石木ダム建設をめぐり、計画に反対する地権者が求めていた関連工事を差し止める仮処分命令の申し立てを、裁判所は、20日、却下しました。地権者は、冷静に受け止めていて、今後もダムの必要性への説明を、県に求めるとしています。

地権者 松本好央さん「却下されたことには残念だと思う」東彼・川棚町の石木ダム建設をめぐっては、県が関連する道路の工事を進めています。しかし、ダムの建設予定地で暮らす地権者は、必要性に疑問があるとして、計画に反対しています。

そして、地権者やその支援者など505人は、ダム建設に関連する工事については、豊かな自然の中で生活する権利などが奪われるとして、工事を差し止める仮処分を求めていました。

これに対し長崎地裁・佐世保支部は、工事の続行を禁止する緊急の必要性はないなどとして、20日付けで、申し立てを却下しました。

長崎県 中村知事「こうした判決については、これまでの県の主張が認められたものと、この訴訟結果を十分にご理解いただいて、納得いただいた上で、工事の進捗にご理解をいただきたい」

地権者 岩本宏之さん「明け渡しの裁決が出ると思う。家も土地も。しかし、我々はそんな気持ちはない。とことん戦う。それだけ多くの人を犠牲にするような世の中は、おかしい」

地権者 松本好央さん「しっかり、自分たちのやっていること、自分たちの思いを伝えていきたい」

県は、21日以降、ダムの建設予定地を訪れ、地権者に決定内容を説明したいとしていますが、

地権者側は決定を不服としていて、今後の対応を協議しています。


◆石木ダム仮処分申し立て却下

(NHK2016年12月20日 21時10分)
http://www3.nhk.or.jp/lnews/nagasaki/5035426161.html?t=1482295387746

長崎県と佐世保市が川棚町に計画している石木ダムをめぐり建設に反対する地権者が、工事の禁止の仮処分を求めた申し立てについて、長崎地方裁判所佐世保支部は、「住民の生命、身体の安全が侵害されることが具体的に証明されていない」として、退ける決定を出しました。

長崎県と佐世保市は佐世保市の水道用水の確保などを目的に、川棚町に石木ダムの建設を計画しています。

これについて、ダムに反対する地権者など、505人はダムの工事により生命、身体に対する危険におびえず、平穏に生きる権利が、侵害されるなどとして県と佐世保市に工事の禁止を求める仮処分をことし2月に長崎地方裁判所佐世保支部に申し立てていました。

20日の決定で長崎地裁佐世保支部の渡邊英夫裁判長は、「生命、身体の安全が侵害されることが具体的に証明されていない。また、工事を禁止しなければ、権利の侵害を防ぐことができない緊急性もない」として、申し立てを退けました。

長崎県の中村知事は、「県の主張が認められたものと思っている。石木ダムは必要不可欠だという考えは変わらず、事業がスムーズに進むよう、地権者の方々などに理解していただきたい」と話していました。

これについて、佐世保市の朝長則男市長は、「裁判所の判断が、今後の事業の着実な進展につながっていくものと期待しています」というコメントを出しました。

一方、地権者側の代理人の平山博久弁護士は、「決定内容を精査して、今後の対応を検討する」としています。

石木ダムをめぐっては、このほかに、地権者などが、国を相手どって、憲法で保障されている生存権が損なわれるなどとして、ダムの事業認定の取り消しを求める裁判を起こしているほか、逆に、県が、地権者などを相手取って、ダム建設に伴う道路工事を妨害しないよう求める仮処分を申し立てています。



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【2016/12/22 01:52】 | 石木ダム
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      嶋津 暉之

腹立たしいですが、八ッ場ダム基本計画の第5回変更が14日、告示され八ッ場ダムの事業費を約720億円増額する基本計画変更の手続きが終了しました。

「八ッ場ダムの建設に関する基本計画」の変更手続完了について
http://www.ktr.mlit.go.jp/kisha/river_00000287.html

関東地方整備局
河川部

国土交通省関東地方整備局では、洪水被害の軽減や都市用水の確保等のために、八ッ場ダム建設事業を進めてきており、現在、ダム本体のコンクリート打設等を実施しています。
同事業の特定多目的ダム法第4条による基本計画について、変更手続を本年8月12日より、同条第4項に基づき進めていましたが、本日、手続が完了しましたのでお知らせ致します。
(本日、同法同条第5項の規定に基づき、官報に公示しています。)

(参考)
○事業費:約4,600億円→約5,320億円
○工期:平成31年度→(変更なし)

別紙・参考資料
本文資料(PDF) [66 KB]


◆八ッ場ダム 基本計画変更 事業費増額手続き完了 1都5県同意 /群馬
(毎日新聞群馬版2016年12月15日)
http://mainichi.jp/articles/20161215/ddl/k10/010/194000c

 国土交通省関東地方整備局は14日、八ッ場ダムの事業費を約720億円増額する基本計画の変更に関係1都5県が同意、必要な手続きを終えたと発表した。

総事業費は約4600億円から約5320億円となる。工期に変更はなく2019年度完成の予定。

 整備局は8月、建設資材の高騰や消費税増税などを理由に増額を発表。基本計画を変更するには、特定多目的ダム法に基づき、流域の6都県知事らの意見を聞く必要がある。

 整備局によると、6都県の知事から「徹底したコスト縮減による総事業費の圧縮」といった意見付きで同意を得た。

 八ッ場ダムは利根川支流の吾妻川に建設する多目的ダム。既に本体工事に着手している。


◆八ッ場ダム事業費720億円増額 6都県同意、手続き完了
(東京新聞群馬版2016年12月15日)
http://www.tokyo-np.co.jp/article/gunma/list/201612/CK2016121502000206.html

 国土交通省関東地方整備局は十四日、八ッ場ダム(長野原町)の事業費を約七百二十億円増額する基本計画の変更に関係一都五県が同意、必要な手続きを終えたと発表した。

総事業費は約四千六百億円から約五千三百二十億円となる。工期に変更はなく二〇一九年度完成の予定。

 整備局は八月、建設資材の高騰や消費税増税などを理由に増額を発表。基本計画を変更するには、特定多目的ダム法に基づき、流域の六都県知事らの意見を聴く必要がある。

 整備局によると、六都県の知事から「徹底したコスト縮減による総事業費の圧縮」といった意見付きで同意を得た。

 八ッ場ダムは利根川支流の吾妻川に建設する多目的ダム。既に本体工事に着手している。

【2016/12/16 02:38】 | 八ツ場情報
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           嶋津 暉之

今夏は、8月中旬~下旬の複数の台風により、北海道の各河川で大きな氾濫がありました。
また、8月末の台風10号により岩手県でも大きな氾濫がありました。

これらの水害の状況は国交省の
「第3回 大規模氾濫に対する減災のための治水対策検討小委員会 配付資料」(11月22日)
http://www.mlit.go.jp/river/shinngikai_blog/shaseishin/kasenbunkakai/shouiinkai/daikibohanran/3/index.html

の【参考資料1】中小河川等における水防災意識社会の再構築のあり方(PDF形式:10.1MB)
http://www.mlit.go.jp/river/shinngikai_blog/shaseishin/kasenbunkakai/shouiinkai/daikibohanran/3/pdf/dai03kai_sankou1.pdf

に報告されています。この報告を見ると、支川が氾濫してその氾濫水が本川の堤防を堤内側から越水して決壊させたケースなど、浸水被害の様々なケースがあることがわかります。

この被害を受けて、国交省は12月9日、北海道と岩手県それぞれについて緊急治水対策を発表しました。
事業費は北海道は317億円、岩手県は240億円以上となっています。

国交省の発表

〇 「北海道緊急治水対策プロジェクト」 
~8月台風で大きな被害を受けた北海道の河川等について
 ハード・ソフト一体となった緊急的な治水対策を実施~ 

http://www.mlit.go.jp/report/press/mizukokudo05_hh_000015.html

〇 平成28年8月台風により被災した岩手県管理河川における緊急的な治水対策について 
http://www.mlit.go.jp/report/press/mizukokudo05_hh_000016.html


◆1000カ所で緊急治水対策=台風被害の北海道、岩手―国交省
(時事通信 2016/12/9(金) )
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20161209-00000076-jij-pol

国土交通省は9日、今夏の台風で大きな被害を受けた北海道と岩手県の河川合わせて約1000カ所で緊急治水対策を行うと発表した。
北海道は2019年度までに約700カ所、岩手は20年度までに約300カ所で、堤防整備や洪水時の水位を下げるための河道掘削工事などを進める。

北海道では、国が管理する河川やダム108カ所で総額約317億円を投じて実施する。道管理の河川約600カ所でも対策を進める予定。河道掘削で生じた土砂は、土壌が流出した農地へ運んで復旧に活用する。

受信者が要求しなくても携帯電話などに洪水情報を送る「プッシュ型」のメール配信システム導入といったソフト面の対策も行う。

岩手は、入所者9人が亡くなった高齢者グループホームの近くを流れる小本川など県管理河川の約300カ所が対象となる方向。事業費は240億円以上になる見通しだ。


◆国・道が集中治水対策、道内700カ所、4年間で300億円超
(日本経済新聞2016/12/10 7:00 )
http://www.nikkei.com/article/DGXLASFB09H7O_Z01C16A2L41000/

北海道開発局は9日、今夏の台風被害を受けて2016年度から4年間で十勝川など道内河川やダムの治水対策を集中的に実施すると発表した。

国・道管理河川の約700カ所を対象に堤防整備などを進め、災害に強い河川インフラを構築する。対策費は国管理分だけで約317億円を見込む。道管理分の整備費は現在査定中で全体の事業規模はさらに膨らむ見通し。災害時の住民の避難計画の拡充などソフト面の対策も強化する。

道内では8月以降に3つの台風が上陸し、大雨による河川の堤防決壊など大規模被害が相次いだ。農業被害(9月現在)は約4万ヘクタールに渡って543億円に上った。

国が同日まとめた「北海道緊急治水対策プロジェクト」では、被害のあった河川やダムの原状回復にとどまらず、今後の災害時の被害を最小限に抑えるためのハード整備に踏み込む。

対象地区は国管理河川が108カ所、道管理が約600カ所に及ぶ。国管理分の整備費の内訳は原状回復が計81カ所で145億円、新たな災害に備える改良復旧費などが計27カ所で173億円。国と道が事業費を負担する。

大きな被害を受けた十勝川や空知川などでは、災害復旧工事とともに堤防整備や河道掘削も行う。河底を掘り下げることで氾濫を防ぐ。河川の氾濫で耕作土が流出した農地も多く、掘削した土砂を農地の復旧にも活用する。

関係機関が連携したソフト対策も強化する。道内13カ所の1級河川水系ごとに設置している「減災対策協議会」を活用。避難情報の確実な伝達や避難誘導、防災意識の向上などに取り組む。

例えば、市町村ごとに避難勧告を発令する際の行動計画をより詳細な内容に改善したり、それを踏まえた避難訓練などを行ったりする。17年までに水位を住民に知らせる指定河川を4つ増やし、洪水時の浸水想定区域の周知の徹底も図る。道開発局河川計画課の担当者は「避難に要する時間など市町村の実情に応じた行動計画をつくり、災害時に備える」と話す。

さらに住民や旅行者に迅速に洪水情報を知らせるため、携帯電話への緊急速報メールの配信エリアを拡大する。

国と道などはハードとソフトの両対策を組み合わせて災害対応力の底上げを目指す。


◆台風災害 河川復旧、19年度までに
 国交省緊急対策 避難促進 自治体と連携

(読売新聞2016年12月10日)
http://www.yomiuri.co.jp/hokkaido/news/20161210-OYTNT50012.html

国土交通省は9日、8~9月の一連の台風災害を受け、緊急的な治水対策を実施すると発表した。被災した河川の本格復旧や氾濫の発生を防ぐ工事などを2019年度までに完了させ、住民の避難を促すための対策を道や市町村などと連携して進める。

同省北海道開発局によると、洪水で河川の堤防が決壊するなどして復旧工事が必要な場所は道内に計約700か所あり、そのうち国が管理する河川やダムは計8水系108か所に上る。国は81か所で元に戻す復旧工事(計約145億円)を実施するほか、27か所で川底を掘るなどして洪水時の水位を下げ、今後の災害を防ぐ改良復旧・治水対策工事(同173億円)を進める。

河川工事で出た土は、浸水被害のあった農地の復旧工事に活用するという。

道管理の河川では約600か所で工事するが、災害査定が完了していないため必要額は確定していない。

自治体が避難勧告などのタイミングを事前に定める防災行動計画「タイムライン」について、国管理河川沿いの市町村のうち未作成の37市町村分を、梅雨や台風が来る来年の「出水期」までに完成させる。タイムラインを使った避難訓練を実施するほか、携帯電話の緊急速報メールを使った洪水情報の配信を導入する。

国はハザードマップの基となる洪水浸水想定区域図を「1000年に1度」の大雨に対応できるよう見直し、11月末時点で道内13水系32河川の区域図を公表している。未公表の29河川分を来夏までに策定、公表するとした。



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【2016/12/13 00:14】 | 政策
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