「ダム建設の時代は終わった」by米国内務省開拓局長官ウィリアム・ピアーズ
◇【都知事選の隠された争点:水の民営化】奈須りえも講演
 東京・首都圏の水を考える〜2016 水の日

 フェアな民主主義 を大田区から 大田区議会議員 奈須りえ
http://ameblo.jp/nasurie/entry-12185000386.html

※クリックで拡大されます
2016-07-30_02h47_10.jpg

入場無料

日時:2016年8月6日(土)13時半〜16時半
場所:全水道会館4階 大会議室 文京区本郷1−4−1
報告 2016夏・東京の渇水状況
     東京の水を考える会

提言1 東京首都圏の水問題の真相 水問題研究家 水源開発問題全国連絡会共同代表)
     嶋津暉之(しまずてるゆき)氏
    
提言2 市民が考えるこれからの水道事業
     奈須りえ

【2016/07/30 02:49】 | お知らせ
トラックバック(0) |
            嶋津 暉之

淀川水系の大戸川ダムについて、これからどうなるかですが、事業推進にブレーキをかけるのは、滋賀県の三日月大造知事ではなく、京都府の山田啓二知事のようで、そちらの方が頼りになりそうです。

◆大戸川ダムは凍結から事業継続へ、近畿地整
(ケンプラッツ 2016/07/299 http://kenplatz.nikkeibp.co.jp/atcl/cntnews/15/072800471/ )

 国土交通省近畿地方整備局の事業評価監視委員会は7月27日、建設が凍結されている大戸川(だいどがわ)ダム(大津市)の再評価で、近畿地整の「事業継続」とする対応方針の原案を妥当と判断した。近畿地整は対応方針案を決定し、同日付で国交省の本省に報告した。

 大戸川ダムは、1989年に事業着手した淀川水系のダム。当初は治水と利水、発電を目的にしていた。
 同ダムを巡っては2008年、淀川水系河川整備計画を策定する案の段階で、流域の三重県、滋賀県、京都府、大阪府の4知事が、一定の治水効果はあるものの、優先順位は低いと指摘。「河川整備計画に位置付ける必要はない」と共同で意見した。

 これに対し、2009年に策定した河川整備計画では、利水を目的から外し、治水専用の流水型ダムと位置付けた。ただし、「ダム本体工事については、中・上流部の河川改修の進捗状況とその影響を検証しながら実施時期を検討する」として事実上、本体工事を凍結した。

 その後、民主党政権下の2010年から、全国83のダム事業を対象に妥当性の検証が始まった。大戸川ダム建設事業は、その検証対象の一つだ。

流域自治体は慎重な姿勢

 近畿地整は検証で、河道改修、放水路などの治水施設の整備、既存のダム堤体のかさ上げなど13案を比較。大戸川ダムによる治水が最も有利であると評価した。
 その後、近畿地整は住民や有識者、さらに滋賀県、京都府、大阪府の各知事から意見を聴取した。
 ダム本体の工事再開については、各自治体とも慎重な姿勢を示している。大阪府の松井一郎知事は、ダム案が最も有利とする国の検討結果は尊重しながらも、ダム本体工事の着工について、関係自治体の意見を聴取するよう近畿地整に求めた。

 滋賀県の三日月大造知事も同様に意見聴取を要望。京都府の山田啓二知事は、緊急的に着手すべき事業ではないという立場を変えていない。

 ダム本体の工事を再開するには河川整備計画の変更が必要だ。河川整備計画は通常、20~30年間を対象とする。淀川水系の河川整備計画は策定から7年ほど経過したばかりだ。

 近畿地整では、国が大戸川ダムの事業を継続する方針を決めても、整備計画を直ちに変更するわけではないとしている。河川整備の進捗を見ながら検討していくという。



追記を閉じる▲

【2016/07/30 02:42】 | 各地のダム情報
トラックバック(0) |
去る7月23日、川上ダムからの伊賀市の撤退を求める市民集会が三重県伊賀市で開かれました。
2016-07-22_21h56_39.jpg

この集会で私が使った講演スライド「「利水」からの撤退が、私たちの未来を守る 2016年7月23日」 を水源連HPに掲載しました。→ https://is.gd/NEGNbb

その前日、7月22日は伊賀市水道部を訪れて、公開質問書を提出し、約2時間にわたってやり取りをしてきました。その公開質問書は下記のとおりです。
http://suigenren.jp/wp-content/uploads/2016/07/ab3f9c530e88ba4204e8bc7033d43212.pdf 

講演スライドおよび公開質問書をお読みいただければ幸いです。

◆「市民の力で撤退を」川上ダムの課題訴え 伊賀市で講演会
(伊賀タウン情報 YOU 2016年7月25日 09:50)
http://www.iga-younet.co.jp/news1/2016/07/post-426.html

講演会「『利水』からの撤退が、私たちの未来を守る」が7月23日、伊賀市ゆめが丘のゆめぽりすセンターで開かれた。

水源開発問題連絡会共同代表の嶋津暉之さん(72)は「伊賀市が川上ダムに参加することはあまりにも問題が多い。市民の力で撤退を実現してもらいたい」と訴えた。
嶋津さんは、川上ダム建設事業で伊賀市の総負担額を112億円と試算。市民1世帯当たりの負担額は約28万円になることを紹介した。
さらに八ツ場ダムや思川開発など、利根川水系で事業中の水源開発事業を例に挙げ、利水予定量の毎秒1立方メートル当たりの水道負担額の相場が「50億円から100億円であるのに比較し、伊賀市は194億円と極めて高く、伊賀市民は怒らないといけない」と訴えた。
また、茨城県常総市の鬼怒川決壊の水害を例に挙げ、「ダムの治水効果は下流に行くほど減衰する」と指摘し、
「木津川上流部は川上ダム建設事業に河川予算が注ぎ込まれ、必要な河道整備がなおざりにされている」と述べた。

講演会は「木津川流域のダムを考えるネットワーク」とNPO「伊賀・水と緑の会」の共催で、約50人の市民らが参加した。

(写真)【講演に立つ嶋津さん=伊賀市ゆめが丘で】
160725_10-thumb-300x205-14831.jpg


◆川上ダム利水撤退を 伊賀できょうNPOが講演会
(中日新聞伊賀版 2016年7月23日)

NPO法人「伊賀・水と緑の会」は、伊賀市の川上ダムからの利水撤退を考える講演会「利水からの撤退が、私たちの未来を守る」を二十三日、ゆめポリスセンター(同市ゆめが丘一丁目)で開く。

市民団体「木津川のダムを考えるネットワーク」との共催。

講師は全国のダム問題に取り組む「水源開発問題全国連絡会」共同代表の嶋津暉之さん(七二)。
自身が試算したデータをもとに市が利水撤退しても負担が少なく、水不足は起きないことなどを話す。
嶋津さんは東京都公害局(現環境局)で地下水行政に長年従事。一九八四~二〇〇四年三月まで都環境科学研究所に勤務し、水問題を研究してきた。
現在は各地のダムや河川の問題の技術的解析をし、市民団体に技術的側面で支援している。
伊賀・水と緑の会の浜田不二子さん(六五)は利水撤退について「子どもたちの未来のためにも難しい問題だと思つて目をつぶらずに考えてほしい」と呼び掛ける。

講演会は午後一時半から。午後三~四時までは嶋津さんと参加者とのフリートークもある。
伊賀市を含む川上ダム建設は国土交通省が二〇一七年度に着工予疋で、二二年度の完成を目指している。
三団体は二十二日、市水道部へ嶋津さんの試算などの見解を問う公開質問書を提出した。 (中川翔太)


◆「利水」を考える 23日に講演会
(伊賀タウン情報 YOU 2016年7月9日 )

「木津川流域のダムを考えるネットワーク」とNPO「伊賀・水と緑の会」は7月23日(土)午後1時半から、伊賀市ゆめが丘1丁目のゆめぽりすセン夕―で講演会「『利水』からの撤退が、私たちの未来を守る」を開く。参加無料。

 講師の嶋津暉之さんは東京大学工学部を卒業し、東京都環境科学研究所などを経て、現在は「水源開発問題全国連絡会の共同代表などを務めている。
  各地の水源開発の技術的な解析に取り組んでおり、伊賀市に建設予定の川上ダムについては、同ネットワークからの依頼で、木津川上流の流量や取水実績などのデータ解析を実施。
昨年5月に「ダムがなくても、伊賀市水道は今後、水需要に不足をきたすことはない」などとするレポートを作成し、市に提出している。

 同ネットワークなどは、市が策定を進めてている「伊賀市水道事業基本計画」の内容が[伊賀市の各地にある浄水場を活用した小規模分散から、ダム建設などを前提に一極集中させるもの。運用コストや災害時のリスク分散の面でも逆行している。

発がん性が疑われるトリハロメタン含有量も飛躍的に増大してしまう」とし「国による川上ダムの検証も終わりを迎える中で、市民に今後100年にわたってのしかかる負担について考える最後の機会として、講演会を企画したという。

 同ネットワークなどは、川上ダムから今後「利水撤退」した場合の効果額を独自に再調査した結果「事業継続した場合よりも格段に市民の負担が少なくなることがわかった」として、当日、裏付けデータも含め報告するという。



追記を閉じる▲

【2016/07/28 03:40】 | 未分類
トラックバック(0) |
◇利根川水系渇水の真実 〜ダムの過剰放流が原因か~
(嶋津暉之/FM東京「タイムライン」/YouTube/7月12日放送)
「実は毎秒平均80トンという大量の水が海に流れ出ている」



八ッ場あしたの会で文字起こしされています。
 ↓
◇FM東京「過剰放水が引き起こす利根川の渇水」の文字起こし
八ッ場(やんば)あしたの会 - https://is.gd/Y7OcTY

石木川まもり隊のブログで内容が紹介されています。
facebookでも紹介したところ、埼玉の方から裏付けの証言があったそうです。
 ↓
◇過剰放流が引き起こした利根川の渇水
(2016年07月16日 石木川まもり隊)
http://blog.goo.ne.jp/hotaru392011/e/4b2079fef6d8d70f3dabacae664b8e25

追記:このブログ記事をFacebookでシェアしたところ、埼玉でアウトドアスポーツ用品店を経営なさっている方から以下のコメントをいただきました。嶋津さんの数字上のご指摘を、事実として裏付ける貴重な証言だと思いますので、ご本人の許可を得て転載させていただきます。

先日来店された水上でカヤックをやっているお客様との会話で、その事実を知りました。

僕らは利根川水系の上流部に降り積もる豊富な雪の恩恵により11月から5月末までを楽しんでいます。この冬の降雪、積雪の少なさはニュースなどで知られていると思いますが、特にこの利根川上流域での積雪量は今までに経験したことが無いほどの少なさでした。僕らはそれを目の当たりにし、冬の半ばくらいから、この夏の水不足を心配していました。

カヤッカーのお客様に、今年は雪解けが早く水量が少ないでしょう?と話すと、
「最近まで100%の放水をしていたので楽しめていたんです」と、まさかの事実を知りました。
更に彼の話では、水上エリアから前橋までの水力発電をするために水量を絞ることはやらなかったとのことでした。電力は足りていたでしょう。電力は他から回してもらうこともできるでしょう。

このような水不足となること、いや水不足にすることで、同じ利根川へと流れる八ッ場ダムの正当性を語る人たちも…

(一部引用)

【2016/07/28 03:10】 | 未分類
トラックバック(0) |
   嶋津 暉之

滋賀県の水資源機構ダム「丹生(にう)ダム」について国交省が事業中止を正式決定したことについての記事です。
これで、約10年前に淀川水系流域委員会が中止を勧告した5ダムのうち、余野川ダムと丹生ダムが中止になりました。
天ヶ瀬ダム再開発は推進で、現在工事中です。大戸川ダムは残念ながら、推進の決定がまもなく出ます。
ただし、淀川水系河川整備計画の変更が必要ですので、もう一段階あります。

川上ダムは2年前に推進の決定が出ていますが、伊賀市民が川上ダムからの伊賀市の撤退を求める運動を進めています。
川上ダムも丹生ダムと同じ水資源機構ダムですので、もし伊賀市が撤退すれば、水資源開発の目的がなくなりますので、水資源機構の川上ダム事業実施計画は成り立たなくなります。

明後日、7月23日に伊賀市民が「講演会:「利水」からの撤退が、私たちの未来を守る (川上ダム問題)」を開きます。
私が報告します。
http://suigenren.jp/news/2016/07/07/8534/
2016-07-22_21h56_39.jpg


◆滋賀の丹生ダム、国交省が事業中止を正式決定
(京都新聞2016年07月20日)
http://www.kyoto-np.co.jp/politics/article/20160720000158

滋賀県長浜市の高時川上流で計画されていた丹生ダムについて、国土交通省は20日、ダム事業を見直す検証の結果、中止と決定した。1968年の予備調査開始から48年を経て計画に終止符が打たれた。国や水資源機構のダム事業で、予定地の住居が移転後に中止となるのは初めて。

丹生ダムは姉川・高時川の治水や利水を目的に近畿地方整備局と同機構が事業を進めていた。だが2014年1月、国によるダム検証の結果、他の治水対策との比較で「有利ではない」との評価が示された。

県は中止を受けて湖北圏域の河川整備計画を近く国に申請する。河川改修のため高時川の掘削など進める内容で、来年度から事業に着手する方針。水没予定地での道路整備など地域振興策は関係機関が地元と具体策を協議していく。県流域政策局は「計画に基づき河川改修を進め、地域振興策は地元とよく話し合って進める」としている。

長浜市の藤井勇治市長は「中止は非常にやるせなく、無念。心労をかけた地元の思いに報いるよう、国は万全の対応をとるよう強く求める」とコメントし、中止後の対策に国の協力を要請した。

丹生ダムは1988年に着工した。水没予定地の40戸が集団移転後、下流の京都府や大阪府などが水利用の枠組みから撤退していた。これまでに用地買収や道路工事などに約570億円が費やされた。


◆国交省、丹生ダム中止決定
(読売新聞2016年07月21日)
http://www.yomiuri.co.jp/local/shiga/news/20160720-OYTNT50110.html

長浜市北部の高時川上流に計画された丹生(にう)ダムについて、国土交通省は20日、建設中止を正式に発表した。今後は国や県などが、代替の治水事業として河川整備や地域振興策などを進めていく。

丹生ダムは、旧建設省が1968年に多目的ダムとして予備調査に着手。96年までに水没予定地の40戸が立ち退いた。ダム本体は未着手だったが、今年3月末現在で575億円を投じて用地取得や付け替え工事を進めていた。

ところが、京阪神地域での水需要が低下し、国交省近畿地方整備局などは2014年に建設を中止する方針を決定。今年3月に同整備局などが、検証手続きの中で「中止が妥当」とする報告書原案を作成し、今月8日には、国交相の諮問機関「今後の治水対策のあり方に関する有識者会議」が、「ダム建設を含む案は有利ではない」と理解を示したため、国交相が最終決定した。

中止決定を受け、長浜市の藤井勇治市長は「地元の市長として非常にやるせない思いと、無念であるという思いに尽きる」とし、「国は、長年心労をかけた


◆滋賀の丹生ダム、国交省が建設中止を決定
(産経新聞 2016年7月20日)
http://news.livedoor.com/article/detail/11787600/

国土交通省は20日、滋賀県長浜市に計画されている多目的ダム「丹生(にう)ダム」の建設中止を決めた。
洪水調節の機能では、河川の掘削など他の方法と比べ、メリットはないと判断した。国のダム事業で、住民の集団移転完了後に建設中止が決まるのは初めて。

丹生ダムは国内屈指の多目的ダムとして計画され、平成8年には水没予定地の家屋40世帯の移転が完了。しかし、22年に国交省が事業再検討の対象としていた。
一方、同様に再検討の対象となっていた城原川(じょうばるがわ)ダム建設(佐賀県)、五名(ごみょう)ダム再開発、綾川(あやがわ)ダム群連携事業(いずれも香川県)は、継続すべきだと結論づけた。



追記を閉じる▲

【2016/07/22 22:02】 | 各地のダム情報
トラックバック(0) |
               嶋津 暉之

淀川水系・大戸川ダムを推進するという検証報告案を滋賀県、京都府、大阪府の知事が了承しました。
早期着工は求めないとしているものの、外堀は埋められた感じです。
それにしても、三日月大造滋賀県知事は予想通り、脱ダムとは程遠いひとです。
三日月氏は民主党政権発足時に国交省のダム担当の大臣政務官でしたが、河川官僚がダム検証を骨抜きにしていくことに何のブレーキもかけられませんでした。

◆滋賀・大戸川ダム継続、3府県が了承 早期着工は求めず
(京都新聞2016年 7月19日(火)
http://news.infoseek.co.jp/article/sankein_sk220160719000/

本体工事が凍結されている大戸川ダム(大津市)について、検証の結果、事業を継続するとした近畿地方整備局の対応方針の原案に対して、滋賀、京都、大阪の3府県は19日、それぞれ了承する回答を出した。だが、3府県とも同ダムの早期着工までは求めておらず、同整備局も凍結方針は当面維持する見通しだ。
ダム検証は旧民主党政権が2009年に全国83事業を対象に始めた。回答で滋賀県は「予断なく検証された結果」、京都府も「異論はない」、大阪府は「国の検討結果を尊重する」として了承した。滋賀県は5項目の要望書も出し、ダム予定地で進む県道付け替え工事の早期完成などを求めた。今後、国土交通省が継続を正式決定する。
本体工事を凍結としている同整備局だが、治水上、いずれダムは必要になるとの姿勢だ。京都府内の桂川と宇治川の河川改修などが進めば淀川の流量が増えることから、水位を下げるために上流の大戸川ダムが必要になるとする。だが同整備局は、本体着工に必要な淀川水系河川整備計画の変更時期について「白紙。各事業の進ちょくをみて判断する」と述べるにとどめている。
このため、府県側は検証結果としての継続方針と、着工判断は別と受け止める。三日月大造滋賀県知事は19日の会見で「今の段階で計画を変更する状況にない」と述べる。山田啓二京都府知事も14日の会見で、同ダムの優先順位は高くないとした08年の4府県知事意見に触れ、「全く考えは変わっていない」と強調した。
着工が必要となったとしても費用負担の議論が避けて通れない。同ダムの事業費は県道付け替えを含めて1162億円で、施工済み分を除くと残りは478億円。法定割合から推計すると大阪府約80億円、京都府約60億円、滋賀県約4億円の負担とみられる。
大阪府河川室の担当者は「計画変更の場合には費用負担の在り方など具体の意見を述べる」と指摘する。山田知事は県道工事の負担を「地元への約束」として認める一方、ダム本体は「緊急性のない工事に負担はしない」と明言しており、本体着工へのハードルは高い。


◆大戸川ダム、滋賀県が事業継続了承 国側原案に回答
(京都新聞 2016年7月19日(火))
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160719-00000011-kyt-l25

滋賀県は19日、大戸川ダム(大津市)の検証結果を受けて近畿地方整備局が事業の継続が妥当とした対応方針の原案に対して、「検証手続きにのっとり、予断なく検証された結果と考えている」として異議を示さず、了承する回答を提出した。
回答では「長い間ご心労をかけてきた地域の意向を尊重し、引き続き検証手続きを円滑に進めていただきたい」と記した。事実上凍結されている大戸川ダム工事を再開する場合、淀川水系河川整備計画の変更が必要となるため、あらためて県の意見を聞くよう要請した。
回答に添えて5項目の要望書を提出した。ダム本体工事の凍結後も予定地で進んでいる県道工事の早期完成、本体工事の判断に関わる淀川水系中・上流部の河川改修の影響について適切な検証を求めた。

■京都府は「緊急着手必要ない」
一方、京都府は回答で、近畿地方整備局の対応方針原案のうち、滋賀県道の工事継続については「異論はない」とした。ただ、ダム本体の工事は従来通り「現時点で府にとって緊急的に着手すべき事業でない」と主張。費用に関しても、「府が負担する理由はなく、現行の負担率を見直すべき」と指摘した。


◆滋賀)大戸川ダム「事業継続」同意 工事再開は慎重
(朝日新聞2016年7月20日)
http://www.asahi.com/articles/ASJ7M42RNJ7MPTJB00X.html

2009年に国が建設を凍結した大戸川ダム(大津市)について、滋賀県、京都府、大阪府の3知事は19日、「事業継続が妥当」とする国土交通省近畿地方整備局の方針におおむね同意する考えを同整備局に伝えた。ただ今後、事業継続が正式に決まっても、工事再開に必要な河川整備計画の変更には3知事とも慎重な姿勢を示している。

三日月大造知事は19日の会見で、同整備局の方針に同意した理由を「国が手続きにのっとり、予断なく検証した結果で異議はない」と説明。そのうえで、河川整備計画を今後変更する際には改めて県の意見を聴くよう求めた。

さらに、ダムだけに頼らない流域治水を基本とする従来の姿勢を強調。「ダムの治水効果は否定しないが、大戸川ダムについては(中上流の河川改修の状況などから)建設を位置づける段階にはない」と述べた。工事再開が議論になった場合の対応については、「国から示された時に判断したい」と明言を避けた。

整備局は2月、「治水上、ダム建設が最も有利」とする評価を提示。6月末に「事業継続が妥当」とする方針をまとめ、3知事に意見を求めていた。(佐藤常敬)

◆大戸川ダム事業、国交相が判断へ 滋賀など3府県、継続同意
(日本経済新聞2016年7月20日)
http://www.nikkei.com/article/DGXLZO05013360Z10C16A7LDA000/

2009年に国が建設を凍結した大津市の大戸川(だいどがわ)ダムの事業継続に滋賀、京都、大阪の3府県が同意すると19日回答した。これを踏まえて事業の適否は国土交通大臣が今後判断することになった。

ただ、3府県ともダム周辺の道路整備は容認したが、滋賀と大阪はダム本体工事の着手の判断を保留。京都は両府県に比べて慎重な姿勢で対応に違いが出ている。

3府県は同ダムが計画される淀川水系の流域にあり、ダム事業の継続方針について整備局から意見を求められていた。

滋賀県の三日月大造知事は同日の記者会見で「一般論としてダム自体の治水効果も全否定する立場でない」と断ったうえで「しかし現時点で大戸川ダムは、国の河川整備計画に位置づける必要はない」と述べた。同県は回答文書で改めて意見を述べることを示唆した。

大阪府の松井一郎知事も三日月知事と同様、ダム本体工事の着工は改めて意見を聴いてほしいと回答文書で伝えた。

京都府の山田啓二知事は回答文書で府にとって緊急的に着手すべき事業ではないという点に変わりはないと説明した。

同ダムは08年、滋賀県の嘉田由紀子知事、大阪府の橋下徹知事(いずれも当時)ら淀川流域の府県知事が建設凍結を求め、整備局は09年に凍結を決めた。国のダム事業検証を通じて整備局の検討会議は16年2月に同ダムが治水に有利であり、事業を継続すべきだと評価した。


◆大戸川ダム「継続妥当」 3知事が容認の意向
(関西テレビ2016年 7月19日)
http://news.infoseek.co.jp/article/sankein_sk220160719000/

建設工事が凍結されている淀川水系の大戸川ダムについて、滋賀、大阪、京都の知事たちは19日、事業の継続が妥当とする国の原案をおおむね容認すると近畿地方整備局に伝えました。
あの前の知事たちの考えとは反対の方向に進む可能性が出てきました。

【橋下徹・前大阪府知事】
「国と地方の関係のスタートになったのではないか」
【山田啓二・京都府知事】
「今回の決定を評価したい」
【嘉田由紀子・前滋賀県知事】
「知事意見を尊重していただいた決断と思います」

当時の知事などがこぞって評価していたのは大戸川ダムの工事を凍結するという国の決定です。
滋賀県大津市の大戸川ダムは総事業費1080億円で始まりました。
しかし、「緊急性が低い」ことや「多額の負担金」などを理由に淀川流域の4府県の知事が建設反対の意見を表明し、2009年に事業を凍結しました。

きょう・・・。

【三日月大造・滋賀県知事】
「国がダム検証の手続きにのって予断なく検証した結果と考えている」

今、国土交通省は全国的に7年前に掲げた「ダムを建設しない」とした計画の見直しを進めています。
大戸川ダムについても「ダム事業の継続は妥当」とする原案を示していて、自治体に意見を求めていました。
これに対して三日月知事は19日、概ね容認すると回答したのです。

また、京都府の山田知事や大阪府の松井知事も「国の検討結果を尊重する」などと原案をおおむね容認する方針を示しています。

【ダムの建設予定地に住んでいた人は】
「18歳の時に話が出て、今70歳やで。時の行政によって話が変わるのは納得いかん」

「バカにしとる。住民が犠牲になったり、悲しんだりしないといけない。喜ぶこと一つもない」

原案を容認する一方で、滋賀県などは「河川の流域への影響を検討する必要がある」と主張しているため、建設が再開されるかどうかは不透明なままです。


◆大戸川ダム 再開へなお慎重姿勢
(読売新聞2016年07月20日)
http://www.yomiuri.co.jp/local/shiga/news/20160719-OYTNT50103.html

◇知事「整備計画段階でない」

2009年に工事が凍結された大戸川ダム(大津市)について、「事業継続が妥当」とする国土交通省近畿地方整備局の対応方針原案に対する県の意見は「異議なし」としつつ、建設再開には依然、慎重な姿勢を示すものだった。地元に早期建設を望む声がある中、今後、建設再開に必要な国の河川整備計画変更への対応が焦点となる。

県は原案に異論を示さなかった大津、栗東、甲賀3市の考えも添えて意見表明。「検証手続きにのっとった結果」と反論はしなかった。

15日に流域住民が早期建設を望む声を反映するよう県に求めたことも踏まえ、整備局への要望に「中・上流部の河川改修の進捗(しんちょく)状況と影響を検証してほしい」と明記した。

ただ、建設再開については滋賀、大阪、京都、三重の4府県知事が「優先順位が低い」と主張し、工事凍結につながった経緯を踏まえ、「4府県知事の合意を変更する状況にはない」との姿勢を崩していない。三日月知事は19日の記者会見で「ダムの治水効果を全否定するわけではないが、まだ整備計画に位置付ける段階ではない」と述べ、今後の国の動向を注視する考えを示した。


◆「大戸川ダム、事業継続が妥当」 滋賀・大阪・京都3知事、地方整備局の原案容認
(産経新聞2016.7.19 11:36)
http://www.sankei.com/west/news/160719/wst1607190022-n1.html


建設工事が事実上凍結となっている大戸川ダム(大津市)をめぐり、滋賀県、大阪府、京都府の3知事は19日、「事業継続が妥当」とする国土交通省近畿地方整備局の原案をおおむね容認する考えを同整備局に伝えた。3知事の意見を踏まえ、国交相が案の適否を最終判断する。

ただ、仮に事業継続が「妥当」と結論づけられたとしても、工事再開には河川整備計画の変更が必要。3知事は変更には慎重な姿勢を示しており、すぐに再開につながるかは不透明だ。

滋賀県の三日月大造知事は19日の会見で、原案について「国が手続きにのっとり、予断なく検証した結果」と評価。一方で、河川整備計画を変更する際には、改めて県の意見を聴くよう求めた。

大戸川ダムは、国交省が治水専用ダムとして計画。しかし、ダム建設凍結を公約とした滋賀県の嘉田由紀子前知事ら流域4府県知事の意見を受け、平成21年に「本体工事は当面実施しない」と計画を凍結した。

同整備局は今年2月、河川の掘削などの治水対策案を検証した結果、コスト面でダム建設が有利との原案をまとめた。


追記を閉じる▲

【2016/07/21 01:29】 | 各地のダム情報
トラックバック(0) |
          嶋津 暉之

7月8日の国交省 「今後の治水対策のあり方に関する有識者会議」の議題になった城原川ダム建設事業、五名ダム再開発事業、綾川ダム群連携事業、丹生ダム建設事業について20日、国土交通省の対応方針が出ました。
丹生ダムは中止ですが、城原川ダム、香川県の五名ダム再開発、綾川ダム群連携事業は推進がきまりました。
城原川ダムの問題について私は昨年から多少は取り組みましたので、今回の結果は本当に残念です。

◇城原川ダム建設事業、五名ダム再開発事業、綾川ダム群連携事業、
 丹生ダム建設事業に関する国土交通省の対応方針について

http://www.mlit.go.jp/report/press/mizukokudo05_hh_000013.html
平成28年7月20日

ダム事業の検証に関して、城原川ダム建設事業、五名ダム再開発事業、綾川ダム群連携事業、
丹生ダム建設事業について国土交通省の対応方針を決定いたしましたのでお知らせいたします。

〇城原川ダム建設事業 ・・・ 継続
〇五名ダム再開発事業 ・・・ 継続
〇綾川ダム群連携事業 ・・・ 継続
〇丹生ダム建設事業 ・・・ 中止

http://www.mlit.go.jp/river/basic_info/seisaku_hyouka/gaiyou/hyouka/h2807/pdf/sanko01.pdf

ダム事業の検証については、平成22年9月に「今後の治水対策のあり方に関する有識者会議」により「中間とりまとめ」が示され、個別ダムについて検証が行われてきたところです。
この度、城原川ダム、五名ダム再開発、綾川ダム群連携、丹生ダムの4事業について、平成28年7月8日に開催された「第35回今後の治水対策のあり方に関する有識者会議」の審議を踏まえ、別紙のとおり国土交通省の対応方針を決定いたしました。

なお、本件に関する事業評価については、「水管理・国土保全局関係事業における事業評価について」
http://www.mlit.go.jp/river/basic_info/seisaku_hyouka/gaiyou/hyouka/h28.html)により、別途公表しています。

【2016/07/21 01:23】 | 各地のダム情報
トラックバック(0) |
           嶋津 暉之

富山県の直轄ダム「利賀ダム」について北陸地方整備局は事業継続の検証報告原案をまとめ、7月15日に開かれた北陸地方整備局事業評価監視委員会で了承の答申を得ました。
来年度予算の概算要求に間に合わせるべく、検証の結果が出ていないダム事業の検証作業が各地方で急ピッチで進められています。
7月14日には水資源機構の思川開発の検証原案について関東地方整備局の事業評価監視委員会が了承の答申を出しました。
近いうちに国土交通省本省の「今後の治水対策のあり方に関する有識者会議」が開かれ、大戸川ダム、利賀ダム、思川開発、筑後川水系ダム群連携の検証結果を了承し、そのあと、国土交通大臣の方針が出ます。
本当に残念ですが、これらのダム事業についてゴーサインが出ることになります。

2010年から開始されたダム検証において、未検証の直轄ダム・水資源機構ダムは木曽川水系連絡導水路のみとなりました。

◆利賀ダム建設の事業継続妥当…国交省報告書原案
(読売新聞2016年07月16日)
http://www.yomiuri.co.jp/local/toyama/news/20160715-OYTNT50326.html

民主党政権時代の2009年に本体工事が凍結された国の直轄ダム「利賀ダム」(南砺市、総事業費1150億円)について、建設の是非を検証している国土交通省北陸地方整備局は15日、事業継続が妥当とする報告書の原案をまとめた。
安全やコストなどの面から複数の治水対策を比較した結果、ダム建設が最も有利と判断した。
富山市内でこの日開かれた有識者による専門家会合でも、原案は妥当と了承された。

関係する地方自治体の代表として、石井知事は「建設事業の継続を妥当とする報告書の原案に異議なし」と文書で意見を寄せた。同局は今後、正式な報告書をまとめて国土交通省に提出する。

【2016/07/16 21:25】 | 各地のダム情報
トラックバック(0) |
             嶋津 暉之

田んぼダムがどんどん広がってほしいと思います。

◆「田んぼダム」全国拡大中 下流域の浸水被害減
 梅雨末期は豪雨多発・・・洪水防げ

(日本農業新聞 2016年7月15日(金))
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160715-00010001-agrinews-soci

 梅雨末期の豪雨による洪水を防ごうと、新潟発の「田んぼダム」が各地に広がっている。排水口に調整管や板を設置し、水を一時的に田んぼにためておく仕組みだ。新潟県三条市大和地区では、水田437ヘクタールに調整管を設置、取り組みは県全体で1万ヘクタールを超えた。地球温暖化が進み、年々集中豪雨が増える中で、米作りが地域の防災に貢献している。
「田んぼダム」全国拡大中

排水口に調整管設置 新潟県1万ヘクタール超

 三条市大和地区は、田んぼダムに積極的に取り組む見附市の下流に位置する。同地区を事業区域とする刈谷田川土地改良区が、多面的機能支払交付金を活用し、底穴5センチ、深さ33センチの円すい型の「見附モデル水位調整管」の設置を呼び掛けたことで、導入する農家が増えてきた。

 設置は簡単で、田んぼの排水口に差し込むだけ。水田が本来持っている「水をためて、ゆっくり排水させる機能」を調整管で一層、強化したのが特徴だ。2011年7月の新潟・福島豪雨では、実際に下流域の浸水被害が減った。同改良区の高橋幸一総務課長は「水田には多面的な機能がある。ダムとして活用し、下流域の洪水を防いでいきたい」と話し、今後も設置を増やす考えだ。

 見附市でも梅雨末期の豪雨に備え、調整管2700本の一斉点検が始まった。正しく設置し、田んぼの貯水能力を最大限に発揮させるのが狙いだ。点検は、農家でつくる見附地区圃場(ほじょう)施設維持管理組合の地域代表12人が7月中に2回、実施する。調整管の破損や、ごみが詰まっていないかを確認する。同市は、調整管の維持のため1本500円の管理費を助成している。
 同組合長で米農家の加藤久夫さん(67)は「田んぼダムを通して、農家や住民の防災意識が高まっている」と評価する。

・兵庫、福井 北海道でも

 田んぼダムは、02年に新潟県村上市(旧神林村)で始まって以来、全国各地に広がっている。15年度は県内15市町村で導入され、1万2000ヘクタールまで広がった。

 総合治水条例を制定した兵庫県では、15年度末に29市町村、2200ヘクタールで導入が進む。福井県鯖江市も5年前から治水対策として着目。土地改良区や農家に協力を呼び掛け、694ヘクタールで調整板を設置した。この他、北海道や愛知、富山各県などでも始まっている。

 田んぼダムに詳しい新潟大学農学部の吉川夏樹准教授は「各地で水害が多発する中、効果的な予防策として注目され、新潟から全国に普及している。これからは田んぼダムを地域で維持する仕組みづくりが求められる」と指摘する。


追記を閉じる▲

【2016/07/16 21:19】 | 新聞記事から
トラックバック(0) |
              嶋津 暉之

熊本地震で熊本市が水道施設の復旧にいかに取り組んだかについての連載記事を紹介します。

◇水道インフラの復旧に、熊本市はどう立ち向かったか(前) 熊本市上下水道局
(Net IB News 2016年07月13日)
http://www.data-max.co.jp/post_226_0713_ib1806_01/

活火山を有す、”火の国”というイメージもある熊本だが、これまで大規模な地震は少なく、西方沖地震(2005年)を経験した福岡市同様、熊本は地震に対してさほどの警戒心を持っていなかった。そこに青天の霹靂となる直下型の大地震が熊本を襲った。もちろん、地震の影響で熊本市における水道管は破損。各地で水道水の供給に支障が生じた。誰もが早期の復旧を願っていた。だが、16日の本震により前震に耐えていた管路も持ちこたえられず破損が相次ぎ、水道水の供給が停止。都市機能が麻痺状態となった。
水の確保のために、熊本市上下水道局は不眠不休で復旧に尽力。同局の奮戦を交えながら、今回の地震における水道関連の現状と課題を検証してみる。

水源は100本超える井戸、地下水湧き出る水源都市熊本

 熊本市の水道事業は1924(大正13)年に給水を開始している。今もなお現在の水道水源は天然の地下水である。ここが九州管内でも同じ政令指定都市の福岡市と大きく異なる点である。福岡市の水源は8つのダムや近郊の河川、福岡地区水道企業団からと3つに分類される。年間の総取水量は1億4,662万m3(2009~13年度までの5年間の平均値)。水源としてダムが38%、近郊河川35%、同企業団からの取水27%の比率となっている。
 対して熊本市の総取水量は8,063万m3(09~13年度までの5年間の平均値)である。福岡市の人口は154万3,417人であるのに対し、熊本市は74万648人(ともに16年3月1日現在)。1人当たりの平均年間取水量は福岡市が約95.2万m3、熊本市が約108.9万m3と熊本市がやや多い。

 では、熊本市の管路状況を見てみよう。熊本市上下水道局が管理する水道の管路総延長は約3,366km。水源地は52カ所(取水井戸113本)、送水施設は19カ所、配水施設67カ所を有する。内訳は、取水井戸から浄水処理前の原水を調整池・集水槽に送る導水管が約45km。その調整池・集水槽から飲用可能な状態に処理された水を配水池に送る送水管が約57km、そして配水地以降の水を供給する配水管が約3,264kmとなっている。
 これに対して福岡市は管路総延長約4,131kmで、配水管は約3,972km。従って導水管・送水管の合計は約159kmとなる(13年度末現在)。これから見ると熊本市は地下水の取水主体なので、導水管・送水管の合計は約約102kmと短く、福岡市の方が県内のダムからや筑後大関などからの取水で長い管路を有していることがわかる。また、熊本市は福岡市に比べて人口は約半分となるものの、管路総延長は福岡市の約4,131km対して約3,366kmと人口如何に関わらず都市にはこれだけの水道管施設が必要かわかる。

 今もなお火山活動している阿蘇中岳を有し”火の国”としての顔を持つ熊本。そのほかで良質な地下水源持つなどが豊富な資源の一面を持っていることは有名。「熊本では、ミネラルウォーターが売れない。それは、地下水が豊富にあるから」と耳にしたことがある。それほど豊かな水資源を持つ地域である。広大な土地もあることから大量の水を使う大手工場が進出しているのも納得である。

耐震化は全体の22%止まり、急がれていた整備事業

 地震とは無縁と思われた熊本でも、管の耐震化は進められてきた。14年度末における熊本市内の耐震適合性がある管(いわゆる耐震管以外でも管路が布設され、耐震性があると評価できる管)と耐震管は配水の基幹となる導水管・送水管、直径350mmに限ると耐震化は74%に達していた様子で、配水の基幹となる管などは耐震化がなされた。だが、すべての管路の耐震化が進んでいたということはなく、14年度末においても、耐震化はまだ22%にして進んでいなかったのだ。
 同局が掲げる「新水道ビジョン」に基づき老朽化した水道施設の機能強化を図り、耐震化、水運用の強化などのバックアップ体制の構築を行う計画があった。また、中長期的視点で2053年までを対象としたアセットマネジメント手法を活用し、将来的な財政収支を検討しつつ、配水管の更新を実施することになっていた。
 その背景には法定耐用年数の1.5倍を超過した管路や、鋳鉄管や硬化ビニル管など耐震性が低く、継手からの漏水、破損事故の発生頻度が高いとされる管などが多く存在していたことも事実である。そこで、09~21年まで約326億円の予算をかけて約212kmを整備する水道施設整備事業の計画と、10年から28年にかけて第6次拡張事業によって耐震化を図るとしていたのだ。
 豊富な水資源を持つことで渇水と縁がないイメージがある熊本市。福岡市のように海水を淡水化することもなく、近隣都市部から送水して水源の確保に力を注ぐこともないので、自前の水源で水を確保できる。近年、大地震の経験もない。だが、その安心感が耐震化の遅れを招いていたこともあったかもしれない。まさか、直下型の地震が熊本で起こるなどと誰が予想しただろう。いずれにせよ、未曽有の災害が熊本を襲ったのである。

◇水道インフラの復旧に、熊本市はどう立ち向かったか(中)
(Net IB News 2016年07月14日)
http://www.data-max.co.jp/post_227_280714_ib1806_02/

2度にわたる地震で管路は寸断、不眠不休の職員の奮闘

<4月14日の状況>

 2016年4月14日21時26分、熊本県熊本地方で震度7を観測する強い地震を観測した。地震に馴染みのない熊本からすれば”青天の霹靂”である。
 14日の地震発生後、通常運用している96本の井戸のうち、69本で濁度が上昇して自動停止。このため、供給される水量は著しく低下した。14日の地震直後の状況を聞くと日付が変わった午前0時30分頃には市内各所に断水が発生していることが明らかになってきた。熊本上下水道局ではホームページによる広報を開始。深夜だが状況の把握に動いた。午前4時30頃「濁水は飲料不可」との呼びかけを開始(その間でも職員による手作業による地道な排水作業が行われていた)。だが、井戸の本数の多さや地震直後の混乱などもあり、作業は難航していた。職員の使命は早急に復旧を行い、水源を確保することだった。
 15日の10時頃には市内各所で濁水および断水の状況を確認。この時点で約5万7,000世帯に断水の影響がおよんでおり、早急な対策を打ち出し応急給水ポイントを市内11カ所に設置し、職員による応急給水活動が開始された。また、懸念されていた配水管の漏水のほか、沼山津、健軍に布設されていた直径800mmの送水管にも漏水が発見された。配水管にも影響が出てきたのだ。地震の被害が明らかになるにつれて、生活インフラの要である水の供給が困難になりつつあった。
 11時30分には中心市街地に緊急節水警報を発令。併せて市民に節水の呼びかけが行われた。4月30日の気象庁発表によると4月14日21時26分から本震となる16日1時25分寸前までに発生した震度6弱以上の地震は3回。最大震度は6弱~7、マグニチュードは5.8~6.4を観測したのだ。とくに震源地とされる益城町に近い市内北部では、かなりの被害とその影響が明らかとなった。

 交通関係では「JR九州は、九州新幹線の博多~鹿児島中央間、鹿児島本線の荒尾~八代間、豊肥本線の熊本~宮地間、肥薩線の八代~吉松間、三角線の宇土~三角間で運転見合わせ。新幹線は、脱線事故の影響で運転再開の見込みが立っていない。一方、高速道路では、九州道で南関IC~えびのIC間、益城料金所~嘉島JCT間、南九州道で八代JCT~日奈久IC間において通行止めとなっている。また、熊本空港では、午前中の4便が欠航、2便に遅れが出る予定」と一報が入っていた。ただ市内を走る路面電車はダイヤが乱れていたものの始発から運行を開始していた。建物の倒壊も激しく、熊本市のシンボルである熊本城も石垣が崩れ、天守閣の瓦もいくつか落ちるなどの被害を受けるなど、混乱は続いていた。

 市民はスーパーや小売店、コンビニに駆けこんだ。店舗では水、お米、カップラーメン、水以外の飲料水、カセットコンロおよびカセットボンベ、トイレットペーパーなどを販売している。復旧作業も商品の調達見込みが立たない状況のなか、販売していたが「とくに水を求められるお客が増えている」といった販売先のコメントが寄せられていた。県内の一部地域では断水となっている影響で、水はすぐに品薄状態になった様子が見られた。
 しかし、この時点では大きな地震は過ぎ去り、峠は越えた雰囲気が漂っていたのはたしか。政府も15日に「全避難者の屋内避難」の方針を打ち出し、熊本県の蒲島郁夫知事が「現場の気持ちがわかっていない」と反発する一幕もあった。それでも余震は続き、倒壊する可能性もあったが怖くて部屋の中にいられない状況が続いた。そして、本震となる16日の午前1時25分に向かって時計の針は確実に進んでいた。

<まさかの本震となった4月16日>
 4月16日午前1時25分。本震となる震度7、マグニチュード7.3の大地震が発生したのだ。
 この本震は昼夜問わず復旧に当たっていた職員らにさらに追い打ちをかける事態となったのだ。熊本市上下水道局の担当職員は「通常運用している96本のうち69本の井戸の濁度が上昇し自動停止してしまいました。せっかく14日の大地震の後、手作業で約1日半かけて排水作業を行い、ようやく復旧のメドが立ったのに…」と当時の状況を語る。マンパワーを駆使し、ようやく供給できる状況にあったにも関わらずに、再度、いやそれ以上に深刻な状況に陥ったのだ。
 緊急遮断弁が作動したことで災害対策用貯水施設22カ所に6万50m3の水は確保された。しかし、基幹管路となる沼山津の導水管をはじめ、送水管、配水管すべての管の漏水が発生。すでに手が付けられない状況になっていた。「とくに、1回目の地震で耐えていた接合部分が、今度は耐えきれず破損していたものが多くありました。基幹となる管を先に掘り起こして取替作業を行い、順次供給する以外になく余震に耐えながら作業を行う姿が目に浮かぶ。

 この本震の影響で熊本市給水戸数の23万戸が断水。しかも配水支管、給水管をはじめ多くの管路で漏水が発生した様子が見られたが、当時の状況下では総数は把握できずにいた。

◇水道インフラの復旧に、熊本市はどう立ち向かったか(後)
(Net IB News 2016年07月15日)
http://www.data-max.co.jp/post_226_0715_ib1806_03/

3段階で復旧活動、地震に耐えた新築庁舎から指揮

地震による被害から早急な復旧の方針を固めた熊本市上下水道局。この方針に従って、職員は動いた。まずは「水源の確保」そして「基幹管路の復旧」最後に「末端地域の復旧」と段階的に着手。また、被災者の不安感の軽減、早期の生活の安定を目指し、16日の本震から3日間で可能な限り通水試験を行い、各戸の給水復旧を急いだ。

 「水源の確保」においては、水源となる井戸の応急復旧を最優先として、配水可能な水の確保を大前提とした。そして4段階に分けた応急給水の目標を掲げ、第1段階となる目標値は地震発生から3日目までは3L/人・日としつつ、第2段階となる3~10日目は20L/人・日、第3段階の10~20日は100L/人・日、最終目標となる第4段階は20~28日目には230L/人・日としたのだ。この応急給水活動には4月15日から5月6日まで104団体(98都市)、延べ4,306名の支援を受けた。市では給水車や車載用タンクによる応急給水を準備していたが、想定をはるかに超える断水となり、他都市や自衛隊による給水支援を受けることで、なんとか対応できた。
 次に「基幹管路の復旧」では、最重要排水拠点である健軍配水池からの通水を4月16日から開始。沼山津の直径800mmの送水管の通水を開始するなど復旧対策の糸口が見えてきた。
 最後に「末端地域の復旧」として配水池から試験通水を開始し断水地域の解消のために漏水対策を行った。この配水管等の漏水修理を担当したのは熊本市管工事協同組合の面々。日本水道協会九州支部に応援を要請し健軍・秋田配水地区の漏水調査を実施し、4月19日から47都市延べ5,450名が応援に駆け付けてくれた。

このように段階的かつ早急な作業を行ったことで4月26日には断水地域は完全に解消し、全区域の適正水圧で安定した配水をすることが可能となった。その後万日山、徳王、北部(和泉)、城山となる4つの配水区で計画断水を行い配水池の水量を確保。4月30日に通水試験を終えて、最後まで供給できていなかった城南町築地地区への水道水の供給が確認されたことで、熊本市の全域で水道水の供給が確認された。これは大西一史市長も会見を開き市民に報告を行ったのだ。
 4月16日の午前5時10分発表の4時30分現在市内全域で断水状態から、順次通水情報をホームページに公開。4月30日における完全通水100%まで85回もの情報更新が行われた。水道水が来るのを心待ちにしている市民へ水の供給を第一とし、断水から約2週間で完全復旧を成し遂げたのだ。
 その市民の不安を少しでも解消するために電話受付を開始。「水がでない方専用コールセンター」を立ち上げて市民からの情報をもとに復旧活動に反映させた。4月25日には1日最大の6,139件の入電数があったが、減少傾向となり5月13日現在では100件を割るようになった。

1カ月間で1年分の修理件数、政府へ特別措置を要望

4月14日から5月14日までの漏水通報及び漏水調査による発見件数は5,070件(5月14日現在)、そのうち上下水道局での対応分は3,772件、対応済みは2,524件(約67%)となっている。このうち、修理済みは約160件。これは熊本市上下水道局が年間で取り扱う件数に相当する。しかも、管路被害については、まだ多数の漏水が確認されており、今後も修理が不可欠である。
 このため市では「上水道施設災害復旧費の国庫補助について、補助率をかさ上げするとともに、供給管修理や漏水調査なども補助対象とするなど、政府に対して採択要件を拡大する特別措置の要望を行っています」と政府への特別救済の一環として要望している。
 熊本市上下水道局では、06年度から管路の耐震対策として耐震管の布設を開始。災害時などにおいても各配水区間で水の融通ができるように配水管網の整備に着手してきたところだった。だが、今回の地震により施設に大きな被害を受けた。その復旧費用に加え、今後の減災対策などについても検討の見直しを図らざる状況にある。「今後はこれまで以上に管路の耐震化を取り組んでいくことになる」と担当者は語る。

 九州の地震安全神話はすでに瓦解しており、いつどこで地震などの災害が発生するのか誰にもわからない。ただ、災害に負けず、水を市民に供給する使命を持つ人たちのおかげで人間に一番不可欠な”水”が使えるのだ。この地震を教訓にして災害対策が図れる安全な都市づくりが進むだろう。

(了)


追記を閉じる▲

【2016/07/16 01:51】 | 未分類
トラックバック(0) |