「ダム建設の時代は終わった」by米国内務省開拓局長官ウィリアム・ピアーズ
               嶋津 暉之

「設楽ダムの建設中止を求める会」から会報42号を送っていただきました。
その会報に、設楽ダム建設基本計画の変更案について現在、愛知県への意見照会が行われていると書かれています。
基本計画の変更内容は、事業費を2070億円から2400億円に増額し、工期を2020年度から2026年度に延長するものです。

しかし、設楽ダムに関してはダム検証が2014年4月に終わり、その検証で事業費の点検が行われています。
その検証報告の事業費点検では、2070億円が2094億円になるというもので、24億円の増額でした。
24億円の増額であったものが、2年後に330億円の増額に変わっているのです。

理解しがたいので、中部地方整備局河川計画課の設楽ダム担当者(馬淵氏)に聞いてみたところ、その後の2年間の物価変動、消費税アップ等により、330億円の増額になったという答えでした。
消費税のアップは50億円程度ということですから、大半は2014年4月からの2年間の物価変動によることになります。

この2年間でそのような物価変動があったのでしょうか。
この2年間の物価変動で約200億円の増額ならば、他の計画中・建設中のダム事業も事業費のそれなりの増額が避けられないことになります。

あるいは設楽ダムの検証時の事業費点検がいい加減であったのでしょうか。
ダム事業ではわけのわからないことがまかり通っています。

設楽ダム建設基本計画の変更案の内容がオープンにされないまま、愛知県に意見照会が行われているのも理解することができません。

【2016/06/28 23:07】 | 各地のダム情報
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            嶋津 暉之

東シベリアのバイカル湖に注ぐセレンゲ川にモンゴルが計画中の水力発電用ダムについての記事をお送りします。
バイカル湖はとてつもなく大きな湖沼ですね。
ウィキペディアによれば、湖水面の面積が31,494 km²(琵琶湖のおよそ46倍)、貯水量が 23 × 104 km³(230兆立方メートル)もあります。

◆バイカル湖に「リスク」 プーチン大統領、モンゴルのダム計画に懸念
(SankeiBiz2016.6.24 13:35)
http://www.sankeibiz.jp/macro/news/160624/mcb1606241335026-n1.htm

ロシアのプーチン大統領は23日、東シベリアのバイカル湖に注ぐセレンゲ川にモンゴルが水力発電用のダムを建設すれば、湖の周辺住民への水供給だけでなく、湖固有の生態系にも「一定のリスク」を及ぼすとして、懸念を示した。

ウズベキスタンの首都タシケントで、モンゴルのエルベグドルジ大統領、中国の習近平国家主席と共に3者会談を開いた際に表明した。中国の資金援助を受けた同ダムの計画は、環境団体からも批判されている。

プーチン氏は、モンゴルの電力不足は深刻だと指摘し、ロシアは問題解決のため電力輸出を増やせると提案した。
氷結していない地上の淡水の約2割をたたえるロシアのバイカル湖は固有種が豊富で、世界自然遺産に指定されている。
3首脳は会談で、経済連携を強化する「経済回廊」の創設計画にも合意した。(共同)

【2016/06/28 23:05】 | 各地のダム情報
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            嶋津 暉之

黒部川の出し平ダムと宇奈月ダムで今年も連携排砂が行われました。
両ダムからの排砂は富山湾の漁業に大きなダメ―ジを与えているとして、裁判で争われましたが、残念ながら、2011年の名古屋高裁での和解で、裁判闘争が終わってしまいました。
しかし、排砂は海だけでなく、当然のことながら川の下流にも少なからず影響を与えています。
この記事によれば、「下流では秋になると、川に付着する藻類がケイ藻類からラン藻類中心に急変するなど、近年、植生に変化が表れている」のことです。

◆「連携排砂」始まる 黒部川の2ダム
(中日新聞北陸版2016年6月26日)
http://www.chunichi.co.jp/hokuriku/article/photo/CK2016062602100025.html

関西電力と国土交通省は二十五日、富山県黒部市の黒部川上流の出(だ)し平(だいら)ダムにたまった土砂を下流に流すため、ダムのゲートを開放する「連携排砂」を始めた。

 黒部川は急流で、流域の地質も崩れやすいため、ダムには大量の土砂がたまる。毎年、まとまった雨量がある梅雨時に同ダムと、約七キロ下流の宇奈月ダムのゲートを開放し、土砂を排出している。

 同日早朝、出し平ダムへの水の流入量が排砂の基準となる毎秒二百五十立方メートルに達したため、ダムの二つの排砂用ゲートを開けた。午後には宇奈月ダムのゲートも開放した。

二十六日朝までに両ダムの排砂が完了する予定で、今年は例年並みの二十九万立方メートルの排出を見込む。

 下流では秋になると、川に付着する藻類がケイ藻類からラン藻類中心に急変するなど、近年、植生に変化が表れている。国交省は今年九月以降、環境調査をして連携排砂との関連の有無を調べる。 (伊東浩一)

【2016/06/28 22:36】 | 各地のダム情報
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東京新聞特報部が石木ダムと水道料金の問題を大きく取り上げています。
もしも石木ダムを造ったら佐世保市民は下記の三重苦を負うことになります。
 1.水は売れない
 2.過剰投資による起債の返済苦
 3.老朽化施設の更新に手を付けることができない

◆こちら特報部・各地で水道料金上昇 漏水…老朽管対策が先
建設反対 長崎・石木ダムのケース

(東京新聞 6月27日)

水道料金が全国でじわじわと上がってきている。
消費者物価でみれば、この二十年で電気代以上の上昇だ。
背景には老朽化による更新費用の増加と、人口減少に伴う使用料の減少による収入減、なによりダムの建設費用がある。
老朽化と人口減少は止めようがない。
となれば、ダムの建設計画の見直しは必至なはずだ。
長崎県の石木ダム建設計画の現場を訪れた。
垣間見えたのは「将来世代への付け回し」というお役所の論理だった。
(一部引用)

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【2016/06/28 01:00】 | 石木ダム
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          嶋津 暉之

6月21日に思川開発事業(南摩ダム)の「関係地方公共団体からなる検討の場」が東京で開かれました。

関係都県、関係区市の首長(または代理)が出席する「検討の場」は今回が最初で、且つ、最後であって、関東地方整備局と水資源機構による検証はまもなく終了します。

このあと、思川開発を推進するという検証報告案を国土交通省に報告し、有識者会議が形だけの審議を行って、国土交通大臣が方針を決定します。

思川開発は治水利水の両面で必要性がない事業なのですが、事業推進の検証結果になりつつあります。

6月21日の会議の配布資料が水資源機構のHPに掲載されています。

◆検討の場(第1 回)・第7 回幹事会(平成28年6月21日開催)
http://www.water.go.jp/honsya/honsya/verification/omoigawa.html

思川開発の検証案に対してパブリックコメントで多くの人がその問題点を指摘する意見を述べたのですが、検証結果には残念ながらまったく反映されませんでした。

パブリックコメントで出された意見は下記をご覧ください。 
http://www.water.go.jp/honsya/honsya/verification/pdf/omoigawa/07_09sankou01_pabulickcoment.pdf 

しかし、このまま、思川開発が推進されるのは黙って見ているわけにはいきません。

【2016/06/25 17:04】 | 各地のダム情報
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            嶋津 暉之

国交省等の河川管理者は計画中・工事中のダムを何としてもつくろうとしていますが、全く新しくダム計画を策定するという時代ではなくなっています。

そのような時代に各地で推進されようとしているダム工事の仕事は既設ダムの改造です。
このダム改造を取り上げた日経コンストラクションの記事を参考までにお送りします。

なお、この記事の最初で、昨年9月の鬼怒川水害で、上流4ダムが役に立ったという話が紹介されていますが、これは一方的な見方です。

鬼怒川水害の真相については八ッ場あしたの会のHPの二つの記事をお読みください。

◇鬼怒川水害の原因に関する嶋津暉之さんの講演
https://is.gd/fSTpue
 
◇鬼怒川水害における上流4ダムの治水効果
https://is.gd/9Ymk8E

◆豪雨で脚光浴びるダム改造 第11回:ダム再開発
(日経コンストラクション2016/06/21)
http://kenplatz.nikkeibp.co.jp/atcl/cntcolumn/15/111900002/051300017/

 ダムは「税金の無駄遣い」、「自然破壊」といったレッテルを貼られがちのインフラの代表格と言えるでしょう。構造物を造る箇所は、自然豊かな山間部になりますし、事業期間が長期にわたるので、当初の建設計画と実際に完成に至った時とでは、事業費や利水ニーズなどが大きく変わることが多いからです。

 しかし、ダムの重要性が見直される機運が出始めています。豪雨が多発する半面、降雨が少ない時期が目立ち始めるなど、極端な気象が数多く襲い掛かっているからです。気象庁が示す観測結果では、大雨の観測回数は長期的に上昇トレンドを描いており、今後の予想でも、大雨の発生頻度は増すと見込んでいます。

気象庁が21世紀末の気候を予測した「地球温暖化予測情報 第8巻(2013年)」の情報に基づく。大雨の発生頻度が増加する地点が全国に広がるという予測結果となっている
ダムがなければ浸水面積が1.3倍に

 関東・東北豪雨の際、鬼怒川上流に位置する湯西川ダム、五十里ダム、川俣ダム、川治ダムでは、合計約1億m3の水をため込みました。国交省では、このダムの貯水効果によって、決壊地点での水位を約30cm分抑えられたと計算しています。

 この豪雨によって茨城県常総市域であふれた水の量は、約3400万m3とみられていますが、ダムがなければその数字は約2倍の6200万m3ほどに達したと算定されています。浸水面積については、約1.3倍の50km2ほどに拡大すると推定されました。

2015年に発生した関東・東北豪雨で鬼怒川が決壊した水害で、ダムの有無による被害の程度の違いを試算した結果。浸水エリアを示す(資料:国土交通省関東地方整備局)

 こうした豪雨の際にダムの効果を具体的に示す取り組みは、数年ほど前から国交省が積極的に実施しています。2013年の台風18号が近畿地方にもたらした豪雨で日吉ダムが果たした役割を算定した際には、経済的な損失を含めた数字を示しています。

 この豪雨では、観光地として有名な京都・嵐山周辺で浸水被害が生じました。それでも、国交省は日吉ダムの運用によって桂川の久我橋付近での堤防決壊リスクを抑えたり、浸水被害が出た渡月橋付近での水位を50cmほど低減できたりしたとみています。
 国交省は、ダムによる被害抑止の金銭的効果が約1兆2000億円に上ったと見込んでいます。日吉ダムの事業費は約1836億円だったので、額面だけを比べれば相当の効果を発揮したといえるでしょう。

2013年に近畿地方を襲った豪雨がもたらした桂川周辺の浸水被害について、1998年に運用を開始した日吉ダムの効果を試算した結果。渡月橋周辺では、ダムの存在によって浸水被害を軽減できたと推定された。国土交通省の資料をもとに日経コンストラクションが作成

 もちろん、効果の算出には様々な仮定も含まれるので、額面通りの効果があったか否かを簡単に評価することはできません。それでも、ダムによって洪水被害が軽減でき、地域の生活や経済活動を守っているという部分は間違いないでしょう。

 豪雨による被害は、ダムだけでは防げません。それでも、ダムが川の流域の安全性を高めている点は、これまで以上に無視できなくなっています。

 このところ、国土交通省はダムの効用を広く伝えようという姿勢を強く打ち出しています。近年の豪雨では、ダムの活用による治水効果を具体的な数字を交えて積極的に公表。その重要性をアピールしています。

 例えば、2015年9月に発生した関東・東北豪雨において、鬼怒川上流に位置する四つのダムの効果を算定し、ダムがなかった場合との被害状況の違いを数字で示した点はその一例です。

時間や費用を改造で抑える

 豪雨などのリスクが高まっているからといって、国内で新たなダムを次々に建設していくことは、費用の面でも時間の面でも現実的ではありません。

 そこで脚光を浴びているのが、既存のダムを改良するという手法です。経年によるインフラの老朽化が社会的な関心を集めるなか、既存施設をリニューアルして将来も役立てていこうという手法は、社会的理解の獲得という点でも有効です。

 国が管理するダムを中心に、現在、様々な改造事業が進んでいます。ダムの改造は、コストや時間の面でメリットがあることは、既に述べましたが、既存施設を運用しながら工事しなければならないという点は難題となります。

 ここからは、そうしたダムの機能を高める典型的な改造事業のいくつかを紹介していきましょう。

 最初に紹介するのは、既存ダムのかさ上げ工事です。既存ダムの堤体の上部に、新たにコンクリートを打設して天端高さを上げ、洪水調節容量を増やす手法です。北海道内で国交省が事業を進めている新桂沢ダムや、新潟県が工事を進める笠堀ダムが、この手法を採用する代表例と言えます。

笠堀ダムの2015年4月14日時点の施工状況。下流側堤体上部に仮設構台を設置して、かさ上げ・増し打ちコンクリートの準備を進めているところ(写真:奥野 慶四郎)

高さ4mでかさ上げ

 かさ上げの場合、現場の地質や地形などの条件を考慮する必要があります。重力式コンクリートダムで、堤体の高さが74.5mの笠堀ダム。この上水道や農業用水、水力発電といった用途に用いる多目的ダムでは、必要な治水機能をダムだけで確保しようとすると堤体を10m以上かさ上げする必要がありました。

 しかし、そこまでのかさ上げはできませんでした。現場の上層の地層がやや弱いうえに、地形上の理由も重なり、堤体重量を大幅に増やす手法の採用が難しかったからです。

 そこで、堤体の高さを少しずつ変えた場合の洪水調節容量などを算定したうえで、高さを4mかさ上げして河道改修といった対策を組み合わせる方法を選択しました。

 同ダムのかさ上げ工事では、堤体の重量を確保するために、下流側の堤体にコンクリートを増し打ちします。堤体の上部から約45mの範囲で、水平方向に厚さ2mのコンクリートを施工するのです。堤体のコンクリート量は約2万m3増え、既存のダムで4mだった天端の幅も2m広がります。

既設の笠堀ダムをかさ上げする工事の概要と洪水調節容量の変化(資料:鹿島・福田組・小柳建設JV)

堤体に穴を開ける

 放流施設を増強して、豪雨時のダム運用の幅を広げて浸水被害を防ぐ動きも出ています。この際の放流施設には二つのパターンがあります。一つは、既存の堤体自体に放流用の施設を設置するケース。もう一つは既存の堤体をかわすように、ダムの上流から下流に向けてバイパストンネルを構築するケースです。

 ダムの堤体に放流管を設置している代表的な現場は、鹿児島県内に建つ鶴田ダムです。同ダムは、1966年に完成した重力式コンクリートダムで、堤体に放流管を設置するための穴を開ける工事を進めてきました。放流管と発電管の合計5本を設けています。穴開け工事は、鹿島・西松建設JVが担当しました。全体の工事は、2017年度に終える予定です。

鶴田ダムの堤体に放流管を増設する工事の概要(資料:国土交通省川内川河川事務所)

 増設する放流管ののみ口は、堤体天端付近の洪水時最高水位の約65m下にあり、堤体内の削孔長さは約60mに及んでいます。増設管としては、日本で一番深くて長いものです。自由断面掘削機を用いて6~6.4m角の矩形断面を、毎時3m3のペースで堤体の下流面から掘り進めました。


 既存堤体に穴を開ける工事なので、増設する管の周辺に発生する引張力が堤体に悪影響を与えるリスクが想定されました。そこで、工事に際してはFEM解析の実施や、事前に試験的に穴を開けるなどして、問題なく施工できることを確かめてきました。

 この工事によって、放流管の位置は既存の位置よりも最大約25m下がります。その結果、鶴田ダムの洪水調節容量は、それまでの約1.3倍の9800万m3まで増加します。ダム改造に要する事業費は711億円となる見通しです。

 この改造によって、ダムの洪水調節容量は毎秒870万m3から毎秒1050万m3に増えます。事業費は51億円で、工事を担うのは鹿島・福田組・小柳建設JVです。14年度に始まった工事は、17年度まで続く見通しとなっています。

削孔とワイヤソーで切り欠く

 既存の堤体に新たな水の排出ルートを設けるという点では、徳島県内で国交省が進める長安口ダムの改造工事も、注目に値します。同ダムでは、運用中の重力式コンクリートダムの堤体を大きく切り欠いて、新たに洪水吐きゲートを設ける工事を進めています。前例のない改造事業は、470億円の事業費を投じて2018年度に完成する予定です。

 ダムの堤体には、スリットを2カ所設けます。幅11.2m、高さ約29mの規模です。ダムの放流能力を高めて予備放流水位を下げ、洪水調節容量を増やします。

 スリット設置部は、高さ1.5mを1段として段階的に切り欠きます。切り欠く部分の下部を複数削孔した後に、ワイヤソーでまずは両端鉛直方向、次に水平方向を切断します。本体から切り分けられた部分は、削孔し、その孔に油圧シリンダーを入れて押し広げて小割にしていきます。これを1.5mの段ごとに進めていくのです。

長安口ダムの改造工事の概要。国土交通省那賀川河川事務所の資料に日経コンストラクションが加筆

長安口ダムの改造工事の現場。2016年3月中旬の段階では、約半分の高さまで切り欠きが進んでいた(写真:大村 拓也)

ロボット活用で潜水作業減

 堤体の構造が頑強なものであれば、堤体自体に手を加えるという選択が可能です。しかし、コンクリートの厚さが限られているなど、構造上、既存の堤体に穴を開けることが難しい場合もあります。

 こうした場合に放流施設を増強する手法として、バイパストンネルの構築という手があります。国交省が愛媛県内で進める鹿野川ダムの改造工事や、同じく国交省が京都府内で進める天ケ瀬ダムの改造工事で採用されている手法が代表例です。

 ドーム型アーチ式コンクリートダムである天ケ瀬ダムの工事では、その構造から、堤体自体に穴を開けることが難しい状況でした。そこで、バイパストンネルの整備によって、ダムの放流能力を毎秒840m3から同1140m3に改善することにしたのです。

 水をためたダムの上流側と下流を結ばなければならず、上流側では大水深での仮設工事などが生じてきます。そのため、工期を短縮したり、安全性を高めたりするうえで、潜水作業の合理化が重要なポイントとなってきます。

 この工事では、バイパストンネル上流側の流入部周辺で、無人で動く施工機械を活用しています。工事を担当する大成建設が、極東建設やアクティオと共同で開発した技術で、機械のアタッチメントを変更すれば、砕岩や土砂のかき集めなど複数の作業をこなせる優れものです。

京都府宇治市郊外に位置する天ケ瀬ダムの改造工事を進めているところ。既存の堤体をかわして下流に水を放水できるバイパストンネルを建設している。ダム湖内に整備する流入部側にある前庭部の施工を進めていた(写真:生田 将人)

天ケ瀬ダムの改造工事の概要(資料:国土交通省)

 ダム湖の底は濁っていて、その視界は20cmほど。そこで、ソナーや超音波カメラを使って湖底の状況を把握できるようにしています。その情報をもとに、台船上のオペレーターが遠隔操作で機械を動かす仕組みです。
動力使わぬ堆砂対策も

 ダムの機能を回復するための、非常にシンプルな方法は、ダムにたまった砂を排出することです。ダムには経年とともに、上流から流れてきた砂がたまっていきます。建設時にこの現象を想定しているのですが、豪雨などの発生によって、想定よりも早い段階で大量の砂がたまってしまうケースが出てきています。

 ダムの堆砂対策を合理的に進める意図で、開発された技術があります。大林組とダムドレ(東京都中央区)は共同で、水位差を用いてダム湖の堆砂を下流に排出する「サイフォンによる移動式吸引工法」を開発しました。国交省中部地方整備局が管理する矢作ダムで進めた実証実験を通して、その有効性を確かめています。

水位差を利用してダム湖の堆砂を排出する設備を用いた実証実験の概要(資料:大林組)

 同工法は、起点と終点を水で満たした管で結んで、両端の水位差を使って水を運ぶサイホンの原理を活用しています。上流貯水池内の堆砂を水ごと吸引し、下流側に排出しようという算段です。

 開発した技術は、次のような手順で使います。最初に、台船に載せた管の吸引部を貯水池の堆砂部に入れます。続いて管の下流側端部をバルブで締め切って、管の途中に設けたサイホン起動設備で管内を真空状態にします。そして管内に水を満たし、水の連続性を確保しながらバルブを開けると、堆砂を含んだ水が吸引されて下流側に移ります。

サイホンの原理を活用した砂の輸送システム。排砂管吐口から排砂している状況(写真:大林組)

 この方法では、砂混じりの水を移動させるための動力がほとんど要りません。簡易な設備で済む分、維持管理が容易になり、ランニングコストを抑制できます。吸引部は、台船の水平移動や台船上のウインチによる上下移動を組み合わせて、任意の場所に配置できる仕組みです。

 国交省中部地方整備局矢作ダム管理所が公募した実証試験では、水位差4.5m、排砂管の直径60cmの条件下で、管内流速毎秒3.7m、土砂の体積濃度2.7%で排砂できました。機械掘削しながら排砂すると、掘削機を使わない場合に比べて管内の土砂の体積濃度が2~3倍高くなることも分かりました。

 国交省では、ダムの再開発技術をインフラ海外輸出のツールの一つに位置付けたい考えです。既に英文パンフレットを作成したり、2国間の防災協働対話などで改造技術のアピールを図ったりしています


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【2016/06/22 03:15】 | 各地のダム情報
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           嶋津 暉之

川棚町議会の日曜議会についての記事です。
事業に反対する久保田和惠議員が取り上げた「1972年に県と町が予定地域の3総代と結んだ『地元の了承なしに造らない』との覚書」は、こちらです。

http://suigenren.jp/wp-content/uploads/2013/11/685ec70c4f0bcd396c6bad825018033d.pdf

日弁連は「石木ダムの中止を求める意見書」で、この覚書を守らないことは契約違反行為であると、厳しく批判しています。 
http://www.nichibenren.or.jp/library/ja/opinion/report/data/2013/opinion_131219_4.pdf 

◆日曜議会 石木ダムで議論
(長崎新聞2016年6月20日更新)
http://www.nagasaki-np.co.jp/news/kennaitopix/2016/06/20091610048169.shtml

定例東彼川棚町議会は19日、日曜議会を開き、議員10人が一般質問した。

県と佐世保市が計画する石木ダム建設事業を巡り、県が先月、全ての未買収地について県収用委員会へ裁決を申請、受理されたことに対し、山口文夫町長は「国の事業認定を受けており、事業に違法性はない」と従来の答弁を繰り返した。

事業に反対する久保田和惠議員は「町長は収用委側ではなく住民側に寄り添うべきだ」と主張。さらに、1972年に県と町が予定地域の3総代と結んだ「地元の了承なしに造らない」との覚書についての考え方を質問。

山口町長は「調査するために結んだもので、(調査を終えた)現時点で効力はないと考えている」と答えた。

一方、事業推進の立場からは波戸勇則議員が「(予定地に住む)13世帯約60人も同じ町民。起業者ではないが、町長として反対地権者と直接話をして協力を求めていくべき」と述べた。

日曜議会は議会活性化を目的に開き、2014年6月定例会以来、2回目。約60人が傍聴した。

【2016/06/22 03:00】 | 石木ダム
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             嶋津 暉之

福井県小浜市水道は福井県が建設中の河内川ダム(2019年度完成予定)に参画し、0.15㎥/秒の水源を得ることがになっています。
しかし、市が小浜平野の地下水調査を行ったところ、今後とも水道水源として地下水を使えることが明らかになりました。地下水の調査結果は近々発表されます。

そこで、4月に策定された小浜市第5次総合計画改定基本計画計画では、河内川ダムの水を水道水として利用するとしてきた水資源目標を総合計画の項目から外しました。
http://www1.city.obama.fukui.jp/file/page/3488/img1/1.pdf 

これから、小浜市は河内川ダムの水源をどうするのか、参画をどうするのかについて福井県と協議を進めることになるのではないかと思います。

◆目標から「水道水」外す 小浜市総合計画「地下水量不安なく」 /福井
(毎日新聞福井版2016年6月16日)
http://mainichi.jp/articles/20160616/ddl/k18/010/254000c

 小浜市が市総合計画を今春改定し、2019年度完成予定の河内川ダム(若狭町熊川)の水を水道水として利用するとしてきた水資源目標を総合計画の項目から外したことがわかった。

 総合計画では、1990年度から3度にわたり、同ダムの利用について掲載してきた。

今回の改定で記載が外された経緯について、市上下水道課は「地下水量に不安がないことが調査でわかり、ダムの重要度が下がった」などと説明した。

 市内の水道水はこれまで全て地下水で賄われていたが、不足する可能性があるとして、市は県が建設を進める同ダムの利用を想定。建設費の一部を既に負担しており、完成までに総額で27億6800万円に上る見通しだ。

 しかし、2013年10月から行った地下水の将来予測調査で、地下水が減ることはないとの結果が出ていた。

 この問題を巡っては、市はこれまでの総合計画で、浄水場の建設にも触れており、今後の行方が注目される。【高橋一隆】

【2016/06/22 02:51】 | 各地のダム情報
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         嶋津 暉之

思川開発事業の検討の場及び検討の場幹事会の開催案内が関東地方整備局のHPに掲載されました。
今まで開かれてきたのは幹事会でしたが、今回、首長(代理を含む)がメンバーの検討の場も開くということは思川開発の検証が最終段階に入ったことを意味します。
何とかして反対の声を広げていきたいと思います。

「思川開発事業の関係地方公共団体からなる検討の場」(第1回)及び「思川開発事業の関係地方公共団体からなる検討の場」(第7回幹事会)の合同開催について
http://www.ktr.mlit.go.jp/kisha/river_00000267.html

関東地方整備局河川部
独立行政法人水資源機構ダム事業部

「思川開発事業の関係地方公共団体からなる検討の場」(第1回)及び「思川開発事業の関係地方公共団体からなる検討の場」(第7回幹事会)を下記のとおり会議を開催しますので、お知らせいたします。

   記

1.開催日時
平成28年6月21日(火) 16時00分から
2.開催場所
グランドアーク半蔵門
住所:東京都千代田区隼町1番1号
開催場所の最寄り駅:
東京メトロ半蔵門線「半蔵門駅」1番出口から徒歩約2分です。
東京メトロ有楽町線「麹町駅」1番出口から徒歩約7分です。
JR「四ツ谷駅」から徒歩約15分です。
※駐車場はご用意していませんので、公共交通機関をご利用下さい。
3.議事(予定)
・思川開発事業の検証に係る検討状況について
・パブリックコメントや学識経験を有する者、関係住民より寄せられたご意見に対する検討主体の考え方
・思川開発事業の検証に係る検討報告書(原案)案 等
4.公開等
・会議は、報道機関を通じて公開します。
・カメラ撮りは、冒頭部分のみ可能です。
・報道機関以外の方で傍聴を希望される方は、別室でテレビ傍聴が可能です。
・その他、取材や傍聴等に関する詳細は、本文資料(PDF)別添資料1及び2をご覧下さい。
・会議での配布資料等は、水資源機構及び関東地方整備局ホームページに掲載します。


【2016/06/17 01:02】 | 検討の場
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        嶋津 暉之

ダム問題に関係する記事ですので、お知らせします。

◆自民党が野中、綿貫氏復党提案 建設業界の票と金が狙いか
(NEWSポストセブン / 2016年6月16日)
http://news.infoseek.co.jp/article/postseven_421007/

参院選に突入する直前の5月31日、自民党役員会で二階俊博・総務会長が突然、2011年に自民を離党した野中広務・元官房長官と、2005年の郵政民営化に反対し除名された綿貫民輔・元衆院議長の復党を提案した。

野中氏は「全国土地改良事業団体連合会(全土連)」の名誉会長。農地の大規模化や用水路の整備といった農業土木事業の総元締めの団体だが、実態は、自民党長期政権を支えた「最強の集票マシン」でもある。

一方の綿貫氏は「全国治水砂防協会」会長だ。田中角栄・元首相が長く会長を務め、「田中金脈の源泉」「ゼネコンの司令塔」といわれたダム建設推進団体である。ダムは自民党にとって「カネのなる木」だ。

自民党は前回参院選(2013年)の前、「国土強靱化」を誘い文句に日本建設業連合会に対して4億7100万円の献金を要請する文書を送った。自民党の資金管理団体「国民政治協会」の政治資金収支報告書によると、その年、大手ゼネコン43社は自民党本部の献金を倍増(計1億2603万円)させていた。目標には届いていないが、この金額には各派閥が選挙前に開いた盛大な資金集めパーティの収入や建設業界から各議員の政党支部などへの献金分は含まれていない。

安倍政権は建設業界への約束通り、防災や水害対策(治水)を名目に全国で巨大ダム建設を推進した。

ざっとあげても、北海道旭川の「サンルダム」(約530億円)、高知の「横瀬川ダム」(約400億円)、安倍首相の地元・山口県の「平瀬ダム」(約740億円)、熊本地震で被害を受けた南阿蘇の「立野ダム」(約917億円)の工事が進められている。

ダム建設は山を切り開き、工事用の取り付け道路を建設するところから始まり、大手から中小・零細まで建設業界を潤す。
そのキーマンが綿貫氏だ。「国土強靱化」の旗振り役の二階氏が参院選前に2人を復党させようというのは、ダムと農業土木を押さえれば全国約50万社の建設業界の票とカネを取り込むことができるからに他ならない。

※週刊ポスト2016年6月24日号

【2016/06/17 00:56】 | Webの記事
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