「ダム建設の時代は終わった」by米国内務省開拓局長官ウィリアム・ピアーズ
             嶋津 暉之

私が昨年11月に辻岡英信編集委員のインタビューを受けた時の話がコラム記事になりました。
この記事はダム検証が過去形で書かれていますが、まだ進行中であり、ダム反対運動はまだまだ今後の展開が必要です。
検証中のダムはゴーサインが出ないように頑張らなければなりませんし、ゴーサインが出たダムに対してもあくまで中止を求めて粘り強く運動を進めていかなければなりませんので、よろしくお願いします。

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【2016/01/31 00:23】 | 新聞記事から
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            嶋津 暉之

鬼怒川水害で被災した常総市民らでつくる「常総市水害・被害者の会」は昨日、内閣府や国土交通省など6省庁の担当者との「政府交渉」に臨みました。
この水害は国交省の誤った河川行政と不手際によるところが大きいと思います。
その責任を追及したいところです。

◆「国の責任で賠償を」 常総市水害・被害者の会 東京で初の「政府交渉」
(東京新聞茨城版2016年1月30日)
http://www.tokyo-np.co.jp/article/ibaraki/list/201601/CK2016013002000154.html

 昨年9月の関東・東北水害で被災した常総市民らでつくる「常総市水害・被害者の会」は29日、内閣府や国土交通省など6省庁の担当者に、市民の要望を伝え、疑問をぶつける初めての「政府交渉」に臨んだ。

会員らは「国の堤防整備の遅れによる被災」と指摘し、実態に見合った国の支援を求めた。 (増井のぞみ)

 東京都千代田区の衆院第二議員会館で行われた交渉には、会員ら約五十人が参加した。

共同代表世話人の逆井(さかさい)正夫さん(67)は、被災者七十五人が会に提示した家屋などの損害額が、平均千二百八十九万円だったことを明かし「国の責任で起こった水害で、非常に大きな損害を被った。国家賠償法に基づく賠償を」と訴えた。

 水害による市内の住宅の半壊は三千四百七十五棟に上ったが、災害救助法に基づく国の住宅応急修理制度では、半壊世帯への応急修理費支給には所得制限が設けられている。

県と市は今回、特例で所得制限を撤廃。自宅が半壊と判定された嘱託社員、斉藤弘行さん(63)は、所得制限がなくなったことで自宅が修繕できたといい「床上七十センチの浸水でも、柱以外は全部だめになった」と説明し、制度の改善を求めた。

 これに対し、内閣府の防災担当者は「個人の財産形成に資するため柔軟な対応は困難」と難色を示した。

 国交省は今後、約六百億円をかけ、五年余りで県内の治水対策「鬼怒川緊急対策プロジェクト」を実施する計画。

会の共同代表世話人の染谷修司さん(71)は「今まで、なぜ対策をしなかったのか」と追及し、「これからも責任を問い続けていく」と語気を強めた。


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【2016/01/30 23:19】 | 新聞記事から
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             嶋津 暉之

昨年9月の鬼怒川水害についての記事、ニュースです。
常総市は決壊2時間半前に上三坂地区の避難指示を決定したが、避難放送から抜け落ちていたという議会答弁がありました。
鬼怒川を管理している国交省から常総市にどのような情報が伝達されていたかも知りたいところです。

◆水害の常総・上三坂地区 決壊2時間半前に指示決定も 避難放送から抜け落ち
(東京新聞茨城版2016年1月29日)
http://www.tokyo-np.co.jp/article/ibaraki/list/201601/CK2016012902000171.html

 昨年九月の関東・東北水害により常総市の上三坂地区で鬼怒川の堤防が決壊し、大きな被害が出た問題で、堤防の決壊二時間半前に同地区に避難指示を発令することを決めながら、実際には防災行政無線で放送する対象地区から抜け落ちていたことが明らかになった。二十八日に開かれた市議会水害検証特別委員会で市幹部が証言した。 (増井のぞみ)

 特別委で須藤一徳・市民生活部長と斎藤健司・安全安心課長が説明した。それによると、鬼怒川が増水した昨年九月十日午前十時十五分、市災害対策本部は上三坂など沿岸の三地区に避難指示を発令することを決定した。安全安心課の職員が、防災無線の放送依頼書をパソコンで作成したが、放送する地区から上三坂が抜けてしまった。同日午後零時五十分、堤防は決壊。市は午後一時すぎ、上三坂を含む鬼怒川の東岸地域に避難指示を出した。

 当日の本部の会議では、ホワイトボードに同地区への避難指示の発令が書き込んであった。しかし、本部からの指示が確認できるようなメモなどは残っておらず、担当課に指示が正しく伝わったのか、どこで上三坂が抜けたのかは分からないという。発生当日の議事も録音しておらず、委員からは「議事録がないのはおかしい」と批判する声が上がった。

 同地区では水害で男性一人が犠牲になった。渡辺操区長(70)は取材に対し「避難指示がきちんと出ていれば、犠牲を防げたかもしれない。どうして抜け落ちてしまったのか明らかにしてほしい」と訴えた。

 また、別の向石下地区では、同日午前八時四十五分に避難指示の発令を決めながら、実際に放送したのは同九時二十五分と、作業に四十分を要し手間取るケースもあった。放送依頼書の作成や指示の録音に時間がかかったためという。委員は「緊急性を要する大規模災害時に三十分という時間は貴重」などと指摘した。


◆関東・東北豪雨 常総市の避難指示遅れは伝達ミス
(NHK2016年1月28日 16時59分)
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20160128/k10010389121000.html

関東・東北豪雨の際の茨城県常総市の対応を検証する市議会の特別委員会が開かれ、当時、一部の地区に避難指示を出すのが遅れたのは、市役所内での情報の伝達がうまくいかなかったからだったことが分かりました。
去年9月の豪雨で常総市では、上三坂地区に対する避難指示が鬼怒川の堤防が決壊したあとに出され、地区では男性1人が死亡しています。
28日開かれた市議会の特別委員会には須藤一徳市民生活部長が出席し、当時、市の災害対策本部は堤防決壊の2時間半余り前に上三坂地区を含む3つの地区に避難指示を出すことを決めていたと述べました。
そのうえで、当時の資料などを再確認した結果、避難指示を実際に発表する際に職員の間で伝達ミスがあり、上三坂地区が抜け落ちていたことが分かったと説明しました。伝達ミスがどの段階で起きたかについてはまだ分かっていないとしています。
特別委員会では、次回以降、高杉徹市長にも出席を求め、当時の市の対応についてさらに検証することにしています。
特別委員会の委員長を務める中村安雄議員は、「当時、市長が国などからどのような情報を得てどう動いていたのか詳しい説明を求めたい」と話していました。

◆鬼怒川決壊 伝達ミス、避難指示遅れ 常総市議会検証委
 混乱、情報届かず 市幹部が証言

(茨城新聞2016年1月29日(金))
http://ibarakinews.jp/news/newsdetail.php?f_jun=14539925247372&sai=1

【鬼怒川決壊水害情報】
鬼怒川の堤防が決壊した常総市上三坂地区への避難指示が遅れたのは、市災害対策本部の指示が担当課に伝達されなかったのが原因だったことが28日、明らかになった。担当課には電話やメモ書きなど複数の手段で情報が伝えられていたが、混乱の中で伝達ミスがあり、指示情報が届かなかった。同日の市議会水害検証特別委員会で市幹部が証言した。災害時の情報伝達の課題があらためて浮き彫りとなった。

特別委で証言したのは須藤一徳市民生活部長。堤防決壊の2時間半以上前の9月10日午前10時15分、災対本部が上三坂地区を含む三坂町3地区に避難指示を出すことを決め、板書も残されていたという。だが、防災行政無線の放送までにどこかで伝達ミスが起こり、上三坂地区が避難指示から抜け落ちた。

同地区では市民が逃げ遅れ、男性1人が死亡した。避難指示は決壊後となった。

避難勧告・指示は、災対本部で決定後、電話やメモで伝達。その後、作成した文書を職員が読み、録音したものを放送した。本部指示から放送まで30分前後かかった。録音は「混乱の中、誤った情報を流さないため」の措置。決壊情報など録音せずに生放送したものもあった。災対本部の議事録については「(発生日の)10日や11日の分は現存しない」とした。

次回の特別委は2月5日。高杉徹市長の出席を求め、初動対応を尋ねる。(松田拓朗)


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【2016/01/30 21:44】 | 新聞記事から
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           嶋津 暉之

昨年9月に原案について意見募集を行っていた「那珂川水系河川整備計画」が策定されました。
11月に案が公表され、その後、茨城県、栃木県の知事の意見を聴いて策定されました。
百害あって一利なしの霞ケ浦導水事業が位置付けられています。
私たちは「霞ケ浦導水事業を中止せよ」という意見を出しましが、何も変わりませんでした。

那珂川、利根川等の自然、漁業に大きなダメージを与える霞ケ浦導水事業は何としても中止させなければなりません。
那珂川水系の漁協と一緒に、霞ケ浦導水事業の中止に向けて頑張っていきたいと思います。

◇関東地方整備局  
http://www.ktr.mlit.go.jp/kisha/river_00000229.html

平成28年 01月29日

「那珂川水系河川整備計画【大臣管理区間】」の策定について

国土交通省 関東地方整備局
河川部
常陸河川国道事務所

 国土交通省関東地方整備局では、「那珂川水系河川整備計画」の策定に向けて検討を進めてきました。
 このたび、「那珂川水系河川整備計画【大臣管理区間】」を平成28年1月29日に策定しましたので、お知らせします。

 「那珂川水系河川整備計画【大臣管理区間】」(本文資料(PDF)別添)は、
   関東地方整備局ホームページに掲載しています。
 また、「那珂川水系河川整備計画(案)」について、河川法第16条の2の第5項に基づき、
   関係県知事のご意見をお聴きしており、
   これについても、あわせて関東地方整備局ホームページにお示ししています。

 ◆国土交通省関東地方整備局ホームページ http://www.ktr.mlit.go.jp/
  →河川→社会資本整備→河川整備基本方針、整備計画→那珂川水系河川整備計画
  →「那珂川水系河川整備計画【大臣管理区間】」
   http://www.ktr.mlit.go.jp/river/shihon/river_shihon00000293.html

【2016/01/30 21:40】 | 政策
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          嶋津 暉之

26日に開かれた霞ケ浦導水事業差し止訴訟・控訴審第1回口頭弁論についての記事です。
当日は漁協など、控訴人関係者のほかに、東京周辺の支援者も大勢参加され、傍聴席は満席になりました。
次回は4月19日(火)午後2時、東京高裁812号室です。
次回も傍聴席を一杯にして、裁判の行方を市民が見守っていることを裁判官に示していきたいと思います。
これから、控訴人側は霞ケ浦導水が那珂川の漁業に深刻な打撃を与えることについてさらなる実証を進めていく予定です。

◆漁協「建設差し止めを」 霞ケ浦導水訴訟控訴審始まる
(下野新聞2016年1月27日 朝刊)
http://www.shimotsuke.co.jp/news/tochigi/top/news/20160127/2216701

アユなど那珂川水系の水産資源に悪影響を及ぼす恐れがあるとして、栃木、茨城両県の漁連・漁協5団体が国に霞ケ浦導水事業の那珂川取水口建設差し止めを求めた訴訟の控訴審第1回口頭弁論が26日、東京高裁(小林昭彦(こばやしあきひこ)裁判長)で開かれた。

漁協側は意見陳述で「訴訟は単に漁業権を守るためだけでなく、水辺の生物多様性を守る使命感から行っている」と強調。

漁獲量影響は原告側が立証すべきだとした一審判決に「不可能な立証を強いている」と反論した。

また、那珂川の流量とアユ漁獲量との相関関係について、一審を「国に追随する結論ありきの判断」と批判。

シミュレーションに対しては「数値の誤差が大きく信頼できない」とした。

茨城県の那珂川漁業協同組合の君島恭一(きみしまきょういち)組合長は「一度始めたら止まらない国の事業を差し止めるため、最後までやり抜く」と言葉に力を込めた。

第2回口頭弁論は4月19日に開かれる。

【2016/01/28 16:49】 | 裁判の報告
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             嶋津 暉之

思川開発問題の市民集会「思川開発事業(南摩ダム)と県南市町 ~マズくて高い水はごめんだ~」が 2月6日(土) 午後1時30分~4時30分(開場:午後1時)、栃木市栃木文 化会館 小ホールで開かれます。
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昨年11月9日に「思川開発事業の関係地方公共団体からなる検討の場」が開かれ、検証作業が3年半ストップしていた思川開発も事業推進の動きが出てきました。

思川開発(南摩ダム)は総貯水容量5100万㎥で、目的は、洪水調節、栃木県等の水道用水の開発、渇水時の補給です。このうち、洪水調節は思川・乙女地点の洪水目標流量3760㎥/秒を3700㎥/秒へ、わずか60㎥/秒下げるだけのものですから、微々たるものです。

利水目的もその必要性は失われています。

これから、現実性のない代替案と比較して、思川開発が有利だとする茶番劇の検証が行われていくことになりますが、何とかして、無意味な思川開発をストップさせたいものです。

「思川開発事業(南摩ダム)と県南市町」
~マズくて高い水はごめんだ~


日時 2016年2月6日(土) 午後1時30分~4時30分(開場:午後1時)
会場 栃木市栃木文化会館 小ホール(栃木市旭町12-16)
内容 基調講演「思川開発は本当に必要なのか、その虚構を解明する」
   (講師:嶋津暉之氏・水問題研究家)
報告 「南摩ダム予定地の環境」(高松健比古・栃木県自然保護団体連絡協議会代表)
  「思川開発事業をめぐる裁判の経過」(大木一俊・弁護士)
   「思川開発事業が県南市町の水道に与える影響」(早乙女正次・元栃木県職員)
   「南摩ダム予定地の鹿沼市の現状」(高橋比呂志・思川開発事業を考える流域の会事務局長)
   「栃木市議会での思川開発事業に関する発言」(内海成和・元栃木市議会議員)


【2016/01/27 03:11】 | お知らせ
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                 嶋津 暉之

佐賀県の直轄ダム「城原川ダム」の検証報告素案への意見募集と公聴会公述人の受付けが25日から始まりました。

◇九州地方整備局のHP
http://www.qsr.mlit.go.jp/n-kisyahappyou/h28/160125/index1.pdf 

意見募集や公聴会は通過儀礼として行われ、虚しいところがありますが、意見をきちんと出しておくことは必要です。
城原川ダムの問題点と伝統的な治水工法「野越し」については水源連のHPを参考にしてください。
http://suigenren.jp/news/2015/06/15/7423/    
http://suigenren.jp/news/2015/10/11/7969/
今回示された検証報告素案の問題点は後日、整理してお伝えします。

意見募集 と公聴会について佐賀新聞の記事によると、いかに通過儀礼の公聴会とはいえ、一人5分程度の公述で終わらせるというのですから、本当に形だけの手抜きの公聴会です。
住民軽視の姿勢がますますひどくなっています。

一週間前の記事ですが、佐賀県の直轄ダム「城原川ダム」の検証の進め方に疑問を呈する佐賀新聞の論説記事では、伝統的な治水工法「野越し」をきちんと評価せず、一方で、流水型ダム(穴あきダム)の問題を取り上げない検証のやり方を見直すことを求めています。まっとうな意見であると思います。

◆城原川ダム意見募集 九地整 来月には公聴会
(読売新聞滋賀版 2016年01月26日)
http://www.yomiuri.co.jp/local/saga/news/20160125-OYTNT50069.html

 国土交通省が建設の是非を再検証している城原川ダム(神埼市)について、国交省九州地方整備局は25日、洪水時のみに水をためる「流水型ダム」(穴あきダム)の建設が最も有利とする治水案を盛り込んだ検討報告書の素案について、意見募集を始めた。
(一部引用)

◆九州地方整備局「城原川ダム検証」意見募集 2月21、22日神埼、佐賀市で公聴会
(佐賀新聞2016年01月26日 10時01分)
http://www.saga-s.co.jp/news/saga/10101/272285

意見発表は1人当たり5分程度で、応募用紙に必要事項を記入し、郵送やファクス、メールなどで18日までに申し込む。当日会場でも受け付けるが、発表は事前申し込みを優先する。
(一部引用)

◆佐賀県の城原川の治水対策 「ダム有利」の根拠 丁寧に説明を
(佐賀新聞2016年01月21日)
http://www.saga-s.co.jp/column/ronsetsu/270575

国の事業見直しの対象になっている城原川ダムをめぐり、流域自治体などでつくる「検討の場」の第3回会合が14日に開かれた。

国土交通省九州地方整備局(九地整)はコストや実現性の面から流水型ダム(穴あきダム)案を「最も有利」と評価し、ダム建設事業を継続する案を事実上支持した。事業主体がそのまま検証主体になって示した治水案で、市民団体からは「客観性を保証できるのか」という声も漏れる。

積算の根拠や流水型ダム自体の課題など、詳細で丁寧な説明が求められる。
河道改修と組み合わせた流水型ダム案は、2016年度以降の概算事業費が約510億円に上る。610億~700億円と試算している代替6案に比べて100億円以上少なく、維持管理費を勘案してもコストが最少と説明した。

この際、算定の根拠は明示しなかった。江戸初期の洪水対策の名残とされる越流堤「野越し」を組み合わせた代替案の費用の内訳も示さなかった。ダムに頼らず、野越しなどを生かす治水を探る市民団体「城原川を考える会」は「野越しの機能をきちんと評価していない。周囲に新設しようとしている『受け堤』を過大に見積もっているのでは」と疑問視していた。

検討の場を構成する佐賀県は代替案に関し、受け堤の長さや費用などを個別に確認しているという。こうした情報は市民向けにも細かに開示していくべきだろう。

「有利」とされた流水型ダムに関する情報も十分とは言えない。放流量を制御せず自然に流すため、貯水型に比べて下流や海の水質変化を抑える点が利点とされるが、流木や転石が放流口をふさぐ懸念は残る。一部でもふさげば上からあふれ、下流の水位や流量を急上昇させる可能性を指摘する学識者もいる。洪水への効果が実証されているか、益田川ダム(島根県)や辰巳ダム(石川県)など先行事例を踏まえた説明が欲しい。

日本は明治時代の河川法制定以降、洪水を河川やダムに封じ込める手法を軸に治水の安全度を高めてきたといわれる。その一方で、水害危険地域での開発を招き、ひとたび河川が氾濫すれば大きな被害をもたらすことになった。

欧米ではこうした教訓から、土地利用の規制や洪水時の受け皿になる氾濫(はんらん)原を復活させる取り組みが出てきているという。

日本では東日本大震災後、自民党政権下で「国土強靱(きょうじん)化」が唱えられ、大型公共事業を見直す論議は低調になった。豪雨の頻度が増えるなど近年の降雨特性の変化もあり、水害の制圧を目指す考え方はさらに強まってきている。

民主党政権時代の2010年にダム検証の対象になった83事業のうち昨年9月8日現在で47事業が継続、24事業が中止になり、12事業で検証が続く。城原川では、ダム計画の曲折に40年以上にわたって翻弄(ほんろう)され、早期の方針決定を求める水没予定地の住民の思いが絡み、治水の方法論だけを追究しづらい側面もある。どう折り合いをつけるかも、今後の焦点になる。

九地整は2月までに学識者への意見聴取や県民を対象にした公聴会を実施する。県内外を問わず、約1カ月にわたる書面での意見公募も予定している。特定の地域の問題と矮小(わいしょう)化せず、公共工事の在り方や身の回りの河川を見つめ直す機会にもしたい。(井上武)



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【2016/01/27 03:06】 | パブリックコメント
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             嶋津 暉之

常総市で鬼怒川水害の被害が今も続いているという報告です。

◆水害の見えない被害 消毒したはずなのに・・・
リスク対策.com Vol.52
http://www.risktaisaku.com/sys/news/?p=1265

「常総市は、今も水害の被害が続いている」。
長岡技術科学大学大学院准教授の木村悟隆氏は、2015年9月の鬼怒川決壊以降、何度も現地に足を運び、住宅の被害を調査してきた。そこで目にしたものは、外からでは分からない様々な被害だ。今、常総市で何が起きているのか? 木村氏に報告してもらった。

常総市水害から4カ月

特別寄稿
長岡技術科学大学 生物機能工学専攻 木村悟隆

水が引いても災害は続く
水害は目に見えない。
「そんなバカな!常総水害ではあれだけ広大な地域が浸水したではないか」と思う人がほとんどだろう。
水が引いた直後は臭いや砂ボコリがあったものの、今、常総市を訪れても一見正常にみえる。地震と違い、傾いた家も見当たらない。破堤や越流の直撃を受けた極狭いエリアを除けば、新築間も無いハウスメーカーの家は何も無かったかのようにたたずんでいる。しかしまだ、災害は続いている。今なお、被災した方は多くの悩み、ストレスを抱えている。

消石灰は何のために撒く
避難先から帰って最初に行うのが、被災した家財の廃棄、そして室内の泥の掃除だ。
大変な作業であるが、ここまで終わると、そのまま住み続けられると多くの方は思ったことだろう。
消毒はしなければならないと知っていた人は多い。行政も消毒剤を配布した。その一つが消石灰である。水害後、屋外や床下に撒くと、白くなって如何にも消毒した気分になり安心する。お清めの塩のようだが、本当に効果があるのだろうか?長らく水害ボランティアをしている方でも疑問に思っている方は多い。
実は、茨城県薬剤師会の消毒マニュアル「水害と消毒」では、消毒薬としてはイビデンスが不明として推奨されていない!
固体の粉末は微生物と接触しないため、とそのマニュアルには書かれている。茨城県ホームページの「水害時の消毒方法」という一覧表にも消石灰は記載されていない。海外では、米国の感染症対策の専門機関CDCのホームページに、消石灰は下水の汚泥には有効だが、土に対しては実験的証拠が無いと述べてある。

いったい、どこまで効果が期待できるのか? 筆者にはよく分からない。
消石灰の効果があったとしてもそれは湿った土の上だろう。昔の民家は土間に石場立てであった。しかし、時代を経て布基礎、最近建築されている家はほとんどベタ基礎と基礎の構造が違う。床下は土からコンクリートに変わったのである。しかし、床下=消石灰だと思ってコンクリートの上に撒いた方がいると聞く。

消毒は撒けばいいというわけではない
 では、消毒に何を使えばいいのだろうか? 
オスバンに代表される逆性石けんは、使用する直前に水で薄めて、主に屋内でよく使われる消毒剤である。床下にも使えるが、有機物があると効果が弱いと「水害時の消毒方法」にはある。それならばと思い、屋外でも使用されるクレゾール液を床下に撒いた方がいるが、しばらくその臭いで大変だったと伺った。
 さて、消毒剤は撒きさえすればよいというものでは無い。ある時間経つと薬剤の効果は失われる。また、多くの消毒剤は水に溶かして使われる。従って、効果が失われた後に、部材が濡れたままだとカビの原因になる。消毒したら、直ぐに乾燥させるのが望ましい。ベタ基礎の場合、床下に多量に使えば、コンクリート面に流れて溜まることも有り得る。そうなった場合には排水の必要も出て来る。
消毒の対象が、細菌なのかウイルスなのか、カビかも分かり難い。茨城県も含めて配布されている消毒マニュアルは、細菌による伝染病対策のため作られているようだ。カビ除去には消毒用エタノール(濃度80%程度、希釈せずそのまま用いる)も有効であるが、その記載がないのも頷ける。
 以上のように、消毒用マニュアルは一見完備されているように見えて、いざ現場で消毒しようとすると「何のため」「どのタイプの基礎には何が適しているか?」が欠落していて困る。また、「なぜ効くのか?」の記載は無い。全ての被災者が効く仕組みを理解するのは難しいが、記載があれば、理解できる者が読み込んで、周りに伝えることができる。また、現場の実態に合わせた消毒剤の使い分けがより容易になるだろう。

壁の内側がカビ!
さて、消毒と並んで、家屋を守るための応急対策も必要である。泥出しは早くやらないと、衛生上の問題だけでなく、臭いの原因になり、湿気により床板がカビてしまう。また、一旦浸水すると、壁の室内側に使われている石膏ボードや内部の断熱材は濡れて乾燥しないため、放置すると、カビの発生や断熱材の性能低下、筋交いや柱の腐朽といった耐震性の問題が生じる。が、今回の水害では、これら見えない箇所の応急処置と修理が必要なことが当初、被災者に十分認識されていた様には思えない。

また、断熱材もカビで黒く変色している。カビは浸水後、部材が徐々に乾燥する途中に適当な湿り気になると繁殖する。したがって湿った部材は、できるだけ早期に取り除くのが望ましい。
床上浸水が10cm程度でも、断熱材の施工の仕方によってはかなり上まで吸水しているケースもあった。現在のところ、壁の内部を「透視」できる装置は無い。壁の一部を壊さないと断熱材の状態は確認出来ないが、不必要に壊しても修理代が掛かってしまうのがジレンマである。断熱材の吸水は床下でグラスウールを使った場合にも見られる。こちらの場合は、床下に潜れば容易に吸水状態は確認できるし、床上浸水であれば確実に吸水していると言っていい。だが、知らずに放置して床の裏側がカビだらけになった事例もある。被災後、すぐに撤去すべきだろう。なお、カビと健康被害の因果関係は不明なものが多いが、喘息やアレルギーのある方だと症状が悪化する恐れがあり注意が必要である。
しかし、住民の方に注意を促したりマスクの着用を呼び掛ける文書が配られた様子は無い。

泥だしの方法
 一口に泥出しと言っても、家屋の構造によっては難しい。旧い家屋では、床板をバール等で比較的簡単に剥がすことができる。
一方、最近のフローリング床の家では、点検口が無かったり非常に小さいので、一部を切断して作業用の口を作る必要がある。電動工具は必要で、フローリングを支える床下の根太を切ってはいけない。ボランティアで十分な床や基礎の知識を持った者は限られるし、住民の方はなおさらである。広域水害で業者を頼んでも容易には来てくれないし、応急処置から修理まで全て業者任せにした場合、その費用を払えるかも問題である。
泥出しや湿った部材を撤去した後、カビや腐朽の対策には、家屋の乾燥、特に床下の乾燥は重要である。浸水した部材の乾燥には、木材もコンクリートも最低2カ月は掛かると言われている。しかし、早く自宅に戻りたいために急ぎリフォームを行ったが、結局、またカビが発生して再度工事したという話も聞いている。工務店の中には、木材の水分率を計器でチェックしながら進めているところもあれば、直ぐリフォームして構わないと言ったところもあると聞く。生業とする方の判断もまたバラバラであり、被災者は迷ってしまう。

米国のわかりやすいマニュアル
 以上の様に、浸水した家の修理の手順・マニュアル、修理のワークフローが、被災者に全く示されていないのは問題であろう。地震に比べて、水害では被災者自身が応急対策すべきことが多い。処置が遅れると家屋の状態は悪くなり、カビや腐朽により、結果的に修理費用が高くつくこともあり得る。国交省や業界団体の作った資料は皆無では無いが、被災者から見て手順の流れが分かるとは言えず、行政が配布することも無い。
一方、米国では、A41枚の初動の注意を示すポスターや、図で分かり易く示した絵本型のマニュアルがある。こうしたマニュアルがあれば、被災者も迷わず「応急対策→乾燥→修理」と進んでいけるであろう。

■地震対策はしても・・・・
 鬼怒川の決壊後、何度も現地に足を運んでいるが、耐震性は向上したものの、耐水害性はむしろ低下しているのではないかと思われる新築間も無い家も目についた。地震対策ばかり叫ばれるが、水害の頻度は地震より大きい。仮に床上浸水しても、メンテナンス性がよく、部材が容易に交換できて、かつそれも最小限で済むような、耐水害性に優れた住宅の開発を望みたい。

長岡技術科学大学大学院
生物機能工学専攻
准教授 木村 悟隆

専門は化学(高分子材料)、いわゆるプラスチックだが、11年前の中越地震から、仮設住宅の居住性の調査や、被災者支援にも関わっている。   


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【2016/01/25 02:21】 | 未分類
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             嶋津 暉之

今日、利根川水系、木曽川水系、淀川水系水資源開発基本計画の一部変更が閣議決定されました。
変更の内容は次の通りで、いくつかのダム等事業の工期を変更することが主な内容になっています。
なお、淀川水系の大阪府・安威川ダム建設事業は水源開発の目的はなくなりましたが、治水専用ダムとして事業が続けられています。
これらの事業を何とか中止に追い込みたいものです。

◇利根川水系及び荒川水系における水資源開発基本計画の一部変更 
http://www.mlit.go.jp/report/press/water02_hh_000069.html

  主な変更内容

 ・思川開発事業の予定工期

   変更前  平成27年度まで
   変更後  平成27年度まで。 
   なお、当分の間、事業を継続しつつ、引き続きダム事業の検証を進め、
   その結果を踏まえて 速やかに必要な対応を行うものとする。

 ・霞ヶ浦導水事業の予定工期
   変更前  平成27年度まで
   変更後  平成27年度まで 
   なお、事業を継続しつつ、予定工期の見直しを速やかに行うものとする。
 
 ・群馬県の倉渕ダム建設事業と増田川ダム建設事業  →  削除

◇木曽川水系における水資源開発基本計画の一部変更 
 http://www.mlit.go.jp/report/press/water02_hh_000070.html

 ・木曽川水系連絡導水路事業の予定工期

   変更前  平成27年度まで
   変更後  平成27年度まで 
   なお、当分の間、事業を継続しつつ、引き続きダム事業の検証を進め、
   その結果を踏まえて速やかに必要な対応を行うものとする。

◇淀川水系における水資源開発基本計画の一部変更 
 http://www.mlit.go.jp/report/press/water02_hh_000071.html

 ・川上ダム建設事業の予定工期

   変更前  平成27年度まで
   変更後  平成34年度まで 
 
 ・天ヶ瀬ダム再開発事業の予定工期

   変更前  平成27年度まで
   変更後  平成30年度まで 

 ・河川総合開発事業として大阪府の安威川ダム建設事業  → 削除


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【2016/01/22 21:41】 | 国会で
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         嶋津 暉之

石崎勝義さん(元旧建設省土木研究所次長)が常総市議会水害検証特別委員会で鬼怒川水害について話された内容についての記事です。

◆常総市議会の水害検証特別委 水海道地区「八間堀川が水路になり氾濫」
(東京新聞茨城版2016年1月22日)
http://www.tokyo-np.co.jp/article/ibaraki/list/201601/CK2016012202000161.html

 関東・東北水害で、常総市内を流れる八間堀(はちけんぼり)川があふれた問題で、元旧建設省土木研究所次長で工学博士の石崎勝義さん(77)は二十一日、開かれた同市議会水害検証特別委員会で「(水海道地区の)市街地には水が二回押し寄せた。八間堀川が水路となり、鬼怒川から越水した水がいち早く流れ込んだ」と指摘した。

 東京理科大理工学部の大槻順朗助教ら調査団によるリポート「鬼怒川氾濫域の浸水状況・氾濫解析」によると、八間堀川が流れる水海道地区北部には、昨年九月十日午後二時ごろ、水が到達した。しかし、八間堀川がなかった場合、到達時刻は同十一時ごろになったと推定されるという。

 八間堀川に関しては、国土交通省が同一時ごろ、鬼怒川に排水するポンプを止めた後、市街地とつながる暗きょの樋管(ひかん)を水が逆流し、市街地が水に漬かった。
石崎さんは「水海道地区に一回目の水が来なければ、避難する時間が稼げた。最初の水位がひざ下程度だったため、安心して洪水から逃げ遅れた人もいた」と主張した。 (増井のぞみ)

○浸水の保管米に助成金 国が今年の営農再開条件に

 国は、昨年九月の関東・東北水害で、収穫して自宅に保管していた米が浸水被害を受けた農家を対象に、今年の営農再開を条件に種苗や肥料、農薬などの営農準備に充てる費用を補助する。「被災農家営農再開緊急対策事業」費八千五百万円を盛り込んだ本年度補正予算案が二十日可決された。

 保管米は農作物共済の対象にならないため、特例的な措置で救済する。十アール当たり七万円を上限に補助する。共済の補償額と同水準になる。

 県によると、県内で対象になるのは常総、坂東、下妻の三市の農家。被害の大半を占める常総市では、五百四十戸で計約千四十トンのコメが被害に遭い、被害額は約二億三千万円だった。

 国が半額を補助し、残りを県と市が折半する。農林水産省の担当者は「激甚災害指定された茨城、栃木両県は、収穫から出荷するまでのタイミングで数日間、コメが水に漬かったために、特例的に対応した」と説明する。

 市は、被災した農家に営農準備の取り組み報告書を提出してもらい、営農再開支援計画を策定した上で、二月上旬ごろまでに県を通じ国に交付を申請する。県の担当者は「二月末ごろまでに、助成金を支給したい」と話している。 (増井のぞみ)


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【2016/01/22 21:32】 | 新聞記事から
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