「ダム建設の時代は終わった」by米国内務省開拓局長官ウィリアム・ピアーズ
           嶋津 暉之

ダム反対地権者13軒の家屋と農地を奪う石木ダムは何としても中止に追い込まなければなりません。
このほど石木ダム対策弁護団は、世論を盛り上げて、起業者(長崎県と佐世保市)に石木ダム事業を断念させるため、
石木ダム工事差し止め仮処分の申し立てを長崎地方裁判所佐世保支部に対して行うことにあたり、申立人への参加を全国に呼びかけました。
石木ダム事業による人権侵害はおかしいと思われる方は、どなたでも申立人になれます。

この件に関する詳しい説明と申立人になるための手続きは、水源開発問題全国連絡会のホームページに掲載されています。

◇石木ダム事業に反対される皆様、申立人になって工事を差し止める本人になりませんか!
http://suigenren.jp/news/2015/12/28/8107/

上記URLをご覧になって、是非、申立人に名乗りを上げて下さるよう、お願いします。   

【2015/12/30 03:29】 | 石木ダム
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            嶋津 暉之

テレビ朝日「報道ステーション」の長野智子さんの記事です。
埼玉、東京を流れる荒川でもし堤防決壊が起きれば、ここに書かれているように、その被害は凄まじいものになります。

しかし、その対策として、国交省が、現在策定中の荒川水系河川整備計画で用意しているのは、下流の両岸で延べ52kmでスーパー堤防を整備することしかありません。
巨額の費用がかかり、住民を数年間以上立ち退かせないと建設できないスーパー堤防の整備は遅々として進まず、荒川下流部延べ52㎞のスーパー堤防の整備計画は絵に描いた餅になりつつあります。

破堤すれば、多くの人命と多大な財産が失われることが確実に予想される荒川下流部の堤防強化を実現性の見通しがないスーパー堤防の整備に委ねるのはあまりにも無責任です。

国交省はスーパー堤防の計画に固執するあまり、国民の命と財産を守ることをおろそかにしていると言わざるをえません。

◆東京に迫る"荒川決壊"の危機 1400万人に影響も
(HUFF POST 投稿日: 2015年12月28日 18時35分)
http://www.huffingtonpost.jp/tomoko-nagano/arakawa-river_b_8882996.html
長野智子 Editor at Large(編集主幹), The Huffington Post Japan

今年も日本は「観測史上初」という言葉が飛び交い、多くの自然災害に見舞われた。特に9 月の東日本豪雨災害では、72時間で610ミリを超える記録的な豪雨が降り、鬼怒川が決壊した。茨城県常総市では氾濫した水が街の3分の1を覆い、8000棟以上の家屋が浸水。約6200人が行き場を失うという甚大な被害となり、改めて都市部での河川の決壊を現実のものとして身近に感じた人も多かったと思う。

今、最も決壊の危険をはらんだ川の一つが首都・東京を流れる「荒川」だ。荒川は上流の山岳地帯から東京に入ると隅田川とわかれる。その分岐点にあるのが「岩淵水門」なのだが、上流から流れる川の水位が4mを越えると、この水門が閉められて、すべての水が荒川に流されるのだ。隅田川流域への洪水を守るため、荒川が放水路の役割を担うことになる。もし堰き止められた水が増水し続けたら、それらすべての水を請け負うことになる荒川はどこが決壊してもおかしくない状況となる。内閣府による荒川決壊の想定雨量は72時間で550ミリ。鬼怒川が決壊した東日本豪雨災害では72時間で610ミリの雨が降っているのだから、いつ起きてもおかしくない雨量だ。
では、実際に荒川で72時間に550ミリの雨が降った場合、街はどうなってしまうのか。「報道ステーションSunday」では、早稲田大学理工学術院の関根正人教授に依頼し、下水管の排水能力などを詳細に分析した。決壊を想定したのは、荒川と隅田川に挟まれ、運河や河川が通る「江東デルタ」とよばれるエリアの一角だ。すると、驚くべき結果が出た。決壊からわずか30分で、あっという間に濁流は街を飲み込み、2キロ先まで浸水してしまう。さらに氾濫した濁流が他の河川に流れ込むことで浸水範囲は加速度的に拡大し、わずか2時間足らずで決壊地点から5キロ離れた場所まで押し寄せるのだ。そのときの水深は最大5m近く。このスピードで浸水が広がる中、100万人以上の周辺住民は一体どのように逃げるのか。

実際に浸水が想定されるエリアを歩いてみると、高台がほとんどなく低く落ち込んだ土地に住宅が密集しているのがわかる。「東京東部低地」と呼ばれるこの地域は、高度経済成長期に過剰な地下水のくみ上げによって地盤沈下して、海抜よりも低くなった0メートル地帯だ。しかも、荒川の両岸20キロ以上にわたって堤防が低いなど、水を流す能力が不足しているところがある。見まわしてみると、高い逃げ場としては高速道路があるが、激しい渋滞が予想され、現実に100万人以上の人が避難に利用することは難しいだろう。荒川の堤防が決壊したときに想定される死者数は3500人。この取材をしていて、もっとも心配になったのは、周辺住民の避難をどうするのかという点だった。とにかく早い段階で警報を発令し、それを周知させたうえで、住民が決壊までに安全な場所に避難できるかが死活問題となる。

荒川が決壊した場合、その濁流は10キロほど離れた東京・大手町にも押し寄せるという。内閣府の試算では、地下鉄で最大17路線、97駅に浸水域は拡大し、決壊地点から20キロ離れた目黒まで達する。その影響はのべ1400万人に及ぶ可能性がある。さらに、電気設備や地下ケーブルが張り巡らされた東京の地下が浸水すれば、ガス・通信などのライフラインを含めて、被害総額は33兆円にのぼる恐れがある。今やいつ降ってもおかしくない72時間で550ミリの雨。住民避難もふくめて、その対策が自治体任せでは限界がある。被害を最小限のものとするためにも、国をあげての対応が急務であると感じた。


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【2015/12/29 03:32】 | Webの記事
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               嶋津 暉之

12月24日、2016年度予算案発表に伴い、直轄ダム・水資源機構ダムの予算案も公表されました。
この直轄ダム・水資源機構ダムの予算の推移について昨日の東京新聞夕刊に、「脱ダムは遠のく 5年で予算2割増 「継続」続出、中止5件」という記事が掲載され、ネット記事にもなりました。
今年の夏まで東京新聞特報部におられた篠ケ瀬祐司記者の記事です。

この記事にあるように、直轄ダム・水資源機構ダムは30ダムが検証の対象になり、18事業が推進、5事業が中止になりました。残り7事業が検証中です。

中止の5事業は吾妻川上流総合開発、荒川上流ダム再開発、利根川上流ダム群再編、七滝ダム、戸草ダムであり、そのうち、3事業はダム事業として明確なものではありませんでした。

私たちが注目している直轄ダム・水資源機構ダムのうち、検証の結果が出たものは、推進のゴーサインが出てしまいました。腹立たしい限りですが、屈することなく頑張りたいと思います。

そして、検証中の7ダムは利賀ダム、大戸川ダム、筑後川水系ダム群連携、城原川ダム、思川開発 [南摩ダム]、丹生ダム、木曽川水系連絡導水路です。
これらの事業を何とか中止にもっていきたいものです。

◆脱ダムは遠のく 5年で予算2割増 「継続」続出、中止5件
(東京新聞夕刊 2015年12月28日)
http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/list/201512/CK2015122802000216.html

 安倍政権下で、国や独立行政法人「水資源機構」が建設するダム事業の予算が増え続けている。
「できるだけダムに頼らない治水」を掲げた民主党政権下の二〇一〇年九月にダム事業の是非の検証が始まったが、多くが「継続」と判断され工事が本格化したためだ。 (篠ケ瀬祐司)

 検証は事業者が自治体関係者などから意見を聞きながら行い、国土交通省の有識者会議がその手続きを点検する。事業中止をめぐり注目を集めた八ッ場(やんば)ダム(群馬県長野原町)は国交省関東地方整備局が検証して「継続」と判断した。

国の機関が国の事業を点検する仕組みに疑問の声も上がった。
 検証の対象となったダム事業は三十で、これまでに判断が下されたのは二十三事業。うち八割近い十八事業が「継続」で、「中止」は五事業にとどまる。

 検証対象のダム事業は着手した工事は続けるが、新たな段階に入らなかった。八ッ場ダムは水没予定地住民向けの道路や橋などの工事は進める一方、検証結果が出るまでダムサイト本体の工事を始めなかった。

 検証が始まった翌年度となる一一年度当初予算のダム事業費は約千二百三十九億円。自公政権が組んだ〇九年度当初予算(約二千二百三十六億円)の半分近くに減った。

 しかし、検証で「継続」が増え、ダム予算も積み上がった。第二次安倍内閣発足後の一三年度当初予算は約千二百七十五億円。二十四日に閣議決定された一六年度当初予算案では約千四百五十三億円と、一一年度と比べ二割近く増えた。

 ダム問題に取り組む市民団体「水源開発問題全国連絡会」の嶋津暉之共同代表は「八ッ場ダムの場合、実情に合わない過大な水需要を前提にするなど、検証が形式的だった」と指摘。結果の出ていない七事業は、より科学的な検証を進めるよう求めている。


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【2015/12/29 03:25】 | 新聞記事から
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                嶋津 暉之

国の事業認定取り消しを求める訴訟を起こした石木ダム反対派住民らの弁護団は12月25日、事業認定の執行停止を求める申立書を送付しました。

◆石木ダム反対派 執行停止申立書を地裁へ送付
(読売新聞長崎版2015年12月26日)
http://www.yomiuri.co.jp/local/nagasaki/news/20151225-OYTNT50087.html?from=yartcl_popin

県と佐世保市が川棚町に計画する石木ダム建設事業を巡り、国の事業認定取り消しを求める訴訟を起こした反対派住民らの弁護団は25日、新たに事業認定の執行停止を求める申立書を長崎地裁に送付した。

弁護団によると、執行停止の申立人は24人。
事業を巡っては、地権者ら110人が11月、国の事業認定取り消しを求めて同地裁に提訴している。
これに加えて、判決確定まで土地の収用や工事が進むのを防ぐため、執行停止を申し立てることにした。

 弁護団は申し立ての理由について、「事業の進行によって人の生きる尊厳を奪われ、回復することができない損害を被るため」としている。

◆執行停止求めて地権者が申立書
(2015.12.26 朝日新聞)
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◆禍根残さぬ選択肢を
(2015.12.28 朝日新聞)
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◆混迷の果て法廷へ
(2015.12.28 長崎新聞)
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◆土地奪われる切迫感
(2015.12.28 毎日新聞)
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【2015/12/29 03:18】 | 石木ダム
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               嶋津 暉之

鬼怒川水害について災害弱者の視点からの記事をお送りします。

◆<取材ノートいばらき2015> 鬼怒川決壊 災害弱者に冷たい行政
(東京新聞茨城版2015年12月28日)
http://www.tokyo-np.co.jp/article/ibaraki/list/201512/CK2015122802000164.html

 九月十日、常総市を流れる鬼怒川の堤防が決壊した。浸水面積は推定で約四十平方キロに及び、住宅五千棟以上が全半壊した。決壊当日の朝から三カ月以上、取材を続けてきた。被災しながらもお互いを気遣う人々の温かさに触れる一方で、本当の災害弱者にまで思いが至らない行政に冷たさを感じた。心に残った言葉から、この大災害を振り返る。

 九月十日の夕方、避難所になった地域交流センターで、本石下の高橋三枝子さん(66)が市職員に訴えていた。「隣に住む五十代の夫婦が、電話で『助けて、助けて』と何度も言ってくる」。平屋の事務所に取り残された夫婦は、初めテーブルの上に立って浸水を避けていたが、水かさが増してきて、今はテーブルの上にソファを置いて、その上にいるという。

 しばらくして高橋さんの携帯電話が鳴った。「救助されたそうです」と言って、高橋さんは安堵(あんど)の表情を浮かべた。今回の水害では、足が不自由で逃げられないお年寄りを地元の消防団員が背負って避難させたり、住民が早朝、隣家に声を掛けてもらって避難したりと、地域住民が助け合って困難に立ち向かった。

 市内では二人の尊い命が失われた。それでも隣接するつくば市の防災担当者は「常総市は、どこに誰が住んでいるのか分かっている農村集落。住民が助け合ったことで、誰にも気づかれず、ベッドの上に取り残された犠牲者が一人もいなかったことは評価に値する」と話す。
 一方で、行政の対応は対照的だった。常総市の人口の6%に当たる約四千人が外国人で、その大半はブラジル人だ。しかし水害発生当日、市が防災行政無線で避難を呼び掛けたのは、日本語でのみだった。相野谷町に住む日系ブラジル人三世の柴田キヨシさん(35)は「何を言っているのか分からなかった。税金を納めているのに、同じ人間じゃないのか」と悔しさをにじませる。

 外国人への対応だけでなく、ペットを連れて避難している被災者にも行政は冷たかった。県と市は九月下旬から、避難者に公的住宅を提供し始めたが、公的住宅でペットを飼うことは禁じられていた。

 十一月中旬、動物愛護団体の要望を受けた関東財務局が、ペットが飼える旧国家公務員宿舎(つくば市)を提供することを即決。「ペットに関して県からの問い合わせはなかった。ペットが飼える住宅があることは県も知っていたはず。担当者が変わってしまったからなのか」と対応の遅れを残念がった。

 足が不自由で、ほかの人たちに迷惑をかけたくないと避難を拒み、自宅二階で二晩をすごした中山町の和田秋夫さん(54)。ヘリコプターで救助された後、「鬼怒川は大丈夫だろうと油断していた。今回の災害は国と県と市、そして自分にも少しずつ責任がある」と後悔を口にした。

 市内を流れる八間堀(はちけんぼり)川があふれ、自宅が大規模半壊した水海道淵頭町の並木千鶴子さん(73)は「これからは川の管理は人任せにしない」と誓いを新たにする。

 公的住宅に避難したり、親戚の家に身を寄せたり、壊れた自宅で不便な生活を強いられたり、被災者の不自由な日々は今も続いている。生活の再建や防災対策などがどう進んでいくのか、来年もしっかり取材を続けていく。 (増井のぞみ)


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【2015/12/29 02:50】 | 新聞記事から
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               嶋津 暉之

元建設省土木研究所次長の石崎勝義氏が27日の常総市での集会で、堤防の強化に取り組まなかった国の対応に疑問を投げかけました。その記事をお送りします。

◆鬼怒川決壊 住民と「決壊なぜ」 常総で集会 専門家、国の責任指摘
(茨城新聞2015年12月28日)

鬼怒川の堤防が決壊した常総市上三坂地区で27日、決壊の原因などを考える集会が開かれ、元建設省土木研究所次長の石崎勝義氏が講演し、「補強が必要な堤防をそのままにした国に責任かある」と主張した。
住民や市議ら約20人が参加した。
石崎氏は「越水だけなら、水量は決壊の約5%にすぎないとされる。家が押し流されることもなかった」と話し、堤防の人家側斜面に遮水シートを埋める工法の必要性を訴えた。

この工法は越水に耐えるとして、1990年代に導入されたが、「ダム重視のためか消え去り、その後、タブー視された」と分析。
「これだけ多くの被災者を出しながら、国交省は一言も謝らない」と指摘した。

住民らが「堤防は砂でできていた」「他の箇所よりも低かった」と話すのに対し、「砂はもろい上、低い場所から越水が始まる。ここは格段に注意すべき堤防だった」と、同省の対応に疑問を投げ掛けた。 (松田拓朗)

【2015/12/29 02:47】 | 新聞記事から
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              嶋津 暉之

鬼怒川水害の要因の一つとなった八間堀川の氾濫についての記事です。

◆<2015いばらき取材ノート> 八間堀川の氾濫 行政の対応後手に
(東京新聞茨城版 2015年12月25日)
http://www.tokyo-np.co.jp/article/ibaraki/list/201512/CK2015122502000166.html?ref=rank

 九月十日、関東・東北水害に見舞われた常総市では、鬼怒川だけでなく市内を流れる八間堀(はちけんぼり)川も氾濫した。しかし八間堀川周辺の被害は、鬼怒川の氾濫の陰で、あまり取り上げられてこなかった。三カ月後の今、住民は「これは人災。二度と同じことを起こさないでほしい」と再発防止を訴える。

 八間堀川は下妻市から常総市にかけて流れる県管理の河川で、同市南部で分岐して鬼怒川と小貝川に注いでいる。今回の水害で南部の水田地帯三カ所の堤防が決壊した。県は、あふれた水が堤防を削ったと推測しているが、その時間帯は今も不明だ。このほか八間堀川周辺の市街地では、鬼怒川の決壊とは無縁の浸水被害がいくつも発生している。
 つくば市内で避難生活を送る水海道橋本町の松崎広子さん(75)は「テレビで鬼怒川の決壊を見ていた午後一時半ごろ、自宅前も水があふれていた」と証言する。当時は近くの鬼怒川が堤防すれすれまで増水し、八間堀川から鬼怒川へのポンプによる排水が中断されたころ。行き場を失った八間堀川の水が、市街地とつながる排水路から逆流して路上に噴き出たらしい。

 排水路は開閉式だが、長年にわたり開いたままで、管理者も曖昧だった。逆流して数時間後、住民と市職員によってようやく排水路を閉じることができたが、浸水地域の住民は車で避難できず、夜には鬼怒川からの洪水にも襲われた。自宅を取り壊すことが決まった松崎さんは「行政が八間堀川をきちんと管理していれば、逆流は防げたはず」と悔しがる。

 ただ、実質的な川の管理責任は複雑だ。川そのものは県の管理だが、鬼怒川、小貝川との合流地点は国の管轄。このうち小貝川側の水門開閉は常総市が受け持ち、水門に隣接する小型の排水ポンプは地元の江連八間(えづれはちけん)土地改良区の所有だ。川が分岐するポイントにも水門があり、県が土地改良区に開閉操作を任せているが、この水害で開閉することはなかった。

 それぞれの管理者は当時、個々に集めた範囲の情報で対応していたものの、八間堀川を一体的にコントロールする仕組みはなく、住民にも正確な状況は伝わっていなかった。今月中旬、決壊現場などを視察した常総市議団の一人は県に改善を求めた。「分業化していてはまずい。緊急時に連携できなくては」 (妹尾聡太)

      ◇

 九月、鬼怒川が決壊した関東・東北水害で、常総市内だけで五千棟以上の住宅が全半壊した。取材ノートは、住民たちの恐怖、嘆き、悲しみ、怒りで、たちまちいっぱいになった。未曾有の災害に記者も身を震わせた二〇一五年が、静かに過ぎようとしている。ノートを繰りながら、水害をはじめ記憶に刻まれた出来事を振り返る。


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【2015/12/27 11:18】 | 新聞記事から
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               嶋津 暉之

鬼怒川水害の要因の一つとして、鬼怒川からあふれた水が(鬼怒川と小貝川の間を流れる)八間堀川に入り、その八間堀川の下流部で氾濫するという二次的な氾濫があります。
八間堀川は最下流部で新八間堀川と旧八間堀川に分かれ、新八間堀川は鬼怒川へ、旧八間堀川は小貝川に流れます。
この記事で取り上げているのは、旧八間堀川から小貝川に排水するポンプ3台のうち、2台が動かなかったという問題です。
しかし、流路の幅は新八間堀川の方が旧八間堀川よりずっと広く、主に氾濫で問題になったのは新八間堀川の方ではないかと思います。
新八間堀川から鬼怒川に排水する排水機場のポンプ(2台で毎秒30トン)が9月10日午後1時ころ、鬼怒川の水位上昇を理由に停止され、そのあと、八間堀川の氾濫が進行していくのですが、この排水機場の運転停止が妥当な判断であった否かが問われるのではないでしょうか。

◆八間堀川の排水ポンプ 水害時、3台中2台が動かず
(東京新聞茨城版 2015年12月25日)
http://www.tokyo-np.co.jp/article/ibaraki/list/201512/CK2015122502000164.html

 関東・東北水害で常総市内の八間堀(はちけんぼり)川があふれ、決壊した問題で、水害発生当日、八間堀川から小貝川に排水する「水海道排水機場」(常総市水海道淵頭(ふちがしら)町)に三台あるポンプのうち二台が動かなかったことが分かった。

二十四日、常総市役所で開かれた市議会水害検証特別委員会で、排水機場を管理する「江連八間(えづれはちけん)土地改良区」(下妻市)の担当者が明らかにした。

 土地改良区の吉川定男維持管理課長が証言した。吉川課長によると九月十日午後七時半ごろ、排水機場のポンプを動かしたが、一台しか動かなかったという。三台で毎秒七トンほど排水できるが、排水能力が毎秒三トンの一台しか動かなかった。原因は分かっていない。

 午後八時半、排水機場の浸水が始まり、感電する恐れがあったためポンプの運転を止めた。毎年、ポンプを点検していたが、排水する水が足りず、手回しで点検していたという。吉川課長は「点検不足だったかもしれない」と不備を認めた。

 また、同日午後一時ごろ、国土交通省が八間堀川から鬼怒川への排水を止めたことについて、吉川課長は「国から連絡はなかった」とし、その後も国や県から一切、指示がないことも明らかにした。

 市議からは「指揮系統ができていない。一本化しないとまた同じことが起きる」と懸念する声が上がっていた。 
(増井のぞみ)

【2015/12/27 11:10】 | 新聞記事から
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            嶋津 暉之

鬼怒川水害の堤防決壊箇所(三坂地区)と越水箇所(若宮戸地区)の堤防工事についての記事です。

◆茨城)決壊した堤防の復旧工事、1月着工へ
(朝日新聞茨城版2015年12月25日03時00分)
http://www.asahi.com/articles/ASHDS4J97HDSUJHB00C.html

9月の豪雨で決壊した常総市三坂町での鬼怒川の堤防の復旧工事について、国土交通省下館河川事務所は24日、地元の上三坂公民館で住民説明会を開き、概要を発表した。来月、着工する予定。

 復旧される堤防は長さ201メートル。南北で現在の堤防に接続させ、総延長は約260メートル。最上部は幅6メートル。高さは、これまでより最大1・4メートル高くなる。
堤防の川側には鋼の矢板も打ち込む。来月11日の着手式を経て12日以降に着工。土日も工事をし、6月までには終えたいとしている。仮堤防は現在は二重にめぐらせてあるが、外側は残し、内側を撤去して本堤防を造る。川の中も掘削し、多くの水が流れるようにする。
 住民10人が説明を受け、家が流された住民が、かさ上げする高さの根拠などを質問した。


◆茨城)戦死者慰霊塔、残った 常総・若宮戸の堤防計画
(朝日新聞茨城版2015年12月24日)
http://digital.asahi.com/articles/ASHDQ4W3NHDQUJHB007.html?rm=274

 9月の豪雨で鬼怒川の水があふれた常総市若宮戸の無堤防地区(1キロ)で、国土交通省が来年から着工する堤防の計画概要が分かった。現在の仮堤防より川寄りに建設され、ビルマ(現ミャンマー)での戦死者の慰霊塔は堤防にかからないよう配慮された。国交省は地元で25日に事業説明会を開き、発表する。

 国交省が関係者の一部に22日までに計画の概要を打診した。

 それによると、鬼怒川沿いの市道にほぼ沿った形で建設される。堤防の底辺部の盛り土幅は25~35メートル、高さは最高で5・7メートル。のり面には芝が張られる。最上部は幅6メートルでアスファルト舗装される。

 慰霊塔を建設した稲葉茂さん(故人)の長男修一さん(65)や関係者によると、国交省には当初、堤防を慰霊塔の東側にするか西側にするかの両案があった。9月の豪雨水害後に、修一さんに話を聞くなどし「今後も慰霊の活動をしたい」という意向に配慮したという。修一さんは「慰霊塔を残してもらい、ありがたいと思います。今後もしめやかに慰霊祭を営んでいきたい」と語った。

 国交省は、年度内に地元の了解を得たうえで、来年春から現在は仮堤防となっている地区を先行し、工事に着手する方針だ。(五十嵐透)


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【2015/12/27 11:01】 | 新聞記事から
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                 嶋津 暉之

鬼怒川水害の被災地の現状を伝える記事です。

◆【東日本豪雨を振り返る】 荒れた農地、地下水に大腸菌… 
年の瀬迎えた被災地では生活再建の日々が今も続く

(産経新聞2015年12月26日 14:00更新)
http://www.sankei.com/affairs/news/151226/afr1512260001-n1.html

 茨城、栃木両県を流れる鬼怒川の堤防が決壊し、濁流が町や人々の生活を飲み込んだ9月10日の東日本豪雨。今も記憶に生々しい豪雨被害からの復興の現状を見ようと24日、大きな被害を受けた茨城県常総市を訪れた。一方、防災・危機管理を握るはずの役所の情報発信の混乱ぶりについて、改めて振り返った。

 地下水今も使えず


 初めに訪ねたのは、同市水海道諏訪町にある常総市役所。1階部分には濁流が流れ込み大きな被害を受けたが、当時の傷跡は見る影もなく、きれいに復旧されて機能を回復している。市役所までの道のりも、飲食店などは再開している店舗が多く、水害を思い起こすものは少ない。

 市役所の建物を出ると、給水車が止まっていることに気付いた。市内の水道は復旧して久しいが、なぜ給水が必要なのだろうか。

 同市箕輪町の女性(79)は「地下水から大腸菌が検出されたから、お茶をいれる水をくみに来た」と教えてくれた。

 自宅に水道は通っておらず、地下水をポンプでくみ上げて使っていたが、大腸菌の値はまだ下がらないという。女性は疲れた表情を見せながら、こうつぶやいた。「いつまで水くみに来ればよいのか」

 続いて、同市三坂町の堤防決壊現場に向かった。濁流で崩れた県道は、今月18日に開通した。付近のえぐり取られた土地もかさ上げが進み、目に見えて復興は進んでいる。

 一方、決壊現場から400メートルほど離れた場所では、近くに住む農業の男性(65)が、じっと荒れ果てた畑を見つめていた。

視線の先には、めちゃくちゃに壊れた農業用機械と、放置された電柱や家屋の一部。男性は「土の中に細かいがれきが入っていて耕すこともできない。農業は続けたいけれど、来年はどうなるか分からない」と打ち明ける。

 一歩一歩、復興に向かって歩を進めている常総市。インフラの復旧は急ピッチで進んでいるが、一方で際立つのが市民生活の再建の遅れだ。

 まだまだ不自由な生活を送っている市民は多い。来年も引き続き、常総市と住民を見つめ続けたい。
  (桐原正道)


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【2015/12/27 10:55】 | 新聞記事から
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