「ダム建設の時代は終わった」by米国内務省開拓局長官ウィリアム・ピアーズ
                 嶋津 暉之

和歌山県営・椿山ダムから海に流れた濁った水の影響でアワビやサザエなどの漁獲量が減ったとして、美浜町の漁業者が和歌山県に損害賠償などを求めた裁判で、和歌山地裁は今日の判決で原告側の請求を全面的に退けました。

◆椿山ダムの濁水訴訟 原告側全面敗訴
(和歌山放送 2015年03月30日 18時54分)
http://wbs.co.jp/news/2015/03/30/58378.html

日高川上流の椿山ダムから流れ込む濁水が、河口の美浜町三尾の磯にたい積し、アワビやナガレコのエサとなる海藻が枯れて漁が出来なくなったとして、地元の漁協が和歌山県を相手取って損害賠償などを求めていた裁判で、和歌山地方裁判所の橋本眞一(はしもと・しんいち)裁判長はきょう(30日)、原告側の請求を全面的に退けました。

この裁判は、和歌山県が管理する椿山ダムからの濁水が原因で、1990年(平成2年)頃から三尾地区の磯に茂っていたアラメやカジメなどの海藻が枯れ果てる「磯焼け」現象が起きたために海藻をエサにするアワビやナガレコが餓死し、水揚げ量が20年前のおよそ30分の1にまで減少したとして、美浜町の三尾漁協に所属する漁師ら58人が損害賠償や精神的苦痛などの保障費などあわせておよそ5億7千万円余りを和歌山県に対して支払うよう求めていたものです。
きょうの判決で橋本裁判長は「ダムが竣工した1988年(昭和63年)3月以前からアラメやカジメの藻場に関する衰退傾向は徐々に始まっており、三尾沿岸の磯焼けが主にダムの濁水によるものであるとは考え難く、磯焼けとダムの濁水との因果関係は認められない」として原告側の請求を全面的に退けました。

裁判終了後、三尾漁協の村尾敏一(むらお・としかず)組合長は会見で「意外な不当判決でびっくりしている。不当で承服しかねる」と述べました。

また、村尾組合長は控訴するかどうかについて「組合で話し合って結論を出したい」と述べました。

一方、被告の和歌山県は、尾松智(おまつ・さとし)河川課長が「和歌山県の主張が認められ、妥当な判決と考えています。県としては、今後とも、県民の安全と安心を確保するために、椿山ダムの適切な管理に努めてまいります」とコメントしています。


◆漁業者の訴え退ける判決

(NHK 2015年 03月30日 21時41分)
http://www3.nhk.or.jp/lnews/wakayama/2043340381.html?t=1427721172576

ダムから海に流れた濁った水の影響でアワビやサザエなどの漁獲量が減ったとして、美浜町の漁業者が和歌山県に損害賠償などを求めた裁判で、和歌山地方裁判所は、「漁獲量の減少が濁った水によるものとはただちに認めることはできない」として、訴えを退ける判決を言い渡しました。

この裁判は、日高川の上流にある椿山ダムから流れ出した濁った水の影響で下流の美浜町周辺の海で海藻が枯れ、アワビやサザエなどの漁獲量が減ったとして、地元の漁協と組合員など58人が和歌山県に5億7000万円あまりの損害賠償などを求めていたものです。

和歌山地方裁判所の橋本眞一裁判長は、「漁獲量の減少が濁った水によるものとただちに認めることはできない」などとして、原告側の訴えを退ける判決を言い渡しました。

判決について、原告側の由良登信弁護士は、「原因がダムの建設であることは明白であり、不当な判決だ」と述べ、控訴を検討する考えを示しました。

和歌山県は、「主張が認められ、妥当な判決だと考えている。今後もダムの適切な管理に努めていく」というコメントを出しました。


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【2015/03/30 23:54】 | 裁判の報告
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アメリカでは無駄なダムの撤去が大きな流れになってきていますが、日本では安倍政権になり、次々検証中だったダム計画が復活してきています。
「川のための日・国際行動デー」市民上映会として、アメリカのダム撤去の映画「ダムネーション」の上映会を開催しました。
八ッ場ダムをストップさせる埼玉の会の会員でない方たちも上映会に来て下さり、映画が終わった後には拍手がおこりました。

上映後には、野本夏生弁護士から「住民訴訟裁判報告」がありました。
国の判断を地方に押しつけることを容認した東京高裁判決の論理は,法の構造を無視した余りにも乱暴なものですので、その是正を求めて、最高裁に上告したことなどをお話しされました。
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嶋津 暉之さんからは「八ッ場ダム事業の現状と今後の見直し」の解説がありました。
失われてゆくかけがえのない自然、八ッ場ダムの出来た場合の暗い将来像、水余りで利水には不要な事、治水対策としても無意味な事、重大な地質問題、ダム事業費の大幅増額が必至であることなど、など何一つ正当性のないダムであるので、「八ッ場ダムはNo!」と言い続けなければならないことをお話されました。

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明るい話題として、国内で唯一撤去のすすむ熊本・荒瀬ダムでは自然が回復してきています。
「ダムネーション」の理念を引き継ぐ「利根川の未来を考えるカムバック・うなぎ・プロジェクト」(利根川流域市民委員会)という運動も始まっています。

質疑応答では、八ッ場ダムができることによって東電の水力発電の水量が減り減電補償として東電に補償金を払わなくてはならないことや、吾妻川の強酸性の水質を中和するための事業についてなどの質問がありました。
休憩を挟んで、「八ッ場ダムをストップさせる埼玉の会」の総会が開催されました。
一都五県で住民訴訟を始めてから10年。
取り組む人たちの高齢化問題も出てきました。
しかし、八ッ場ダム問題は原発問題と同じで、課題や借金を全部若い世代の人たちに先送りしていること。若い人たちに有意義に使うべき貴重な税金を無駄なことに使ってしまっている事。実は若い人たちこそ、当事者であることを伝えて、ともに活動してゆくべきではないかという意見が出ました。

若い世代のためにも、日本の将来のためにも、引き続き「八ッ場ダムNo!」と声を上げ続けてゆきます。


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【2015/03/29 00:47】 | 総会
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                嶋津 暉之

一昨日、2011年7月の新潟・福島豪雨で被災した只見町民らが、国と県、只見町、ダムを管理する電源開発に損害賠償などを求めた訴訟の第1回口頭弁論がありました。

2011年7月の新潟・福島豪雨による只見川周辺の水害については下流側の金山町民が昨年、電源開発と東北電力に損害賠償を求めた訴訟を提起し、今年3月12日に第3回の口頭弁論がありました。

この二つの訴訟の違いは、後者(金山町民の裁判)の被告が電力会社二社であるのに対して、前者(只見町民の裁判)の被告は国と県、只見町、電源開発となっています。


◆国、県など争う姿勢 新潟・福島豪雨の損害賠償訴訟
(福島民友新聞2015年 3月27日(金))
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150327-00010009-minyu-l07

2011(平成23)年7月の新潟・福島豪雨で被災した只見町民166人と町内の3事業所が、国と県、只見町、ダムを管理する電源開発(Jパワー)に約7億1635万円の損害賠償などを求めた訴訟の第1回口頭弁論は26日、地裁会津若松支部(渡辺和義裁判長)で開かれた。
国、県、只見町、電源開発とも請求棄却を求める答弁書を提出、争う姿勢を示した。
国などは答弁書で、水害の発生根拠などが明らかでなく説明を求めるなどとしている。

訴状によると、国と県は水害防止の指導を怠るなどとした。町は電源開発からダムの放流開始の連絡を受けたのに住民に速やかに知らせず、電源開発はダムの貯水量の増加を予想できたのに事前放流で水位を下げるなどの対処を怠った、などとしている。

【2015/03/28 23:50】 | 新聞記事から
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               嶋津 暉之

昨日、荒川河川整備計画有識者会議の第2回会議が開かれ、その配布資料が関東地方整備局のHPに掲載されました。

◇第2回荒川河川整備計画有識者会議(平成27年3月27日)
http://www.ktr.mlit.go.jp/river/shihon/river_shihon00000247.html

こちらでお伝えしたように、この有機者会議では一般市民は別室でのモニター傍聴にとどめられ、非民主的な運営がされていますので、全面公開を求める要請書を提出しました。

この要請書は昨日の会議で配布され、会議の終わりに一委員から、直接傍聴できるようにすべきではないかという意見が出ました。全面公開にするか否かは山田正座長と事務局の預かりとなりました。次回はどうなるのでしょうか。

荒川河川整備計画では問題事業として、中流部での洪水調節地の増設と、下流部でのスーパー堤防がありますので、今後も取り組んでいきたいと思います。

【2015/03/28 23:44】 | 有識者会議
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                 嶋津 暉之

国交省の国土審議会の答申「今後の水資源政策のあり方について」が公表されましたので、お知らせします。

水資源分科会の答申案についてパブリックコメントが行われたけれども、答申にはほとんど反映されず、パブコメの個別意見も公表されませんでした。
儀式としてのパブリックコメントでした。
提出された個別意見は情報公開請求中です。


国交省のHP
「今後の水資源政策のあり方について」答申の公表について 
http://www.mlit.go.jp/report/press/water02_hh_000061.html

国土審議会は、平成25年10月22日に、国土交通大臣から国土審議会長に対し「今後の水資源政策のあり方について」諮問されたことを受け、水資源開発分科会調査企画部会において11回、水資源開発分科会において2回の審議を行った上で、「答申」をとりまとめましたので、お知らせします。

水資源開発分科会の審議経過及び公表資料はこちらを御参照ください。
http://www.mlit.go.jp/policy/shingikai/s102_mizushigen01.html

水資源開発分科会調査企画部会の審議経過及び公表資料はこちらを御参照ください。
http://www.mlit.go.jp/policy/shingikai/s103_chousakikaku01.html

添付資料 (※リンク先をご覧ください)

[報道発表]今後の水資源政策のあり方について 答申の公表
【添付資料】今後の水資源政策のあり方について 答申
【添付資料】(参考)概要


【2015/03/28 23:34】 | 政策
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 嶋津 暉之

秋田の直轄ダム「成瀬ダム」への県負担金の支出差し止めなどを求めた住民訴訟の判決が昨日、秋田地裁でありました。残念ながら、住民側の敗訴でした。

「成瀬ダムによる洪水の抑制効果は小さくても、治水効果が見込めないとまではいえない」などという判決ですから、どうしようもありません。

瀬木比呂志著「ニッポンの裁判」(講談社現代新書)に書いてあるように、「日本の裁判官の多数派は、裁判官というよりは、むしろ、[裁判を行っている官僚」「法服を着た役人」」なのです。


◆県負担金「違法と言えず」…成瀬ダム訴訟
(読売新聞秋田版 2015年03月28日) 
http://www.yomiuri.co.jp/local/akita/news/20150328-OYTNT50010.html

〇差し止め請求を棄却

成瀬ダム(東成瀬村)の建設中止を目的に、住民ら367人が佐竹知事らを相手取り、ダム建設への県負担金の支出差し止めなどを求めた住民訴訟で、秋田地裁は27日、「国の行為に重大で明白な欠陥があるなど看過し得ないときでない限り、県の支出が違法とは言えない」と請求を棄却・却下する判決を言い渡した。原告側は控訴する方針だ。
裁判の争点は、ダムの治水機能やかんがい効果、建設地の安全性などだった。

判決で、棚橋哲夫裁判長は治水機能について「マニュアルに従った事業評価で直ちに誤りと判断できる事情はない」とし、かんがい効果では「河川の流量によっては、農業用水を賄いきれない状況にある」とダムによる用水補給の必要性を認めた。さらに、建設地の安全性では「断層があるという原告の主張は一般的な可能性を示すにとどまる」と述べて、ダム計画などに明白な違法や欠陥は見当たらないとし、この3点については請求を棄却した。

提訴から結審までに県が支出した負担金の差し止め請求などは却下した。

判決後、記者会見した原告側弁護士は「国がやることに県は従っていればいいというのは県職員や県民をバカにしている」と反発。原告住民代表の奥州光吉さん(63)は「判決は県民が知りたいことに答えておらず、残念。最後まで戦っていきたい」と話した。

佐竹知事は「今後とも関係法令を遵守(じゅんしゅ)し、河川行政の運営に努める」とのコメントを出した。


◆成瀬ダム建設「不合理といえず」、原告の請求棄却 秋田地裁
(秋田魁新報2015/03/27 23:27 )
http://www.sakigake.jp/p/akita/news.jsp?kc=20150327p

国が東成瀬村に建設中の成瀬ダムは不要だとして、市民団体「成瀬ダムをストップさせる会」の会員らが県を相手取り、国に支払う負担金の支出差し止めなどを求めた訴訟の判決で、秋田地裁は27日、原告の請求を棄却した。原告側は控訴する方針。

判決理由で棚橋哲夫裁判長は、ダムの治水効果について「成瀬ダムによる洪水の抑制効果は小さくても、治水効果が見込めないとまではいえない」と指摘。

また、農業用水の供給については「河川の流量によっては、かんがい用水を賄いきれないこともあり、ダム建設が不合理であるとはいえない」と判断した。原告側が「調査が不十分」とした地盤の安全性についても、国の判断に明白な違法性や欠陥はないとした。

判決後、ストップさせる会の奥州光吉代表(63)は「不当な判決。最後まで戦い抜く」と控訴する意向を示した。原告側代理人の沼田敏明弁護士は「地盤の安全性など、原告側が追及してきた問題について判断を避けている。残念を超えて怒りを覚える」と批判した。

佐竹敬久県知事は「今後とも関係法令を順守し、河川行政の運営に努めていく」との談話を出した。


◆成瀬ダム公費差し止めは認めず
(NHK2015年03月27日 18時52分)
http://www3.nhk.or.jp/lnews/akita/6015567421.html?t=1427460234269

国が東成瀬村に建設を進めている成瀬ダムをめぐり、住民グループが県の負担金の支出を差し止めるよう求めた裁判で、秋田地方裁判所は「明白な違法があるとはいえない」として原告の訴えを退けました。

国が東成瀬村に建設を進めている成瀬ダムをめぐり、建設に反対する住民グループは「ダムには洪水を防ぐ効果が無く建設予定地の近くに活断層があって安全性に問題がある」などとして、秋田県を相手取り負担金の支出の差し止めなどを求めています。

判決で秋田地方裁判所の棚橋哲夫裁判長は「ダムと河川改修によって全体的な治水対策を講じるのは不合理ではなく、国がほかの案と比較した結果、最も有利な案だと分析されている」と指摘しました。

また、「現状の川の流量では農業用水をまかないきれない状況にある。活断層についても原告の主張は一般的な可能性を示すだけで、明白な違法があるとはいえない」として原告の訴えを退けました。

判決について住民グループの代表、奥州光吉さんは「まったく納得できない判決で非常に残念です。次の控訴審に向けてしっかりやっていきたい」と話し、控訴する意向を示しました。

判決について秋田県の佐竹知事は「県の主張が認められた判決であると考えています。今後とも、関係法令を遵守し、河川行政の運営に努めてまいります」というコメントを出しました。


◆成瀬ダム訴訟 市民団体の請求を退ける(秋田県)
(秋田放送2015/ 3/27 18:12 )
http://news24.jp/nnn/news8618104.html

国が東成瀬村で建設中の成瀬ダムについて、市民団体のメンバーが県に対して負担金の支出差し止めなどを求めた裁判で、秋田地裁は27日、市民団体の訴えを退ける判決を言い渡しました。

この裁判は、国が東成瀬村に建設を進めている成瀬ダムは不要だとして、市民団体のメンバーが総事業費1530億円のうち、県が負担する260億円の支出の差し止めなどを求めたものです。

これまでの裁判で市民団体側は、治水効果が限定的であることや農業用水の需要が減っていることなどから、ダムは必要ないと主張してきました。

27日の裁判で、秋田地裁の棚橋哲夫裁判長は、「ダムの建設によって将来的に発揮される効果が多角的に検討されていて、建設事業が直ちに誤りであるとは認められない」として市民団体側の訴えを退ける判決を言い渡しました。

メンバーなどは判決後会見を開き、「県民にとって軽んじられた判決だ」として控訴することを明らかにしました。


◆成瀬ダム訴訟で住民敗訴=公金支出差し止め認めず-秋田地裁
(時事通信2015年03月27日)http://news.ameba.jp/20150327-798/

秋田県東成瀬村に建設中の多目的ダム「成瀬ダム」は治水・利水効果が低く安全性を欠き、県の負担金支出は違法として、市民団体「成瀬ダムをストップさせる会」のメンバーら住民367人が知事らに支出差し止めなどを求めた訴訟で、秋田地裁(棚橋哲夫裁判長)は27日、請求を退ける判決を言い渡した。

棚橋裁判長は、ダムの治水・利水効果がないとはいえないと判断。建設に当たる国が県に負担金支払いを求めた納付通知についても、違法性を認めなかった。

原告側はダムの治水効果が低いこと、人口減少や減反で水の需要が減ったことなどを指摘。周辺に活断層存在の疑いもあり、ダムは不要と主張していた。 【時事通信社】


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【2015/03/28 22:36】 | 裁判の報告
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~米国はダムを撤去する時代へ 日本は?~
クリックで別タブで開きます↓
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■日時:3月28日(土)13:30 ~ (開場13:15)

〇ドキュメンタリー映画「ダムネーション」上映    
(提供/パタゴニア87分/アメリカ/2014年)

〇報告 
「八ッ場ダム事業の現状と今後の見直し」「住民訴訟裁判報告」

■参加費:500円

■場所:浦和コミュニティセンター9階 第15集会室

ダム先進国の米国では、1990年代に「ダム建設の時代は終わった」として、これまでに1000基以上のダムが撤去されてきました。
翻って日本では、八ッ場ダムの計画が浮上してから実に63年目の2015年1月に八ッ場ダム建設が始まりました。ダム完成の2020年代は首都圏では人口減少が顕著になり、都市用水の供給を主目的とする八ッ場ダムは、既に目的を失った不要なダムです。しかも地すべり等の災害誘発の危険性があります。
アメリカ発、ダム撤去のドキュメンタリー映画を鑑賞し、八ッ場ダムを問い直しましょう。


ドキュメンタリー映画『ダムネーション』公式 (DAMNATION) by パタゴニア

※16:00~ 八ッ場ダムをストップさせる埼玉の会の総会が開かれます。





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【2015/03/27 23:33】 | お知らせ
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                嶋津 暉之

広島の被災地で住民を置き去りにして、約160戸が立ち退き対象となる幅16メートルの広域避難路の建設計画がつくられました。
災害に便乗して、住民不在の公共事業が強権的に進められようとしています。

<広島の課題・上>防災の街 住民置き去り
(読売新聞広島版 2015年03月26日)
http://www.yomiuri.co.jp/local/hiroshima/news/20150325-OYTNT50156.html

「意見がなければ、これで決定します。よろしいでしょうか」

 「異議なし」。25日、広島市役所で市幹部ら15人が出席した市復興まちづくり本部の第4回会議。被災地の今後10年間の砂防ダムや広域避難路整備などを盛り込んだ「復興まちづくりビジョン」が正式に決まった。特に発言もなく、会議は約30分で終わった。

 計画では、安佐南区八木、緑井の被災地に幅16メートルの広域避難路を長さ3・2キロにわたって整備するとした。市によると、予定ルート上の約160戸が立ち退き対象となる。「避難路への住民の理解はいただけている」と市幹部。この日の会議でも議題には上らなかった。

 だが、予定地に住む八木3の主婦藤本美登里さん(73)は不満を募らせる。「工事はいつ始まるのか。いつまで自宅に住めるのか」。担当者に尋ねても具体的な答えはない。

 ビジョンで、被災地が安全な町としてどのように生まれ変わるのかもあまり見通せないといい、「今のままでは中ぶらりん。身動きが取れない」と訴える。
■    □

 今回、計画された避難路は元々、渋滞緩和などを目的として1968年に都市計画決定された市道「長束八木線」(安佐南区長束3~八木6、計8・5キロ)の一部だった。財源不足などで開通区間は両端の2・7キロのみ。被災地での整備は事実上、止まっていた。

 土砂災害でその状況は一変する。避難路確保や雨水排水設備の必要性が指摘され、再び推進が決まった。

 ビジョンでは、最初の5年間の集中復興期間(緑井8、八木3、4)とその後5年の継続復興期間(緑井6~8、八木4)に分けて工事を進め、地下には雨水管を敷設する。広島大の海堀正博教授(砂防学)は「緊急時に、流出する土砂から横に逃げるための道路整備は重要だ」と話す。

□    ■

 自宅が立ち退き対象だと藤本さんが知ったのは、市がビジョン案を発表した昨年12月。市道の整備計画は立ち消えになった、と思っていた。災害時、自宅に大きな被害はなく、約50年前から暮らすこの場所で住み続けようと考えていただけにショックを受けた。

 「被災地の将来は行政だけで決めるのではない。私たちの声にもっと耳を傾けてほしい」と思う。他の被災者の間でも「『復興』の名の下に、自分たちの思いが置き去りにされている」との声がくすぶる。

 市は新年度予算に集中復興期間の測量や設計費など約6億9200万円を計上、秋以降に立ち退き交渉を始める方針だ。市道が既に決定された計画とした上で、案の発表後に各地で説明会を開くなどしたほか、4月以降も安佐南、安佐北両区に新設する復興工事事務所で住民の意見を聞くとして、住民に理解を求める。

 都市計画に詳しい広島大の戸田常一教授(地域政策論)は「地域がどう良くなるのか、市には住民とビジョンを共有していくため、さらに努力が必要だ」と指摘する。(大槻浩之)



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【2015/03/27 03:12】 | 新聞記事から
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                嶋津 暉之

利根川と密接な関係がある荒川の河川整備計画づくりが始まりました。

荒川は全国に二つあって、一つは埼玉と東京を流れる荒川、もう一つは山形と新潟を流れる荒川です。河川整備計画の策定の動きが出てきたのは前者の荒川です。後者の荒川の河川整備計画は2004年3月に策定されています。

荒川の河川整備計画策定の動きについての情報は関東地方整備局のこちらをご覧ください。
 ↓
http://www.ktr.mlit.go.jp/river/shihon/index00000028.html 

整備計画策定のための荒川河川整備計画有識者会議が去る2月23日に第1回会議が開かれ、3月27日に第2回会議が開かれますが、マスコミ関係以外の一般市民には全面公開されず、別室でのモニター傍聴にとどめられており、理解しがたい運営がされています。

一般市民を締め出すような会議の運営を看過することができませんので、有識者会議の委員に対して全面公開を求める要請書を下記のとおり作成して、関東地方整備局にFAXで送りました。

関東地方整備局から電話があり、27日、山田正座長(中央大教授)が了解すれば、各委員に配布するとのことでした。
ダム推進論者と言われている山田氏とはいえ、まさか、この要請書の配付にNOを言うことはないとは思うのですが、今後も、先祖がえりをしたように市民に背を向けるようになった国交省の姿勢を追及していかなければなりません。

                             2015年3月26日
荒川河川整備計画有識者会議
  委員 各位

        利根川流域市民委員会
         共同代表 佐野郷美(利根川江戸川流域ネットワーク)
         嶋津暉之(水源開発問題全国連絡会)
         浜田篤信(霞ヶ浦導水事業を考える県民会議)
   
 荒川河川整備計画有識者会議を全面公開に
              改善することを求める要請


私たち、利根川流域市民委員会は利根川水系を中心として、あるべき河川行政の実現を目指して活動している市民団体です。今回、利根川と密接な関係にある荒川の河川整備計画づくりが始まりましたので、荒川河川整備計画有識者会議においてどのような議論がなされていくのかを大いに注目しております。

ところが、この荒川有識者会議は去る2月23日の第1回会議も、3月27日の第2回会議も、マスコミ関係以外の一般市民には全面公開されず、別室でのモニター傍聴にとどめられており、理解しがたい運営がされています。

1997年の河川法改正に当たり、当時の建設省の尾田栄章河川局長は、国会の質疑で、河川管理者は河川整備計画に関係住民の意見を反映させる責務があるとし、河川整備計画の策定は市民とともに進めていくことが河川法改正の本旨であるという趣旨の答弁をしました。
実際に、荒川有識者会議に先行して、2006年12月から2013年3月まで開かれた利根川の有識者会議では一般市民にも全面公開し、市民が直接見守る中で議論が行われました。

利根川の有識者会議では全面公開であったのに、なぜ、荒川有識者会議では一般市民を会場から排除して別室にとどめおくのか、理解に苦しみます。荒川有識者会議が一般市民締め出しに固執するならば、各委員は一般市民の扱いを利根川の有識者会議における扱いと変えた理由を明らかにする責任があります。

荒川河川整備計画有識者会議を利根川の有識者会議と同様、全面公開にして、一般市民が直接傍聴できるように会議の運営のあり方をあらためて審議し、改善措置をとられることを強く要請します。

  以上



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【2015/03/27 02:39】 | 政策
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                嶋津 暉之

3月27日に秋田の直轄ダム「成瀬ダム」への県負担金の支出差し止めなどを求めた住民訴訟の判決が秋田地裁であります。
この裁判には秋田の弁護士さんの他に東京の西島和弁護士、札幌の市川守弘弁護士も関わり、私も治水問題で証言台に立ちました。
よい判決がでることを期待します。

◆成瀬ダム訴訟 あす判決
(読売新聞秋田版 2015年03月26日)
http://www.yomiuri.co.jp/local/akita/news/20150325-OYTNT50206.html

 成瀬ダム(東成瀬村)の建設中止を目的として、住民ら367人が佐竹知事らを相手取り、ダム建設への県負担金の支出差し止めなどを求めた住民訴訟の判決が27日、2009年4月の提訴から約6年を経て秋田地裁で言い渡される。

 成瀬ダムは、洪水調節や飲料水、農業用水の供給などを目的とし、成瀬川上流に計画されている。総事業費約1530億円で、うち県費負担は約260億円。24年度に完成する予定だ。

現在は工事用道路などの周辺工事が続いており、本体には着工していない。事業主体は国だが、治水や農業用水などの受益者負担として河川法などに基づき、県が事業費の一部を負担する。

 これまでの裁判で、原告側は
▽治水機能が低く、県の利益にならない事業に県が負担金を出すのは違法
▽農業用水の需要は低下しており、かんがい事業に県が負担金を出す理由はない
▽建設地近くに断層がある可能性があり、安全性を欠く
――などと訴え、県にダムの建設負担金などを支出しないよう求めている。
 これに対し、被告の県は治水の便益について、「下流の河川の流量を低減させる洪水調整効果がある」とし、かんがい効果については「水田の畑利用と水田利用を交互に行っており、畑から水田にした場合、用水量は増加する」と反論。

成瀬川断層については「空中写真などの調査で存在は確認されておらず、ダムの位置を決定する際に考慮する必要はない」としている。
2015年03月26日 Copyright c The Yomiuri Shimbun


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【2015/03/27 02:28】 | 新聞記事から
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