「ダム建設の時代は終わった」by米国内務省開拓局長官ウィリアム・ピアーズ
            埼玉の会、会員T

午後から荒れ模様の天気になるという予報を気にしながらも、午前中に写真展の準備を終えて総会が始まりました。
2013年度活動報告と決算報告、監査報告を受けての一括審議となり拍手で承認後、2014年度の活動方針(案)、予算(案)も承認され、新たな年度も希望を持って活動して行くことを確認して総会を終了しました。

後半の講演会には悪天候にもかかわらず、45名の方が参加されました。
新潟に生まれ、早くから柏崎刈羽原発の反対運動に関わってこられ、経済史、公害史、エネルギー・環境問題を専門分野としてこられた菅井益郎さんの講演は、足尾鉱毒事件・水俣病・原発・八ッ場ダム問題の共通点を鮮やかに浮び上がらせました。

1.講演「田中正造に学ぶ 原発・八ッ場ダム問題」

               菅井益郎・国学院大学経済学部教授
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 田中正造は100年も前から「デンキ開けて、世見(ママ)暗夜となれり」と
言い、日本の文明が知のみで徳のないことを憂い、現在の日本の状況を預言していたように思える。技術の過信が公害をもたらし、これを認めない政府に立ち向かい、5回も投獄されながら、その度に思想を磨いてきた。
 正造の運動の戦略は、まず発生源を止めることを第一義とし、政治問題化することによって政治的に解決しようとした。そのために世論喚起活動に力を注ぎ、広範な支援活動を組織化した。正造の願いとは逆に、国は渡良瀬遊水池を作って鉱毒を薄める策などをとり、鉱毒問題を治水問題に摩り替えた。これは元の原発をやめないで除染に力を入れる今の国のやり方と同じである。
 正造は「公害とは公益を害すること」といい、人権を無視して「公益」はない、と考えたが、明治以降、政府は「公益」を「国益」とみなすようになった。
この人々の苦しみは足尾鉱毒事件の「永久示談」や、水俣病の「見舞金契約」の文に如実に感じられる。
 今、放射能公害で苦しむ人々のことを考えると、福島を足尾、水俣の二の舞にしないために、1戸に1億位の補償をして、住み続ける被災者も避難した被災者も健康に生きる権利を補償しないと再建の目途が立たないと思う。
人間の愚かさを感じるが、厳しい状況の中でも活動して行きたい。




2.八ッ場ダム問題の現状と今後        

               嶋津暉之さん
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これから始まろうとしているのは、仮排水トンネルの呑口直下の締め切り工事で、高さ29mの小ダムです。吾妻川の水を仮排水トンネルに流してダム本体工事を進めることになります。
本体工事が始まると、周辺の自然林は失われ、イヌワシなどの生息が困難になります。渓谷美も失われ、埼玉の下久保ダム直下の三波石峡のようになってしまいます。
工事期間もずれこみ、2020年代の中頃から後半になる可能性が充分にあり、工事費の増額も必至となります。
八ッ場ダムがもたらす損失は計り知れないが、あきらめずに活動していくことが大事です。

その後「渡良瀬遊水池をめぐる運動の経過」についても説明していただきました。


3.八ッ場ダム住民訴訟の埼玉裁判報告 

               野本夏生弁護士
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裁判の現状は厳しく、東京、千葉、茨城、栃木が敗訴、5月に群馬、4月22日に埼玉の証人尋問があります。
公金の使い方の問題で住民訴訟を起こしている所はない。
4月22日午後2時から東京高等裁判所717号法廷で行われる裁判を傍聴してください。


最後にビデオ「カヤックから見た吾妻渓谷」の映像を見た後、いくつかの質疑応答が行われました。

同時開催されたアニマル・サポート・メイトとのジョイント写真展も見ていただき、ダムによって貴重な自然が失われることは許されない、との想いを強くしました。
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田中正造の「あきらめない」精神に学び、これからも活動して行きましょう。 


【2014/03/31 20:52】 | 総会
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さいたま市複合公共施設Comunale(パルコの上)10階 
浦和コミュニティセンター 第14集会室 
14:15~16:30(受付開始14:00)
講演会
「田中正造に学ぶ 原発・八ッ場ダム問題」
八ッ場ダム住民訴訟の埼玉裁判報告 
八ッ場ダム問題の現状報告
ビデオ「カヤックから見た吾妻渓谷」

クリックで大きくなります↓
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~同時開催~ 写真展「大切なもの」 
*吾妻渓谷は消えるのか? 八ッ場ダムは今
*守らねばならない失われる命
3月30日(日) 11:00~18:00
     31日(月) 10:00~17:00
浦和パルコ9階コムナーレ(さいたま市市民活動センター)
多目的展示コーナー 

※八ッ場ダムをストップさせる埼玉の会の総会を1:30より行います


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【2014/03/29 23:52】 | お知らせ
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             嶋津 暉之

平成26年度予算成立に伴い、各ダム事業の予算も決まりました。
直轄ダム、水資源機構ダムは昨年12月の予算要求の段階で予算が発表されています。
 ↓
http://www.mlit.go.jp/river/basic_info/yosan/gaiyou/yosan/h26/h26damyosan.pdf 

例えば、八ッ場ダムは99.3億円(うち、国費50.5億円)、霞ケ浦導水事業は4.2億円(うち、国費3.7億円)

補助ダムは平成26年度予算の成立で個所付けが決まりました。
 
都道府県別実施個所
 ↓
http://www.mlit.go.jp/page/kanbo05_hy_000659.html

各都道府県の「水管理・国土保全局」の資料から、各ダムの予算を拾うことができます。
たとえば、長崎県の石木ダムは14.9億円(うち、公共費9.76653億円)となっています。


◆八ツ場ダム建設に89億円 国交省、本体工事着手へ
(共同通信2014/03/28 11:29)
http://www.47news.jp/CN/201403/CN2014032801001494.html

国土交通省は28日、2014年度予算で、群馬県の八ツ場ダム建設に、地方自治体負担分を含む事業費で89億円の配分を決めた。国費は50億円。本体工事に着手するほか、周辺の道路整備や代替地へ移転する住民への補償に充てる。
国交省は、本体工事の入札に向けた準備を進めており、8月に入札を実施、10月にも着工する見通し。19年度に完成予定で、総事業費は約4600億円を見込む。

八ツ場ダムは国が利根川支流に建設する多目的ダム。民主党政権によるダム事業見直しで一時中断していた。


◆国交省予算 八ッ場99億円確保
(読売新聞群馬版 2014年3月29日 )
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/gunma/news/20140328-OYT8T00810.htm

国土交通省は28日、2014年度事業の予算配分を発表し、八ッ場ダム(長野原町)は、当初予定通りの約99億円を確保した。

このほか、東吾妻町を通る上信自動車道「吾妻東バイパス2期」(6・7キロ)の新規予算4000万円が認められ、起点となる渋川市から八ッ場バイパスまでの全区間(計約43キロ)が事業化されることも決まった。

上信自動車道は、渋川市と長野県東御市を結ぶ全長約80キロの「地域高規格道路」。今回は、測量、設計などの事業費として4000万円が計上された。大沢知事は、新規事業化を受けて「吾妻地域全域の活性化とともに、八ッ場ダム(の周辺住民)の生活再建に大きな弾みになる」とのコメントを発表した。


◆吾妻東6.7キロに予算配分 上信道 八ツ場まで全区間事業化
(上毛新聞2014年3月29日)
http://www.raijin.com/ns/6313960185356642/news.html

 国土交通省は28日、2014年度予算の配分(箇所付け)を発表した。事業費全体は13年度当初比で3%増の7兆5409億円。本県関係は補助事業で769億3700万円(事業費ベース)を支給する。

 上信自動車道の吾妻東バイパス区間(東吾妻町箱島―同町植栗)の6・7キロに4千万円が計上され、起点の渋川市から開通済みの八ツ場バイパスまでの区間は全約43キロの事業化が決定した。

 吾妻東バイパス区間は新年度に測量調査する。上信道は県が進める「七つの交通軸」の一つで、吾妻地域の主軸となる。全区間の事業化に、大沢正明知事は「地域活性化や八ツ場ダムの生活再建に大きな弾みになる。全線開通に向け取り組む」とコメントを発表した。


☆★こちらもどうぞご覧下さい★☆

 ・「八ツ場あしたの会」ニュース
 ・「八ツ場ダムをストップさせる千葉の会」
 ・利根川流域市民委員会
 ・まさのあつこさんの政策エッセイ
 ・どうする、利根川? どうなる、利根川? どうする、私たち? Ⅱ
 


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【2014/03/29 17:41】 | 国会で
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          嶋津 暉之

3月25日の八ッ場ダム茨城住民訴訟の東京高裁判決について毎日の記事をお送りします。
控訴人による立証を無視した最低の極悪判決でした。

●判決文
http://www.yamba.sakura.ne.jp/shiryo/ibaraki_k/ibaraki_k_hanketsu.pdf

●抗議声明
http://www.yamba.sakura.ne.jp/shiryo/ibaraki_k/ibaraki_k_hanketsu_seimei.pdf 

毎日の記事に浜田篤信さんの談話が載っています。

◆八ッ場ダム建設:公金支出差し止め訴訟 原告側の控訴棄却 東京高裁「瑕疵認められない」 /茨城
(毎日新聞 茨城版2014年03月26日)
http://mainichi.jp/area/ibaraki/news/20140326ddlk08010279000c.html

八ッ場ダム(群馬県長野原町)公金支出差し止め住民訴訟の控訴審判決で、東京高裁(園尾隆司裁判長)は25日、原告敗訴の1審判決を支持して原告側の控訴を棄却した。
判決では「利水の必要性や治水上の効果がないとは言えず、国土交通相の(茨城県への)建設費負担金の納入通知に明白な瑕疵(かし)があるとは認められない」と判断した。原告側は上告する方針。

八ッ場ダムを巡っては、県が「利水や治水の利益を受ける」として、国に建設費の負担金を納入。これに対し、住民団体は「水需要は飽和状態で利水の必要はない」として、負担金の支出を差し止めるよう求めていた。

閉廷後、記者会見した原告側は「公共事業の無駄遣いを司法がチェックしようとせず、むしろ積極的に奨励するものにほかならない」とする判決への抗議声明を発表した。

原告のNPO法人「霞ケ浦アカデミー」事務局長、浜田篤信さん(77)=小美玉市江戸=は「市町村を歩き、どんなにばかげた事業か県民の皆さんに説明していきたい」と話した。
【安味伸一】


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【2014/03/29 17:33】 | 新聞記事から
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               嶋津 暉之

3月24日に開催された国交省の国土審議会水資源開発分科会調査企画部会(第9回)の配布資料が国交省HPに掲載されました。

http://www.mlit.go.jp/policy/shingikai/water02_sg_000032.html

「中間とりまとめ」がほぼまとまりました。
あとは微調整をして、発表されることになっています。
来年度からはこの「中間とりまとめ」に沿って議論を進め、9月頃に「最終とりまとめ」を出すことになっています。

今回の「中間とりまとめ」の案を見ると、網羅的な話がつづき、狙いが今一つわかませんが、問題はこれが7水系のフルプランやウォータープランの改定にどのように結び付いていくかです。
 
http://www.mlit.go.jp/common/001033593.pdf  

「中間とりまとめ」の36ページを見ると、次のように書いてあります。

「Ⅲ - 1 - ( 5 ) 水需給バランスの確保

○ 現状の水供給の安定性について、戦後最大級の渇水の年まで含め、適正に評価を進めること。また、将来の水供給の安定性についても配慮すること。

○ 計画供給量は計画需要量を包含するよう設定し、利水安全度の目標水準は、少なくとも概ね1 0 年に1 度発生する少雨の年でも安定的に利用できることを基本として検討すること。」


1999年に策定されたウォータープラン21は、「通常の渇水年」(多くの水資源開発施設が利水基準年としている年)、 「20年間で2番目の渇水年)、「戦後最大級渇水の年」の3段階の降雨状況を仮 定して水需給の見通しを評価しました。

これを受けて、6水系のフルプラン(吉野川を除く)はその後の改定で20年間で2番目の少雨の年に考えた水源開発が必要だと言い出しました。このことによって、八ッ場ダムなどが利水面で必要だという理屈がつくられました。

最終とりまとめがどのようなものになるか、まだわからないところがありますが、「戦後最大級渇水の年」への対応が必要だという線が出てくる可能性が十分にあります。

それに沿ってウォータープランが造られ、フルプランの改定が行われて、水源開発事業の推進が今後も必要だという話になることが危惧されます。

24日の会議では小泉明首都大学東京教授が「いかなる事態が生じても渇水にならないように、本来は超長期の100年の計が必要だ」という趣旨の発言をしていました。
このように水源開発の推進ばかりを唱える委員もいますので、警戒せざるを得ません。

【2014/03/29 17:28】 | 政策
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             嶋津 暉之

こちらでお伝えしましたが(→酒匂川の三保ダムを建設で西湘海岸の砂浜後退、国が181億投じて砂浜回復・保全事業)神奈川の西湘海岸で国が砂浜復元を直轄事業として着手するという記事です。
砂浜後退の主因は酒匂川の三保ダムです。
ダムがもたらす弊害が新たな事業をつくり出しています。

◆砂浜復元 国が直轄事業 2014年度から着手
(タウンニュース 2014年3月28日号)
http://www.townnews.co.jp/0606/2014/03/28/230512.html

砂の流出による浸食被害が深刻な西湘海岸で、国が2014年度から直轄事業として砂浜復元に着手する見通しとなった。新工法の岩盤型施設(仮称)など高度な技術と、約181億円という大規模な予算を投じて砂浜の回復と保全に取り組む。

国土交通省の社会資本整備審議会での資料によると、事業区間は大磯町から小田原市までの約13Kmで、期間は2014年から2031年の17年間。

主な事業は、
【1】海岸の防護として大磯町の葛川西側から二宮漁港までの波打ち際に6基の岩盤型施設を設置する

【2】大磯町から二宮町の海岸で約2Kmの洗掘防護施設を整備

【3】小田原市の森戸川周辺の海底に沿岸漂砂礫流失抑制施設を整備

【4】海岸に約35万㎥の土砂を投入する養浜を行うというもの。これらの対策により、海岸を最低限30m以上の幅と適度な勾配を持つ砂浜に整備。台風など沿岸の高波時にも防災機能が最大限に発揮できるようになるという。有識者で組織する同審議会で、これらの新規事業が「妥当」と判断された。

海岸の浸食はダムなどの建設で川から海に流れ込む土砂が減少したことが主な原因で、全国各地で深刻化している。同省ではこれまでにも被害が深刻な地域で直轄事業による海岸の回復・保全に取り組んできた。

西湘海岸のある相模湾は、急峻な海底谷が海岸まで迫る急深湾のひとつ。波が減退せずに海岸まで到達しやすく、災害が起こりやすい。2007年の台風9号では、大磯・二宮の海岸で大量に砂が流出。西湘バイパスが破損し長期にわたって通行止めになるなど、大きな被害が出た。

この被害以降、県では養浜等の対策を実施してきたが、砂浜の十分な回復には至っておらず、2011年にも浸食被害が発生した。砂浜の回復・保全には国の直轄事業化による抜本的な浸食対策が必要として、沿岸の市町とともに要望を続けていた。


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【2014/03/29 17:20】 | 新聞記事から
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【2014/03/29 17:12】 | 未分類
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              嶋津 暉之

3月~4日に開かれた「霞ヶ浦導水事業の検証に係る検討 報告書(素案)」に対する公聴会の発言録、配布資料、意見要旨が関東地方整備局のHPに掲載されました。
13人の意見陳述者のうち、11人が事業反対で、問題点を指摘しても事業は推進の方向に向かうのですから、虚しい限りです。
しかし、言い続けなければなりません。

◇「霞ヶ浦導水事業の検証に係る検討 報告書(素案)」に対する関係住民の意見聴取の場の開催結果
http://www.ktr.mlit.go.jp/river/shihon/river_shihon00000238.html 




【2014/03/29 15:54】 | 官僚の暴走
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             嶋津 暉之

「霞ヶ浦導水事業の検証に係る検討の場」についての記事、ニュースをお送りします。
この中で、反対派の意見を紹介しているのはNHKの動画と毎日新聞だけです。
霞ケ浦導水事業に対して強い反対意見があることも知らない記者が記事を書いているのは憂うべきことです。


◆霞ヶ浦導水事業 「継続が妥当」
(NHK 2014年3月27日 20時54分) 
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20140327/k10013299331000.html

霞ヶ浦導水事業 「継続が妥当」

民主党政権下で工事が中断された茨城県の霞ヶ浦と2つの川を地下トンネルで結ぶ「霞ヶ浦導水事業」について、国土交通省の関東地方整備局は「事業の継続が妥当だ」とする報告書の原案を関係する自治体に示し、国土交通省は今後、自治体の意見を踏まえて事業の再開を最終決定する方針です。

「霞ヶ浦導水事業」は、霞ヶ浦の水質浄化と首都圏の水不足解消などのため、那珂川から霞ヶ浦を経由して利根川までの総延長46キロを地下トンネルで結んで水を行き来させるもので、国が昭和59年から建設を進めてきました。

しかし、民主党政権下で事業の必要性を再検討する必要があるとして工事が中断され、平成22年から建設を継続するかどうか、関東地方整備局が検証作業を続けてきました。
27日、関係する自治体の関係者を集めて開いた検討会で、関東地方整備局は、ほかの方法で霞ヶ浦の水質浄化などを行う場合と比較して、導水事業がコストが最も安く済むなどとして、「事業の継続が妥当だ」とする報告書の原案を示しました。

これを受けて国土交通省は今後、自治体の意見を踏まえて事業の再開を最終的に決める方針です。


◆霞ヶ浦導水事業「継続が妥当」
( 読売新聞茨城版 2014年3月28日)
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/ibaraki/news/20140327-OYT8T00760.htm

民主党政権のダム事業見直しで検証対象とされ、本体工事が中断している霞ヶ浦導水事業を巡り、国土交通省関東地方整備局は27日、関係する4都県と3市の知事、市長らで構成する「検討の場」を東京都内で開き、「事業継続が妥当」とする判断を示した。

橋本知事らも了承し、早期の再開を求めた。

同事業は水質浄化や水道・工業用水の確保などを目的に、霞ヶ浦と那珂川、利根川をトンネルでつなぐ計画で、1984年から建設が始まった。2009年9月の民主党政権誕生で検証が始まり、10年度予算案から本体工事費が計上されていない。

同局はこの日、「水質浄化」「利水」「流水の正常な機能の維持」の目的別に代替案と比較、検討した結果、同事業がコスト面などから最も有利になったと説明した。

これを受け、橋本知事はアオコ被害が続く霞ヶ浦や千波湖(那珂川水系)の現状を挙げ、「早く事業を始めてほしい」と訴えた。高橋靖・水戸市長、中川清・土浦市長ら出席者全員が再開を求めた。

同局は今後、関係自治体の意見などを踏まえた検討結果を報告し、国土交通相が継続を判断する。橋本知事らは太田国交相に対し、早期の工事再開、コスト縮減などを求める要望書を提出した。

同事業の総事業費は約1900億円。12年度までに約8割が投入された。県負担分は約851億円。霞ヶ浦と利根川を結ぶ利根導水路(約2・6キロ)は完成し、霞ヶ浦と那珂川を結ぶ那珂導水路(約43キロ)は約3割完成している。



◆霞ケ浦導水「事業継続が妥当」 関東地方整備局 報告書案提出へ
(茨城新聞 2014年3月28日)
http://ibarakinews.jp/news/news.php?f_jun=13959323801310

民主党政権下で凍結した霞ケ浦導水事業をめぐり、国土交通省関東地方整備局は27日、事業の是非を検証する「検討の場」を都内で開き、コスト面で総合的に最も有利であるとして、「継続が妥当」とする報告書案を本県含む4都県に示した。

同整備局は今後、4都県の意見を踏まえて検証結果を同省に報告。同省が最終的な国の方針を決定するが、4都県知事も必要性を主張しているため、事業継続の可能性が高まった。

報告書案は、現計画と複数の代替案について(1)水質浄化(2)利水(3)流水の正常な機能維持-の3点とともに、コスト面を重視して比較検討。その結果、現計画を「総合的な評価結果として最も有利」と結論づけた。同日の検討の場で、関係自治体の首長からは事業再開を求める意見が相次いだ。

橋本昌知事らは同日夕、同省で太田昭宏国交相と面会し、事業の早期再開を求める要望書を東京、埼玉、千葉都県知事との連名で提出した。

要望書提出後、橋本知事は記者団に「大臣からは『地元の意見を聞きながら、できるだけ早く対応したい』との言葉があった。継続妥当の結論に大変安堵(あんど)している。国交省には早期再開とともに、コスト縮減に努めてほしい」と述べた。

霞ケ浦導水事業は民主党政権下の2009年12月、八ツ場(やんば)ダム(群馬県)などとともに、検証対象となった。同整備局は10年12月から4都県との検討の場で事業を検証。一方、生態系や漁業への影響を懸念する漁業関係者が建設差し止めを求め、水戸地裁に提訴している。(長山洋一)

==霞ケ浦導水事業==  

本県など4都県の水資源確保と霞ケ浦の水質浄化を目的に1984年、国が着工。霞ケ浦と利根川、那珂川を地下トンネルで結び、水を行き来させる。総事業費1900億円。既に予算の約8割を消化しているが、進捗(しんちょく)率は約4割にとどまっている。



◆霞ケ浦導水事業「継続が妥当」 国交省が報告書
(日本経済新聞 2014/3/27 19:50 )
http://www.nikkei.com/article/DGXNASFS2702L_X20C14A3EE8000/

国土交通省関東地方整備局は27日、霞ケ浦導水事業の継続が妥当だとする報告書案を茨城県など関係1都3県などに示した。民主党政権が中断した工事を継続すべきか検証してきた。

自治体は工事の継続を要望していた。霞ケ浦導水事業は流域の水質浄化や首都圏への水供給などを目的に霞ケ浦と那珂川、利根川を地下トンネルで結び、相互に水を行き来させる大型公共工事。



◆霞ケ浦導水事業:「継続が妥当」 関東地整、担当者幹事会で原案 /茨城
(毎日新聞茨城版 2014年03月28日)
http://mainichi.jp/area/ibaraki/news/20140328ddlk08010110000c.html

民主党政権下で事業が凍結された霞ケ浦導水事業について、事業主体の国土交通省関東地方整備局(関東地整)は27日、茨城県を含む1都3県とともに事業の必要性を協議する担当者レベルの「検討の場」幹事会で「継続が妥当」とする報告書の原案を示した。

今後は関係自治体からの意見聴取などを経て、国交省に報告する。【岩嶋悟、土江洋範】


同事業では、霞ケ浦の水質浄化と那珂川、利根川の渇水対策を図るため、霞ケ浦、那珂川、利根川を地下トンネルで結ぶ工事を実施。

県水・土地計画課によると、工事は現時点で事業費(約1900億円)ベースの進捗(しんちょく)率は約78%。ダム建設事業の見直しを掲げた民主党政権が事業凍結を表明し、2010年度以降は工事が中断している。

東京都内で開かれた幹事会の席上、事業を検証してきた関東地整は霞ケ浦導水事業に関する報告書の素案に対する意見公募(パブリックコメント)や学識経験者からの意見聴取の結果、「現行計画案が最も有利」と評価したと説明した。

幹事会後、橋本昌知事は他都県の知事と連名で事業の早期完成を求める要望書を太田明宏・国土交通相に提出。

高橋靖・水戸市長、中川清・土浦市長もそれぞれ、工事再開の要望書を太田国交相に提出した。橋本知事は「継続が妥当だとする結論が出たことは大変ありがたく思っている。国交省には早期着工とコストの縮減を求めたい」と述べた。

これに対し、霞ケ浦導水事業那珂川取水口の工事差し止め訴訟を起こした茨城、栃木両県の原告8漁協の代表を務める君島恭一・那珂川漁協組合長(80)は「一度着工した事業は何でもかんでも力で推し進めようとする、再開ありきの検証だ」と憤る。

また、霞ケ浦の水源地保全などに取り組むNPO法人「アサザ基金」の飯島博代表理事(57)は「生態系が異なる川と湖の水をやり取りすることは、水質汚染や生物多様性の破壊などの事態を起こしうる。無駄なだけでなく有害な事業だ」と批判している。



◆霞ケ浦導水、工事再開へ
(朝日新聞茨城版 2014年3月28日)
http://digital.asahi.com/articles/ASG3W6TCCG3WUJHB017.html?iref=comkiji_txt_end_s_kjid_ASG3W6TCCG3WUJHB017

水質浄化や利水などのため、霞ケ浦と利根川、那珂川を2本の地下トンネルでつなぐ霞ケ浦導水事業をめぐり、検証作業を進めていた国土交通省関東地方整備局は27日、関係自治体の首長の意見を聞く会議を都内で開き、事業継続が妥当とする報告案を示した。

首長らは案に賛同したため、国交相に報告される見通しとなり、2010年度から中断していた工事の再開が事実上、決まった。

事業は民主党政権が見直し対象に位置づけ、検証を命じたことから、10年度から本体工事や用地買収の予算化が見送られた。この間整備局は検証作業とともに関係自治体の幹部からなる検討会議を5回開き、意見を聞いてきた。

報告案は①水質浄化②新規利水③流水の正常な機能の維持の3点ついて検証した結果、費用や目標達成の時期、地域社会や環境への影響の面で最も有利なのは、中断している現計画案だと結論づけた。

示された報告案に対し、橋本昌知事は「大変安堵(あんど)した。霞ケ浦のアオコはビー玉を載せても落ちないほど繁殖している。これを何とかするには導水事業しかない」と述べた。

埼玉、千葉、東京の副知事らも利水の面から早期の工事再開と完成、費用削減を求めた。水戸市の高橋靖市長も「千波湖も水質浄化が求められているが、小技では決定打にならない。根本的な解決には導水事業が最も効果的だ」と話した。

報告案は今後、改めて関係自治体や水利者から文書で意見を募ったうえで国交相に報告され、工事再開の可否を判断する。会合終了後に太田昭宏国交相に要望書を渡した橋本知事によると、なるべく早い時期の再開を明言したという。

事業は、霞ケ浦の浄化や那珂川、利根川の渇水対策などを目的に1984年に着工。それぞれの川と霞ケ浦を利根導水路(約2・6キロ)、那珂導水路(約43キロ)の地下トンネル(深さ20~50メートル)で結び、必要な水をポンプで行き来させる。

利根導水路は完成したが、那珂導水路は約30キロが未完成。全体事業費1900億円のうち1490億円がすでに使われている。(本間久志)


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【2014/03/29 14:15】 | 新聞記事から
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             嶋津 暉之

27日に霞ヶ浦導水事業の検証に係る検討の場が開かれました。
この会議で関係都県市が賛意を示しましたので、あとは関係都県市、利水予定者が同意の書面を提出した後、関東地方整備局が報告書(原案)を国土交通省本省に提出します。

国土交通省は「今後の治水対策のあり方に関する有識者会議」にかけた後、事業継続の方針を決定することになります。

先日、パブコメや公聴会で出された意見に対しては答えにならない答が書かれているだけで、実質的に無視されました。

全く意味のない有害な霞ケ浦導水事業を国土交通省がなりふり構わず、推進しようとしているのは本当に腹立たし限りです。

今日の「検討の場」の会議はセレモニーそのもので、都心のホテルを使って高額の使用料を払って所要時間は40分足らずでした。

会議が短時間で終わったのは、関係都県知事・代理が太田昭宏国交大臣に,「霞ヶ浦導水事業の早期完成を求める要望」を提出するセレモニーが続いていたからでした。

その要望書提出のことが東京都水道局のHPに掲載されています。 
http://www.waterworks.metro.tokyo.jp/press/h25/press140327-2.html 

関東地方整備局自体が事業推進の原動力になっているのに、関係都県知事が国土交通省に今さら事業推進を要望して、何の意味があるのでしょうか。

この会議で配布された資料は関東地方整備局のHPに掲載されましたので、下記のURLでご覧ください。

この資料を見ると、完成は再開後84カ月(7年)となっており、2014年度から再開したとしても、完成は2021年3月になります。


◇霞ヶ浦導水事業の検証に係る検討報告書(原案)案
http://www.ktr.mlit.go.jp/river/shihon/river_shihon00000237.html


◇霞ヶ浦導水事業の検証に係る検討の場(第1回)・第6回幹事会
(平成26年3月27日開催)の配布資料
http://www.ktr.mlit.go.jp/river/shihon/river_shihon00000236.html

【2014/03/27 22:48】 | 政策
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