「ダム建設の時代は終わった」by米国内務省開拓局長官ウィリアム・ピアーズ
◆路木ダム:熊本地裁「建設は違法」 住民側訴え一部認める
(毎日新聞  2014年02月28日 21時24分) 
http://mainichi.jp/select/news/20140301k0000m040102000c.html

熊本県が、治水と利水の必要性がないのに県営路木(ろぎ)ダム(同県天草市)を建設したとして、地元住民26人が蒲島郁夫知事を相手に事業差し止めと事業費約19億9000万円の返還を求めた訴訟の判決が28日、熊本地裁であった。

片山昭人裁判長は「ダム建設計画は著しく妥当性を欠き、県知事の裁量権を逸脱、乱用したもので違法」と指摘。住民側の訴えを一部認め、判決確定後は建設事業の差し止めを命じた。返還請求は棄却した。

判決によると、県は2001年に策定した路木川河川整備計画などに「82年7月の豪雨で路木川下流宅地で約100棟の床上浸水があった」と記載し、ダムによる治水の根拠とした。

しかし、当時の洪水被害を克明に記録した地元広報誌に路木川下流の記録がなく、裏付ける資料もないため、判決は「浸水被害が発生しなかった」と判断。

氾濫水位などの想定も国土交通省のマニュアルに反しているとし「合理性の欠如は明らか。洪水調節施設として路木ダムを建設する必要は認められない」と結論づけた。

一方、蒲島知事への事業費返還請求については、氾濫想定などが高度な専門技術に基づいており、知事が担当職員から渡された資料にも不合理がなかったことから「知事において違法性を認識することは極めて困難だった。故意や過失があったとは認められない」として棄却した。
路木ダムの総事業費は約94億円。住民が08年度の事業費返還などを求めて提訴した翌年の10年3月に本体工事に着手。既に本体は完成し、4月に供用開始予定。【取違剛】

◇県「想定外」の判決

判決を受けて記者会見した原告団代表の植村振作さん(77)らは「事業費の返還が認められず残念だが、違法なダム建設との主張が認められた。実質的な勝訴だ」と喜んだ。

路木川流域の地形調査や住民への聞き取りを続け、県の主張に疑義を呈してきた努力が実った形。植村さんは「控訴したいが、早く判決を確定させた方がいいかもしれない」と複雑な胸中も見せた。

一方の県にとっては「想定外」(県幹部)の判決。

ダム本体は4月の供用開始に向けて既に完成しているが、持田浩・河川課長は「違法なダムと指摘されて無視はできない。まずは判決内容をじっくり吟味したい」。蒲島知事は「今後の対応は判決内容を検討して決定したい」とコメントを出した



◆熊本地裁 ダム建設計画は違法と判断
(NHK 2014年2月28日 22時06分) 
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20140228/k1001562578J000.html

熊本県天草市に建設された県営のダムを巡って、反対する住民が事業費の返還などを知事に求めた裁判で、熊本地方裁判所は「治水対策としてのダム計画に根拠がない」として、ダムの建設計画は違法だと判断しました。

その一方で、事業費の返還は認めませんでした。

この裁判は、熊本県天草市に建設された県営の路木ダムを巡り、建設に反対する住民がダム計画の手続きは違法だとして本体工事が始まる前の4年半前に起こしたもので、熊本県の蒲島知事に対し、すでに支払った事業費、およそ20億円の返還と今後の支出を中止するよう求めました。

裁判では、治水対策と水道用水の確保の必要性が争点となり、住民側が「過去の豪雨で浸水被害はなく、水道水についても将来の人口を意図的に多く予測している」と主張したのに対し、知事側は「計画は将来の洪水対策としての意味もある」などと反論していました。

28日の判決で、熊本地方裁判所の片山昭人裁判長は「過去の洪水被害の状況が考慮されずに策定された河川整備計画は違法と言わざるをえない」として、ダムの建設計画は違法だと判断し、今後の支出の中止を認めました。

その一方で、「公金の支出に知事の過失は認められない」として、すでに支出した事業費の返還は認めませんでした。

路木ダムは去年、完成していて、ことし4月から使用が始まる予定となっています。

原告団「判決の意義は大きい」

原告団の代表の植村振作さん(77)は、「われわれの主張が認められた判決の意義は大きい。行政のやることでもおかしいことはおかしいと裁判所に判断してもらったと思う」と評価しました。

そのうえで4月からダムの使用が始まることについて、「今回の裁判はダムの運営費用まで対象になるとは言えず、ダムは稼働すると思うので、今後の対応を検討したい」と話しています。

知事「判決内容をよく検討」

判決について熊本県の蒲島知事は、「今後の対応は判決内容をよく検討し、決定したいと考えている」とするコメントを出しました。

熊本県は控訴するかどうかや、予定どおり4月からダムの使用を始めるかどうか、検討することにしています。


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【2014/02/28 23:14】 | 新聞記事から
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水源連のサイトに判決文が掲載されています。
   ↓
◆路木ダム建設は「違法」と熊本地裁 4月供用開始の県営ダムに「妥当性欠く」
水源連 - http://is.gd/21xm1s

◆県営「違法」 熊本地裁判決
(熊本日日新聞 2014年02月28日)
http://kumanichi.com/news/local/main/20140228004.xhtml

県営路木ダム(天草市河浦町)の建設に反対する市民らが、蒲島郁夫知事に事業費で支出した約19億9千万円を県に返還し、今後の支出を差し止めるよう求めた住民訴訟の判決で、熊本地裁(片山昭人裁判長)は28日、ダム建設計画を違法と判断し、住民側の請求を一部認めた。事業費返還の訴えは退けた。

判決では、治水の必要性については洪水想定の不合理性を指摘。「知事の裁量権を逸脱した」と住民側の主張を一部認めた一方、「知事の故意、過失があったとは言えず、これまで支出した分の返還請求は理由がない」とした。

ダムによる洪水対策と水道用水の供給の必要性が主な争点。住民側は「県が想定する地点で堤防は決壊せず、浸水被害の対象戸数も過大。水道用水についても将来の人口を意図的に多く予測しており、既存のダムで賄える」と主張していた。

県側は「国のマニュアルに基づき、破堤点や費用対効果を適正に算定した」と反論。県側に補助参加している天草市も「安定した水源確保のためにダムが必要」としていた。

路木ダムは県と市が国の補助で計画。既にほぼ完成し、昨年10月に試験湛水[たんすい]を始めた。4月に運用を始める予定。(小林義人)


◆ダム建設は「違法」と熊本地裁 4月供用開始の県営ダムに「妥当性欠く」
(産経新聞2014.2.28 14:21 )
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/140228/trl14022814240004-n1.htm

熊本県営路木ダム(同県天草市)をめぐり、建設に反対する地元住民が蒲島郁夫知事に事業費約20億円を県に返還するよう求めた住民訴訟の判決で、熊本地裁(片山昭人裁判長)は28日、ダム建設計画を「違法」と判断した。

事業費返還の訴えは退けたが「判決確定までに支出義務が生じたものを除き、公金を支出してはならない」とした。

判決で片山裁判長は「ダムの整備計画は社会通念に照らして妥当性を欠く。知事の裁量権を逸脱した」と住民側の主張を一部認めた一方、「知事に故意、過失があったとは言えず、これまで支出した分の返還請求は理由がない」とした。

住民側は「過去に川の氾濫で浸水被害が起きたことはなく、水道需要も過大でダムは不要だ」と主張していた。県側は「治水対策としてダムは有効で、水道の需要予測も適正だ」と反論していた。

判決によると、県は治水と水道用水の確保を目的に建設を計画。ダムは昨年完成し、4月から供用開始される予定。


\(^o^)/

【2014/02/28 16:53】 | 脱ダムの流れ
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◆(あのとき それから)長良川河口堰稼働
(朝日新聞2014年2月24日)
http://digital.asahi.com/articles/ASG2G3QK8G2GUZVL006.html?iref=comkiji_txt_end_s_kjid_ASG2G3QK8G2GUZVL006

 ■平成7年(1995年)

 三重県桑名市。銀色に輝く長良川河口堰(かこうぜき)から約200メートル上流の岸辺の空き地。加藤良雄さん(66)や大森恵さん(77)ら、河口堰建設に反対する住民が「第一展示場」と呼ぶプレハブ小屋のあった場所だ。

 加藤さんは1994年暮れ、野坂浩賢建設相を現地に案内した。自民・社会・新党さきがけの連立政権で、社会党出身の野坂さんは堰(せき)反対の署名もし、「凍結」の期待があった。「でも違った。堤防から漏水した所を見せ、『堰ができたら水位が上がって危険』と訴えたが、返事はなかった」。半年後、建設相は河口堰の運用開始を決めた。

 治水・利水目的で堰が計画されたのは68年。88年の本体着工後、生態系や漁業への影響から「清流を守れ」と反対運動が全国に広がった。河口堰は「無駄な公共工事」の象徴になっていた。

 「ダム屋」を自任する建設官僚だった竹村公太郎さん(68)が河口堰担当になったのは89年。「当時の建設省には反対住民と話し合う文化がなかった。説明会を開いて終わり」。それでは問題だと感じていた竹村さんは市民グループと対話を約束したが、省内では「そんな会議に貸す部屋はない」。やっと地下の薄暗い部屋を見つけ、議論の第一歩が始まった。

 取り組んだのは情報公開。「洪水などのデータは非公開だったが、不信感を持つ市民の理解を得るには公開し、同じ土俵に立つしかない。隠さない、全部出す、と決めた」

 利害関係者が一堂に会する「円卓会議」も開かれた。だが、一刻も早く稼働させたい建設省と、中止を目指す市民グループとの溝は埋まらず、議論は平行線。竹村さんを補佐した建設官僚の宮本博司さん(61)は思った。「工事が進んでしまった段階で、対話といっても限界がある。計画段階なら後戻りも修正もできるのに」

 河口堰は95年、計画通り稼働したが、これを機に全国のダムや堰の事業見直しの世論が高まる。それが建設省の「改革派」を動かした。

 95年、河川局開発課長だった青山俊樹さん(69)が「事業継続か中止かを地元の人に議論してもらう仕組みを」と住民代表や専門家によるダム審議委員会の設置を決定。

 後任の開発課長になった竹村さんが、97年、不要不急のダム建設を凍結。同時に、河川局長だった尾田栄章さん(72)のもとで河川法が改正された。生態系に配慮し、住民や専門家の意見を聞くことが盛り込まれた。

 最初の実験となったのが2001年に設置された「淀川水系流域委員会」。滋賀、大阪などにまたがる淀川水系の整備計画をつくる際、住民や専門家による委員会の意見を計画に反映させる。淀川工事の事務所長になった宮本さんは、委員会を尊重した。

 だが03年、委員会が「ダムは原則として建設しない」とする提言を出すと、「自由にやれ」と言っていた本省の空気が変わった。「改革派」の中からも「最初からダム排除では議論にならない」と疑問視する声が。宮本さんは上司から「委員会にタッチさせない」と告げられ、本省に。1年後退職すると、今度は一市民として委員会に参加した。

 結局「ダムより堤防強化」とする委員会と「ダムも堤防も」とする国の対立は解消せず、国はダム整備を盛り込んだ整備計画を決定。委員会は新たな仕組みに衣替えした。

 長良川河口堰稼働から19年。開門調査の動きもあるが賛否は割れる。建設中止が決まった熊本・川辺川ダムでは住民の意見を聞きながら、ダムに頼らない治水が模索される一方、群馬・八ツ場(やんば)ダムは工事再開が決まった。

 河川局長を最後に退職した竹村さんは今、こう言う。「『解』はすぐに出ない。決定権は役所にあるが、市民ととことん話し合えばいい。効率主義に戻ってはいけない」(杉本裕明)

 ■反省からの流れ生かせ 河川行政にかかわってきた東京大名誉教授 高橋裕さん(87)

 長良川河口堰(かこうぜき)建設に反対する市民運動が盛んな頃、土木学会の委員会が国の計画は妥当とする報告書を出したことがあった。河川工学が専門の僕は委員の一人だったが、生態系の専門家はおらず、自然環境への評価がなかったという反省がある。

 その頃、ダムが環境に悪影響を与えることが明らかになりつつあった。建設省も河口堰の反省から「何とかしたい」という気持ちがあったのだろう。僕は審議会の小委員長に指名され、95年に生物の多様な生息・生育環境や健全な水循環を求める答申をまとめた。これが河川法の改正につながった。

 河口堰の反省から生まれたもう一つの成果は流域委員会。先行した淀川水系流域委員会では、第三者委員会が委員を選び、公平な議論ができるように工夫されていた。(ダム否定の)環境派が多すぎ、水没予定地の住民がいないなど問題もあったが、行政が最初から「無理なことは聞けない」という姿勢なら、様々な人たちが長時間議論した意味はないだろう。

 僕は以前から、ダムだけでなく、遊水池はじめ様々な施策で洪水対策を進める「総合治水」を提唱してきた。国も最近、それを掲げるようになった。淀川水系に続き各地で流域委員会が設置されているが、国主導のお飾りにならないように、長良川河口堰と淀川流域委員会の貴重な経験を生かしてほしい。

     ◇

 〈長良川河口堰〉 延長661メートルの可動式の堰(せき)。洪水防止のための浚渫(しゅんせつ)に伴い遡上(そじょう)する海水を止める一方、せき止めた淡水を愛知・三重両県と名古屋市で利用するのが目的。市民側は生態系が変化する、水需要がない、堤防強化で治水可能、と主張し国と論争した。稼働後水需要は当初予測の約6分の1。水質が悪化し生態系も変わった。


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【2014/02/28 16:48】 | 新聞記事から
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◆ダム建設でトルコの遺跡が水没の危機
(ナショナルジオグラフィック 公式日本語サイト  2014年2月24日) 
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140224-00000006-natiogeog-int

ダム建設でトルコの遺跡が水没の危機

トルコのハッサンケイフ(Hasankeyf)は、壮大な生きた博物館だ。新石器時代の洞穴が崖をうがち、アルトゥク朝時代の崩れた橋の上を珍しい鳥が飛びまわり、通りの上には15世紀の黄金色のミナレット(モスクの尖塔)がそびえる。

シリア国境にほど近いトルコ南東部、ティグリス川沿いに1万2000年前から存在するこの居住地は、ほぼすべての主要なメソポタミア文明に支配されてきた。東ローマ帝国(ビザンチン帝国)の教区からアラブの要塞、そしてオスマン帝国の前哨地へと町は移り変わってきたが、それでも羊飼いの歌が峡谷をこだまする風景は何世紀もの間変わっていない。

しかし、現在この土地を治めるトルコ共和国が、ハッサンケイフを変えようとしている。古代から続くこの町を、60メートルの水の下に沈めようというのだ。

ハッサンケイフから97キロ下流にあるイリスという村で、水力発電ダムの建設が進んでいる。2013年2月、トルコの最高行政裁判所は環境影響評価が行われるまで建設を中止するよう命令を下した。

「すると、トルコ政府は規制を変更し、イリス・ダムに対する環境影響評価を不要にしてしまった」と、トルコの自然協会でハッサンケイフ保護運動のコーディネーターを務めるディジレ・トゥバ・クルチ(Dicle Tuba Kilic)氏は述べる。

イリス・ダムは、南東アナトリアプロジェクト(Southeastern Anatolia Project)という地域開発計画の下で建設される最後の大規模ダムで、完成すれば110億立方メートルの貯水容量を有し、トルコの電力の約2%を供給することになる。トルコ政府によると、2014年中には完成の見込みだという。

一方で、イリス・ダムが完成すれば、ティグリス川のシリアとイラクへの流量が減ると予想され、イラク南部の農業に打撃を与えている6年越しの干ばつがさらに悪化する可能性があると、クルチ氏は述べる。さらにトルコ国内でも、ダム上流の史跡300カ所が水没し、ティグリス川沿いの町の住民2万5000人余りが立ち退きを余儀なくされるという。

◆エネルギーと文化の要所

ハッサンケイフ周辺の考古学遺跡はまだ5分の1しか発掘されておらず、残る遺跡の85%は発掘完了前に水没すると地元の考古学者たちはみている。

一方、イリス・ダムの建設を担当する政府当局、トルコ水研究所の所長アフメト・サーチ(Ahmet Saatci)氏は、イリス・ダムにはトルコのエネルギー安全保障の未来がかかっていると主張する。

「トルコはエネルギー源の確保に苦労している。現状ではロシアなど他国から電力を購入しなくてはならないため、自国の再生可能エネルギーを最大限に活用しようとしているわけだ」とサーチ氏は述べる。

◆疑念と懸念

そこで政府は、地元住民のために新たな住宅を建築しており、またハッサンケイフの大規模な記念建造物は移築することを約束している。

しかし“新ハッサンケイフ”となる土地の土壌は乾燥していて岩が多く、現在のハッサンケイフの家々を彩る果樹や実り豊かな庭園とはまったく対照的だ。

それでも職が少ないこの地域では、ダムに反対しているハッサンケイフの住民でさえダム建設の仕事に就いている。ムラート・セビンチ(Murat Sevinc)さんも2010~2012年に建設現場で働いた。

「(この地域が)これほど不景気でなかったら、誰も自分の故郷を水に沈めるような仕事に就こうとはしないだろう。自分の街が、村が、わずか50年先までのプロジェクトのために失われることは望まない」とセビンチさんは言う。

また、セビンチさんはダムを固めるコンクリートの安定性に疑問を抱いており、コンクリートに水を多く混ぜすぎていると述べている。

◆下流国への影響

イリス・ダムをはじめとするトルコのダム計画には、下流にある国々も懸念を抱いている。

例えばイラクでは「毎年、水不足による難民が何千人と生まれている」とイラクの元人権大臣バフティヤール・アミーン(Bakhtiar Amin)氏は述べる。「水不足によって多くの村で人口が激減している」。

トルコは、自国のダムから毎秒500立方メートルの水を下流に放流していると述べているが、アミーン氏によると実際は毎秒200立方メートルほどだという。

イラクとシリアもそれぞれティグリス川とユーフラテス川に大きなダムを建設しているが、トルコのダムは両河川、特にユーフラテス川の水を独占している。1990年、ユーフラテス川に貯水容量270億立方メートルのアタテュルク・ダムが完成した際には、広大な川に水がちょろちょろとしか流れない状態が1カ月続いた。

かつては現在のイラク国土の5分の1を占め、古代シュメールの時代から文明が栄えてきたイラク南部のメソポタミア湿原では現在、ユーフラテス川の流量が毎秒18立方メートルにまで落ち込むことがあるが、この地域に住むマーシュ・アラブ族(マーシュは湿原の意味)の人口維持には毎秒90立方メートルが必要だと、非政府組織ネイチャー・イラクの地域ディレクター、ジャシーム・アル・アサディ(Jassim Al-Asadi)氏は述べる。

イリス・ダムをはじめ、トルコが南東アナトリアプロジェクトで計画しているダムがすべて完成すれば、「もはやイラクに湿原は存在しなくなるだろう」とアル・アサディ氏は述べる。イラク政府は、同プロジェクトによってイラクの耕地67万ヘクタールが干上がると予想している。

既に現在、ティグリス、ユーフラテス川の水位低下によって、ペルシア湾の海水が逆流し、川の塩分濃度が上昇している。住民はもちろんのこと、湿原に生息する野生動物の健康にも悪影響を及ぼすレベルだ。マーシュ・アラブの人々は現在、近隣の町から飲用水をタンクで購入し、船で湿原の居住地まで運んでいる。

河川の水位低下はイラクの湿原周辺の農業にも影響を及ぼしており、都市部への人口流出や、毎年何十件にものぼる衝突を引き起こしている。あるシャイフ(部族の長老)の地域では、水不足を原因とする殺人事件が2012年に推定20件発生したという。

そこへ大規模なイリス・ダムが完成すれば、どれほどの社会的混乱が引き起こされるかわからない。しかしダムは今や完成間近となっており、ティグリス、ユーフラテス川流域に住む人々は不安の目で見守っている。

Julia Harte in Turkey for National Geographic News


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【2014/02/28 16:42】 | Webの記事
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事業者にとって、公聴会やパブリックコメントは事業推進の検証結果を出すための通過儀礼ですが、無意味で有害な霞ヶ浦導水事業の問題点を明らかにする意見を提出しておくことはやはり必要です。

是非、パブリックコメントに対して意見を出して下さるよう、お願いします。
パブリックコメントの意見募集の対象者は限定されていません。

意見募集の提出期限は3月1日(土)18:00です。
(公聴会の発表者募集は今日、2月13日で締め切られました。)

書きやすいように意見書の様式をPDFにしたものは→ こちら
意見は該当する章・頁について書くようになっていますが、必ずしもそのように書く必要はないと思います。

霞ヶ浦導水事業の検討報告書(素案)の問題点についてのまとめ→ こちら

◇霞ヶ浦導水事業の検証に係る検討報告書(素案)
http://www.ktr.mlit.go.jp/river/shihon/river_shihon00000231.html

◇「霞ヶ浦導水事業の検証に係る検討報告書(素案)」に対するパブリックコメントについて
http://www.ktr.mlit.go.jp/ktr_content/content/000093585.pdf
意見募集は3月1日(土)18:00まで




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【2014/02/28 02:52】 | パブリックコメント
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          嶋津 暉之

2月24日に開催された国交省の国土審議会水資源開発分科会調査企画部会(第7回)の配布資料が国交省のHPに掲載されました。

国土審議会 
第13回(今後の水資源政策のあり方について第7回)
http://www.mlit.go.jp/policy/shingikai/water02_sg_000028.html

今年度中にあと2回、会議を開いて中間とりまとめをまとめることになっています。

前回の会議では「スーパー渇水」と言っていたのが、この会議から「ゼロ水」という表現に変りました。

資料3 「気候変動による水資源への影響検討会」の検討状況報告」   
http://www.mlit.go.jp/common/001028762.pdf

資料7 「今後の水資源政策の具体的な取組に対する論点整理」  
http://www.mlit.go.jp/common/001028768.pdf

「スーパー渇水」を「ゼロ水」という表現に変えた理由ははっきりしませんが、もしかしたら、スーパー渇水というと、新規ダム建設の話に行きやすいので、良識派が「ゼロ水」という表現にして、「ゼロ水への対応方策」を検討することにしたのかしれません。

この部分について小泉明首都大学東京教授が「ゼロ水が来ることを前提とするのはおかしい。100%を超えた安全を目指すべきだ」と噛みつき、水源開発推進の姿勢を鮮明にしていました。


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 ・「八ツ場あしたの会」ニュース
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 ・利根川流域市民委員会
 ・まさのあつこさんの政策エッセイ
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【2014/02/28 00:18】 | 政策
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                 嶋津 暉之

八ッ場ダムの地滑り対策で昨年7月から、代替地の安全対策では今月から、国がボーリング調査を始めたという記事です。
この地質ボーング調査の結果により、地滑り対策と代替地安全対策のため、事業費の大幅増額が必要になると思います。
しかし、昨年秋の基本計画変更の段階では、ボーング調査のことは表に出ませんでした。今回の基本計画変更を工期延長だけで済ませるように、国交省がボーング調査のことは伏せるようにしたのではないでしょうか。


◆代替地「今月から国が調査」
(朝日新聞群馬版 2014年02月25日) 
http://www.asahi.com/area/gunma/articles/MTW20140225100580001.html

八ツ場ダム(長野原町)問題で県は24日、湛水(たん・すい)のための地滑り対策で昨年7月から、代替地の安全対策では今月から、国がボーリング調査をしていると県議会に報告した。

福田和明・県土整備部長が萩原渉議員(自民)の一般質問に答えた。
現地の安全性は、ダム見直し派の学者・市民団体だけでなく、代替地に移った地元住民の不安も強い。

民主党政権下の再検証で国土交通省は、総事業費4600億円は、21億7千万円減額できる一方で、追加の安全対策費149億3千万円、工事の中断・遅延で生じた費用55億3千万円が必要で、差し引き約183億円増になると試算。

だが、国は昨年11月の基本計画変更で反映していない。


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【2014/02/27 22:47】 | 新聞記事から
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              嶋津 暉之

2月24日に開かれた国土審議会水資源開発分科会調査企画部会についての記事です。
この記事の最後に出てくる委員発言は、小泉明首都大学東京教授の発言です。

「これからは何が起こるか分からない。需要と供給をイコールにすることを良しとするのではなく、水資源政策分野でも安全率という考え方が必要ではないか。土木構造物では3倍の安全率をみている。このような概念を取り入れるべき」

小泉氏は渇水が絶対に起きないように、水源開発をどんどん進めるべきだという意味の発言を繰り返しています。
「土木構造物では3倍の安全率を見ている」というのも土木構造物全般には当てはまらない根拠のない話です。

小泉氏は、東京都水道局の事業評価監視委員会の委員として東京都の無茶苦茶な水需要の架空予測にお墨付きを与え、また、石木ダムの事業認定では佐世保市の架空予測を肯定する意見書を出しています。

この石木ダム事業認定の意見書に関して、「ダム検証のあり方を問う科学者の会」が公開質問書を1月20日に出しましたが、いまだに回答がなく、不誠実な姿勢を示しています。

◆石木ダム事業認定に関する「科学者の会」の公開質問書
(滝沢智東大教授と小泉明首都大学東京教授に対して)
http://suigenren.jp/news/2014/01/22/5410/


◆国交省の水資源政策/大災害、ゼロ水など追加/低頻度・高リスク事象対応/復元能力の高いシステムに
(建設通信新聞 2014-02-25)
http://www.kensetsunews.com/?p=27584

国土交通省は24日、今後の水資源政策のあり方を議論している「国土審議会水資源開発分科会調査企画部会」の第7回会合を開き、具体的な取り組みを固める上での論点を整理した。
従来の水資源政策は、水需給バランスの確保に重点を置いていたが、今後はこれに加え、大規模災害や危機的な渇水「ゼロ水」、インフラの老朽化、気候変動による深刻な事象など、発生頻度は低いが社会的影響の大きいリスクにも対応できるようにする。

ハード、ソフト両面において、従来施策の継続・強化と新規施策の実施という対策の重層化を図り、危機時も視野に入れた「幅を持った社会システム」の構築を目指す。

水資源分野の冗長性・代替性や強固さ、復元能力などを高めるため、ハード面では施設の耐震、老朽化対策や送水管の二重化、連絡管の整備、ダム連携などを推進。

海水淡水化装置の導入やレベルに応じた渇水対応計画の策定、地方公共団体間の応援協定締結といったソフト対策と組み合わせ、事前予防から問題発生時の迅速な応急・復旧対応まで、1つの全体システムとして動ける体制を整える。

また、これまでの供給側の視点に加え、需要側の視点や住まい方・まちづくりにも着目する必要性を提示。エネルギー資源としての役割にも目を向け、水力・小水力発電の導入や浄水場再編時の自然流下の活用などにも取り組む。

論点整理に当たっては、半世紀にわたり水資源政策の根幹を支えてきたフルプラン(水資源開発基本計画)を含め、制度や仕組みをより適したものにする必要があると指摘。水利用社会の安全・安心や持続可能性、環境配慮などのテーマごとに、施策の方向性を打ち出した。

具体的には、危機時対応では、首都直下地震や南海トラフ地震などで一部の水インフラが機能しなくなったとしても、国民生活や社会経済活動に最低限求められる水の確保のために必要な施策を検討していく。

水インフラの長寿命化計画に基づく、維持管理や再編も計画的に推進。人材育成や技術継承の広域連携にも取り組む方針だ。

このほか、人口や降雨など需要と供給双方の変動を踏まえた需給バランスの定期的な評価、「ゼロ水」発生時の早期予防措置と事後措置、取排水系統の再編、水力発電のさらなる促進、教育・学習、国際貢献などが論点に挙がっている。

24日の部会では、委員から「これからは何が起こるか分からない。需要と供給をイコールにすることを良しとするのではなく、水資源政策分野でも安全率という考え方が必要ではないか。土木構造物では3倍の安全率をみている。このような概念を取り入れるべき」などの意見が出された。


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【2014/02/26 01:17】 | 政策
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◆小国川漁協の組合長決まらず 県との協議は4月以降に
(山形新聞 2014年02月20日) 
http://yamagata-np.jp/news/201402/20/kj_2014022000434.php

小国川漁協(舟形町)の沼沢勝善組合長の急死を受け、同漁協は19日、舟形町中央公民館で臨時理事会を開き、組合長の後任人事について協議した。

時期尚早との意見が相次ぎ、四十九日法要後など一定期間を置き、協議することを確認した。
最上小国川ダムに関し、今月中に開催予定だった県と漁協による第2回協議は4月以降にずれ込む見通しとなった。

理事会には現在の理事10人全員のほか、監事と事務局員を含む14人が出席し、非公開で開かれた。関係者によると、10日に亡くなった沼沢氏の後任に関する議題では「まだ四十九日法要も済んでいないのに、後任の話をするべきではない」との意見が多く出たという。

漁協は次の理事会(定例)を3月中旬に予定しているが、大方の理事の意向を踏まえ、選定方法を含め、新組合長を決めるのは新年度に入ってからの公算が大きくなっている。

同漁協は組合長を理事の中から互選すると定めており、新組合長は現在の理事10人の中から選ばれる予定。


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 ・「八ツ場あしたの会」ニュース
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【2014/02/21 20:34】 | 新聞記事から
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          嶋津 暉之

国交省の国土審議会水資源開発分科会調査企画部会(第7回)が2月24日に開催されます。
今年になって4回目の会議です。急ピッチで進められています。

◇国土審議会水資源開発分科会調査企画部会(第7回)の開催について
国土交通省水管理・国土保全局水資源部水資源計画課
http://www.mlit.go.jp/report/press/water02_hh_000044.html

国土審議会水資源開発分科会調査企画部会(第7回)を、下記のとおり開催いたします。
             記

1.日 時:平成26年2月24日(月)10:00~12:00
2.委 員:別紙1のとおり
3.場 所:三田共用会議所 第3特別会議室(東京都港区三田2-1-8)
4.議 題:水資源政策のあり方について
1.調査企画部会(第1~6回)委員意見への対応
2.今後の水資源政策の具体的な取組に対する論点整理
3.「気候変動による水資源への影響検討会」の検討状況報告
4.その他

備 考
・会議は公開にて行います。
・会議の傍聴を希望される場合は、2月21日(金)12:00までに、
件名を「部会傍聴希望」とし、氏名(ふりがな)、所属、連絡先
(メールアドレス、電話番号)を明記した電子メールを、次のメール
アドレス宛にお送りください。

g_LAW_SSG_SKE@mlit.go.jp


【2014/02/21 20:30】 | 政策
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