「ダム建設の時代は終わった」by米国内務省開拓局長官ウィリアム・ピアーズ
◆八ッ場ダム 2審も訴え退ける
(NHKニュース2013年3月29日)
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20130329/k10013544141000.html

八ッ場ダム 2審も訴え退ける国が群馬県に建設を進めている八ッ場ダムについて、東京の市民グループが、「必要性がない」として事業費の一部を東京都が負担するのは不当だと訴えた裁判は、2審の東京高等裁判所でも訴えが退けられました。

この裁判は、国が群馬県に建設中の八ッ場ダムについて、東京の市民グループが、「水の需要は将来的には減り、治水効果も期待できない」と主張して、

東京都が事業費の一部、およそ870億円を負担するのは不当だと訴えたもので、1審はダムの必要性を認めて訴えを退けていました。

29日の2審の判決で、東京高等裁判所の大竹たかし裁判長は、「都は、非常時などに備えて余裕をもって水を確保する必要があり、洪水の防止のうえでも都が利益を受けないとはいえない」と指摘し、1審に続いて、訴えを退けました。

八ッ場ダムの事業費の負担を巡っては、東京都のほかに群馬県など関東の5つの県でも裁判が起こされていますが、1審ではいずれも訴えが退けられ、今回が初めての2審の判断となります。

判決について、「八ッ場ダムをストップさせる東京の会」の深澤洋子代表は、「行政の裁量をただ認めるだけなら裁判所の存在意義がないと失望している」と述べました。

また、弁護団は「最初から結論ありきの不当な判決だ」として、上告する方針を明らかにしました。一方、東京都は、「妥当な判決で、当然の結果と認識しています。八ッ場ダムの早期完成に向けて事業を推進していきます」というコメントを出しました。


◆八ッ場ダム支出差し止め訴訟、2審も住民ら敗訴
(読売新聞 2013年03月29日)
http://news.livedoor.com/article/detail/7545958/

国が群馬県で建設中の「八ッ場(やんば)ダム」を巡り、市民団体のメンバーが東京都側に事業負担金の支出の差し止めなどを求めた住民訴訟の控訴審で、東京高裁(大竹たかし裁判長)は29日、原告側敗訴の1審・東京地裁判決を支持し、原告側の訴えを退ける判決を言い渡した。

事業費約4600億円のうち都の負担分は約635億円。原告側は「利水・治水の両面でダムは必要ない」と主張したが、判決は「将来的に水需要が増えるとした都の予測が不合理とは言えない」と退けた。
(一部引用)


◆八ッ場訴訟で東京高裁判決 住民側再び敗訴 都の支出 違法性否定
(上毛新聞2013年3月30日)

判決を受け、住民側は「最初から結論ありきの判決。何のために司法に訴えたのかわからない」などと批判。一方、都は「主張が認められた妥当な判決。八ッ場ダムの早期完成に向け事業を推進したい」とした。

住民側は①水道重要は減少傾向で利水上不要 ②洪水の予測流量が過大で、建設しても東京付近で下がる水位は数㌢―などと主張し、「ダムへの支出は壮大な無駄遣い」と指摘していた。

だが、大竹裁判長は、都の水道需要予測は合理的だと認定。洪水の流量も、独立性の高い学術機関が評価した結果から「相応の合理性がある」とし、「都にはダム建設による利益が認められる」と結論付けた。

本県の特定ダム対策課は「妥当な判決で、本県が対象の裁判も勝訴を確信している。早くダム本体工事に着手してほしい」と話した。

八ッ場ダムをめぐっては、東京地裁判決後の09年8月、マニフェスト(政権公約)に建設中止を掲げた民主党が衆院選で圧勝。しかし野田政権が11年12月、一転して建設再開を決めた。

国や都によると、八ッ場ダムの総事業費約4600億円のうち、都の負担は約870億円で、国の補助金を除いた実質的な負担は約635億円。このほかに水源地域整備事業約130億円などの負担がある。
(一部引用)



◆「八ッ場」訴訟 2審もダム必要性認定
(読売新聞2013年3月30日)
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/gunma/news/20130329-OYT8T01944.htm

原告全面敗訴の控訴審判決に、ダムの早期完成を求める地元住民や県内の自治体幹部は胸をなで下ろし、同様の訴えを起こしている県内の住民団体メンバーは落胆の表情を浮かべた。

八ッ場ダムの地元・長野原町の高山欣也町長は「思った通りの判決。もし、ダムが必要ないということになれば、地元住民の60年間の苦労は何だったのかということになる」と安堵(あんど)の声を上げた。

八ッ場ダム水没関係5地区連合対策委員会の篠原憲一事務局長も「結果は当然」と語った。

大沢知事は「妥当な判決。国は1日も早くダム本体工事に着工し、地域住民がこれ以上、不安に思わないよう取り組んでもらいたい」と注文した。

一方、群馬県知事らを相手取り、同様の訴訟を前橋地裁に起こして東京高裁で係争中の「八ッ場ダムをストップさせる群馬の会」の鈴木庸事務局長は「期待を裏切られた判決。司法が、政府のご機嫌取りに終始している」と不満をあらわにした。
(一部引用)


◇203.否定の肯定の否定。判断できない裁判官
晴れの日は楽しく、雨の日は静かに
http://seisaku-essay.cocolog-nifty.com/blog/2013/03/3-0dd8.html

判断の自信のない裁判官が、
訴えた原告には理解できない言葉で判決を下し、
司法記者もそれを正しく報道できない。

権威にすがり、長いものに巻かれることをよしとする裁判官が
行政の裁量を野放しにして、
社会は是正されないままに未来へと手渡される。
(一部引用)



【2013/03/30 23:40】 | 裁判の報告
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             嶋津 暉之

八ッ場ダム訴訟東京裁判の控訴審の判決がありました。
まことに残念ながら、住民側の敗訴でした。

大竹たかし裁判長は平成8年度から10年度の3年間東京法務局訟務部長で訟務検事(国を被告とする裁判の国側代理人)をしていた裁判官です。それにしても、その判決文はひどい内容で、住民側の詳細なデータに基づく科学的な実証の中身を何ら吟味することがなく、住民側の主張を退けました。

例えば、東京都水道の需要は減少の一途を辿ってきていて、過去20年間に2割以上も減っているにもかかわらず、東京都水道局は将来は逆に2割以上増えるという無茶苦茶な予測を行っています。ところが、判決では、その無茶苦茶な予測を「直ちに合理性を欠くとは認められない」という表現で容認してしまいました。

判決文の問題はあらためてお伝えしたいと思います。

◆八ツ場ダム訴訟、二審も住民敗訴 東京高裁判決
(日本経済新聞 2013/3/29)
http://www.nikkei.com/article/DGXNASDG2902W_Z20C13A3000000/

国が建設を進める八ツ場(やんば)ダムを巡り、住民らが東京都に負担金の支出差し止めなどを求めた訴訟の控訴審判決で、東京高裁(大竹たかし裁判長)は29日、一審判決同様に支出を適法と認め、住民側の請求を退けた。

八ツ場ダムを巡っては東京都のほか、利根川流域の関東5県を相手に同種訴訟が起こされ、一審では6件とも住民側が敗訴した。二審判決は今回が初めて。
(一部引用)


◆八ツ場ダム訴訟、建設反対派が2審も敗訴 東京高裁
(SankeiBiz.2013.3.29)
http://www.sankeibiz.jp/compliance/news/130329/cpb1303291439001-n1.htm

1審段階では6都県の地裁で請求がいずれも退けられており、控訴審判決は今回が初めてだった。

市民団体側は訴訟を通じ、水道用水を確保する利水について「都内では生活用水の使用量は減少傾向にあり、都の水需要予測は過大」と主張。水害を防ぐ治水効果も乏しいと訴えた。

しかし、1審東京地裁は「首都で渇水が生じれば大きな混乱が生じるのは想像に難くない」などとして利水上の有用性を認定。治水面でも「流域で生じる水害の発生を防止するためにダムは必要」と判断し、請求を退けていた。

八ツ場ダムは昭和27年に建設計画が浮上。地元は激しい反対運動の末に補償案を受け入れたが、「コンクリートから人へ」をスローガンに掲げた民主党への政権交代に伴い平成21年9月、前原誠司国交相(当時)が本体工事の中止を表明した。

その後計画中止は撤回されたが、現在もダム本体工事は始まらず、完成のメドは立っていない。

総貯水量1億750万トンの多目的ダムで、総事業費は国内最高の約4600億円。群馬、東京、千葉、埼玉、茨城、栃木の6都県が半分以上を負担する
(一部引用)


◆八ツ場ダム二審判決も住民敗訴 6都県の訴訟
(信濃毎日新聞2013年3月29日14:39) 
http://www.shinmai.co.jp/newspack3/?date=20130329&id=2013032901001913

国が建設を進める八ツ場ダム(群馬県長野原町)は不要で、東京都が事業費を負担するのは違法として、都を相手に支出差し止めなどを求めた住民訴訟の控訴審判決で、東京高裁(大竹たかし裁判長)は29日、一審東京地裁に続き、住民側敗訴を言い渡した。
(一部引用)


◆八ツ場ダム訴訟、二審も住民敗訴=東京都の支出差し止め認めず―東京高裁
(時事通信2013年3月29)
http://woman.infoseek.co.jp/news/society/130329jijiX866

国が建設を進めている八ツ場(やんば)ダム(群馬県長野原町)について、東京都が水の需要がないのに事業費を負担するのは違法などとして、都内の住民らが都側に負担金支出差し止めなどを求めた訴訟の控訴審判決が29日、東京高裁であり、大竹たかし裁判長は一審東京地裁に続いて住民らの訴えを退けた。
[時事通信社]


◇却下と棄却
- どうする、利根川? どうなる、利根川? どうする、私たち? Ⅱ -
http://blogs.yahoo.co.jp/kajiken76xyz/61845360.html

到底必要がない水源開発も、また「著しい利益」をもたらすことなどありえない洪水調節効果も、全て裁判所は容認しました。
まさに、行政追随です。
(一部引用)

【2013/03/30 23:35】 | 裁判の報告
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              嶋津 暉之

3月28日の下野新聞に八ッ場ダム問題についてのコラム記事が載っていました。
問題の本質をとらえたコラムだと思います。

◆日本のポンペイ  
(下野新聞2013年3月28日 朝刊) 
http://www.shimotsuke.co.jp/special/raimei/20130328/1010332

「人からコンクリートへ」-。民主党から自民党へ政権が逆戻りして建設に弾みが付いたのが、群馬県の利根川支流に計画されている八ツ場ダムだ

▼民主党時代の前原誠司国土交通相が「時代に合わない国の大型直轄事業は見直す」としてダムの建設中止を宣言した時、世間は驚いたものである。

しかし、配下のダム官僚は推進派の学者を動員して検討会をつくり、大臣の決断を骨抜きにした

▼その水没予定地には230年前の浅間山大噴火で泥流にのみこまれた集落が横たわる。縄文から江戸に続く生活の跡を残す遺跡では刻みたばこが詰まったキセルや梅干しが入ったつぼまで発見された

▼古代ローマの都市が火山の噴火で埋まったイタリアのポンペイ遺跡を引き合いに「ダムから日本のポンペイを守れ」と学者、文化人ら350人がダム本体の工事を中止し、遺跡群を保存するよう求める要望書を国交省と文化庁に提出した

▼10年たっても完工しない公共事業については必要性を見直す「時のアセスメント」制度があるが、八ツ場ダムはまさにそれに当たるだろう。

同じ利根川水系の渡良瀬川で足尾の鉱毒事件を告発した田中正造が没して今年は100年になる

▼八ツ場ダム建設に不条理はないのか、田中の精神にならって国民的議論を深めたいところだ。


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【2013/03/29 11:02】 | 新聞記事から
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           嶋津 暉之

昨年2月、国会で当時の前田武志国交大臣が「八ッ場ダムは本体に着工してから、7年で完成すると想定されている」と答弁していますので、八ッ場ダムの完成が遅れるという今回の局長説明は目新しいものではありません。

しかし、国交省が八ッ場ダムの完成の遅れをダム検証のせいにするのは事実を偽っています。工期遅延の本当の原因は付替え鉄道の完成が用地買収の難航で大幅に遅れていることにあります。


◆八ッ場ダムで国交省局長 15年度完成困難
(上毛新聞一面 2013年3月28日)
八ッ場あしたの会のHPより

八ッ場ダム建設について、国土交通省は27日、基本計画で示された2015年度の完成が困難との見通しを示した。国会内で開かれた自民党の八ッ場ダム推進国会議員連盟の会合で同省水管理・国土保全局の足立敏之局長が明らかにした。

足立局長は「ダムの検証などで4年を費やした。その分、計画が遅れざるを得ない」と説明。今後については「標準工程で八十数カ月かかるが、コスト縮減や工期短縮を含め、よく工程を精査し、できるだけ早い時期の完成を目指したい」と話した。
同議連は佐田玄一郎氏が会長、小渕優子氏が事務局長を務める。佐田氏は「地元の方々は3年半の間、不安に満ちた生活を送ってきた。一日も早く完成させ、1都5県の治水利水を確固たるものにしなければならない」と述べた。

八ッ場ダムをめぐっていは、太田昭宏国交相が昨年12月の就任会見で「建設推進」を表明。民主党政権時に官房長官裁定でダム本体工事の予算執行条件となった利根川水系の河川整備計画の策定を含め、作業を急ぐ考えを示している。

新年度政府予算案には本体関連工事に18億円、生活再建事業に八十億円を計上している。



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【2013/03/29 10:48】 | 八ツ場情報
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            嶋津 暉之

3月27日、国立社会保障・人口問題研究所が『日本の地域別将来推計人口(平成25年3月推計)』を発表しました。
とにかく、全国の各地域の人口がこれからどんどん減っていくということです。

国立社会保障・人口問題研究所『日本の地域別将来推計人口(平成25年3月推計)』の発表資料はこちらにに掲載されています。
   ↓ 
http://www.ipss.go.jp/pp-shicyoson/j/shicyoson13/3kekka/Municipalities.asp 

参考のため、八ッ場ダムが関係する6都県の人口と、石木ダムが関係する佐世保市の人口を取り出してみました。

◇八ッ場ダムが関係する6都県の人口
六都県

◇石木ダムが関係する佐世保市の人口
佐世保

2040年には6都県の人口は2010年の88%、佐世保市の人口は2010年の74%まで縮小します。

すでに減少傾向が続いている水道用水は人口の縮小によってその減少傾向に拍車がかかることは必至です。八ッ場ダムも石木ダムも必要であるはずがありません。

他のダムも利水の面では全く同じです。


◆全都道府県で人口減少へ 国研究所が推計
(NHK 2013年3月27日 17時37分) 
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20130327/t10013490761000.html

27年後の2040年にはすべての都道府県で2010年より人口が減少するとともに、65歳以上の高齢者の割合も30%を超え、全国で人口減少と少子高齢化が進むとした推計を国の研究所がまとめました。
国立社会保障・人口問題研究所は国勢調査に合わせて5年ごとに全国の自治体別の人口推計を行っていて、今回は3年前の国勢調査を基に東日本大震災の影響も考慮し2040年までの人口を推計しました。

それによりますと、2040年の人口は、すべての都道府県で2010年よりも少なくなると推計しています。

この30年間に最も人口が減る割合が高いのは▽秋田県で35.6%、次いで▽青森県が32.1%、▽高知県が29.8%となっています。

市区町村別では、全体の95%に当たる1603の自治体が2010年の人口を下回り、2割以上人口が減少する自治体が70%に上るとしています。

また、2040年の65歳以上の高齢者の割合は、2010年には20%前後だった大都市圏や沖縄県で大幅に増加し、すべての都道府県で30%を超えると推計しています。
(一部引用)

まさのあつこさんもこの問題で記事を書いています。
   ↓
◆202.少子高齢化時代に石木ダムは必要か
http://seisaku-essay.cocolog-nifty.com/blog/2013/03/post-f03e.html
佐世保市民は、川棚町川原(こうばる)に住む13世帯を
立ち退かせてまで石木ダムを必要とするのか?

 安倍内閣は、新しいダムをあと70基近くも作ろうと急ピッチで動いており、
 一方で、完成しても一滴も使わないダムが各地で続々と増えている。
 安倍首相の出身県も例外ではない。
   ダム完成…一滴も利用されず (中国新聞'13/2/24)

佐世保市民は、川棚町川原(こうばる)に住む13世帯を
立ち退かせてまで石木ダムを必要とするのか?

限られた情報だけで考えても
この質問はそれほど難しい質問であるはずがない。
(一部引用)


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【2013/03/29 10:42】 | 脱ダムの流れ
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3月28日、群馬の控訴審がありました。
その提出書面が八ッ場ダム訴訟HPに掲載されました。


◇群馬控訴人

準備書面14(治水・地すべり)
http://www.yamba.sakura.ne.jp/shiryo/gunma_k/gunma_g_junbi_14.pdf

準備書面15(治水)
http://www.yamba.sakura.ne.jp/shiryo/gunma_k/gunma_g_junbi_15.pdf

証拠説明書(治水)
http://www.yamba.sakura.ne.jp/shiryo/gunma_k/gunma_g_shoko_kb188.pdf

国土交通大臣の参加申立て理由補充書
http://www.yamba.sakura.ne.jp/shiryo/gunma_k/gunma_g_riyu_hoju.pdf


裁判日程も追加されました。

◇群馬控訴審  5月21日(火)午後2時30分 11民 進行協議



栃木の会の事務局便り43も掲載されました。 
http://www.yamba.sakura.ne.jp/shiryo/tochigi/news43_tochigi.pdf


【2013/03/29 10:23】 | 裁判の報告
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◆八ッ場に「道の駅」 来月27日開業
(読売新聞群馬版 2013年3月28日)
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/gunma/news/20130327-OYT8T01558.htm

長野原町が八ッ場ダム建設で水没する林地区の生活再建事業として整備している「八ッ場ふるさと館」が27日、県内27番目の「道の駅」に登録された。町内の「水没5地区」で初めて完成する大型の地域振興施設で、4月27日にオープンする。施設の運営にあたる住民は「必ず成功させたい」と意気込んでいる。

道の駅「八ッ場ふるさと館」は、水没する林地区の代替地で、草津町に通じる国道145号バイパス沿いの「湖面2号橋」(不動大橋)のたもとに、下流都県が負担する基金を活用して建設している。湖面を望む立地や、草津温泉への通過点といった利点がある。
指定管理者として道の駅の運営にあたるのは、林地区の住民9人が昨年5月に設立した株式会社。社長には林地区ダム対策委員会委員長の篠原茂さん(62)が就任した。同社はパートなど従業員25人を採用した。

施設は、木造一部2階建て約990平方メートル。A~Cの3棟の建物が「コ」の字形を構成し、A棟に中華レストランと郷土料理などを出す食堂、B棟には農産物市場、C棟には焼きたてのパンも販売するコンビニエンスストアなどが入る。

また、施設周辺には源泉掛け流しの足湯なども設置する。

農産物市場は、吾妻郡の野菜や加工品、県内の土産物などを扱う予定。生産者約170人が組合を作り、その日採れた新鮮な野菜を届ける計画だ。店長を務める町田文雄さん(71)は「地域の物産を本気で売りたい」と張り切る。

町内ではダム建設によって住民の転出が続いている。10年ほど前に比べ、5地区を中心に人口は約1000人減少し、住民の生活再建が急務となっている。

林地区以外でも、川原畑地区で都市部の住民をターゲットにした宿泊滞在型市民農園「クラインガルテン」が新年度に着工する予定で、川原湯地区でも地域振興施設を建設する構想がある。

篠原さんは、「みんなで地元を再建しようという一心で取り組んでいる。他地区の刺激にもなるよう、にぎわう道の駅にしたい」と話している。



◆「八ツ場ふるさと館」が道の駅に 群馬
(産経新聞群馬版2013.3.28) 
http://sankei.jp.msn.com/region/news/130328/gnm13032802080002-n1.htm

地元の農産物直売所をはじめ、コンビニエンスストアやレストランも備えており、完成後は地元住民が設立した株式会社が指定管理者として運営を行う。既に建物は完成しており、今後は駐車場整備などが急がれる。オープンはゴールデンウイーク前の4月27日を予定している。

大沢正明知事は記者会見で「生活再建事業の一日も早い完成とともに、ダム本体も早期着工されることを期待したい」と述べた。
(一部引用)

◆「八ツ場ふるさと館」道の駅登録 群馬、4月開業目指す
(朝日新聞群馬版 2013年3月28日)
http://digital.asahi.com/area/gunma/articles/TKY201303270566.html?ref=comkiji_txt_end_s_kjid_TKY201303270566

国道145号(八ツ場バイパス)と不動大橋などの交差点に立地。地元では、草津温泉や嬬恋に向かう観光客が立ち寄ることを見込み、雇用創出への期待も高い。

長野原町内の水没5地区では、それぞれが地域振興施設を計画しているが、内容や立地をめぐって、難航している地区もある。

県によると、県内の道の駅としては27カ所目。大沢正明知事は27日の記者会見で「ダム本体事業にも一日も早く着工して頂けるよう、大きな期待を持っている」と述べた。
(一部引用)

◆八ッ場ダム建設:ふるさと館を道の駅に登録 地元住民の生活再建で /群馬
(毎日新聞 2013年03月28日栃木版) 
http://mainichi.jp/area/gunma/news/20130328ddlk10010186000c.html

 同町では、林地区を含むダム水没5地区で、同基金による生活再建事業が予定されているが、開業が決まったのは同館が初めて。管理運営は、住民が設立した株式会社が行う。
(一部引用)


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【2013/03/29 10:17】 | 八ツ場情報
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           嶋津 暉之

嘉田由紀子滋賀県知事は、2012年2月に北川第一、第二ダムの凍結をきめました。


3月27日、嘉田知事と地元の住民代表、高島市長が、これまで結んでいたダム建設と周辺整備を進めるとした協定の内容を変更し、新たな地域振興策の実施を盛った協定の調印をしました。

◆北川ダム凍結 地元と振興協定を締結
(読売新聞滋賀版 2013年3月28日)
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/shiga/news/20130327-OYT8T01476.htm

◇県、集会所新設など22事業

高島市朽木地区の安曇川支流に造る予定だった県営「北川ダム」計画に絡み、嘉田知事は27日、高島市朽木支所を訪れ、建設凍結の方針を踏まえた上で、地元振興のため取り組む周辺整備事業(22事業)に関する協定を、建設予定地の住民らで作るダム対策委員会との間で締結した。

北川ダム構想は、総事業費490億円で二つのダムを造ることを想定したプロジェクトだった。第1ダムは1973年度に予備調査に着手し、86年度に国でも事業採択された。99年度には工事用道路の造成を始めたが、現在、第1、第2ダムとも本体の着工には至っていない。

民主党政権が誕生した後の2010年9月、国から指示を受け、県で事業妥当性を再検証した結果、ダムを造るより河川改修を進めた方が治水効果が早く得られるとして、県は12年1月、ダム建設の凍結を決めた。

一方、計画が紆余(うよ)曲折をたどったことで地元の振興策の継続が懸念される事態となっていたが、県と同委員会などとの間で協議が進み、今後、県や高島市などが22の事業を実施することが決まった。

協定書によると、事業は、県道小浜朽木高島線の補修や、麻生地区の集会所新設、地子原地区の集会所の耐震化、麻生川などでの護岸整備など。事業費は総額約11億円が投じられる見込みという。

調印式の後、嘉田知事は報道陣に対し、「長い間、地元の皆さんを翻弄させたことをおわびする。地域振興策を着実に進めることが私たち(県)の次の責任だ」と述べた。


◆北川ダム中止で振興策
(中日新聞滋賀版 2013年3月28日)
http://www.chunichi.co.jp/article/shiga/20130328/CK2013032802000006.html

県が昨年、建設中止を決めた県営北川ダム(高島市)をめぐり、嘉田由紀子知事と地元の住民代表、福井正明市長が二十七日、これまで結んでいたダム建設と周辺整備を進めるとした協定の内容を変更し、新たな地域振興策の実施を盛った協定の調印をした。

北川ダムは一九七三年に調査が始まり、九五年に県と地元住民が建設推進で正式に合意。だが、民主党政権の検証要請を受けた嘉田知事が昨年一月、コスト面などから当面の中止を表明した。中止により周辺道路の整備などが停滞しないよう、県と住民が協議してきた。

協定に当たり提示した事業計画書では、これまでの四十六事業を見直し、安曇川の河道改修や堤防強化による治水対策の推進、周辺道路、災害時に避難所にもなる集会所の整備など二十二事業を掲げた。県側は、おおむね五年、遅くとも十年で実現する意向も示した。

同市役所朽木支所であった調印式で、嘉田知事は「ご心労をお掛けし、おわび申し上げます。今後も安心して生きがいをもって地域に住み続けられるよう誠意を持って対応させていただく」とあいさつ。

「ダム中止は全国的にある。国に振興策の法整備をするよう政策提言もしていく」と述べた。
水没予定地域の麻生区北川第一ダム対策委員長の安福長勲委員長(75)は「元もとはみんな反対だったものをのんだ。建設によるバラ色の生活を描いたこともある」と経過に触れつつ「中止はやむを得ない」と話した。

建設地域にかかる木地山区対策委員長の水谷良雄さん(86)は「紳士協定だが、だらだらやらないでほしい」と対策にスピード感を求めた。

(井上靖史)

<北川ダム建設事業> 1953年の台風豪雨で安曇川が氾濫、13人が死亡した水害を受けて計画。洪水被害軽減の治水が目的で、高島市朽木麻生の第1ダムと同市朽木雲洞谷の第2ダムからなるが、第1ダムしか事業は進んでいない。

総事業費は約490億円。これまでの進行率は26・5%で114億円が投入された。ダムの中止により計画された河道改修など新たな治水事業は約10分の1の費用の51億円。追加の地域振興費用は11億円。


◆北川ダム:「一旦中止」に伴う地域整備、県と地元が協定書 /滋賀

(毎日新聞滋賀版 2013年03月28日) http://mainichi.jp/area/shiga/news/20130328ddlk25010499000c.html


 高島市朽木の安曇川支流・麻生川に県が計画した北川第1ダムの「一旦(いったん)中止」に伴い、周辺地域整備を求める地元との協定書調印が27日、同市朽木支所で行われ、事業実施について県と同市の覚書も調印された。

1973年に持ち上がった同ダム計画は、40年を経て正式に決着した。

 調印式には福井正明・高島市長を立会人に、嘉田由紀子知事と、木地山区ダム対策委員長の水谷良雄さん(86)、麻生区同委員長の安福長勲さん(75)らが出席。協定書は、周辺地域整備事業計画書に定める22事業推進をうたい、

ダム建設推進を前提にした95年締結の一連の前協定の失効を定めた。

 22事業は道路改良や土砂流出防止対策、河川維持管理、集会所はじめ生活環境整備などで主に県や市が実施。事業費総額約11億円。市の負担軽減へ半額を計6億円以内で県が負担すると覚書で定めた。ダム前提で終了した事業分を引くと約4億5000万円とされる。

 県によると、22事業の多くは3?6年で終了し長くても10年程度と見込んでいる。嘉田知事は「ダム計画中止に伴う地域整備の地元との協定は鳥取県の例しか知らない。国の法制化を望んでおり、今回の協定はモデルケースになるのでは」と語った。【塚原和俊】

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 ■視点

 ◇事業早期実施と信頼 県に宿題

 治水を目的にした北川第1ダム計画は、国のダム事業見直し(再評価)を機に安曇川の改修先行へと動いた。

県は11年秋、最も低コストで治水効果が早く現れる単独改修案が優位との判断を打ち出して地元に同意を求め、昨年1月、建設の火種を残す同ダムの「一旦中止」を表明した。

 用地提供のため伝来の土地を離れた住民もいた。道路整備などが計画のはざまで懸案になっていた。

水谷さんは18年前の前協定書に調印した本人でもある。2人のあいさつから浮かび上がるのは「県との信頼関係維持と整備事業の早期実施」だ。高島市と協調した整備事業の円滑な進行が県に残された“宿題”といえる。【塚原和俊】



◆滋賀県と地元が協定変更調印 北川ダム凍結
(京都新聞 2013年03月27日)
http://kyoto-np.jp/politics/article/20130327000147

滋賀県が高島市の安曇川支流で計画していた県営北川第一ダム建設事業の凍結に伴う基本協定などの変更調印式が27日、同市の高島市役所朽木支所であった。

嘉田由紀子知事と、地元区の代表や福井正明市長が、ダム建設に代わる地域整備事業の実施を明記した協定書や覚書を交わした。

今回の協定書や覚書では、ダム建設の「いったん中止」による影響を緩和する上で必要な事業を計画で定めるとし、事業促進のため特別交付金を交付することなどを盛り込んでいる。事業は完了済みを除く30事業のうち、集会所整備など12事業を継続し、土石流対策など10事業を加える。

調印式では、地元区を代表して木地山区対策委員長水谷良雄さん(86)と麻生区の対策会委員長安福長勲さん(75)が、それぞれの協定書に、嘉田知事と、立会人の福井市長とともに署名した。

続くあいさつで嘉田知事は「40年にわたりご心労をかけ、おわびを申し上げる。今後も住民が生きがいを持ち生活できるよう、地域の振興に誠意を持って対応する」と述べた。

また、ダム中止後の地域振興に関する法が未整備と問題提起し、制定に向けて提案していきたいとした。

これに対し、水谷さんは「式の欠席も考えた」と複雑な心境を吐露し、安福さんは「(全国で)大災害が頻発している」と安全を憂慮。その上でともに、協定の確実・早期の実行を強く求めた。




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【2013/03/29 10:10】 | 脱ダムの流れ
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昨年12月3日に開催された関東地方ダム等管理フォローアップ委員会の審議結果と配布資料が関東地方整備局のHPに掲載されました。

ダム等管理フォローアップ委員会は既設ダムについて5年おきに行う定期報告の結果を審議するものです。

この委員会で対象となったダム事業は、下久保ダム、渡良瀬貯水池、品木ダム、利根川河口堰です。

「審議結果」はに掲載されていますが、
http://www.ktr.mlit.go.jp/kisha/river_00000076.html 

ただ、「了承した」としか書いてありません。
掲載まで4カ月近くかかっており、何をしていたのかと思います。

委員は9人で、利根川・江戸川有識者会議で国交省寄りの発言が目立った宮村忠氏や清水義彦氏も入っています。

私たちも傍聴しましたが、委員の質問は問題の本質がよくわかっていないものが多く、さらに、関東地方整備局も事務屋さんのような部長級が的外れな答弁をするので、聞いていて、いらいらする委員会でした。

4事業の資料は下記のURLでみることができます。

◇第21回委員会資料(平成24年12月3日開催)

下久保ダム直轄総合水系環境整備事業
http://www.ktr.mlit.go.jp/ktr_content/content/000076765.pdf

渡良瀬遊水池総合開発事業定期報告書の概要
http://www.ktr.mlit.go.jp/ktr_content/content/000076766.pdf

品木ダム定期報告書の概要
http://www.ktr.mlit.go.jp/ktr_content/content/000076767.pdf

利根川河口堰定期報告書の概要
http://www.ktr.mlit.go.jp/ktr_content/content/000076768.pdf


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【2013/03/29 10:02】 | 各地のダム情報
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◆大滝ダムの半世紀 上・地滑り集落を分断
(読売新聞奈良版 2013年3月24日 )
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/nara/feature/nara1364045445966_02/news/20130323-OYT8T01042.htm

◇古里をなくすほど、つらいことはない

「古里をなくすほど、つらいことはありません」
橿原市石川町で暮らす井阪勘四郎さん(84)は苦しそうな表情を浮かべ、そう語った。

大滝ダムの完成が間近に迫っていた2003年4月。井阪さんら37世帯77人が暮らす川上村白屋地区で突然、民家や道路に亀裂が入り、地面に数メートルのずれができた。ほどなく試験貯水による地滑りと判明。全員が引っ越しを余儀なくされた。

村内に建てられた仮設住宅で3年半の避難生活を過ごしたあと、井阪さんら13世帯は橿原市へ移った。12世帯は村内の別の地区へ、残り12世帯は親戚や知人を頼って村外へ出て行った。

白屋地区には901年創建とされる白屋八幡神社があり、住民が交代で神職を務める「宮守制度」が代々、受け継がれていた。住民は順番が巡ると毎日のように境内を掃除し、年3回の大祭でみこしを担いだ。「いつでも助け合う結束力の強さが魅力だった」と振り返る。
神社は2009年、井阪さんらが住む宅地そばに移築された。だが、住民が減り、宮守制度も祭りも途絶えた。「地区がバラバラになり、伝統や風習が失われたことが何より寂しい」と声を落とす。

月に1度、墓参りのため白屋地区に戻る。長年暮らした家は取り壊され、更地になった。

「このままでは、何もかも忘れ去られてしまう」。危機感を募らせ、昨年末、仲間と資料を集めて地区の歴史と移転の経緯を昨年末、本にした。苦しみをともにした37世帯に無料で届けるといい、「古里は返ってこないが、せめて、ここであったことを後世に伝えなければ」と力を込める。

ダムを真下に望む村の高台に移った大舟克夫さん(78)は、「やっぱりこの村が好きで、離れられなくてね」と話す。

37世帯は当初、丸ごと移転できる地区を村内で探したが、平地の少ない村では、かなわなかった。候補地数か所を見て回り、「日当たりが良い環境が白屋と似ている」と、この地で自宅を再建した。

ダムの周辺整備の恩恵で道路が整備され、生活自体は格段に便利になったと感じる。「ダム建設には、いい面も悪い面もあった。ここまで来たら受け入れるしかない。ダムを見に来る人が増え、村に活気が戻れば」と願う。


1959年の伊勢湾台風の被害を機に、国が60年から予備調査を始めた川上村の大滝ダムが完成した。

吉野川流域の治水の切り札として期待される一方、ダム湖への水没や試験貯水による地滑りなどで530世帯が移転、うち約400世帯が離村した。住民がダムと歩んだ半世紀を振り返る。


◆大滝ダムの半世紀 中・「治水のため」苦渋の同意
(読売新聞奈良版 2013年3月26日)
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/nara/feature/nara1364045445966_02/news/20130325-OYT8T01450.htm

◇村で過ごした日々や風景忘れたくない

1959年9月26日、和歌山県潮岬に上陸した伊勢湾台風は、川上村にも死者・行方不明者72人、全半壊・流失・浸水家屋487戸という大被害をもたらした。

吉野川が氾濫し、道路はズタズタに寸断された。山肌がむき出しになり、家屋は土砂や濁流で倒壊。のどかな山里は、一夜で壊滅した。

台風の記録係として翌日からカメラを持ち、被災地を撮り続けた村の元職員辻井英夫さん(79)は「現場は、まさに地獄絵図。悲惨で、外に出せない写真もたくさんあった」と語る。

辻井さんによると、被害がとりわけ甚大だった高原地区では高さ200メートル、幅150メートルに渡って山津波が起こり、住民らをのみ込んだ。

建設省(現・国土交通省)が、治水を主目的にしたダム建設の予備調査に入ったのは、翌60年だ。

村内では既に別のダムの建設が進んでおり、多くの住民は「これ以上のダム建設は、村の存亡にかかわる」と危機感を募らせ、反対期成同盟を結成した。激しい反対運動を展開し、同様の運動が盛り上がった群馬県の八ッ場(やんば)ダムと並んで、「東の八ッ場、西の大滝」と呼ばれた。

反対運動を無視して進む調査を妨害するため、上流から汚物を川に投げ入れたこともある。国の職員と衝突する一方、建設中止を求めて県に直訴も行った。

だが、反対運動は次第に下火になり、村は81年、建設省、県と建設に同意する覚書を締結。立ち退きに同意し、村内外の新天地で生活再建を図る人たちが増えていった。

78年、橿原市へと引っ越した吉田規一さん(91)も、その一人だ。

川上村で生まれ育ち、吉野川でよく泳いだ。山や河原では、鍛冶職人だった父が使う木炭用の雑木を拾い集めた。「川は、いまよりずっと清らかだった」と懐かしむ。

伊勢湾台風では営んでいた自転車店兼自宅が濁流にのまれ、家族5人で着の身着のまま高台に逃げた。翌年、村内で自宅を再建。父の後を継いで鍛冶職人になった兄を手伝った。

村への愛着は人一倍、強かった。「古里を捨てるのはつらい」と悩み、兄が村を出る決断をしたあと、立ち退きに同意した。

「村で過ごした日々や風景を忘れたくない」と、自作の詩と俳句を昨年夏、冊子にまとめた。「故郷」では「俺等(ら)が育った家が今 ダムの湖底に沈んでる 仕方がないんだ国の為(ため) 
涙をのんで 明日を待つ」とつづった。

「治水は国策で、住民のため」と受け入れたが、村は急速にさびれ、祭りや行事も減った。山野はコンクリートに変貌し、「これでよかったのか」と思う。

ただ、補償交渉や山林の買収が遅れに遅れたダムの完成は、その後も、大幅にずれ込んだ。

吉田さんが「自宅がダム湖に沈んでいった姿を思い出し、いまでも胸が締め付けられる」という2003年の試験貯水で、白屋地区に地滑りが起きたためだ。対策工事が必要になり、完成まで、さらに10年の歳月を要した。


◆大滝ダムの半世紀 下・観光、学習の場に活用
(読売新聞奈良版 2013年3月27日)
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/nara/feature/nara1364045445966_02/news/20130326-OYT8T01449.htm

◇利水、発電地域に貢献

大滝ダムの治水容量は6100万トン。建設した近畿地方整備局によると、試験運用が始まっていた2012年9月の台風17号では、下流の五條市で、吉野川の水位を1・5メートル下げる効果があった。

今後、県南部を11年9月に襲った台風12号豪雨のような被害をくい止めることができるかが注目される。

谷本光司局長(57)は「治水機能は、飛び抜けて高い」と強調する。

流域の下市町出身。川上村に子供の頃、住んだこともある。住民の激しい反対運動で大滝ダムと並び称された群馬県の八ッ場(やんば)ダムの工事事務所長も1997年から4年間務めた。

「移転した世帯や建設にかかった期間は、ともに全国トップクラス。社会的な影響も大きかった」と振り返る。

白屋地区で試験貯水による地滑りが起こった2年後の2005年には、同整備局の河川部長として対策工事を指揮。専門家の意見をいれ、被害が確認されていなかった他の2地区でも同様の対策工事を実施した。

結果としてダム完成は大幅にずれ込んだが、「こうなった以上は、時間がかかっても安全を優先しなければと思った」と述懐する。

谷本局長は「完成は、住民一人ひとりのつらい決断と協力のおかげ」と改めて感謝し、「利水、発電能力、夏場の渇水対策とあわせて、地域に必ず貢献できるダムになる」と力を込めた。


大きな代償を払った川上村。人口は約1700人と、1960年当時の5分の1近くに激減しており、過疎化に歯止めをかける道を模索する。

昨年7月にトップに就いた栗山忠昭村長(62)は、ダムとの共生に村の未来を見いだそうとしている。

村は、吉野川の水源保全を目的に、1999年以降、ダム上流に広がる原生林約740ヘクタールを購入しており、「水源地の村づくり」を掲げる。栗山村長は「今後は、これらの『緑のダム』とあわせてダムを観光や学習の場としても活用していきたい」と意気込む。

具体的には、「広大なダム湖を活用してカヌーの競技場を整備し、マスをはじめとする釣り場も設けたい」と夢を膨らませる。「やはり、多くの人が出入りする村でなくては。ダム周辺をバラエティー豊かなスポットにして、全国にアピールしていきたい」と計画を練る。

(この連載は川本和義、児玉圭太が担当しました)


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【2013/03/29 09:01】 | 新聞記事から
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