「ダム建設の時代は終わった」by米国内務省開拓局長官ウィリアム・ピアーズ
                   雨宮 隆児

◆八ッ場ダム関連事業で国交相『1号橋』見直し示唆
 県『入札、予定通り行う』

(東京新聞群馬版2010年1月31日)
http://www.tokyo-np.co.jp/article/gunma/20100131/CK2010013102000114.html

 八ッ場建設に伴う生活再建事業の一環として計画された「湖面1号橋」について、前原国交相が建設見直しの可能性を県側に示唆していたことが30日、分かった。ダム本体の建設中止を表明した前原氏が生活再建事業の見直しに言及するのは初めて。
 1号橋については、昨年11月末の段階で橋脚二基の工事入札を2月1日から実施することが決まっていた。事業を担当する県は「前原氏の考えは容認できない。入札は予定通り行う」としている。
 県によると、29日に県庁を訪問した国交省の三日月政務官が大沢正明知事ら県側に前原氏の意向を伝えた。県側は「1号橋は(ダム完成を前提とした)住民の生活にとって不可欠な道路。入札の延期や中止は絶対にできない」と反論したという。
 1号橋の事業費は約52億円で、96%は国のダム事業費から支出される。大部分は未着工で、現在は橋脚一基の基礎工事が始まっているのみだ。
 地元のダム水没関係五地区連合対策委員会は、1号橋の建設を強く求めているが、民主党県連や市民団体は「ダムが中止された場合、橋は存在意義を失う」として建設凍結を主張。24日に開かれた国と地元住民との意見交換会で、前原氏は「生活再建事業については三月末までに詳細を決める」として、建設の可否を明らかにしなかった。
 県幹部の一人は「落札業者が決定した後に橋の建設を凍結した場合、現場が混乱に陥る」とした上で「落札業者と工事の正式な契約を結ばないよう、前原氏が新たな働きかけを行ってくる可能性もある」と今後の見通しを語る。
 長野原町の高山欣也町長は「(1号橋建設見直しの可能性について)なぜ意見交換会の場で公式に説明しないのか。前原氏に対する不信感は増すばかりだ。今夏以降の再検証後にダム中止と言われても断固拒否する」と怒りをあらわにした。
(一部引用)


◆湖面1号橋の橋脚工事あす入札毎日新聞
(2010年1月31日群馬版)
http://mainichi.jp/area/gunma/news/20100131ddlk10010082000c.html

 ◇「生活再建に必要」

 八ッ場ダム問題を巡り、県は2月1日、ダム湖予定地にかける「湖面1号橋」の橋脚工事の入札を始める。地元の長野原町は「生活再建に必要な橋だ」と主張する一方、前原誠司国土交通相は27日の参院予算委で「必ずしもダムを前提にインフラ整備を続けることが真の生活再建ではない」と述べ、軸足を雇用対策などに移す姿勢を示した。湖面1号橋は県道だが、事業費の大半は国からの補助金でまかなわれるため、着工できるか行方は不透明だ。
 29日、国土交通省の三日月政務官が県庁を訪れた。国と地元が今後、ダム問題についてどのように話し合いを進めていくか協議するためだ。県側は大澤知事、茂原副知事らが出席。その中で三日月政務官が「湖面1号橋は地元要望が強いが、やめたらどういう影響が出るのか」と切り出した。
 県側は「住民の生活再建道路として絶対必要。県はダム湖の完成を前提としており、1都5県と一緒にやっている」と従来通りの考えを伝えた。三日月政務官は「予定通り、入札は来週ですよね」と尋ね、この話題は打ち切られた。出席した県幹部は「政務官から入札延期を求める要請はなく、むしろ進めても構わないという感触を得た」と話す。
 しかし、前原国交相は参院予算委で「地元の方々に知恵をいただき(生活再建)案を作っていくことが本来のあるべき姿」と対話継続の姿勢を示す一方、湖面1号橋やその他のインフラ整備について「近々態度を決めないといけない。ダムがない場合に持続的に生活できるものを考えていくことが、真の生活再建だと思っている」とも述べた。
 湖面1号橋は、ダム建設に伴う生活再建事業の一つとして、水没した場合にダム両側の移住地間を結ぶ。4本の橋脚のうち1本は既に着工しており、今回の入札は2本分。民主党県連が昨年12月、国交省に入札中止を要望し、長野原町の高山欣也町長が県連に抗議文を出した経緯がある。
 総事業費52億円のうち、96%は国費のため、国が支出を凍結すれば計画は立ち行かなくなる。入札は3日に締め切られ、4日に開札される。


<感想>
 率直に言って、よく前原大臣他政務3役は我慢していいるなぁ・・と思います。
強権的な政府であったらかつて郵政民営化のようにトップダウンで強行することもあり得たでしょう。
極力地元の自主自活的な姿勢を保ちつつ「ダムに頼らない生活再建案」を待ち望んでいるような対応になっています。
場面によっては生活再建案の中身を、事業仕分けして政治主導で「無駄を排除」する対象にされる可能性もあるのに、です。
 夏に出される有識者会議の中間答申に照合して「脱ダム法」が起案されるでしょうが、そこからは国が主体となって中止プロセスに入ることが想定され、それと共に凍結から中止が閣議決定された場合には地元の要望がどの程度受け入れられるのかもわからなくなります。
 生活再建にとって最も大切なのは代替地の安全と安心ですから、国に対してまず一番に要望すべきは、その安全性の検証と担保ではないのでしょうか?22地点ある地滑り不安箇所について、公式には何の調査要望も出てこないのが不思議でなりません。
 また、先日の記事にあった消防団についてですが、組織改編後は、長野原第8分団(川原湯・川原畑=通称湯畑)、同第9分団(林横壁)が当該地区の組織のようです。
http://www.fdma.go.jp/syobodan/national/10_gunma/25.pdf

第8分団はそれぞれの団員数が減ったことにより合併したことが構成要因のようですが、子供会(育成会)活動を含めそれぞれ代替地に移転した後どの程度交流が続くのかもわかりません。
あくまで住民の皆さんの考え方次第ですが、常識的に考えれば吾妻川を挟んで北岸側と南岸側で付け替え国道・県道を軸に組織された方が行き来しやすいのではないか、緊急応動性も高いのではないかと個人的には思います。

 長野原町議会は昨年11月末に京都の美山町に行政視察に行ったようです。
当地は重要伝統的建造物群保存地区に指定された「かやぶきの里」という集落があり、それは郷愁あふれる日本の古里といった景観です。
http://www.kayabukinosato.com/index.html

 正に長野原が目指すべき何かを具現化しており、その視察から多くを感じてきたのなら、ダム湖や湖面一号橋などはその正反対に位置することも本心では理解されているのではないでしょうか。
町議会議員の皆さんにももう一度心静かに考えていただきたいものです。



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【2010/01/31 21:41】 | 新聞記事から
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                      雨宮 隆児

ダムが出来ないなら必要のない湖面一号橋に、景観を壊してまで税金を使うことで、なし崩しの本体工事への移行が懸念されていました。
しかし三日月政務官が群馬県知事に会って、2月1日から始まる橋脚工事の入札を延期するよう要請しました。


◆八ッ場ダムの橋入札延期、国交相が群馬県に要請

(読売新聞 2010年1月30日)
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20100130-OYT1T00072.htm

 群馬県長野原町の八ッ場(やんば)ダム建設計画を巡って、前原国土交通相が29日、ダムが完成した場合、ダム湖を横断する「湖面1号橋」(全長494メートル)について、2月1日から始まる橋脚工事の入札を延期するよう、事業主体の群馬県に要請したことがわかった。
 ダム本体の建設中止を表明している前原国交相が、周辺事業の見直しを打ち出したのは初めて。地元では1号橋の建設を望む声が強く、反発が一層強まるのは必至だ。
(一部引用)


◆八ツ場ダム橋脚工事入札、再考求める 国交政務官が群馬知事に
(日経新聞2009/01/30/13:01)
http://www.nikkei.co.jp/news/seiji/20100130ATFS3000230012010.html

 三日月国交政務官が29日、群馬県庁に大沢正明知事を訪ね、八ツ場ダムの建設中止方針に改めて理解を求めていたことが 30日、分かった。三日月政務官がダムが完成した際にダム湖の両岸をつなぐ県道の「湖面1号橋」について、2月1日に迫った橋脚工事の入札を延期した場合の影響を尋ねると、大沢知事は「地元としては困る」と語り、予定通り入札を実施する考えを示した。
 湖面1号橋は事業費の大部分を国が負担している。国土交通省は10年度予算案に盛り込んだ生活再建経費154億円について、ダム完成を前提とした事業にも配分するかどうか今後検討する。
(一部引用)

◆八ツ場ダムの橋、凍結検討 国交省、水没前提を見直し
(共同通信2010/01/30 02:02)
http://www.47news.jp/CN/201001/CN2010012901001212.html

 八ツ場ダムで水没予定地区の生活再建事業として建設中の橋の凍結を、国土交通省が検討していることが29日、分かった。前原誠司国交相が水没を前提としたインフラ整備を見直し、雇用確保などを優先させる考えを国会で表明したことを受けた。
 前原氏は、昨年9月の八ツ場ダムの建設中止表明後、「生活再建事業は中断しない」と明言していただけに建設を求める地元住民や自治体の反発は必至。八ツ場を含め建設継続の是非を検討している89ダムの多くでは生活再建事業を実施中で、凍結検討は波紋を広げそうだ。
  <中略>
 国の委託で入札手続きを行っている群馬県は「1日の入札は実施する」(大沢正明知事)方針。しかし国交省は入札が実施された場合でも、今年夏以降の八ツ場ダム継続に関する検証を踏まえて新たな生活再建策をまとめるまでは、橋建設を凍結する方向性を模索している。


◆「延期要請に反発、八ッ場ダム橋工事の入札実施へ」

(2010年1月30日11時36分 読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20100130-OYT1T00399.htm


一部引用ー
野口貞夫・川原畑地区ダム対策委員長(66)は「橋がなければ、対岸の
新しいJR駅まで坂を上り下りするしかなく、お年寄りは大変。消防も
対応に支障が出るだろう」と懸念する。

・・・引用終わり

川原畑の代替地からJR駅に行くには、記事紹介の方法の他に、
付け替え国道→湖面二号橋を経由して川原湯温泉新駅へ行くルート、
付け替え国道から下流側の岩島駅に行くルートなどがあります。
時間にして、5分ほどの違いでしょうか。

川原湯・川原畑の水没予定地は、車社会の到来以前の集落形態でしたが、
代替地は幅の広い付け替え国道(川原畑)、付け替え県道(川原湯)に
隣接した平坦な住宅地ですから、住民の皆さんの足は、今までより
遥かに車優先になると予想されます。
52億円の予算を川原湯・川原畑の生活再建のために確保できるのであれば、
もっと有効な税金の使い途がありそうです。

群馬県は他都県と足並みを揃え、ダム本体工事の建設負担金も
新年度予算に計上する方針を決めました。
空手形みたいな予算付けとの批判もあります。



<感想>

 入札直前の延期申し入れによって県側が混乱・反発を招くのは当然ではありますが、三日月政務官が直談判に来る前に事務レベルで水面下で延期要請をされていたことは想定され、実際には「いきなりやって来た」という話ではないように思います。
合理的に考えれば、本体工事同様関連予算の箇所付け前に補助金を当て込んで入札を強行すること自体に、政権交代を経た地方行政執行の現実を理解していないように思います。
せめて箇所付けの終わる2ヶ月程度のモラトリアムを設定することは国・県にとって何ら不都合にはなりません。
 本体工事中止は明言されているのですから、湖面一号橋自体については、「ダム湖がない場合」を前提として改めて費用対便益(B/C)を予断なく積算することが求められると思います。



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【2010/01/30 23:40】 | 新聞記事から
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                     嶋津 暉之

昨日の第3回有識者会議の配布資料が国交省のホームページに掲載されました。

こちら

別紙1―1、.1―2、1―3が意見を述べた宮村忠氏の資料で、1―2がスライドです。

スライドはかつて利根川の中流にあった遊水池「中条堤」と、最近の洪水による利根川堤防の漏水事故がその主な内容になっています。

6都県知事は利根川堤防の漏水防止のために八ッ場ダムが必要だという筋違いで非科学的な主張をしていますが、宮村氏は今回は堤防の強化が必要だという当たり前の主張をしたようです。



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【2010/01/30 10:40】 | 埼玉の会の見解
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八ッ場ダム学習会のお知らせです。
国の有識者会議では「ダムによらない治水対策」を検討しています。
ダムの水源開発費用は、私たちの水道料金と税金で払われており、
大きな負担となっています。遠い話ではありません。
八ッ場ダム問題のウソ・ホントを、今こそしっかり検証しましょう。

日時2月11日(祝・木)14:00~16:00
場所:イーアスホール (つくば市研究学園C50-1 イーアスつくば2F)
http://tsukuba.iias.jp/access/index.html
講師:嶋津暉之(水源開発問題全国連絡会 共同代表)

交通:つくばエクスプレス「研究学園」下車徒歩4分
    常磐自動車道「谷田部IC」研究学園方面7km
             「桜土浦IC」研究学園方面11km

主催:つくば・市民ネットワーク  Tel/Fax:029-850-0264

八ッ場ダムをストップさせる茨城の会
           事務局 神原禮二



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【2010/01/29 19:10】 | お知らせ
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 "死の川"吾妻川に八ッ場ダムを建設するために、
昭和39年に始まった中和事業は、当初の目的を果たせないまま、
ヒ素の濃縮という新たな問題を引き起こしています。
 政権交代後、国が八ッ場ダムとの関連で調査してきた報告を
隠蔽してきた事実が報道され、ヒ素問題への関心が高まっています。
 このほど、”国会の質問王”と異名をとった保坂展人さんをお招きし、
国の資料で示されているヒ素量、品木ダム堆積物の管理など、
八ッ場ダムの前提となる中和事業の実態について、
正確な情報を共有するために以下の学習会を企画しました。

◆日時:2010年2月11日(祝) 17時~19時(16時半開場)

◆場所:前橋市総合福祉会館会議室(3F) * 駐車場あり
http://www.city.maebashi.gunma.jp/kbn/22200005/22200005.html
 前橋市日吉町2丁目17-10 電話027-237-0101
      JR前橋駅北口からタクシー約10分
    バスで約10分(小坂子・荻窪公園行きの永井バス、「総合福祉会館前」で下車)

◆講師:保坂展人さん(前衆議院議員・ジャーナリスト)

◆資料代:300円 (参加費無料)

◆主催:八ッ場ダムを考える群馬県連絡会

*お問い合わせは以下のメールフォームにてお願いします。↓
http://yamba-net.org/modules/inquiry/index.php?op=0



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【2010/01/29 19:05】 | お知らせ
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                雨宮 隆児

日刊ゲンダイで、保坂展人さんがスクープしたヒ素問題(週刊朝日掲載)の記事を出しています。

◆発覚!国交省がヒ素データをひた隠し
(2010年01月25日掲載)
http://gendai.net/news.php?m=view&g=syakai&c=020&no=44410

 ●これが首都圏の水ガメになるのか

 前原国交相は24日、八ツ場ダムの建設予定地を訪れ、水没予定地区の住民らと初の意見交換に臨んだ。建設続行を求める住民。中止をにおわせながら、付け替え道路など関連施設の建設をやめない前原。どうも先行きが不透明だが、そうこうしている間に国交省の“重大犯罪”が明るみに出た。
 八ツ場ダムのヒ素汚染について、国交省が重大資料を隠していたのだ。国会の質問王だった保坂展人元衆院議員が言う。
「この問題を追及しているうちに、内部告発があり、役人に問いただすと、『H20ダム湖堆積物など調査分析業務 地質調査・分析結果報告書』なるものが出てきたのです。この資料には八ツ場ダムの上流にある品木ダムの湖底の堆積土のヒ素濃度が記されている。最新データ(2009年)では最高値は1キロ当たり5.3グラム。環境基本法に基づく土壌環境基準の350倍でした」
 八ツ場ダムが建設される吾妻川は強酸性の水質で「死の川」と呼ばれる。このままだとダムを造ってもコンクリートが溶けてしまう。そこでダム官僚は46年前から川の中和作業に乗り出した。吾妻川上流の湯川に石灰を投入することにし、そのために品木ダムを造ったのである。国交省が作る品木ダムの定期報告書には中和作業によって、ダム下流の湯川にイワナやヤマメが確認できるようになったと誇らしげに書いている。その一方でダムにはとんでもないヒ素がたまっていたわけだが、昨年8月に開かれた吾妻川水質改善対策検討委員会の資料にも89年の計測値しか出てこない。当時のヒ素汚染度は今の半分で、意図的な汚染隠しと言うしかない。これが八ツ場ダムにどういう影響を及ぼすのか。
「品木ダムはいまや、大量のヒ素貯蔵庫になり、堆積土はダムの容量を超えてしまった。そこでダム湖の湖底をパワーショベルで浚渫し汚泥を周辺の山間に捨てています。対策は待ったなしだし、当然、上流の品木ダム周辺に堆積したヒ素が下流の八ツ場ダムにもたまっていくだろうという懸念がある。問題はこうした状況が地元住民にまったく知らされなかったことです。八ツ場ダム建設を期待する地元住民はダム湖を観光の目玉にしようとしている。ダムは首都圏の利水にも有効とうたっている。ヒ素は大丈夫なのか。マズイと思った国交省は数字をヒタ隠しにして密室の議論をしていた。とんでもない話です」(保坂氏)
 八ツ場ダムはますます、呪われてきた。
(一部引用)


この記事を逆に保坂氏は自身のブログで紹介。

◇保坂展人のどこどこ日記(1/26)
http://blog.goo.ne.jp/hosakanobuto/e/d6dd912ca3f24e46f715abe7942eae7f

保坂さんはまた上記の日記の中で、週刊朝日の記事転載サイトを紹介しています。
http://honnosense.cocolog-nifty.com/blog/2010/01/post-af0d.html

読み逃した方はどうぞ。↑


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【2010/01/29 01:49】 | Webの記事
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                    雨宮 隆児

◆群馬県、八ツ場ダム本体工事を予算計上へ

(産経新聞群馬版2010.1.28)
http://sankei.jp.msn.com/region/kanto/gunma/100128/gnm1001280318001-n1.htm

 政府が建設中止を表明している八ツ場問題で、群馬県が同ダム本体工事の建設負担金を平成22年度予算に計上する方向で調整していることが27日、分かった。新年度予算は2月上旬に発表される予定で、県特定ダム対策課は「最終的には知事判断になるが、建設推進の立場は変わらない」としている。
 同課によると、昨年末に政府が発表した、本体工事費が含まれない建設事業費(約155億円)ではなく、昨年8月の概算要求で国交省が公表した本体工事費を含む建設事業費(約194億円)をベースに、群馬県分の建設負担金を想定。
 県の建設負担金は約12億円に上り、うち約2~3億円が本体工事分になるという。国がダム建設中止の方針を変えない場合は、補正予算などで対応する。
 同ダムをめぐっては、生活再建事業の一つで入札が公告された「湖面1号橋」(川原湯地区~川原畑地区)の工事費用などを含めた関連予算約96億円については26日、すでに大沢正明知事の査定を受けている。
(一部引用)


◆本体建設、負担金を計上 (群馬)県「国に求める姿勢示す」
(毎日新聞2010年1月28日群馬版)
http://mainichi.jp/area/gunma/news/20100128ddlk10010143000c.html

 八ッ場ダム問題を巡り、県はダム本体工事の着工を前提に、10年度予算案に建設負担金を盛り込む方針を固めた。政府予算案では本体工事を除いた事業費として約155億円が計上されているが、県は本体工事分を含めて予算計上することで、「国にダム建設を求める姿勢を示す」(県土整備部)という。
 県によると、政権交代前の昨年8月の概算要求で示された約194億円を前提に、建設負担金を12億円(治水6億6000万円、利水5億4000万円)と算出。建設負担金と生活再建事業費などを合わせ総額約96億円を予算要求し、知事査定している段階だ。
 政府予算案が原案通り成立すれば、県予算も本体工事分は執行されないが、法的な問題はないという。
 この問題を巡っては埼玉県の上田清司知事も26日、同県の10年度予算案にダム本体工事の建設費を含めた関連費用を計上する方針を表明。関係1都5県が足並みをそろえるとみられる。

<感想>

 昨日の埼玉県に続いて群馬県も本体工事を含んだ事業予算を計上します。今後残る4都県も足並みを揃えると思いますが、注目されるのは民主党が第一党の座席を持っている東京都議会の動きで、八ッ場ダム整備予算に42億円を計上しているそうですが、築地市場の豊洲移転も争点になりそうですし、知事提出議案がすんなり通るとも思えません。著しい税収減の中、八ッ場ダム予算にどういう態度を示すのか、都議会民主党の姿勢に注目すると共に、今日成立した補正予算同様公明党の動きも気になるところです。
 群馬県議会は圧倒的に自民占有議席数になっていますが、3つに別れている民主党系会派もそろそろ統一会派にまとまる時期に来ていると思います。


◆群馬県、八ツ場ダム本体工事を予算計上へ
(産経新聞群馬版2010.1.28)
http://sankei.jp.msn.com/region/kanto/gunma/100128/gnm1001280318001-n1.htm

 政府が建設中止を表明している八ツ場問題で、群馬県が同ダム本体工事の建設負担金を平成22年度予算に計上する方向で調整していることが27日、分かった。新年度予算は2月上旬に発表される予定で、県特定ダム対策課は「最終的には知事判断になるが、建設推進の立場は変わらない」としている。
 同課によると、昨年末に政府が発表した、本体工事費が含まれない建設事業費(約155億円)ではなく、昨年8月の概算要求で国交省が公表した本体工事費を含む建設事業費(約194億円)をベースに、群馬県分の建設負担金を想定。
 県の建設負担金は約12億円に上り、うち約2~3億円が本体工事分になるという。国がダム建設中止の方針を変えない場合は、補正予算などで対応する。
 同ダムをめぐっては、生活再建事業の一つで入札が公告された「湖面1号橋」(川原湯地区~川原畑地区)の工事費用などを含めた関連予算約96億円については26日、すでに大沢正明知事の査定を受けている。
(一部引用)


◆本体建設、負担金を計上 (群馬)県「国に求める姿勢示す」

(毎日新聞2010年1月28日群馬版)
http://mainichi.jp/area/gunma/news/20100128ddlk10010143000c.html

 八ッ場ダム問題を巡り、県はダム本体工事の着工を前提に、10年度予算案に建設負担金を盛り込む方針を固めた。政府予算案では本体工事を除いた事業費として約155億円が計上されているが、県は本体工事分を含めて予算計上することで、「国にダム建設を求める姿勢を示す」(県土整備部)という。
 県によると、政権交代前の昨年8月の概算要求で示された約194億円を前提に、建設負担金を12億円(治水6億6000万円、利水5億4000万円)と算出。建設負担金と生活再建事業費などを合わせ総額約96億円を予算要求し、知事査定している段階だ。
 政府予算案が原案通り成立すれば、県予算も本体工事分は執行されないが、法的な問題はないという。
 この問題を巡っては埼玉県の上田清司知事も26日、同県の10年度予算案にダム本体工事の建設費を含めた関連費用を計上する方針を表明。関係1都5県が足並みをそろえるとみられる。

<感想>
 昨日の埼玉県に続いて群馬県も本体工事を含んだ事業予算を計上します。今後残る4都県も足並みを揃えると思いますが、注目されるのは民主党が第一党の座席を持っている東京都議会の動きで、八ッ場ダム整備予算に42億円を計上しているそうですが、築地市場の豊洲移転も争点になりそうですし、知事提出議案がすんなり通るとも思えません。著しい税収減の中、八ッ場ダム予算にどういう態度を示すのか、都議会民主党の姿勢に注目すると共に、今日成立した補正予算同様公明党の動きも気になるところです。
 群馬県議会は圧倒的に自民占有議席数になっていますが、3つに別れている民主党系会派もそろそろ統一会派にまとまる時期に来ていると思います。



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【2010/01/29 01:47】 | 新聞記事から
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                    嶋津 暉之

 埼玉・群馬県の来年度予算の方針をどうみるかですが、本体抜きのままでは各都県は(負担の理由がなくなるから)八ッ場ダム負担金の予算計上が難しいのかしれませんから、都県予算に本体分も計上することはありえると思います。
 実際に支払うのは国交省から請求があった分だけですから、都県予算への本体分の計上は実質的な意味を持たないように思います。
 ただ、東京都の予算審議において八ッ場ダムの予算に対してダム中止派の会派がどのように対応すべきなのか、むずかしいところです。

                      雨宮 隆児

◆埼玉・群馬が本体予算 『事業は継続』 計上方針
(東京新聞2010年1月27日朝刊)
http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2010012702000053.html

 前原国交相が建設中止を表明した八ッ場事業をめぐり、建設継続を主張している埼玉県の上田清司知事は26日、本体工事費も含めた同県負担分の事業費を新年度予算案に盛り込む考えを明らかにした。政府は新年度予算案で本体工事費をゼロとしており、本体工事の負担額を独自算定し予算化を表明するのは流域自治体で初めて。地元・群馬県も本体工事の負担金を計上する方針で予算編成を進めている。
 上田知事は「政府は中止と言っているだけで、事業変更の手続きはしていない。われわれとしては(事業は)続行していると判断しており、予算計上は当然だ」と述べた。
 国交省は、本体工事費を620億円と見込んでいた。埼玉県は、本年度から完成予定とされた2015年度までの県負担額は生活再建関連費を含め計163億円と試算し、新年度予算案への計上額を調整する。
 一方、群馬県・県土整備部は本体工事の負担金15億3千万円や生活再建関連費など計96億円を計上するよう財政当局に要望。知事査定を経て、予算額を確定する。県は「本体事業費の凍結は中止を容認することになる。必要予算を盛り込むことで『中止撤回』の意思を鮮明にしたい」と説明している。
 事業に参加している一都五県の新年度予算案では、東京都が既に「過去の負担実績を基に枠を確保した」(財務局)として42億円を計上している。
 国交省は新年度予算案で国負担の63億円のみを計上、本体工事費は凍結している。
(一部引用)


◆「八ツ場」県予算案に 知事表明
(朝日新聞埼玉版2010年01月27日)
http://mytown.asahi.com/saitama/news.php?k_id=11000001001270003

  ◇新年度 本体工事の負担分

 上田清司知事は26日の定例会見で、2010年度の県予算案に、八ツ場ダム建設に向けて本体工事費の県の負担金も含めた予算を盛り込む方針を明らかにした。

  ◇「『凍結』だから当然」

 政府が本体工事費を10年度予算案に盛り込まなかった八ツ場ダムについて上田知事は、「我々はダムの必要性を訴えている。本体工事の分についても埼玉県としては当然、予算を計上していきたい」と述べた。県の10年度予算案には、今年度までと同様、本体工事費を含めた県の負担金などの予算を盛り込むという。
 県は今年度予算に、本体工事費や地元住民の生活再建などの費用として、国庫補助金を含めて約49億円を計上している。そのうち本体工事分は約2億円という。
 上田知事は予算計上の理由として、まず同ダム建設事業について「(政府が)中止と言っているだけで何の事業変更の手続きもされていないので、続行しているものだという判断」と語り、現状は、中止ではなく「凍結」の状態と指摘。
 「凍結は解除される可能性がある。我々とすれば、続行しろと言っているわけだから予算の計上をするのは当然のこと」と説明した。
 10年度予算案への計上額について、県土地水政策課は、「現在調整中」としている。
(一部引用)


◆八ツ場ダムの予算計上へ 上田知事
(埼玉新聞2010年1月27日)
http://www.saitama-np.co.jp/news01/27/02.html

 政府が建設中止を表明した八ツ場ダムについて、上田清司知事は26日の定例会見で、中止反対の立場から建設継続を前提とし、ダム本体建設費などの事業負担金を2010年度の県予算案に盛り込む考えを明らかにした。
 知事は10年度の八ツ場ダム関連予算について「ダムの必要性を訴えているので、当然(凍結されている)本体工事分についても県として計上する」と述べ、関係1都5県の共同歩調については「われわれは続行すべきとの考えに立っており、その裏付けとなる予算計上は自明の理」と語った。
 政府の10年度予算案には本体工事費が計上されていないが、知事は「凍結ではなく完全に建設中止ともなれば、特定多目的ダム法に基づいて6都県知事に事業変更の了承を得なければならない。『分かりました』と言うつもりはない」と、けん制した。
 八ツ場ダムの建設費総額4600億円は国と1都5県で負担する。埼玉県の実質負担額は569億円で、08年度までに406億円を支出した。09年度の負担額は29億円。道路付け替え工事などの生活再建関連費を除いた本体工事費は2億円となっている。
(一部引用)


◆八ッ場ダム建設:新年度も予算計上へ 上田知事「本体工事も含め」
(毎日新聞2010年1月27日埼玉版)
http://mainichi.jp/area/saitama/news/20100127ddlk11010283000c.html

 ダムを「再検証」する国は本体工事の建設費を計上していないが、定例会見で上田知事は「ダムの必要性を訴えている埼玉としては当然、本体工事も含めて計上する」と述べた。
 八ッ場ダム事業にかかる費用は、国と関係する1都5県などが負担している。埼玉は08年度までに総事業費約4600億円のうち、本体工事や地元の生活再建費用として約680億円(国の補助金含む)を負担。今年度は約49億円の予算を計上している。現在、県は来年度の予算案を編成中。東京都は既に、本体の建設費を含めた約42億円を計上する10年度予算原案を公表している。
 また、上田知事は、前原誠司国土交通相と地元住民らが24日に初の意見交換会を開いたことについて、「行われたことはよかった」と評価した。しかし、中身については、「相変わらず抽象的で、具体的な数字が出ていない。矛盾する発言もあり、住民の信頼を取り戻すまでに至らなかったと思う」と指摘した。
(一部引用)


◆埼玉県、予算計上へ 群馬県も検討中
(朝日新聞群馬版2010年01月27日)
http://mytown.asahi.com/gunma/news.php?k_id=10000581001270001

 埼玉県は今年度予算に、本体工事費や地元の生活再建などの費用として、国庫補助金を含めて約49億円を計上している。うち本体工事分は約2億円という。県の新年度予算案にはこれまで同様、本体工事費を含め県の負担金などの予算を盛り込むという。
 上田知事は、同ダム建設事業について「(政府が)中止と言っているだけで何の事業変更の手続きもされていないので、続行しているものだという判断」と語り、現状は、中止ではなく凍結の状態と指摘。「凍結は解除される可能性がある。我々は続行しろと言っているわけだから予算計上は当然」と説明した。
 群馬県も、同ダム事業の関連予算を計上する方向で検討中。県土整備部は、本体工事費やダム建設に伴う付け替え道路の建設費など、計96億6700万円を要求している。
(一部引用)


◆八ツ場ダム負担金、本体分も予算計上へ
(上毛新聞2010年1月27日)
http://www.raijin.com/news/a/27/news02.htm

 八ツ場ダム中止問題の膠着状態が続く中、(群馬)県がダム本体工事が継続した場合を想定した建設負担金を、新年度予算案に盛り込む方向で検討していることが26日分かった。政府は本体工事を中止し、新年度政府予算案には本体工事を除いた事業費を計上しているが、法律上はダム建設計画が継続していることに加え、あえて本体工事を想定した額を盛り込むことで同ダム建設推進を求める姿勢を示す狙い。
 八ツ場ダム建設事業に参画している本県など6都県は事業費4600億円の一部を建設負担金として毎年度、国に支払っている。だが、各年度の負担額は国から請求が来るまで分からないため、予算編成時点では新年度政府予算案や過去の実績などをもとに負担額を仮設定している。
 (群馬)県県土整備部は現政権が新年度政府予算案で示した約155億円ではなく、政権交代前の昨年8月の概算要求で国土交通省が公表した本体工事費を含む約194億円をもとに建設負担金を12億円と設定。このうち、2~3億円が本体工事分とみられる。長野原町の水没予定地周辺の生活再建事業費などと合わせた約96億円を八ツ場ダム関連事業費とし、26日に大沢正明知事の査定を受けた。
 この額が予算案として確定するかは今後、大沢知事が判断するが、川滝弘之県土整備部長は「本体工事中止を認めていない姿勢として、概算要求時点での事業費をもとに算出した」としている。
 このほか、同ダム建設事業に参画している埼玉県も「まだ各担当部局の要求段階だが、建設負担金は8月の概算要求額をもとに算出した」と説明。茨城県も「他県と足並みを合わせ、本体工事費を含めた額を予算要求する」としている。東京都、千葉県は本年度並みの負担額を確保する方針。
(一部引用)


<感想>

 法治国家における行政執行については手続き順守が求められ、その意味では上田知事の理論は間違っていません。
 一方『特定多目的ダム法』の解釈としては、「議会議決を受けて関係都県知事及びダム使用権の設定予定者の意見をきく」プロセスを経れば、基本計画の変更・廃止を国交大臣は公示できることになっています。
つまり、公聴手続きが担保されていれば政令により廃止は認められています。
その場合、付帯工事や生活再建事業の継続根拠は失われますから、国交省で検討されているという特別措置法が必要になるわけです。
 関係6都県は協調して、ひとつの威力行為として本体工事分も上乗せするでしょうが、それは後に補正予算で修正できますし、上毛の記事に依れば決算時の清算になることが窺えます。


◇上田・埼玉県知事定例会見<動画><テキスト版>
http://www.pref.saitama.lg.jp/room/kaiken/index.html

↑相変わらず、乱暴なもの言いになっています。


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【2010/01/29 01:39】 | 新聞記事から
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                雨宮 隆児

◆参院予算委で「雇用や収入確保が生活再建」
(朝日新聞群馬版2010年01月28日)
http://mytown.asahi.com/gunma/news.php?k_id=10000581001280001

 「必ずしもダムを前提としたインフラ整備を続けることが生活再建なのではなく、ダムがなくても持続的な生活につながるものが真の生活再建だと考える」。八ツ場ダム建設中止後の長野原、東吾妻両町の生活再建策について、前原誠司国土交通相は27日の参院予算委員会で、雇用や収入の確保などに重きを置く考えを示した。富岡由紀夫氏(民主)の質問に答えた。

 前原国交相は「ダムに頼らないのであれば、雇用や収入の確保が本当の生活再建だ」と水没地域の住民から意見が寄せられていることを紹介。地元の意向を尊重しつつ、インフラ整備に偏らない形の生活再建策を検討していきたいとの考えをにじませた。
 鳩山首相も一昨年、現地を視察した経験に触れながら、「苦渋の選択をした地元の方々が怒るのは当然。雇用や自治体財政も含めて、国としてできることに万全を期したい」と述べた。
(一部引用)

◇参議院予算委員会の模様を「参議院審議中継」でご覧になれます(録画)。
http://www.webtv.sangiin.go.jp/webtv/index.php

上記サイトから 日程(1/27)→予算委員会→発言者マーク(富岡由起夫)へお進み下さい。
あとはPC環境により、再生方法をお選び下さい。

冒頭13分程度が「八ッ場ダム」関連の質疑で、

・前原国交大臣
・原口総務大臣
・鳩山総理大臣

が答弁者となっています。


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【2010/01/29 01:04】 | 新聞記事から
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                     嶋津 暉之

1月15日(金)は国交省の「今後の治水対策のあり方に関する有識者会議」で、22日(金)は群馬県議会の八ッ場ダム対策特別委員会で意見陳述をしましたので、簡単に報告します。

(1)1月15日(金)の国交省の
  「今後の治水対策のあり方に関する有識者会議」


会議の非公開
 この有識者会議の問題は何と言っても、非公開で会議が進められていることです。この会議はダムにたよらない治水へと、従来の河川行政を根本から変えていくことを目的とするものであるから、国民とともに議論を進めていく姿勢がなければ、その答申は国民の共感を得るものになりません。
公開はその目的を達成するための必須の条件なのです。
会議の冒頭で、座長から、会議の中で出てくる特定の河川名、ダム名が公開されると、関係住民に不安を与えるので、非公開にするという説明がありましたが、それは非公開の理由になるようなものではありません。
これからも会議の公開を強く求めていかなければなりません。

会議は非公開であるけれども、ダムの問題点、ダムにたよらない治水へ河川行政を変える具体的な手順を有識者会議の委員、政務三役に伝えなければならないと考え、私は出席することにしました。
委員は9人のうち、8人が出席し、前原大臣、馬渕副大臣、三日月政務官も出席しました。


意見陳述のポイント
 私の意見陳述で使った配布資料は、国交省のホームページの
   第2回 今後の治水対策のあり方に関する有識者会議
   (平成22年1月15日開催)配付資料

資料1―1「ダムにたよらない治水のあり方(骨子)」と
資料1―2「ダムにたよらない治水のあり方(スライド)」
に掲載されています。

私としては概念的な話ではなく、データに基づく確かな事実を伝えるように心がけました。30分の陳述で述べたポイントは次のとおりです。

1 ダムは次の根本的な問題があるので、
ダムによらない治水を進めなければならない

ダムの集水面積は小さく、もともとあまり大きな効果を持ち得ない。
雨の降り方によって治水効果が大きく変動するギャンブル的治水対策である。
ダム地点から下流に行くほど、洪水ピークの削減効果が減衰する。
ダム地点の洪水が想定を超えると、ダムは治水機能が急減する


2 新規ダムを治水計画から除くためには、
次のステップを踏んで検証していく必要がある。


第1ステップ 
治水計画の目標流量を近年の最大観測流量に近い数字に再設定する。

第2ステップ

河川整備基本方針で定められている河道整備を優先して進める治水計画に変更する。

第3ステップ
現況河道で流下が可能な洪水流量および河床掘削や堤防の一部嵩上げで流下が可能となる洪水流量を徹底追求する。

第4ステップ
 
想定規模を超える洪水がきても、壊滅的な被害を受けないように、越流があって直ちに決壊しない耐越水堤防に強化するとともに、豊川霞堤地区の事例を参考にして流域への洪水の受容の方策を追求する。


3 ダムの費用便益比(B/C)の正しい再計算を実施する必要がある。

新規ダム事業のB/Cを現実に即して正しく再計算すれば、いずれのダムも1を大きく下回り、ダム中止の理由が明確になるので、その再計算を実施する。


有識者会議の印象
 ダム推進派の委員が多数を占めると思われる有識者会議でしたが、質疑で最初に発言した一委員の意見は意外にも「私も基本的に同じ意見だ」というものでした。
30分の質疑の間で、6人の委員から質問、意見があり、そのうち、1人は敵意むき出しのものでしたが、4人の意見は方向性としては私の意見と共通するところもありました。特に座長は、前原大臣の意向を受けて、ダムによらない治水のあり方を何とかまとめていきたいと考えているようでした。
しかし、問題は、方向性がたとえよくても、ダムによらない治水の具体的な手順、基準をこの有識者会議が本当につくることができるかです。答申が抽象的な文言の羅列だけで、実際にダムの中止に結びつかないもので終ってしまうことも予想されます。
 やはり、会議の公開を求めて、会議の進行状況を国民がしっかりチェックしていかなければなりません。



(2)1月22日(金)の
   群馬県議会の八ッ場ダム対策特別委員会


群馬県議会での意見陳述(まさのあつこさんの提供)
群馬県議会にて
         
経過
 八ッ場ダム推進派が多数を占める群馬県議会で八ッ場ダム対策特別委員会が昨年秋に設置され、今まで推進側の参考人ばかりが呼ばれてきました。
 今回、ダム見直し派の県議の強い働きかけで、八ッ場ダム反対派である大熊孝新潟大学名誉教授と私の招致が実現し、それぞれ治水面、利水面から意見を述べました。
 今までダム推進側の専門家としては、治水面では宮村忠関東学院大学教授、利水面では虫明功臣東京大学名誉教授が意見を述べています。

陳述のポイント
 私は今回は利水面に絞って、八ッ場ダムの必要性が全くないことを具体的なデータに基づいて陳述しました。

ダム推進側は虫明氏が利水面での八ッ場ダムの必要性を陳述していますので、その陳述内容を否定することにも力を注ぎました。私の陳述のポイントは次のとおりです。

・首都圏の水道用水は節水機器の普及と人口の減少でますます減少し、水余りの状況が一層顕著になっていく。群馬県の水道用水もますます減少していくので、基本的に新規の水源開発は無用のものとなっている。

・地盤沈下が沈静化しているので、各市町村水道の自己水源である地下水を活用すれば、県営水道の八ッ場ダムの暫定水利権がたとえなくても、県営水道給水対象地域の水道は水需給に不足をきたすことがない。安全性が高く、味の面でも優れた地下水を水道水源として活用することは群馬県民にとってメリットが大きいので、地下水重視の水行政に転換すべきである。

・県営水道と県営工業用水道の広桃用水転用水利権は冬期は八ッ場ダムの暫定水利権となっているが、冬期も長年の取水実績があって、取水に支障をきたしたことがない。この暫定水利権は国交省の水利権許可制度を変えれば、八ッ場ダムがなくても、実態に合わせて安定水利権にすることが可能である。

・八ッ場ダムの夏期の利水容量は既設の利根川水系ダムの約5%しかないから、完成しても、渇水への利根川の状況はさほど変わらない。

・「八ッ場ダムがあれば、平成8年は取水制限日数を100日減少させることができた」という国交省の話は、 現実と遊離した計算の結果に過ぎない。

・10年に1回の渇水年では利根川水系ダムの供給可能量が21%も減少する」という第5次利根川荒川フルプランの計算も現実と遊離したものであって、10年に1回の渇水年を考えても八ッ場ダム等の新規の水源開発は不要である。

・八ッ場ダムの計画堆砂量は関東地方の大規模ダムの堆砂実績と比べて小さすぎる。下久保ダムの堆砂実績値等から推測すると、八ッ場ダムはダム完成55年後には夏期利水容量が半減し、80年後には夏期利水容量がなくなる。



感想
 私としては、この委員会において虫明氏の陳述内容と私の陳述内容のどちらに理があるか、事実に基づく議論ができることを期待したのですが、質疑の時間が短く、内容に立ち入った議論はほとんどできませんでした。まことに残念です。
 八ッ場ダム対策特別委員会は八ッ場ダム推進の口実をつくりだすために、推進側の思惑で設置されたものですから、今後のことは多くは期待できません。
 しかし、八ッ場ダムの必要性がないことを具体的なデータできちんと示しておくことはその動きにブレーキをかけることになるのではないかと考え、私はできるだけの準備をして精一杯の陳述をしました。

 ※意見陳述に使用したスライドは分割して下記にアップしました
 
1-10   首都圏及び群馬県の水需要の動向
11-20  群馬県上水道・将来の動向 水道用地下水の活用 他
21-30  地下水 広桃用水転用水利権と暫定水利権 他
31-40  暫定水利権の問題 他
41-56  八ツ場ダムと利根川の渇水、取水制限の関係 他
57-60  ダム貯水量の計算結果が実績値に比べて急減する理由
61-70  八ツ場ダムの利水機能の持続年数について 他
                




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 ・八ツ場ダムをストップさせる千葉の会
 ・ダム日記2

【2010/01/27 15:20】 | 埼玉の会の見解
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