「ダム建設の時代は終わった」by米国内務省開拓局長官ウィリアム・ピアーズ
                 嶋津 暉之

埼玉県の上田知事が定例会見で民主党マニフェストの八ッ場ダム中止を批判しましたが、知事の事実認識の誤りは驚くばかりです。

◆埼玉県知事記者会見関連記事
2009年7月28日 東京新聞埼玉版
-八ッ場ダム中止『無責任』 知事、民主政権公約を批判-
http://www.tokyo-np.co.jp/article/saitama/20090729/CK2009072902000087.html

◆埼玉県知事記者会見より八ッ場ダム関連箇所を転載
  (赤字部分が嶋津注釈

埼玉 (新聞)
 マニフェストの中にですね、埼玉県に関係することとして、八ッ場ダムの廃止という項目が盛り込まれてると思うんですけれど、知事は常々推進の立場でいらっしゃると思うんですが、この項目に何らかの形で対峙していくのか、あるいは受容していくのか、ちょっとその辺のお考えをお聞かせください。

知事
 極めてこの部分に関しては、民主党は無責任ですね。
私に一度もヒアリングないですから。
反対の意見だけしか聞いてませんから。
賛成派の方が圧倒的に多いということを御存知でないのかなと。
何か反対の意見だけしか聞かない政党というのは良くないですね。
これは不愉快な話ですね。
埼玉県が29パーセントも暫定水利権で水を賄ってることなんか何にも知らないでしょう。
極めて不愉快な話ですね。
もし渇水時期になったら埼玉県民は約30パーセントの水が使用できない訳ですから。これをやっぱりカバーすべきために利水上、八ッ場ダムが必要だという判断で進めておりますし、

いままで、埼玉県の農業用水転用水利権(国が暫定水利権としている)は、渇水時にも通常の水利権と同等の扱いを受けており、使用できなくなくなったことはまったくありません。

また、治水上もね、さほど大した災害ではなくても、ここに利根川の土手があるとすれば、こちらに川があるとすれば、こちらの水田に水が噴き出したりしてるんです。これを放置していけばここが決壊する可能性だってあるんです。そんな現場なんか見たこともないでしょうしね。
何か現場の声も聞かないで、あるいは利根川沿川での市町村長の意見も何も聞かないで、生態系派、環境派の皆さんの自分たちは全く危険なところにいないところで、反対を述べている人たちの意見だけを聞いて党の公約にするなんていうのはもう本当に不見識ですね。
全く違いますから、熊本とは。一都五県の課題でありますし。全く事情が異なっておりますので。来られる時、是非、鳩山代表以下、利根川の土手に立ってもらいたいですね。どのくらい地響きするか。そうすれば分かってくれると思います。

このことと八ッ場ダムとは何の関係もありません。
わずかな治水効果しか無い八ッ場ダムに利根川の河川予算の大半をつぎ込んでいるから、堤防の強化対策が後回しにされているのです。利根川の安全性を高めるならば、八ッ場ダムをやめて河川改修に力を入れるべきです。この知事は利根川の治水対策として何が求められているのか、何も分かっていません。


埼玉 (新聞)
 この件に関しては例えば推進している自治体周辺にたくさんあると思うんですけど、こうしたところと連携してマニフェストに対する反意を示すとか、そのような御予定というのはあるんでしょうか。

知事
 政権を取られて、八ッ場ダム中止というような話をされるんであれば、きちっと公開での討論とか申し出をするしかないと思いますね。
 とにかく、地裁レベルですけれども、3連敗している訳ですから。
 反対派が負けている訳ですから。訴訟を起こして。
1都5県の執行に関しては正しいという判断が裁判で出ている訳ですから。それも3つも出ている訳ですから。

あくまで3地裁の判決は違法性を問えないとしているだけであって、都県の執行が正しいと言っているわけではありません。「1都5県で判断が裁判で出ている」とも語っていますが、今まで判決が出たのは、1都2県であって、千葉、埼玉、栃木の判決はこれからです。知事は勝手に拡大解釈をしているのです。

そういうのも全く無視して、堂々と、何かどさくさに紛れたような形で出されるというのも不見識だなというふうに思っております。

八ッ場ダム中止と生活再建の推進は鳩山氏が昨年夏から明言していることです。


やっぱり地元自治体に一度でもヒアリングをされればいいと思います。
この件に関しては怒り心頭です。

県官僚の話をそのまま受け売りでは困ります。



8/2 追記
八ツ場あしたの会 で暫定水利権についての解説がアップされました。
         ↓
「八ッ場ダム事業の暫定水利権に関する県知事の見解について」


【2009/07/30 23:41】 | 八ツ場情報
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松下政経・日本新党・民主党・首長
上村 健
私は独善的とお叱りを受けるかもしれませんが、
この流れの中に得意な体質をみています。
外にも、たとえば自民党の『マダム寿司」こと小池百合子、減殺総務大臣の原口氏がそういうたちばです。総務省の地方分権会議のメンバーの中に大阪の橋下氏は別にして、中田、松沢などが入っています。経歴がどうのこうのという話しではなく、独特の体質がある。松下老とのずれが手手いるのは京都学派・・・高坂理論の影響もたぶんにあるのかなあ。とおもえます。いずれにしても松沢氏は帰国して国民の冷たい視線に身をさらすことになる。まさか次期選挙には知事選か国政かわからないものの民主党には戻らない覚悟できてのことだろう。そうおもえてなりません。上田,中田、山田氏いずれも民主党に挑戦状をたたきつけたのですから。

管理人のみ閲覧できます
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埼玉の会
Sさん、アマゾンでも環境破壊が進みダムが作られようとしているのですね。
熱帯森林保護団体教えてくださってありがとうございます。

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7月20日、前橋で開かれたシンポジウム「ダムに負けない村 八ッ場から地域の再生を考える 第三弾」の記事が朝日、東京、読売、上毛と、4紙そろいましたので、まとめて掲載します。
このシンポジウムの取り上げ方は各紙それぞれ違っています。各紙の記者の方が何を視点に書くかをそれぞれ考えられたことと思います。

◆朝日新聞群馬版 2009年7月30日

ダム中止と生活支援 加藤登紀子さん訴え

 私には生まれ育った故郷がない。でも八ツ場ダムの地元住民は故郷の大切さを教えてくれた――。八ツ場ダム(長野原町)の建設反対を訴えている歌手・加藤登紀子さんが、前橋市内であった市民団体のシンポジウムで講演し、ダムの地元・川原湯温泉への思いを語った。「地元の人が愛する故郷を失ってはならない」。そう説いてダム建設の中止と地元への生活再建支援の必要性を説いた。

 シンポジウムは市民団体「八ツ場あしたの会」が主催。加藤さん自身も、代表世話人の一人として反対活動に参加している。

 加藤さんは旧満州・ハルビン生まれ。戦後の引き揚げ船で帰国したため「故郷らしい故郷がない」という。

 八ツ場問題を通じて温泉地の住民との交流が始まった。快活な表情を絶やさず宿を経営する住民、地元の子どもが描いた大きな川魚の絵……。どれも故郷への愛着心を感じさせた。この日の講演で加藤さんは「細胞の隅々まで故郷が浸透している人たちに触れて、故郷の大切さを感じた」と語り、豊かな自然を壊してまで、ダム建設を進める必要はないと建設中止を訴えた。

 八ツ場ダムは、建設と地元住民への金銭的な「生活再建支援」が一体であることが条件で計画が進行している。地元住民にとって、建設中止は生活保障がなくなることを意味する。地元には「早く建設を進めて」との声も少なくないのが現状だ。

 シンポジウムには、国土交通省近畿地方整備局の諮問機関「淀川水系流域委員会」の前委員長、宮本博司・元国交省防災課長も講演者として参加。「ダム建設ありきの生活再建など本来はあってはならない」「水没地域の住民は国策の犠牲者」とダム行政を批判したうえで、八ツ場ダムについても建設の可否に関係なく、しっかりした生活再建支援をすべきだと話した。

http://mytown.asahi.com:80/gunma/news.php?k_id=10000580907300001



◆東京新聞特報部 2009年7月26日

「群馬・八ツ場ダム計画どうなる」
 ←PDFで開きます

国が群馬県長野原町で計画する八ツ場ダム。構想が浮上してから半世紀以上を経た今秋にも本体着工が予定される中、総選挙で政権獲得を視野に入れる民主党が政権公約(マニフェスト)で中止を明言、十二日の東京都議選では推進派の自民、公明両党を過半数割れに追い込んだ。反対派は「中止まであと一歩」と勢いづいている。(関口克己)

「八ツ場ダム計画を見直し、中止させないといけないという声が都民に満ち満ちている」前橋市で二十日、計画見直しを求める市民団体「八ツ場あしたの会」主催のシンポジウム。群馬県議の関口茂樹氏がこう声を張り上げた。

反対派 都議選で回生  推進派の自公過半数割れ  
民主は総選挙で中止公約

同ダムの総事業費四千六百億円のうち、都は八百七十億円を負担する予定。自民、公明両党は推進派だ。国は昨年、工期の五年間延長について都に同意を求めた。都議会で、民主党などは「水需要予測や洪水対策の検証が不十分」との理由で反対したのに対し、多数を占める推進派の賛成でこれを認めた。

都議選を前にした今年六月、自民は再び「推進」を公約。一方、民主は「事業の再検証」を掲げて反対を宣言。鳩山由紀夫代表は党首討論で、民主政権下では、「(熊本県の)川辺川ダムとか八ッ場ダムとか、今の時世に合わない大型の公共事業は基本的にやめる」と明言、マニフェストにも明記した。

都に公金支出差し止めを求める行政訴訟を起こしている市民団体「八ッ場ダムをストップさせる東京の会」が都議選候補を対象に行ったアンケートでは、自民党では回答した十七人全員が「建設すべきだ」としたが、民主党三十五人では推進論はゼロたった。
そして迎えた都議選。一都五県の与党都県議二百七十人でつくる「推進議連一都五県の会」で会長を務めた自民都議が落選。与党も過半数割れした。野党が多数を占めたことで、都が同ダム関連支出を盛り込んだ予算案を提案しても、都議会が「NO」を突きつけることが確実となった。

一都五県の住民が一斉提起した行政訴訟は五月以降、東京と前橋、水戸の各地裁で判決が出され、住民側か三連敗。反対派には重苦しい空気が漂ったが、政治での逆転劇に再び沸き立つ。「東京の会」の深沢洋子代表は「中止に向け、非常に良い条件が整った。民主は政権獲得した場合、公約を必ず実行してほしい」と話す。

前橋でのシンポジウムは、約三百人の参加者で盛り上がった。元国土交通省防災課長の宮本博司氏が、国の河川洪水対策について「堤防の強化や遊水池などによる洪水エネルギーの分散を図るべきだ」と述べ、ダム依存体質からの転換を主張すると、参加者からは大きな拍手がわいた。

八ツ場ダム計画地を訪ね歩いてきた歌手の加藤登紀子さんは講演で、八ッ場最大の節目になる今年を「『本当に素晴らしい年たった』と、言われるように生きないといけない」。
それでも「一寸先は闇」なのが政治。加藤さんは政権交代が確実視される中、反対派に広がる楽観論をこう戒めた。
「『あの時チャンスだったのに、ひどいことになった』と(将来)言われかねない危機感も持っている」


◆読売新聞群馬版 2009年7月22日

八ッ場中止後の住民支援案骨子説明 民主

 民主党の大河原雅子参院議員は20日、前橋市内で開かれた八ッ場ダム建設見直しを求める市民団体のシンポジウムに出席し、同党がまとめた、ダム事業中止の場合に地元住民の生活再建事業に国が財政支出する根拠となる法案の骨子を説明した。

 それによると、国はダム計画を中止した後、再建支援の対象となる地域を決定。

その後、都道府県が国や市町村、現地住民などによる協議会を設立し、どのような振興策が必要かの計画をまとめる。国は計画に基づいて一括交付金を県に交付し、県が関係市町村などに分配する。

http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/gunma/news/20090722-OYT8T00003.htm 


◆上毛新聞 2009年7月22日 

地元の生活再建など議論 八ッ場ダム反対グループ 前橋でシンポ

 国が長野原町で進めている八ッ場ダム建設事業に反対する市民グループ「八ッ場あしたの会」主催のシンポジウムが20日、前橋市の県社会福祉総合センターで開かれ、約300人がダムの必要性や地元の生活再建などについて考えた。

 国土交通省の職員としてダム事業などに携わってきた元同省防災課長の宮本博司さんが基調講演し、ダムや堤防などで洪水を河川に集中させて防ぐ現在の治水手法を「堤防決壊などの際に大被害が出る間違えた方法」と批判。河川敷に公園や調整池などを設けて洪水エネルギーを分散させる手法への転換を訴えた。

 続いて歌手の加藤登紀子さんや宮本さんがパネルディスカッションをした。時期衆院選の結果次第では同事業中止の可能性もある中、半世紀を超える同事業の歴史や現在の進ちょく状況、中止後の地元の生活再建と地域振興などについて意見を交わした。

【2009/07/30 22:59】 | 新聞記事から
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お知らせです。

モンベル南町田店 大西暢夫写真展「水になった村」

★映画「水になった村」上映会&大西監督トークショー開催
8月15日(土) 1回目:13:00~15:00、2回目:15:30~17:30

参加費:
写真展 無料  
映画&トークショー モンベルクラブ会員\800 非会員\1000
定員:60名
予約:必要 (モンベルクラブグランベリーモール店 042-788-3535)
主催者:ポレポレタイムス社



【2009/07/30 09:44】 | お知らせ
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日本共産党が7月28日にマニフェスト
「『国民が主人公』の新しい日本を―日本共産党の総選挙政策」
を発表しました。

こちら ←クリックしてください

八ッ場ダム等の大型開発事業に関しては次のように書かれています。

「大型開発にメスを入れる……
政府は、地域住民の反対もあって1970年以来凍結されてきた東京外郭環状道路(練馬~世田谷間)の事業化を決定し、この計画を自民、民主の国会議員が委員となっている国土開発幹線自動車道建設会議(国幹会議)が全会一致で承認してしまいました。
地下40メートルに直径16メートルのトンネルを2本も通すこの計画には、総額1兆8000億円、1メートル1億円以上の費用がかかります。この外環道を含む「三大都市圏環状道路」には、毎年5千億円もの事業費がつぎ込まれています。
こうした高速道路建設をはじめ、八ツ場ダム、川辺川ダムなどのダム建設(3千億円弱)、スーパー中枢港湾(1千億円強)、空港建設などの大型事業を総点検し、不要不急の事業を中止・延期します。」



【2009/07/30 00:08】 | お知らせ
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http://www.dpj.or.jp/special/manifesto2009/index.html をご覧ください。

その4ページ目の右の表に、「川辺川ダム、八ッ場ダムは中止し、時代に合わない国の大型直轄事業は全面的に見直す。」と記されています。

これで、政権が変われば、八ッ場ダムはストップされることになるはずです。

八ッ場ダムは総事業費のうち、すでに使われている部分が大きく、また、中止してから必要となる生活再建・地域振興事業の費用も少なくはありませんが、しかし、このままダム事業を継続すれば、地すべり対策や東電への減電補償など、事業費を大幅に増額させる要因がいくつもありますので、八ッ場ダムをストップすることは無駄な公費を削減する上でも意味のあることだと思います。

【2009/07/28 22:03】 | お知らせ
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民主党政策集INDEX2009のダム関係部分

発行日2009年7月23日

大型公共事業の見直し


川辺川ダム、八ッ場ダム建設を中止し、生活再建を支援します。そのため、「ダム事業の廃止等に伴う特定地域の振興に関する特別措置法(仮称)」の制定を日指し、国が行うダム事業を廃止した場合等には、特定地城について公共施設の整備や住民生活の利便性の向上および産業の振興に寄与する事業を行うことにより、当該地域の住民の生活の安定と福祉の向上を図ります。

治水政策の転換(みどりのダム構想)

ダムは、河川の流れを寸断して自然生態系に大きな悪影響をもたらすとともに、堆砂(砂が溜まること)により数十年間から百年間で利用不可能になります。
環境負荷の大きいダム建設を続けることは将来に大きな禍根を残すものです。
自然の防災力を活かした流域治水・流域管理の考え方に基づき、森林の再生、自然護岸の整備を通じ、森林の持つ保水機能や土砂浸出防止機能を高める「みどりのダム構想」を推進します。

なお、現在計画中または建設中のダムについては、これをいったんすべて凍結し、一定期間を設けて、地域自治体住民とともにその必嬰性を再検討するなど、治水政策の転換を図ります。


【2009/07/25 22:49】 | お知らせ
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~八ツ場から地域の再生を考える~

政権交代が実現しそうな状況で、八ツ場ダムが中止になることが
いよいよ現実味を帯びてきました。
「八ツ場あしたの会」の主催で八ツ場ダムの中止を見据えて
今どうなっているのか、何が問題なのか、
地域の再生には何が必要なのか、というシンポジウムが
八ツ場の地元である前橋市で開催されました。

群馬県社会福祉総合センター
群馬県社会福祉総合センター

300名定員の大ホールは260名超のほぼ満員
大ホール

関口茂樹群馬県議のご挨拶から始まったシンポジウムは盛りだくさんでした。

基調講演は推進する側の国交省に居たという説得力ある経歴の宮本博司さんが、関西弁のユーモア溢れるシャープな語り口で河川行政の問題点をわかりやすく解説してくださいました。

基調講演
 「河川行政の転換-ダム予定地の現実に接して-」
       
       宮本 博司さん
             前淀川水系流域委員会委員長
             元国土交通省防災課長

*治水事業の本来の目的は洪水から住民の命を守ること

◆今は洪水のエネルギーを川に集めて出来るだけ早く流す
  土と砂で出来た堤防に集中させていて堤防決壊の危険性高い

◆洪水を川に押し込めようとして川の排水路化により
  多数の死者、壊滅的被害、極めて脆い地域
  川の生き物たちの生息環境を破壊してきた

◆洪水を押し込めて防ぐのは不可能
押え切れない、「防ぐ」のでなく「凌ぐ」ことが大事

◆洪水エネルギーをできるだけ穏やかに分散するのがよい
 (土地利用計画との一体実施)

◆我々のやってきた50~60年の失敗を今なら方向転換できる

*どうしてもダムが必要か?

◆かつて国交省に居た時は机上の数字を見て仕事をしていた

◆苫田ダムの現場に行って500戸2,000人の苦しみ、怒り、
  最後は泣いて出て行くという現実を目の当たりにした

◆ダムでコミュニティがぐちゃぐちゃにされていた
  それまでダムということをわかってなかった

◆ダムを否定はしないが、ダムによって苦しんでいる人たちがいて
  そのことをわかった上で必要と言っているのか

*大戸川ダムにみる国交省の対応

◆大戸川ダム、水道用水や発電で必要なくなり2005年7月に中止

◆2007年8月大戸川ダム復活案出る

◆国交省の洪水調節の効果を検証するとあまり効果なし

◆ダムありきの論理破綻の見切り発車

◆2008年11月11日 4府県知事中止を要望

◆2009年3月31日 大戸川ダム中止と発表

◆国交省は凍結といいながら淀川水系整備計画の本文では
  「実施時期を検討する」と記されていた
  やめるといいつつ、本音はやるつもり

*問題なのは
 地域の問題を地域からもっとも遠く
 地域の痛みがわからない
 霞ヶ関が決定するシステム


自然を潰して、地域を壊して、
私たちはもう一回再生しなければならない

そして次の世代の子供や孫のために何が出来るのか




その後嶋津暉之さんにより八ツ場ダムの問題が解説され、作家の森まゆみさんの司会で宮本博司さんと長野原町議の牧山明さん、八ツ場あしたの会代表世話人で歌手の加藤登紀子さん、八ツ場あしたの会事務局長の渡辺洋子さんがパネルディスカッションをしました。

活発な討論がなされましたが、基調報告のパワーポイントの要点を中心に、参加者の発言の一部を掲載します。

*八ツ場ダムの歴史

1947年のカスリーン台風の利根川流域での被害発生により
1952年に八ツ場ダムの構想が浮上し
一度立ち消えたものの1965年計画が再浮上
激しい反対運動を経て国と県による飴と鞭で切り崩され
1980年に県による現地再建プランの提案があり
1985年疲弊した地元は不本意ながらダム計画を容認。

*地元が受けてきた苦しみ

下流域の住民の水のためということで住民たちは
多大な精神的苦痛を強いられた。
ダムに費やされた、翻弄された歳月は取り返しがつかない。
長期化したダム事業により何世代もの犠牲は想像を絶する。

ダム予定地では改築、新築もできず
地域の産業の発展が阻害され人口は流出し
地域社会の崩壊の危機に立たされている。

深刻な意見対立がおこり人間関係に亀裂が入り
自立を掲げるダム反対派が押しつぶされる。

*八ツ場ダムは必要か

1)利水面の必要性の喪失
減少し続ける水道用水
将来は人口減少によりさらに水需要が減少

2)治水面の必要性の喪失
カスリーン台風が再来したときの八ツ場ダムの治水効果ゼロ
(国交省のデータ)
八ツ場ダムの建設のためにおざなりにされている河川改修

*八ツ場ダムがもたらすもの

1)貯水池周辺で地すべりの発生の危険性
2)ダムサイトの崩壊の危険性
3)美しい吾妻渓谷の喪失
4)ダム湖での植物プランクトンの異常増殖による水質の悪化

*八ツ場ダム事業の進捗状況と見通し

国交省の計画では2015年完成予定だが大幅に遅れる可能性

事業費も再増額の可能性

*国と県による現地再建計画

1990年に国が「地域居住計画」配布

 ・リゾート地域の中核として温泉街の形成を図り
  ダム湖を中心とした観光資源を開発
 ・移転地は上湯原地区からダム湖畔沿いに土地を確保
 ・主要幹線道路、JR吾妻線の交通網整備
 ・規模の大きな沢は自然環境ゾーンとして利用
                    etc.

2005年に国交省が代替地分譲の意向調査を行うが
すでに地区外への移転が急速に進行していた

1992年に提示された県による水源地域対策基金事業は
公社を設置し観光会館、クアハウス、サイクルセンターなど
観光業を維持する仕組みを提示

2008年県は上記事業を見直し公社から株式会社
ダイエットバレー構想が出てくる

*八ツ場ダム予定地の現状

長野原町の移転対象世帯数は全体の2割
移転対象地区はすでに3/4の世帯が移転している
 
水没予定地区の人口が急激に減少する理由
・代替地の造成の遅れ
・代替地の分譲価格が周辺よりもはるかに高額
・代替地での生活への不安(アクセス、集客、騒音など)

水没予定地の小学生はH21年度は22人と激減

*川原湯温泉街再建の課題

1)観光資源
・ダム工事と洪水の貯留により美しい渓谷の喪失
・打越代替地から遠すぎる吾妻渓谷

・八ツ場ダム湖
 夏期には水位が28m以上も下がる
 浮遊性藻類の異常増殖で水質の悪化が予想される

2)温泉の泉源
・旧泉源の送湯がどこまで可能か不明

3)温泉街のイメージ
・鄙びた情緒豊かな自然の中の温泉街→人工造成地の温泉街

4)高盛土の打越代替地の不安
・数十メートルにも及ぶ超高盛土の安全性の懸念

5)地層がもともと脆弱な上湯原代替地
・未固結で透水性の高い地層が十数メートルも
・ダム湖からの浸透によって地層の脆弱さが顕在化する恐れ

*ダム予定地で必要とされていること

1)八ツ場ダム予定地において

①家屋などの建て替え費用の負担

 移転を前提に家屋などの新改築、補修などが最低限になっていて
 今まで著しく老朽化した家屋などでの暮らし、営業を強いられてきた
        ↓
 ダム中止後、ただちに行われると想定される水没予定地住民の
 家屋などの建て替え、改築費用を全額或いは一部負担すること

②水没予定地における国有地の分譲

 代替地の造成移転計画によりダム完成後の生活が保障されると
 言われていたが、代替地の約束は守られずまだ完成していない
 多くの住民が生活維持が困難となって転出を余儀なくされた
         ↓
 ダム中止後、不要となった当該地域の国有地を元の地権者が
 買い戻す場合、また地域住民があらたに購入する場合、
 低価格での払い下げなどの優遇措置を講じること

③生活補償

 代替地整備の遅れにより移転が出来ずいまだに補償金を
 受け取ってない地域住民は将来受け取るべき補償金を前提に
 生活設計を立てている
         ↓
 補償金未取得の住民に対して直接の補償措置を講じること

④建築再建に関する特別措置

 土地特有の地形による「崖づくり」と呼ばれる特殊な建築様式が
 現在の建築法では再建が許可されない可能性がある
         ↓
 地域特有の建築の再建を可能とする特別措置を講じること

⑤地域の基幹産業を再生させるために支援プログラム作り

 川原湯地区の温泉観光業と
 川原畑地区、林地区、横壁地区における農業が基幹産業
 ダム推進の過程で、地域の自立は著しく阻害されてきた
 高齢化も進み、当面は地域が独自で産業育成は困難
         ↓
 地域住民の自助努力を促す意味で、年限を決めた上で
 当該地域の基幹産業を再生させるための支援プログラムを
 行うための措置を講じること



宮本博司さん
 「八ツ場の地元はもう57年も犠牲になってきた。
 国はダムが止まろうが出来ようが絶対に責任を持って
 その犠牲に対してフォローすべき。
 ダムが出来なかったからほっときますよ、はない!
 作ろうとした国が責任を取るべき」



2)ダム中止後の生活再建、地域振興法の制定が急務

 日本では一旦始まった公共事業が中止になることは想定外
 長年ダムの犠牲になってきた人々の真の生活再建、
 地域再生を実現するためには生活再建の推進を可能にする
 法律の制定が急務である
         ↓
 民主党、共産党、社民党の各党で
 「ダム中止後の生活再建・地域振興法案」を作成するための
 取り組みが進められている

牧山明長野原町議
 「もし止まったら大急ぎで法律を作って欲しい
 切羽詰ってしまう人たちがいる。
 止まっても生活再建できると思えない地元の人たちに
 それは可能だとわかってもらいたい」



大河原雅子参議院議員
 「ローカルパーティの頃から八ツ場の問題に取り組んできました。
 永田町に行って驚いたのは、八ツ場はもう終わったと思われていて
 仲間とともに八ッ場ダムストップを党のマニフェストに入れる
 取り組みをしました。
 何が何でも政権交代してダムを止め、
 中止後の生活再建法を制定したいと思います」



角倉邦良群馬県議
 「群馬県は生活再建の主体を公社から株式会社に変え、
 地元に責任を押し付ける方針を示しています。
 一都五県議員の会として生活再建に取り組んでいます」


3)鳥取県の中部ダム(県営ダム)の事例

・鳥取県は、中部ダムの中止に伴って、三朝町とともに
 旧中部ダム予定地域振興協議会を設置して
 新興計画案の作成に着手

・地元住民との話し合い、地元住民と共同の現地調査などを
 繰り返し行って
 「旧中部ダム予定地域に係わる新興計画」案を作成
 
・2001年3月に最終案を地元に提示し、6月に地元が合意

*八ツ場ダムをめぐる動き 

1)都県議会における八ツ場ダム見直しの動き

・2008年3月の都議会で八ツ場ダム基本計画変更案の採決で
 賛成68、反対56 と拮抗
         ↓
・2009年7月の都議会選では八ツ場見直しの政党が過半数
 八ツ場ダムの都予算の凍結が可能となった

・2008年5月「八ツ場ダムを考える一都五県議会議員の会」
(代表世話人 関口茂樹群馬県議)が発足し活動

2)政党、国会議員の八ツ場ダム見直しの動き

・2005年の総選挙では
 民主党、共産党、社民党が八ツ場ダム中止を選挙公約に

・きたる8月30日の総選挙でも
 民主党、共産党、社民党のマニフェストに八ツ場ダム中止

政権交代すれば八ツ場ダム事業は中止される

花輪もとふみ東京都議
 「先日の都議選で与野党逆転し止められる可能性が出てきました。
 東京都は水が余っています。
 都や県は国に追従してきた責任があります」



森まゆみさん
 「土木建設国家から環境文化国家への転換を」



加藤登紀子さん
 「地元の人たちに
 『ずっと反対してたのに20年前にどうして反対してくれなかったの』
 と言われた。
 1985年に八ツ場の人たちはダムを受け入れたけれど
 六ヶ所村でも核燃料再処理施設を受け入れた。
 私たちは何年か経って2009年を振り返った時
 『素晴らしい年の始まりだったのよ』と言われるような
 そんな2009年であるように、これからを生きなくちゃ
 と私は思います」


平成18年川原湯温泉街から下流の町に移住されたTさんが
「古里をあとにして」と寄稿された文章の一部を紹介します。

「こうした悲劇は八ツ場で終止符を打ちたい。
われわれは『生活再建』という言葉に翻弄され続けた。
下流都県のためという名目で、水没関係住民が犠牲になるダム行政は根本的に見直されることを、この際熱望する」




【2009/07/22 00:54】 | シンポジウム
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             嶋津暉之

7月8日の上毛新聞で、関東地方整備局の金尾健司河川部長が、八ッ場ダム事業費のうち、「1460億円は5都県などがすでに負担しており、事業を中止した場合、特定多目的ダム法の規定によって全額を還付する必要がある」と発言したと書かれています。これは、民主党が無駄な公共事業の代表例として八ッ場ダムを取り上げていることから、「中止すれば、国費がもっと膨れ上がる」という脅しをかけるための発言です。 

しかし、特ダム法および施行令では、ダム事業者自らがダムをストップすることは想定されておらず、河川部長の発言はあくまで拡大解釈によるものであって、実際には今まで支出した5都県の負担金はそのままになると考えられます。河川部長の発言の目的は、「ダムを中止すれば国費がもっと膨れ上がる」と脅して、政権交代による八ッ場ダムストップをなんとしても阻止しようとすることにあります。

実際には、たとえば、今までに、特ダム法と同様の水資源機構法のダム事業である戸倉ダムが中止されていますが、利水予定者への還付はありませんでした。

また、中止される方向にある川辺川ダムや大戸川ダムについても中止に伴う利水予定者等への還付の話は話題になったことがありません。

このことについて、八ッ場あしたの会は河川部長に対して、7月9日に公開質問書を提出しました。
http://www.yamba-net.org/modules/news/article.php?storyid=833

7月13日の上毛新聞がこの問題を詳しく報じています。


2009年7月13日 上毛新聞一面より転載

国交省 自民 中止で還付、支出増 
反対派 民主 拡大解釈、必要なし


「八ッ場」負担 1460億円争点に  迫る衆院選’09 選択

 国が長野原町で進める八ッ場ダム建設事業の是非が、事業を推進している自民党、中止を主張する民主党などの間で次期衆院選の争点となることが確実となる中、中止した場合の支出の問題がにわかにクローズアップされている。
国土交通省関東地方整備局の幹部は自民・公明の推進派県議の会合で、本県などが支払った建設負担金について「法の規定で1460億円の還付が必要」との見解を示し、中止した場合、継続する以上の支出を伴う可能性を指摘。

これに対し、県内のダム反対派や民主党関係者らは「法の拡大解釈。還付の必要性はない」と反論する。

「政権選択」の行方 本体着工を左右も

 同事業は事業費4600億円のうち3210億円を水没地域の代替地や道路整備などで昨年度までに支出済み。このうち同ダムの利水面の利用予定者(利水者)で ある群馬、茨城、千葉、埼玉、東京の5都県などが、ダム利用を前提に1460億円を支払ってきた。

□国交省が見解

 同ダム建設は特定多目的ダム法に基づく事業。同法12条は利水者のダム使用権設定の申請が「却下され、または取り下げられた時」に納付済みの負担金を還付するように定めている。
 同整備局河川計画課によると、国の政策判断などでダム建設事業を中止する場合は「やむを得ず利用予定者の申請を却下」という形で12条に該当する。
さらに同法施行令14条の規定により、還付額は「利用予定者の撤退による事業縮小、中止以外は納付済みの全額」になるという。
 この法解釈を背景に、同整備局の金尾健司河川部長が7日、県庁で開かれた推進派県議の会議で「利水者がダムに賛成した状況での中止だと、一般論としては1460億円の還付が必要」と説明。地元の生活再建事業費として想定する770億円も加えると、このまま事業を継続した場合の1390億円を上回るとの見解を示した。

□国民の意思を

 これに対し、反対派の市民グループ「八ッ場あしたの会」などは同法が「ダム使用権設定を希望する自治体が多かった時期につくられた」などを理由に、同法12条の”却下”は「ダム使用権設定者が多すぎる場合に申請を退けるケース」と主張。「事業者(国)の判断のみで中止する場合は同法で想定されておらず、”却下”とは別のケースだ。 法律を拡大解釈している」と真っ向から否定する。

 次期衆院選の県版マニフェストで同ダム中止を掲げる民主党県衆院選対策本部も同じ理由で国交省の金尾部長の見解を否定した。「ダムに反対すると、推進派から必ず出てくる財源比較論だ。巻き込まれるとダムの必要性という問題の本質が見えなくなる。選挙で国民の意思として中止を決めてもら」(中島政希群馬4区総支部代表)と強調する。

□県版公約明記

 水資源機構が片品村で進めていた戸倉ダム建設事業。2003年度の中止時、八ッ場ダム同様にダム本体には着工しておらず、道路の付け替え工事などを進めていた。

総事業費1230億円のうち334億円が投入されていた。
 八ッ場ダムと違い水資源機構法に基づく事業だが、支出済みの334億円のうち 埼玉県、東京都など利水者の利水負担分111億円は、そのまま各利水者が負担した。

ただ、戸倉ダムの場合は利水者が自ら撤退を決めた場合なので、金尾部長が仮定した「利水者がダムに賛成した状況」とは異なるとみられる。

 衆院議員の任期満了まで2ヶ月を切り、自民党県連は同事業促進を県版マニフェストに盛り込むことを検討。民主党は県版マニフェストに加え、鳩山由紀夫代表が政権獲得後の八ッ場ダム建設事業中止を明言するなど同ダムをめぐる姿勢は一層、明確化してきた。

  次期衆院選は同ダム本体着工前の最後の国政選挙。結果次第では中止の可能性もあるだけに、選挙戦に向けて負担金をめぐる議論がさらに活発化しそうだ。


【2009/07/15 22:53】 | 八ツ場情報
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        弁護士      野本 夏生

 八ッ場ダム埼玉訴訟は、6月17日水曜日の午前11時から口頭弁論期日が開かれました。
 今回の期日では,この1年間近くをかけて,国土交通省に調査嘱託をしたり、あるいは被告埼玉県に釈明を求めるなどして苦労して入手したデータをもとに、国交省が行う1/10渇水年における利根川からの供給可能量の計算がいかに不合理なものであるかを明らかにする準備書面を提出しました。

 国交省の計算のおかしな点はいくつも指摘できるのですが、例えば、上中流部で取水した水はその大部分は下流で戻ってくるものなのですが、国交省はこの還元量を著しく小さく見積もっています。また、利根川の下流には大きな支川があり、栗橋地点の確保流量を考える場合、これら支川から流れ込む水量も考慮すべきですが、国交省はそれらの支川流入量を無視しています。

 計算の中にこうした細工がいくつも重ねられ、一定の流量を維持するにはダムからの相当量の補給が必要で、そのためには新規のダムが必要だという論法に使われている訳です。この準備書面,なかなかの力作となっていますので、ぜひホームページの方をご覧ください。

 さて、埼玉訴訟の進行ですが、今回、ようやく証人の採否が決定しました。
埼玉では、利水以外のテーマについては他地裁で行われた証人尋問調書を活用させていただくこととし、利水に絞って原告側から1名、被告側から1名の尋問が行われることになりました。
 9月1日の午前11時から午後5時まで、お昼休みを挟んで4時間の中で、原告・被告双方の証人の尋問を行うことになります。
 原告側では、他地裁でも証人としてフル稼働されている嶋津さんに証言をしていただく予定です。

 いよいよ埼玉訴訟も大詰めです。
ぜひとも,多くの皆さまの傍聴をお願いします。

【2009/07/04 01:40】 | 裁判の報告
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予定地に共有地8カ所(asahi.com)
http://mytown.asahi.com/gunma/news.php?k_id=10000580907030001

 国土交通省が15年度の完成を目指している八ツ場ダムで、
用地買収が遅れる可能性があることがわかった。
長野原町川原湯地区の水没予定地には8カ所の共有地があり、
295人の相続人がいるが、所在がつかめなかったり
ダムに反対の立場だったりする人も含まれているとされるからだ。
国交省は「交渉を急いでいる」としているが、
3度目の工期延長にもつながりかねない。



【2009/07/04 00:57】 | 新聞記事から
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