「ダム建設の時代は終わった」by米国内務省開拓局長官ウィリアム・ピアーズ
        嶋津 暉之

岡山県の直轄ダム「苫田ダム」の利水容量の一部を治水容量に転用する話がご破算になったという記事です。

苫田ダムといえば、地元の奥津町(現・鏡野町)に対して建設省等が行政圧迫を行って、ダム反対の町長が予算を組めないようにして3期にわたって辞任に追い込んだ強権行使の象徴的なダムです。
ダム反対の予定地住民に対しては子息の勤め先まで手を回して、翻意を迫ることまで行いました。
しかし、苫田ダムの必要性はありませんでした。

苫田ダムの水利権を持つ岡山広域水道企業団の水源構成は苫田ダム40万㎥/日、既得水源が9.3万㎥/日ですが、現在の1日最大取水量は10万㎥/日少しにとどまっています。

それも、岡山市などが自己水源の一部を企業団水に切り替えた結果であって、苫田ダムなしで水需給に不足をきたすことはありませんでした。

この記事では40万㎥/日のうち、10.5万㎥/日が買い手がないと書かれていますが、実態は責任水量制を岡山市等に押し付けたものであって、岡山市等は企業団の水を持て余しています。

余剰の利水容量を国が買い取って治水容量に転用する交渉が行われていましたが、買い取り額が5億円で安すぎるということでご破算になりました。


◆苫田ダムの治水転用「対応困難」 県広域水道企業団 国打診断る方針
(山陽新聞2017年03月30日 22時51分 更新)
http://www.sanyonews.jp/article/509980/1/

苫田ダム(岡山県鏡野町)の利水容量を保有する岡山県広域水道企業団(県と関係17市町で構成)は30日、岡山市内で開いた運営協議会で、利水容量の一部を治水転用するため買い取りを打診している国に対し、「現時点では対応は困難」として断る方針を決めた。

国側の提示価格が低いことなどが理由という。
同企業団は31日にも国土交通省中国地方整備局に文書で回答する。ただ、国側から再度の転用依頼があった場合は再検討するとの内容も盛り込む。

苫田ダムの利水容量は日量約40万トン。このうち10・5万トンは買い手が付かず、県が調整水量として引き受けている。

同整備局は2015年8月、洪水調整に活用するため、11・7万トンを約5億円で買い取ると打診。

県と関係市町で協議を重ねていたが、約5億円で売却すると同企業団に約84億円の帳簿上の差損が生じることなどから、「国の買い取り価格が資産価格に見合わず、将来の企業団経営に悪影響を与える」「異常渇水が起きた場合に対応できるのか」といった慎重意見が出ていた。


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【2017/04/01 03:16】 | 各地のダム情報
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             嶋津 暉之

川辺川ダムの代替案を検討する「球磨川治水対策協議会」の第7回会合が3月21日に続いて、そのトップ級会議(九州地方整備局長、熊本県知事、市町村長)が22日に開かれました、両会議についての毎日の記事をお送りします。

これらの会議の配布資料がこちらに掲載されています。
http://www.qsr.mlit.go.jp/yatusiro/river/damuyora/index.html 

1月6日~2月6日の期間で行われた意見募集の結果も掲載されています。
http://www.qsr.mlit.go.jp/yatusiro/site_files/file/activity/kaisaisiryo/20170321sankoushiryou1.pdf

110人が意見を出しており、多くの人が球磨川の行く末を案じていることがわかります。
その大半の意見は検討案の内容がよくわからないので、住民への説明を丁寧に行えというものでした。

今回の意見募集を行った国土交通省の狙いは、代替案がなかなか決まらないことに業を煮やして、川辺川ダム計画を復活せよという声が出てくることにあったように思いますが、幸いなことにそのような意見は数人だけでした。

◆球磨川治水対策協議会
 避難方法検討を 八代市長が注文 トップ会議 /熊本

(毎日新聞熊本版2017年3月23日)
http://mainichi.jp/articles/20170323/ddl/k43/010/247000c

 球磨川水系の「ダムによらない治水を検討する場」を引き継いだ「球磨川治水対策協議会」は22日、国土交通省九州地方整備局長と蒲島郁夫知事、流域市町村長によるトップ会議を県庁で開いた。

この1年間の協議会での検討内容の他、「検討する場」で作られた治水対策の進捗(しんちょく)状況を確認した。

 トップ会議は年1回開かれている。副市町村長ら実務者が中心の同対策協議会は21日、8項目の治水策の組み合わせを検討することを決め、22日のトップ会議でその方針を改めて確認した。

会議では、中村博生・八代市長は「放水路案は『新球磨川』を作ることと理解しているが、下流域の八代で一気に水量が増える可能性があり、住民避難のやり方も合わせて検討してほしい」と注文した。

複数の市町村長は「実現可能性やコストを含めてできるだけ早く組み合わせ案を提示してほしい」と要望した。【笠井光俊】
◆球磨川治水対策協 8項目で組み合わせ検討 /熊本
(毎日新聞熊本版2017年3月22日)
http://mainichi.jp/articles/20170322/ddl/k43/010/257000c

 球磨川水系の「ダムによらない治水を検討する場」を引き継いで設置された「球磨川治水対策協議会」の第7回会合が21日、人吉市であった。

今後、球磨川本流と支流・川辺川を計6区間に分け、河道掘削など8項目の治水策の組み合わせによる治水効果の検討に入ることを確認した。

 これまで治水策は9項目だったが、森林保全など流域での対策は「今以上の治水効果が薄い」として除外。川水を安全に流下させる対応(引堤(ひきてい)▽河道掘削▽堤防強化)、洪水を貯留・分流させる対応(遊水地▽市房ダムの能力アップ▽放水路)、その他(宅地かさ上げ▽輪中堤)の8項目を検討対象にする。

 その上で国土交通省九州地方整備局と県は、安全流下と洪水貯留・分流の各グループ内での組み合わせを先行して検討し、実施可能な範囲でその他の2項目も検討を進める方針を示し、了解された。

組み合わせ案と一緒にコストも提示される予定。九地整は「組み合わせ案の整理に相当の時間は必要だが、できるだけ早く提示したい」と話した。

 また会合では、9項目の治水策について1月~2月初旬に実施したパブリックコメントの結果が公表された。

球磨川流域内外の110人の7割近くは「住民に意見を求めるなら、分かりやすく説明してほしい」「住民説明会を開催してほしい」といった意見だった。

 また同協議会はダム建設を除外して治水策を検討しているが、蒲島郁夫知事が白紙撤回した川辺川ダム建設が「最良」とする意見が数件あった。一方、球磨川中流にある瀬戸石ダムの撤去を求める意見もあった。【笠井光俊】


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【2017/03/27 16:25】 | 各地のダム情報
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            嶋津 暉之

アイヌ民族を司法の場で初めて先住民族と認定し、国の事業認定と北海道収用委員会裁決をいずれも違法とした二風谷(にぶたに)ダム訴訟の札幌地裁判決があってから20年になります。
ダム本体が完成していたことを理由に、二風谷ダム建設差し止めの請求は棄却されましたが、先住民族と認定した判決は画期的でした。
なお、二風谷ダムは堆砂がひどく進行し、2015年3月末現在で堆砂率は総貯水容量の約4割に達しています。
溜まった泥の濁りがダムの下流域から河口沿岸域までおよび、シシャモの繁殖に多大な影響を与えているとされています。

◇沙流川の今。2016年7月29日 | 流域の自然を考えるネットワーク
http://protectingecology.org/report/6462

土砂供給量が非常に大きい沙流川はダムを造ってはいけない河川であるにもかかわらず、現在、二風谷ダムの上流で平取(びらとり)ダムの建設が進められています。

◆二風谷ダム訴訟 判決20年 父から子へ「闘い」今も 権利回復、道半ば /北海道
(毎日新聞北海道版2017年3月25日 )
http://mainichi.jp/articles/20170325/ddl/k01/040/232000c

アイヌ民族を初めて先住民族と認め、独自の文化への配慮を欠いた事業認定を違法とした二風谷ダム訴訟の札幌地裁判決から27日で20年。

父の遺志を継いで訴訟を起こした貝沢耕一さん(71)と、もう一人の原告でアイヌ民族初の国会議員、故萱野茂さんの次男志朗さん(58)が胸に抱くのは、先住民族としての権利回復は、道半ばとの思いだ。民族の誇りをかけた闘いは、父から子へと受け継がれ、今も続く。

差別の歴史問う

雪が残る3月上旬の、平取町二風谷地区。穏やかに流れる沙流川に、二風谷ダムの巨大な水門が立つ。「子どものころ、向こう岸の畑に行くための丸木舟がいくつもあった。川遊びもできたよ」。貝沢さんは、ダムができる前の思い出を語った。

住民の7割がアイヌ民族の血を引くとされる二風谷では1970年代からほぼ毎年、舟下ろしの伝統儀式「チプサンケ」を再現してきた。82年にダム建設事業が始まり、北海道開発局が進めた用地買収に対し、文化継承が途絶えるとして土地明け渡しを拒否したのが貝沢さんの父正さんと、萱野茂さんだった。

裁判で問われたのは、差別の歴史そのものだ。アイヌ民族は明治以降の同化政策でアイヌ語や固有の習慣、生活の基盤だった狩猟や漁労を否定され、北海道旧土人保護法により、不慣れな農業が奨励された。

森、本来の姿に

「政府にアイヌの声を届けたい」。92年に亡くなった正さんの言葉は今も、貝沢さんの胸に残る。97年3月の判決後、同7月に旧土人保護法は廃止、アイヌ文化振興法が施行された。

貝沢さんは現在、開拓の名の下に切り倒された森を本来の姿に戻そうと、山林を買い取り、木を育てるNPO法人「ナショナルトラスト・チコロナイ」の理事長を務める。チコロナイは「私たちの沢」を意味するアイヌ語で、萱野茂さんが名付けた。買い取った土地約30ヘクタールに、伝統的な衣服の材料になるオヒョウなどを植えてきた。

この20年で「若い世代がアイヌ文化に関心を持ち始めた」と変化を感じるものの、「民族の権利や生活を改善しようと裁判を闘ったが、状況は変わらない。振興法はアイヌの権利を一切うたわず、文化を博物館に押し込むようなものだ」と、貝沢さんは批判する。

アイヌ語伝える

大学進学後、東京で暮らしていた萱野志朗さんは、カナダの先住民族との出会いをきっかけに、民族の言葉の大切さに気付いた。故郷に戻って父の下で一からアイヌ語を学び、現在は「萱野茂二風谷アイヌ資料館」の館長を務める。

2006年に亡くなった父に代わって地元の小中学生にアイヌ語を教え、現在も大人向けの教室を続ける志朗さん。「アイヌ語を失えば、民族が長年培ってきた価値観や知識も伝わらない。子どもや孫の世代に文化をどう受け継いでもらうのか、アイヌ自身もビジョンを持たなければならない」と強調した。

政府施策、文化振興に偏り

海外で先住民族の権利を認める流れが広がる中、政府は二風谷ダム訴訟の札幌地裁判決から10年余り過ぎた2008年6月、官房長官談話で初めてアイヌ民族を先住民族と認めた。だが政府のアイヌ施策は文化振興に偏っており、先住民族としてのアイヌの権利は具体化していない。

1997年3月の札幌地裁判決はアイヌ民族を「わが国の統治が及ぶ前から北海道に居住し、なお独自の文化およびアイデンティティーを喪失していない社会的な集団」として、先住民族と認定した。

07年9月に日本も賛成して国連総会で採択された「先住民族の権利に関する宣言」は、先住民族に自決権や文化的伝統を実践する権利、土地や資源に対する権利などを広い範囲で認めている。

権利宣言の採択に加え、北海道洞爺湖サミット(08年7月)の開催を控えてアイヌ民族が海外からも注目されるようになったことが、政府にアイヌを先住民族と認めるよう求める衆参両院の決議と、決議を受けた官房長官談話につながった。

政府は白老町に整備する「民族共生の象徴となる空間」の基本方針を14年6月に閣議決定。20年の東京五輪・パラリンピックに合わせた国立アイヌ民族博物館の開館のほか、生活や教育を支援する新法制定も検討されているものの、民族の権利についての議論は深まっていない。

二風谷ダム訴訟で原告側弁護団長だった田中宏弁護士は「単なるハコモノ造りではなく、同化政策の歴史に向き合わなければならない」と語る。

恵泉女学園大の上村英明教授(先住民族論)は「過去の政策や歴史に理解を深めないまま、日本社会がどう責任を取るかが定まっていないため、権利が実現していない。行政主導ではなく、政治や司法の場でもアイヌ民族への政策を問い直すべきだ」と強調した。


■ことば

二風谷ダム訴訟

平取町の二風谷ダム建設を巡り、地権者である故萱野茂さんと貝沢耕一さんが北海道収用委員会に、土地強制収用の裁決取り消しを求めた行政訴訟。札幌地裁は1997年3月27日の判決で、アイヌ民族を司法の場で初めて先住民族と認定。ダム建設がアイヌ文化に与える影響について調査を怠り、アイヌ民族の文化享有権を軽視したと指摘し、国の事業認定と道収用委裁決をいずれも違法とした。ダム本体が完成していたことを考慮し、請求は棄却した。


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【2017/03/27 16:18】 | 各地のダム情報
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               嶋津 暉之

九州の国直轄5ダムの2017年度予算が大幅に増額されたことを取り上げた記事です。
ダム事業をストップさせるはずのダム検証が暗転し、ダム事業推進の道具に化してしまいました。
「脱「脱ダム」」が加速というのは何とも悔しいですね。

◆九州の脱「脱ダム」加速 17年度予算案 九州、事業費13倍も

(西日本新聞朝刊2017年03月20日)
http://www.nishinippon.co.jp/nnp/national/article/315745

 民主党政権で縮小されたダム事業の予算が、自民党政権下で大きく膨らんでいる。ダム建設の是非を検証して「継続」が決まった九州の国直轄の5ダムについて、2017年度予算案と11年度の事業費を比較すると、最大で13倍だった。脱「脱ダム」の流れが加速している。

 ダム事業検証は10年に始まり、九州では国直轄6、水資源機構1、県営(国が補助)7の計14ダムが対象になった。事業主体と地元自治体が昨年8月までに検証した結果、継続11、中止3となった。

 国直轄で継続になったのは、筑後川水系ダム群連携(福岡県)、城原川(佐賀県)、本明川(長崎県)、立野(熊本県)、大分川(大分県)の5ダム。

 国土交通省によると、5ダムの09年度の事業費総額は42億700万円。11年度は20億9200万円に減少したが、その後は増加を続け、大分川の工事がピークを迎えた16年度は200億2900万円。17年度予算案には総額131億1100万円が盛り込まれた。
 検証中は、着手していた周辺道路の整備などは続けるが「新たな段階」に入らないとしていたため、継続が決まった翌年度以降に事業費が大きく増える傾向がある。

 個別に見ると、17年度に本体着工を予定する立野ダムの予算は48億3800万円で、11年度の事業費3億7100万円の13倍。本明川ダムは、11年度の1億2700万円から17年度は13億4700万円で10倍。大分川ダムは14億1800万円から63億3600万円に、城原川ダムは9600万円から3億5900万円に増えた。

 昨年8月に継続が決まった筑後川水系ダム群連携の事業費は、11年度から16年度まで7900万円から8800万円で推移していたが、17年度予算は2億3100万円が計上された。

 自民党政権は防災や減災のための「国土強靱(きょうじん)化」を重視。国交省九州地方整備局は「流域の安心安全のため、必要とされた工事を着実に進めたい」としている。


▼ダム事業検証 民主党は2009年の衆院選マニフェストに「時代に合わない国の大型直轄事業は全面的に見直す」と明記し、川辺川ダム(熊本県)と八ツ場(やんば)ダム(群馬県)の中止を公約。

同年12月に前原誠司国土交通相は、本体に着工していない国直轄や水資源機構、国が補助金を支出する道府県営のダム事業について「ダムによらない治水」が可能かを検証すると表明した。

検証対象の83ダムのうち、結果の出た79ダムの内訳は継続54、中止25。民主党政権は11年、八ツ場ダムの中止方針を撤回した。



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【2017/03/23 07:56】 | 各地のダム情報
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            嶋津 暉之

2010年度からのダム検証はダム事業の推進にお墨付きを与える道具になってしまい、必要性が稀薄なダムの建設が全国各地で進められています。
山口県の平瀬ダムもそうです。
平瀬ダムも2012年12月に事業推進の決定が国交省から出て、2016年2月から本体打設工事に入っています。
しかし、新たな地すべり対策が必要となり、事業費が100億円の桁で増える見通しになりました。

事業費が増え続けてきています。350億円 → 530億円 → 740億円 →?

なお、平瀬ダムの問題は2013年11月の私の講演スライドにまとめてあります。

◇「平瀬ダム問題を考える」講演のスライド(2013年11月30日)
http://suigenren.jp/wp-content/uploads/2013/12/f96224d42e31bbd274fd6c89489a5797.pdf

◆山口)平瀬ダム、100億円増額へ 膨らみ続ける事業費
(朝日新聞山口版2017年3月14日)
http://digital.asahi.com/articles/ASK3F4WVHK3FTZNB018.html

 岩国市の錦川で県が建設中の平瀬ダム工事に、新たに地滑り対策が必要になり、事業費が100億円増える見通しとなった。事業費は膨らみ続けてきた経緯があり、県財政が厳しさを増す中で、ダムをめぐる議論が起こる可能性がある。

 13日の県議会土木建築委員会で、県が明らかにした。

 平瀬ダムの地滑り対策をめぐっては、県が2003年度までに必要性を検討したところ、対策は必要ないとの結果がいったんは出ていた。だが、国は09年、地滑りに関する国の技術指針を改定。民主党(当時)政権下の10~12年には、ダムそのものの必要性の検証に入ったことから、13年から現地を踏査したり地質を調査したりしてきた。

 その結果、対策の工事が必要とわかり、国土交通省も昨年12月、一部の箇所について対策工事が必要との見解を県に示していた。
 県は13日の委員会で、他の事例を参考に「100億円程度になるのではないかと考えられる」と説明。「100億の桁になるのでは」とも述べ、さらに膨らむ可能性も示した。事業費の精査は7月ごろまでには終える見込みだという。

 平瀬ダムは、総貯水容量2950万立方メートルのコンクリートダムで、計画地は錦川上流域。錦川は流域面積889・8平方キロメートル、幹川流路延長約110・3キロメートルの県内最大の2級河川で、流域では台風による洪水で住宅への浸水被害が度々あった。田畑や工場、上水道向けの水源にもなっているが、夏場には渇水も起きるという。

 ダムは、住民からの要望もあり、県は73年度から建設に向けた調査を開始。88年度以降、用地交渉も進め、関連工事に入った。

 ただ、事業費はこれまで増え続けてきた。88年度は約350億円だったが、用地交渉がまとまったり工事の工法変更があったりして00年度には約530億円に。03年度には約740億円と当初から倍増し、昨年6月には、人件費の高騰を受け、さらに約1億5千万円上積みした。完成時期もずれ込み、当初の「00年度」から現在は「21年度」だ。

 地元では、自然を壊すとして反対運動も続いてきた。市民グループ「美しい錦川を未来へ手渡す会」の吉村健次代表は「山を整備すれば治水できるはずで、必要性を全く度外視している。バラマキのようで、話を強引に進めている」と批判している。(成沢解語)


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【2017/03/17 02:44】 | 各地のダム情報
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