「ダム建設の時代は終わった」by米国内務省開拓局長官ウィリアム・ピアーズ
      嶋津 暉之

八ッ場ダム住民訴訟弁護団、八ッ場ダムをストップさせる市民連絡会が昨年9月に 『裁判報告  八ッ場ダム・思川開発・湯西川ダム6都県住民11年の闘い』を刊行しました。
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刊行のお知らせ | 水源連
http://suigenren.jp/news/2016/11/25/8652/

この書評を瀬戸昌之先生(東京農工大学・元教授)が『人間と環境』2017年№1に書かれています。

すごい報告書である。ダム利権に固執する国交省と権力におもねる司法に挑んだ、6都県の住民・弁護士・学者(以下、訴訟連絡会)の11年のたたかいの記録である。持続的で公正な水行政を求める訴訟連絡会の訴えはなぜ最高裁まで20連敗したのか。
「水問題」といわれたら、私は洪水を防止し、良質の用水を確保することを考える。そのために雨水をすみやかに大地に浸みこませ、地下水を涵養することを考える。このような問いかけをしながら本書を読んでみた。なにせ、本書はA4版、204ページの大著であるから、問いの答えをスキャンしながら探さないと読み取れない。


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【2017/05/17 03:33】 | 裁判の報告
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            嶋津 暉之

残念な情報ですが、石川県・辰巳ダムの事業認定取消訴訟は最高裁の上告不受理で住民側の敗訴が確定しました。
先日の熊本県・路木ダム住民訴訟、昨年5月の木曽川水系連絡導水路住民訴訟、一昨年9月の八ッ場ダム住民訴訟でも、最高裁はダメでした。最高裁というものは全く無意味な存在です。
むしろ、瀬木比呂志さんの小説「黒い巨塔 最高裁判所」、(講談社)に書かれているように最高裁そのものが司法を行政に従属させる元凶になっています。

◆石川)最高裁が上告不受理で確定 辰巳ダム訴訟

(朝日新聞石川版2017年2月28日)
http://digital.asahi.com/articles/ASK2W4251K2WPJLB009.html

 犀川上流の県営辰巳ダム(金沢市)をめぐり、地権者が事業認定の取り消しを求めた訴訟で、最高裁は上告不受理の決定を出し、訴えを棄却した一、二審判決が確定した。決定は2日付。原告団が27日に金沢市内で会見を開き、明らかにした。

 辰巳ダムは1970年代から計画が進められ、80年代から反対運動が高まった。2007年に県が国に事業認定を申請して認められると、翌年に地権者ら15人が景観や環境の悪化などを理由に事業認定の取り消しを求めて提訴。
金沢地裁の一審、名古屋高裁金沢支部での二審とも原告が敗訴した。ダムは08年に着工し、12年から運用している。

 会見で原告団長の碇山洋さん(56)は最高裁の不受理決定について「審理もしないで決まるというのは受け入れがたい」と述べた。
一方、当初の計画が変更され、藩政時代から兼六園などに水を供給している辰巳用水の東岩取水口が保全されたことなどを挙げ、「裁判を含めた辰巳ダム反対運動には様々な成果があった」と30年以上にわたる反対運動を振り返った。(定塚遼)

【2017/02/28 17:16】 | 裁判の報告
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             嶋津 暉之

木曽川水系連絡導水路の住民訴訟は最高裁の上告棄却決定で住民側の敗訴が確定しました。
愛知県は大量の余剰水源を抱え、水需要の減少で水余りがますます顕著になってきています。
木曽川水系連絡導水路の不要性が明々白々になってきているにもかかわらず、その事実を認めようとしないのですから、日本の司法はどうしようもありません。

◆長良川導水路訴訟、住民側の敗訴確定 最高裁
(朝日新聞2016年6月1日21時14分)
http://www.asahi.com/articles/ASJ616D8BJ61UTIL05W.html 

徳山ダム(岐阜県揖斐川町)の水を長良川と木曽川へ引く導水路事業をめぐり、愛知県の住民グループが公金支出差し止めを愛知県知事らに求めた訴訟の上告審で、住民側の敗訴が確定した。

最高裁第三小法廷(大橋正春裁判長)が5月31日付の決定で、住民側の上告を棄却した。

 事業は、木曽川水系(木曽川、長良川、揖斐川)流域の生活用水確保や渇水時の河川環境維持のため、徳山ダムから水を引く計画。

住民側は、事業費890億円のうち、県が負担する318億円の支出の差し止めを求めていた。

 昨年9月の二審・名古屋高裁判決は、木曽川水系流域の人口が減少傾向にはないと指摘。

「長期的に安定した給水の必要性から、安全性を考慮し、余裕を持った想定需要を設けることは許容される」と述べ、「水の需要は減少傾向で、渇水時も既存の水源でまかなえる」とする住民側の主張を退けた。


◆木曽川導水路訴訟 住民側の敗訴が確定
(NHK 2016年6月1日 21時45分)
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20160601/k10010543011000.html

岐阜県の徳山ダムから木曽川に水を引く導水路の建設事業について、愛知県の住民グループが費用を負担しないよう愛知県側に求めた裁判で、最高裁判所は上告を退ける決定を出し、住民側の敗訴が確定しました。

木曽川導水路は、水道用水の確保や木曽川の渇水対策などを目的に、水資源機構が国から引き継いだ建設事業で、岐阜県の徳山ダムから揖斐川と長良川を経由して木曽川までを、全長がおよそ40キロと1キロの2本の地下の導水路でつないで水を引きます。

費用は国のほか愛知、岐阜、三重の3県と名古屋市が合わせておよそ890億円を負担することになっています。

このうち、愛知県の負担分およそ318億円について、愛知県の住民グループが木曽川の流域では想定するほどの水の需要はなく、導水路は不要だとして、県側に対し費用を支出しないよう求める裁判を起こしました。

1審の名古屋地方裁判所と2審の名古屋高等裁判所は「事業が著しく妥当性を欠くとは言えず、費用の負担が違法とは言えない」として、いずれも訴えを退け、住民側が上告していました。

これについて最高裁判所第3小法廷の大橋正春裁判長は1日までに上告を退ける決定を出し、住民側の敗訴が確定しました。

この事業は平成21年に凍結されて以降、着工されないままになっています。


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【2016/06/04 01:33】 | 裁判の報告
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               嶋津 暉之

25日の路木ダム裁判の福岡高裁判決について毎日と読売の記事をお知らせします。
毎日新聞の福岡賢正記者が原告団長の植村振作さんの談話を紹介しています。
判決文を斜め読みしてみましたが、住民側敗訴の結論が先にありきの非論理的な判決文だと思いました。

◆敗訴にも闘志新た 原告団長の植村さん「再評価委の矛盾追及」 福岡高裁判決 /熊本
(毎日新聞熊本版2016年4月26日)

1審が認めた治水面での違法性も否定する住民側全面敗訴となった25日の路木ダム訴訟福岡高裁判決。原告団長の植村振作さん(79)は「はははは、完敗です。でもこのままでは引き下がれん」と闘志を新たにする。

「もうできてしまったから、市民運動としては完全な負けですもんね。なのに闘い続けるのは、こんな税金の無駄遣いを黙認するわけにいかんからです」

高裁判決の半月前、現地を案内してくれた植村さんは運用中の路木ダムの前で語った。
1936年本渡市生まれ。九大理学部卒業後、30年以上も大阪大の高分子物理学講座で研究しながら、農薬やゴミ焼却時に発生するダイオキシン問題などに警鐘を鳴らし、学者として市民運動を支え続けた。今も「農薬空中散布反対全国ネットワーク」の代表を務める。

「したいことしとったけん、ずっと助手。阪大を追いだそうと、ある国立大の教授にと言われたこともあるけど、断ったよ。助手のままでいたかったのに、最後の最後に外堀埋められて助教授にされてしまって」と笑う。

そんな闘士が定年退職後、帰郷して出合ったのが路木ダム問題。調べると、起きてもいない浸水被害を洪水調節の必要性の根拠とするなど、おかしなことばかり。そうした事実を積み上げて引き出した1審の違法判決を2審はひっくり返した。

「このままだと、行政が選んだ委員が行政が用意した資料のみに基づいて検討する再評価委員会に妥当と言わせれば、住民は手も足もでなくなる。その矛盾を追及し、訴えていきます」【福岡賢正】


◆県営ダム計画「瑕疵ない」、熊本県側逆転勝訴

(読売新聞熊本版2016年04月26日)
http://www.yomiuri.co.jp/kyushu/news/20160426-OYS1T50011.html

熊本県天草市の県営路木(ろぎ)ダムの建設を巡り、蒲島郁夫知事に事業費約20億円の返還などを求めた住民訴訟の控訴審判決が25日、福岡高裁であった。
大工強裁判長は「整備計画に瑕疵(かし)は認められない」として、新たな公金支出を差し止めた1審・熊本地裁判決を取り消し、県側の逆転勝訴を言い渡した。

2014年2月の1審判決は、計画に盛り込まれた過去の浸水被害を「架空」とし、河川法に違反して計画が策定されたと認定。判決確定後の支出を差し止める一方、事業費の返還請求は棄却した。ダムは同年4月に運用を開始している。

大工裁判長は「すでに支出は終了しており、訴えは不適法」と指摘。過去の浸水被害について、「計画に重要な影響を及ぼしたとは言えない」とし、知事への損害賠償請求を棄却した。


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【2016/04/29 00:13】 | 裁判の報告
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                  嶋津 暉之

熊本県営・路木ダムの違法性を問う裁判の控訴審判決が昨日、福岡高裁でありました。
まことに残念ですが、住民側の逆転敗訴でした。
路木ダム計画の根拠となっている1982年豪雨の浸水被害はねつ造されたものであると、一審の熊本地裁は認定しましたが、昨日の高裁判決は、客観的資料がなくても、82年の洪水による浸水被害が存在しないとは言えないとしました。
客観的資料がなくても、「浸水被害が存在しないとは言えない」とするのですから、どうしようもありません。
ヒラメ裁判官、ここに極まれりというところです。

◆路木ダム訴訟、住民側が逆転敗訴 福岡高裁判決
(朝日新聞デジタル 2016年4月26日(火)2時36分配信)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160426-00000013-asahi-soci

熊本県天草市の県営路木ダム建設に公金を支出したのは違法だとして、住民らが蒲島郁夫知事に約20億円の返還などを求めた訴訟の控訴審で、福岡高裁(大工強裁判長)は25日、公金支出は違法だと認めた一審・熊本地裁判決の県が敗訴した部分を取り消し、住民側の請求を退ける判決を言い渡した。
ダムの整備計画に瑕疵(かし)は認められないと判断した。

2014年2月の熊本地裁判決は、県側の「1982年の豪雨で浸水被害があり、ダムが必要だった」とする主張を、この洪水で浸水被害はなかったとして退けるなど、ダム建設は治水面では違法と認定し、公金支出の差し止めを命じた。
一方、蒲島知事が整備計画の違法性を認識するのは困難だったとして、事業費の返還請求は退けた。

高裁判決は、客観的資料がなくても、82年の洪水による浸水被害が存在しないとは言えないとして、一審判決を一部取り消した。

原告団代表の植村振作さんは「強い憤りを感じる。税金の無駄遣いをなくすために、引き続き行政の責任をただすつもりだ」とのコメントを発表し、上告する方向で検討する意向を明らかにした。

蒲島知事は「私どもの主張が認められたと受け止めている」とコメントを出した。(張守男、渡辺松雄)


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【2016/04/26 09:44】 | 裁判の報告
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