「ダム建設の時代は終わった」by米国内務省開拓局長官ウィリアム・ピアーズ
1月7日のNHK 時論公論 「どうするインフラ老朽化」は大変説得力があります。

◆NHK時論公論 「どうするインフラ老朽化」 
(2013年01月07日)
http://www.nhk.or.jp/kaisetsu-blog/100/142887.html

先月起きた中央自動車道・笹子トンネルの天井崩落事故をきっかけに社会インフラの老朽化の問題に関心が集まっています。

高度経済成長期に大量に造られたトンネルや橋、上下水道などがこれからいっせいに寿命を迎え、安全に使い続けるためには維持管理や作り替えに莫大な費用が必要になるからです。

新政権は老朽化対策を含めて公共事業に重点的に投資をするとしていますが、インフラ老朽化の全体像すら十分把握できず、維持管理や造り替えの長期計画もないというのが実情です。今夜はインフラ老朽化対策の課題について考えます。
【インフラ老朽化の現状】

<VTR 笹子トンネル事故>

笹子トンネルの事故ではコンクリート製の天井板がおよそ130メートルにわたって落下し、9人の命が奪われました。トンネルは造られて35年たっており、施工方法や管理の問題に加えて老朽化が背景にあると見られています。

この事故を受けた全国のトンネル点検でも数多くの問題が見つかり、社会インフラの老朽化問題があらためてクローズアップされています。

インフラには、国が管理するもの、都道府県や市町村管理のもの、それに高速道路会社など民間が管理するものがありますが、まず老朽化はどのくらい進んでいるのでしょうか。

インフラの寿命は、特段の手当をしなかった場合、建設から50年ほどと言われています。


▼全国に15万5000ある道路の橋のうち50年を超えているものは、現在およそ9パーセントですが、10年後には26パーセント、20年度には50パーセントを超えます。

▼水門など川の施設や港の岸壁も20年後には半数以上が「寿命」を迎えることになります。

実際に、笹子トンネルのような大惨事に至らなくても、老朽インフラの破損による被害が数多く起き始めています。

<VTR 栄村橋落下>

去年1月、長野県栄村で長さ95メートルの橋が突然崩れ落ちました。地震で被害を受けたうえ、雪の重みが加わったためと見られていますが、この橋は作られてからちょうど50年たっていました。

橋は老朽化で使えなくなるものが増えています。長さ15メートル以上のものに限っても、通行が規制されている橋は1400近くと4年で倍近くになり、通行止めの橋は217もあります。

<VTR 堺市の水道管破裂>

普段目にすることがない水道管も地下で老朽化が進んでいます。大阪・堺市では去年7月、42年たった水道管が破裂し3万3000世帯が断水しました。

調べてみると水道管の厚さはもともと19ミリあったものが、すり減ってわずか6ミリになっていました。全国に張り巡らされた60万キロのうち4分の1が耐用年数を超え、水道管の破裂が各地で頻発しています。


【増大する維持管理・造り替え費用】

こうした施設の安全を確保するために大きな課題になるのはやはり費用です。

このグラフは国土交通省が受け持つインフラにかかっている費用を示したものです。

みどり色の新設費用が1995年をピークに減少しているのに対して、だいだい色の維持管理と造り替え費用は増え続けています。今後も増加を続け2030年代半ばには、新設を含めた今の全体予算を上回ると予想されています。


【維持管理・造り替え費用をどうやって抑えるか】

これまでの公共事業は「新しく造ること」だけを考えて、維持管理や将来の作り替えまでほとんど考えてきませんでした。

道路や橋などの建設は自治体の長や地元国会議員にとって成果をアピールしやすいですが、地味な維持管理や造り替えは評価されにくいという事情もあります。景気対策として国が自治体に押し付けた形の施設も少なくないでしょう。

それらを計画的に維持管理するという発想はなく「壊れたら直す」という考えかたが主流だったのですが、老朽化が危機的な状況になり、そうは言っていられなくなりました。

ただ国も地方も莫大な借金を抱え、人口が減少に向かうなかで公共事業にあてる財源には限りがあります。

▼まず新規の建設は抑えて維持管理と造り替えを優先して財源を確保すること。

▼そして維持管理・造り替えも効率的に進め、費用をできるだけ少なくすることが、求められます。

ここからは、このうち安全を確保しながら維持管理や作り替えの費用を少なくするにはどうしたらよいのか、国と自治体、高速道路の現状に触れながら考えていきます。

重要なことは、まず現在あるインフラの状態を正確に把握したうえで、長期的な維持管理や作り替えの計画を立て、コストを最小限に抑えながら安全を確保する「工程表」をつくることです。現状は、それを検討する基礎データも心もとない状況です。

国土交通省はインフラの作り替えにかかる費用を今後50年間で190兆円と試算しています。

しかしこの数字は大雑把なもので、橋であれば60年という税法上の耐用年数を超えたら造り替えることを想定して仮に算出したものです。しかも上下水道や高速道路は含まれていません。

そこでインフラの維持管理や造り直しに全体でどれくらいかかるのか、計算をし直しています。あわせて寿命の見定め方、寿命を伸ばすための維持管理のあり方、専門技能を持つ人材の育成方法などについて、専門家の委員会で去年から議論を始めたところです。

問題なのは自治体、特に市町村です。古い施設は資料が散逸していつ造られたかすらわからないものも少なくなく、現状の把握から難航しています。


橋については長期の修繕計画を作るよう国から求められていますが、策定が終わったのは4割しかありません。トンネルに至っては、点検の手引書を作っている市町村がひとつもないことが、笹子トンネル事故後の調査でわかりました。

高速道路会社3社も民営化の際、50年間で借金を返すスキームや新規建設の財源論は熱心に議論されましたが、維持管理はコスト削減の対象とされ、造り直しの費用までは議論が及びませんでした。去年からようやく長寿命化と造り直しについて検討が始まったばかりです。

こうしたなか国や全国の自治体に先駆けた取り組みを始めたのが東京・府中市です。

府中市はインフラを長期的に効率よく維持管理するための工程表=「インフラマネジメント計画案」を先月まとめました。道路や橋それに下水度などのインフラの老朽化状況を詳しく調べたうえで、定期的に修繕をするなど計画的な維持管理を行って寿命を伸ばすというものです。

今のやり方だと橋は50年ほどの耐用年数を超えたら作り替えるということを繰り返します。

これに対して工程表では定期的に補修を繰り返すことで耐用年数を100年に延ばします。

そうすること維持管理や補修に毎年お金がかかりますが、トータルでは安くなります。

すべてのインフラで工程表を導入した場合、トータルで比較をすると年間3億円、率にして12パーセント節約できると計算しています。


【まとめ】

老朽化が進むインフラの安全を確保していくために何が必要なのか、整理をすると

▼工程表を作り、効率のよい長期的な維持管理をすること

▼インフラの寿命を伸ばすさらなる技術開発

▼自治体への技術的、人的な支援を強化すること、この3点があげられます。

新政権は景気対策や防災、インフラ対策として公共事業を大幅に増やすとしています。その際には笹子トンネルのような悲惨な事故を二度と繰り返さないために、新しいインフラを造るよりも、老朽化対策を優先する必要があります。

そして残りの予算から新たなインフラをつくる場合も、維持管理や造り替えなど将来の負担増を考えたうえで「本当に必要なものは何か」十分に議論をする必要があると思います。

(松本浩司 解説委員)




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【2013/01/11 01:29】 | TVから
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TBS情報番組で
「八ツ場ダムの金で堤防作ればよかった」
(BIGLOBEニュース 3月20日)
http://news.biglobe.ne.jp/domestic/0320/jc_110320_4390621443.html

たけしさんは、震災被害が大きくなった原因の一つとして、国の備えが足りなかったこともあると見ているようだ。
「よく考えりゃ、八ツ場ダムの金で堤防つくればよかった。簡保の建物なんか全部、備蓄品の倉庫を各県に作ったら、どれだけ助かったか」
などと話している。


★こちらもどうぞご覧下さい

 ・八ツ場あしたの会
 ・八ツ場ダムをストップさせる千葉の会
 ・ダム日記2



【2011/03/21 10:27】 | TVから
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                   雨宮 隆児


第4回 今後の治水対策のあり方に関する有識者会議 議事要旨
http://www6.river.go.jp/riverhp_viewer/entry/y2010e2dcbc5fca258c98cb341ab116e1839f4d1831693.html

   <平成22年2月8日(月)18:00~20:00>

【添付ファイル】
第4回 議事要旨


以下、その中身より

【出席者】
中川座長、宇野委員、三本木委員、鈴木委員、田中委員、
辻本委員、道上委員、森田委員、山田委員、前原大臣、
三日月政務官、中原政策官、佐藤河川局長

【委員からの発表】
○宇野委員より
  堤防の質的強化の流れ、堤防のモデル化と力学定数、
  堤防技術、質的強化の方向性、超過洪水への対応について
  発表が行われた。

○鈴木委員より
  今後の治水理念、森林の影響、
  個別ダムの検証の基準について発表が行われた。

○田中委員より
  災害と情報、河川氾濫と避難、防災知識の課題、
  負担が増す生活再建について発表が行われた。

○辻本委員より
  今後の治水対策のあり方、新規「ダム」に頼らない治水対策の
  実現可能性の検討について発表が行われた。

○その後、委員の間で、
 ・利根川の事例について飽和雨量が小さいのではないか。
  一方、規模の大きい流域で平均化すると小さくなることも
  あり得るのではないか。

 ・大規模な洪水時には森林によるピーク流量の低減効果は
  大きくは期待できないとする、
  日本学術会議答申は妥当と考えられるのではないか。
 ・土地利用制限が適切にできるようになれば避難の必要がなくなるが、
  土地利用制限が難しいため、避難が必要になっているのではないか。

 ・避難のあり方は、東海豪雨以降、
  垂直避難と水平避難に分けて議論されている。
  洪水時については、破堤地点の近傍である、湛水時間が長い、
  土砂災害の危険性がある、浸水深が大きい場合以外は
  避難しない方がいいのではないか。
 ・耐越水堤防は技術的に困難であり、仮に技術的に可能としても、
  多大な費用を要するのではないか。

等について質疑応答があった。

【その他】
○今後のスケジュールについて、次回は「委員からの発表」を引き続き行うこととなった。




★こちらもどうぞご覧下さい

 ・八ツ場あしたの会
 ・八ツ場ダムをストップさせる千葉の会
 ・ダム日記2                

【2010/02/19 01:59】 | TVから
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